炎上乙女ゲー聖杯伝説~結婚当日に友人王女が婚約者を寝取って婚約破棄なので諦めてた初恋の隣国王弟の攻略に戻ります

真義あさひ

文字の大きさ
46 / 66
「乙女☆プリズム夢の王国」特典ストーリーの世界

魔力継承の仕方

しおりを挟む
 ところで、と休憩中に焚き火で温めて飲んでいた白湯を飲みながらヨシュアが皆に訊いてきた。

「そんなに強い属性別魔力を持ってて、どうやって管理してるの? 違う属性同士で結婚して子供を作ると混ざるよね?」
「それがそうでもないのよね」
「持ってる属性で差別などもないよな。まあ光の魔力持ちだと優遇されるけど」

(乙プリの設定資料集のネタだけど)

「両親が代々続く家だったらって条件が付くけど。父母どちらかが暮らしていた土地で妊娠して生まれ育つことで、ある程度コントロールできると言われてるわ」
「そうですね、同じやり方で子供の外見も両親どちらかに偏って似やすいです」

 ヒューレットが横から補足してきた。

 実際、例えばカーティスは父親のザックス辺境伯と同じ火の魔力持ちで、外見も辺境伯一族特有の赤茶の髪とグレーの瞳だ。

 ヒューレットは王家の近い親戚だが、王家に出やすい金髪ではなく今のノア公爵家に多い水の魔力にヘーゼルブラウンの瞳と銀の瞳。

「私の場合なら、孕んだ土地は母の留学先だったこの国の王都だが、生まれ育ったのは隣国王女の母が隣国に帰国した後だから、母と同じ黒髪だ。ただ、瞳は恐らく実の父と同じだ」

 セドリックの場合、彫りの深い顔立ちは隣国王家のものだ。この国の貴族だった実父の要素は目の色だけだった。
 両親どちらも土の魔力保持者だったこともあり、セドリックは特に強い土の魔法を扱える。

「妊娠時と育った環境の魔力が関係してるのかな? そういえばオレの家も外からどれだけ新しい血を取り込んでも本家の子供は同じ顔になるなあ」
「ヨシュアさんと同じ?」
「そうそう。うちは使用人も同じ一族で固めてるから家の中はみーんなこの髪の色と目の色だね。顔も同じ」
「それは、また」

 青銀の髪と薄水色の麗しの一族なわけだ。想像するだけで圧倒されそうだった。



「エスティア嬢は風の魔力だから……ええと、お母上は四属性だっけ? じゃあお父上似なのかな?」

 その場の空気が凍った気がした。
 ヨシュアはパラディオ伯爵家の内情を知らないから、平気で地雷を踏み抜いてしまっている。

「ええ。私のこのミルクティ色の髪と緑の目は父譲り。顔は母に似たわ」

 どちらも美男と美女だったので、結果として両親の良いとこ取りをした外見に生まれて育っている。

「聖女を輩出するパラディオ伯爵家だっけ? 女系で継承してるのにお父上側の要素が出るようにしたってことは、お母上はお父上にゾッコンだったんだねえ」
「え?」

 何だか予想もしないことを言われて、エスティアは父テレンス譲りの緑の目を瞬かせた。

「本当は外見丸ごとお父上の要素を持った君を儲けたかったんじゃないの?」
「考えたこともなかったわ」

(私が子供の頃にはもう両親は仲が悪かったし)

 両親の結婚は当時の国王、先王による王命だったと聞いている。

(サンドローザが言ってたことが本当なら、お父様が私を冷遇したのは何か事情があったのかも。でも)

 一度は追い出してしまった父親を見つけ出して、話し合いが必要なのは理解している。

 けれど母カタリナの生前から十数年に渡って不仲だったあの父テレンスと和解するイメージが今のエスティアには作れなかった。

(お父様が好き勝手なことをやって、領主の仕事や領内の魔物退治をお母様だけにやらせて過労死させたのは事実。外に愛人と子供がいるのも。私は頭に怪我までさせられた。そんな父親と同じ髪と目の色だなんて)

