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再会は裸の社交場でした
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「あら、男湯のほう混んでるわねえ?」
「個室の湯もあるみたいだし、借りてきましょうか?」
今日は出先の町で、近隣の農地を回っていたマリオンたちだ。
土いじりなどはしなかったが、畑を歩いていたので全身が土埃でうっすら汚れてしまった。
拠点にする町は大衆浴場があったので宿に戻る前に汗と汚れを落としていくことにした。
マリオンは魔導具師として開発用の設計図を引くのが日常だから、地図にお野菜モンスター発生場所を記録して、次に現れる場所の予測計算などはお手のもの。姉妹たちには大いに感謝された。
マリオンはあまり戦うためのスキルや手段を持っておらず、魔法が使える綿毛竜のルミナス頼りなので、役に立てるのは嬉しい。
「何だろ、騎士や冒険者たちが多いね。大丈夫だよ、身体と頭洗ってあったまったらすぐ出てくるから」
「ピュアッ」(おふろ! おふろ♪)
マリオンたちが利用した大衆浴場は町の人たちが楽しみのために使う複合施設だ。
大浴場の他に地熱を利用したサウナや岩盤浴コーナー、マッサージ、軽食やドリンク類を販売しているフードコートも建物内に併設されている。
男湯の浴場内に入ると確かに混んでいる。
ガタイの良い男たちの姿が目立った。
「ルミナス、軽くお湯で水浴びする?」
「ピュイッ」(する!)
たらいにぬるま湯を満たしてやると、仔犬サイズのルミナスは嬉しそうに行水を始めた。
「ピューイッ」(マリオン。ぼく、あっちで遊んでるね!)
軽く全身の羽毛をお湯にくぐらせると、すぐ浮き上がって魔法で水を払って、ふよふよと浮き上がる。
「うん。湯船のお湯は熱いらしいから気をつけて」
マリオンが身体を洗っている隙にルミナスは浴場内を探索するつもりだった。
が、しかし。
「え、何でこんなところに綿毛竜が?」
「あ、前脚にタグ付いてますね。利用客の使役獣みたいです」
浴場内の奥の大型の湯船に、金髪碧眼の若い男と、その周囲に数人の体格の良い男たちがいた。身体つきからすると一般人ではない。今回利用しているという騎士や冒険者たちだろう。
全員特に見覚えはなかったが、まだ十代後半だろう金髪碧眼くんのネオンオレンジ色の魔力には見覚えがあった。
正確には波長だが。
「ピュイ?」(エドくん?)
「え、何で俺のこと……って、お前、ルミナスか!?」
「ピューイッ」(大当たり~)
「あたっ」
とりあえず仔犬サイズのまま後ろ脚でその金髪頭にキックした。
こいつはマリオンが辛い目に遭うことになった元凶!
とりあえずエドアルド王子の頭の上にぽふっと着地して、洗い場にいるマリオンに聞こえないよう湯船の中で後ろ向きになり互いに小声になった。
「え、え、何でルミナスがここにいるの?」
「グアアアア!」(そんなことより言うことがあるでしょ! マリオンをあんなひどい目にあわせて! ばか! エドくんのあほ!)
「あ、やだ、痛いって、こらっ!」
げしっ、げしっと後ろ脚に普段はマリオンを傷つけないよう羽毛の中に隠している爪を出して、エドアルド王子を引っ掻くように蹴った。
「君がいるってことは、もしかしてあそこで頭洗ってるのは……」
「ピュイッ」(マリオンに決まってるじゃん)
湯気で曇ってるにも関わらず、瓶底のように分厚いレンズの眼鏡をかけたままの若い男の子が、少し離れた洗い場にいる。
眼鏡が邪魔で、子供の頃の面影を確認できなかったが、澄んだ水色の魔力は間違えようがない。
「ま、マリオン……裸、初めて見た……」
王子、鼻血、鼻血出てますー!