 いくら前世の乙プリの推しキャラだったとはいえ、萌えが萎びてしまいそうだった。

 救いは、そんな父と同じ髪と目でも、本命のセドリックは綺麗だと言ってくれることだろうか。

(セドリックと復縁したいけど、もう乙女ゲームっぽい選択肢も浮かばなくなってきてるのよね。攻略ルートがあるかもよくわからないし)

 そもそも、ここが本当に『乙女☆プリズム夢の王国』の〝ゲームの中の世界〟かも怪しい。
 これは同じ異世界転生者のサンドローザ王女も言っていた。

(その辺の検証もしなきゃだし。やることが多すぎて追いつかない)

 男性陣が休憩を終えて再出発の準備を始めている。
 エスティアも頭を切り替えて山頂に向かうことにした。





しおりを挟む
感想 59

あなたにおすすめの小説

国一番の美少女だけど、婚約者は“嫌われ者のブサイク王子”でした

玖坂
ファンタジー
気がつけば、乙女ゲームの“悪役令嬢”ポジションに転生してました。 しかも婚約者は、誰もがドン引きする“ブサイクで嫌われ者の王子様” だけど――あれ? この王子、見た目はともかく中身は、想像以上に優しすぎる……!? 国一番の美少女に転生した令嬢と、誰にも愛されなかった王子が、少しずつ成長していく物語。

ゲーム未登場の性格最悪な悪役令嬢に転生したら推しの妻だったので、人生の恩人である推しには離婚して私以外と結婚してもらいます!

クナリ
ファンタジー
江藤樹里は、かつて画家になることを夢見ていた二十七歳の女性。 ある日気がつくと、彼女は大好きな乙女ゲームであるハイグランド・シンフォニーの世界へ転生していた。 しかし彼女が転生したのは、ヘビーユーザーであるはずの自分さえ知らない、ユーフィニアという女性。 ユーフィニアがどこの誰なのかが分からないまま戸惑う樹里の前に、ユーフィニアに仕えているメイドや、樹里がゲーム内で最も推しているキャラであり、どん底にいたときの自分の心を救ってくれたリルベオラスらが現れる。 そして樹里は、絶世の美貌を持ちながらもハイグラの世界では稀代の悪女とされているユーフィニアの実情を知っていく。 国政にまで影響をもたらすほどの悪名を持つユーフィニアを、最愛の恩人であるリルベオラスの妻でいさせるわけにはいかない。 樹里は、ゲーム未登場ながら圧倒的なアクの強さを持つユーフィニアをリルベオラスから引き離すべく、離婚を目指して動き始めた。

乙女ゲームの悪役令嬢に転生したけど何もしなかったらヒロインがイジメを自演し始めたのでお望み通りにしてあげました。魔法で(°∀°)

ラララキヲ
ファンタジー
 乙女ゲームのラスボスになって死ぬ悪役令嬢に転生したけれど、中身が転生者な時点で既に乙女ゲームは破綻していると思うの。だからわたくしはわたくしのままに生きるわ。  ……それなのにヒロインさんがイジメを自演し始めた。ゲームのストーリーを展開したいと言う事はヒロインさんはわたくしが死ぬ事をお望みね?なら、わたくしも戦いますわ。  でも、わたくしも暇じゃないので魔法でね。 ヒロイン「私はホラー映画の主人公か?!」  『見えない何か』に襲われるヒロインは──── ※作中『イジメ』という表現が出てきますがこの作品はイジメを肯定するものではありません※ ※作中、『イジメ』は、していません。生死をかけた戦いです※ ◇テンプレ乙女ゲーム舞台転生。 ◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。 ◇なろうにも上げてます。