という側近たちの声がどこか遠かった。
※エドアルド王子→タイアド王国の第二王子。18歳童貞。いきなり銭湯一緒は刺激が強過ぎたw
「個室の湯もあるみたいだし、借りてきましょうか?」
今日は出先の町で、近隣の農地を回っていたマリオンたちだ。
土いじりなどはしなかったが、畑を歩いていたので全身が土埃でうっすら汚れてしまった。
拠点にする町は大衆浴場があったので宿に戻る前に汗と汚れを落としていくことにした。
マリオンは魔導具師として開発用の設計図を引くのが日常だから、地図にお野菜モンスター発生場所を記録して、次に現れる場所の予測計算などはお手のもの。姉妹たちには大いに感謝された。
マリオンはあまり戦うためのスキルや手段を持っておらず、魔法が使える綿毛竜のルミナス頼りなので、役に立てるのは嬉しい。
「何だろ、騎士や冒険者たちが多いね。大丈夫だよ、身体と頭洗ってあったまったらすぐ出てくるから」
「ピュアッ」(おふろ! おふろ♪)
マリオンたちが利用した大衆浴場は町の人たちが楽しみのために使う複合施設だ。
大浴場の他に地熱を利用したサウナや岩盤浴コーナー、マッサージ、軽食やドリンク類を販売しているフードコートも建物内に併設されている。
男湯の浴場内に入ると確かに混んでいる。
ガタイの良い男たちの姿が目立った。
「ルミナス、軽くお湯で水浴びする?」
「ピュイッ」(する!)
たらいにぬるま湯を満たしてやると、仔犬サイズのルミナスは嬉しそうに行水を始めた。
「ピューイッ」(マリオン。ぼく、あっちで遊んでるね!)
軽く全身の羽毛をお湯にくぐらせると、すぐ浮き上がって魔法で水を払って、ふよふよと浮き上がる。
「うん。湯船のお湯は熱いらしいから気をつけて」
マリオンが身体を洗っている隙にルミナスは浴場内を探索するつもりだった。
が、しかし。
「え、何でこんなところに綿毛竜が?」
「あ、前脚にタグ付いてますね。利用客の使役獣みたいです」
浴場内の奥の大型の湯船に、金髪碧眼の若い男と、その周囲に数人の体格の良い男たちがいた。身体つきからすると一般人ではない。今回利用しているという騎士や冒険者たちだろう。
全員特に見覚えはなかったが、まだ十代後半だろう金髪碧眼くんのネオンオレンジ色の魔力には見覚えがあった。
正確には波長だが。
「ピュイ?」(エドくん?)
「え、何で俺のこと……って、お前、ルミナスか!?」
「ピューイッ」(大当たり~)
「あたっ」
とりあえず仔犬サイズのまま後ろ脚でその金髪頭にキックした。
こいつはマリオンが辛い目に遭うことになった元凶!
とりあえずエドアルド王子の頭の上にぽふっと着地して、洗い場にいるマリオンに聞こえないよう湯船の中で後ろ向きになり互いに小声になった。
「え、え、何でルミナスがここにいるの?」
「グアアアア!」(そんなことより言うことがあるでしょ! マリオンをあんなひどい目にあわせて! ばか! エドくんのあほ!)
「あ、やだ、痛いって、こらっ!」
げしっ、げしっと後ろ脚に普段はマリオンを傷つけないよう羽毛の中に隠している爪を出して、エドアルド王子を引っ掻くように蹴った。
「君がいるってことは、もしかしてあそこで頭洗ってるのは……」
「ピュイッ」(マリオンに決まってるじゃん)
湯気で曇ってるにも関わらず、瓶底のように分厚いレンズの眼鏡をかけたままの若い男の子が、少し離れた洗い場にいる。
眼鏡が邪魔で、子供の頃の面影を確認できなかったが、澄んだ水色の魔力は間違えようがない。
「ま、マリオン……裸、初めて見た……」
王子、鼻血、鼻血出てますー!
という側近たちの声がどこか遠かった。
※エドアルド王子→タイアド王国の第二王子。18歳童貞。いきなり銭湯一緒は刺激が強過ぎたw
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