一家処刑?!まっぴらごめんですわ!!~悪役令嬢(予定)の娘といじわる(予定)な継母と馬鹿(現在進行形)な夫

むぎてん
ファンタジー
夫が隠し子のチェルシーを引き取った日。「お花畑のチェルシー」という前世で読んだ小説の中に転生していると気付いた妻マーサ。 この物語、主人公のチェルシーは悪役令嬢だ。 最後は華麗な「ざまあ」の末に一家全員の処刑で幕を閉じるバッドエンド‥‥‥なんて、まっぴら御免ですわ!絶対に阻止して幸せになって見せましょう!! 悪役令嬢(予定)の娘と、意地悪(予定)な継母と、馬鹿(現在進行形)な夫。3人の登場人物がそれぞれの愛の形、家族の形を確認し幸せになるお話です。

悪役令嬢の心変わり

ナナスケ
恋愛
不慮の事故によって20代で命を落としてしまった雨月 夕は乙女ゲーム[聖女の涙]の悪役令嬢に転生してしまっていた。 7歳の誕生日10日前に前世の記憶を取り戻した夕は悪役令嬢、ダリア・クロウリーとして最悪の結末 処刑エンドを回避すべく手始めに婚約者の第2王子との婚約を破棄。 そして、処刑エンドに繋がりそうなルートを回避すべく奮闘する勘違いラブロマンス! カッコイイ系主人公が男社会と自分に仇なす者たちを斬るっ!

悪役令息の継母に転生したからには、息子を悪役になんてさせません!

水都(みなと)
ファンタジー
伯爵夫人であるロゼッタ・シルヴァリーは夫の死後、ここが前世で読んでいたラノベの世界だと気づく。 ロゼッタはラノベで悪役令息だったリゼルの継母だ。金と地位が目当てで結婚したロゼッタは、夫の連れ子であるリゼルに無関心だった。 しかし、前世ではリゼルは推しキャラ。リゼルが断罪されると思い出したロゼッタは、リゼルが悪役令息にならないよう母として奮闘していく。 ★ファンタジー小説大賞エントリー中です。 ※完結しました!

悪役令息の婚約者になりまして

どくりんご
恋愛
 婚約者に出逢って一秒。  前世の記憶を思い出した。それと同時にこの世界が小説の中だということに気づいた。  その中で、目の前のこの人は悪役、つまり悪役令息だということも同時にわかった。  彼がヒロインに恋をしてしまうことを知っていても思いは止められない。  この思い、どうすれば良いの?

【完結】ヒロインに転生しましたが、モブのイケオジが好きなので、悪役令嬢の婚約破棄を回避させたつもりが、やっぱり婚約破棄されている。

樹結理(きゆり)
恋愛
「アイリーン、貴女との婚約は破棄させてもらう」 大勢が集まるパーティの場で、この国の第一王子セルディ殿下がそう宣言した。 はぁぁあ!? なんでどうしてそうなった!! 私の必死の努力を返してー!! 乙女ゲーム『ラベルシアの乙女』の世界に転生してしまった日本人のアラサー女子。 気付けば物語が始まる学園への入学式の日。 私ってヒロインなの!?攻略対象のイケメンたちに囲まれる日々。でも!私が好きなのは攻略対象たちじゃないのよー!! 私が好きなのは攻略対象でもなんでもない、物語にたった二回しか出てこないイケオジ! 所謂モブと言っても過言ではないほど、関わることが少ないイケオジ。 でもでも!せっかくこの世界に転生出来たのなら何度も見たイケメンたちよりも、レアなイケオジを!! 攻略対象たちや悪役令嬢と友好的な関係を築きつつ、悪役令嬢の婚約破棄を回避しつつ、イケオジを狙う十六歳、侯爵令嬢! 必死に悪役令嬢の婚約破棄イベントを回避してきたつもりが、なんでどうしてそうなった!! やっぱり婚約破棄されてるじゃないのー!! 必死に努力したのは無駄足だったのか!?ヒロインは一体誰と結ばれるのか……。 ※この物語は作者の世界観から成り立っております。正式な貴族社会をお望みの方はご遠慮ください。 ※この作品は小説家になろう、カクヨムで完結済み。

処理中です...