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黙ってようと決めた。
この縁が途切れるまで、黙って側に居ようと思ってた。
俺が側に居たかったんだ。
告白しない限り、友達で居続ける限り、俺は楓が笑ったり楽しそうに何か話したいと思った時に真っ先に俺に喋ってくれるような、そんな関係を断ちたくなかった。
何時バレたんだろうな。
会社勤めを辞めた楓は元気に昼夜逆転した。
俺が退勤した頃にのそのそと起きて、朝飯だって言うのを聞きながら俺は晩飯を食った。
学生の頃から度々通ったファミレスで。
「なぁ、おみ。」
「ん?」
「俺ん家に住まねぇ?」
デカ目に箸で割ったハンバーグを、噛みもせずにゴキュッと喉が吸い込んだ。一瞬、いや3秒くらい有った筈だ。
俺は確実に息が出来なかった。
好きな奴に、一緒に住まないかと言われた。
バレてないとは思うが、そんな事を言われて平気では居られない。
俺は、学生の頃楓の部屋に遊びに行くことも多々有った。
短パンがダメだった…。膝が見えるだろ。膝の少し上まで見えたらそれだけで俺の目は吸い寄せられて、もっと先まで見たいと思うんだ。
一緒に住んで、万が一にも。
俺が目の前に男でずっと発散してる事が知られたら…俺は、出家する。煩悩を死滅させるしかない。
そんな焦りをゴキュッと変な音を立てた喉で飲み込んだ。あの時の煩悩は確かにハンバーグ味だった。
「急にどうしたんだ。」
いつも通りに話せていろ、と自分を呪いながら平静を装って極自然な会話を特に意識した。普通の会話をしろ、普通の。友達としての会話をするんだ。
「さみしーなって思って、さ。」
ーーーーー
そこそこのファンが着いて、勿論沢山喋ったりした。
けど俺はいつも話を聴く側で、実況する側で。
何っつーのかなぁ。
物足りなさを感じた。
皆は、家族の話とか友達とこんな事が有ったとか色々喋ってくれる訳。それなのに俺は昼夜逆転、一日中家に居てゲームして寝て起きて風呂入って飯食ってまた仮眠してからゲームする。
もう付き合いのある友達ってのが、オミひとりだけだった。
それも夕方過ぎに偶に飯食いに行くだけの仲。
向こうはまだ俺を溶けた目で見てた。
あれから何年経ったと思ってる…5年あれば、高校生は大学を卒業して社会人にだってなるんだ。
人生の分かれ目だろ。
それなのに、こいつはまだ俺の側に居る。
ファンが色んな話を振ってくる。
好きなタイプは、休みの日は何してる、デート行くなら海派?それともインドア派?
そーゆー質問の度に、こいつの目を思い出してた。
良いなって。
こいつにこんだけ思われてる人間が羨ましいと思うくらいなのに。
その相手が俺な事が無性に許せなかった。
けどこの半年。とうとう収入がサラリーマンの平均月給と同じになった。ほんの少しの社会人経験で得た給料を超えた。
思い切ってバイトは辞めた。
そしたらホントに対面で会って会話する人間がひとりしか居ない事に気が付いた。その唯一の男が、まだ俺を好きっぽい。
「さみしーなって思って、さ。」
半分は本音だけど半分は建前。
こいつの側は居心地が良いんだ。もしこのままこいつが俺だけを思って墓場まで行くなら可哀想だって思うだろ。
そんで、何よりも。
他の誰かの隣にこいつが居る、という状況が…思い浮かべただけでも無理だった。
もう良いだろ。
お前、ずっと俺の側に居ろよって…そう言いたかった。
遠回しでもそこは、地道にクリアして行けば良い。
まずはこっちのゲームに乗せてからが勝負
「俺は犬猫じゃないぞ。」
「こんなデケー犬猫見た事ねぇって。んで、どうする?来る?部屋空いてる所使う?」
先制攻撃。
ここで怯んだら負けだって、俺のゲーマーとしての勘が喚いてた。
この縁が途切れるまで、黙って側に居ようと思ってた。
俺が側に居たかったんだ。
告白しない限り、友達で居続ける限り、俺は楓が笑ったり楽しそうに何か話したいと思った時に真っ先に俺に喋ってくれるような、そんな関係を断ちたくなかった。
何時バレたんだろうな。
会社勤めを辞めた楓は元気に昼夜逆転した。
俺が退勤した頃にのそのそと起きて、朝飯だって言うのを聞きながら俺は晩飯を食った。
学生の頃から度々通ったファミレスで。
「なぁ、おみ。」
「ん?」
「俺ん家に住まねぇ?」
デカ目に箸で割ったハンバーグを、噛みもせずにゴキュッと喉が吸い込んだ。一瞬、いや3秒くらい有った筈だ。
俺は確実に息が出来なかった。
好きな奴に、一緒に住まないかと言われた。
バレてないとは思うが、そんな事を言われて平気では居られない。
俺は、学生の頃楓の部屋に遊びに行くことも多々有った。
短パンがダメだった…。膝が見えるだろ。膝の少し上まで見えたらそれだけで俺の目は吸い寄せられて、もっと先まで見たいと思うんだ。
一緒に住んで、万が一にも。
俺が目の前に男でずっと発散してる事が知られたら…俺は、出家する。煩悩を死滅させるしかない。
そんな焦りをゴキュッと変な音を立てた喉で飲み込んだ。あの時の煩悩は確かにハンバーグ味だった。
「急にどうしたんだ。」
いつも通りに話せていろ、と自分を呪いながら平静を装って極自然な会話を特に意識した。普通の会話をしろ、普通の。友達としての会話をするんだ。
「さみしーなって思って、さ。」
ーーーーー
そこそこのファンが着いて、勿論沢山喋ったりした。
けど俺はいつも話を聴く側で、実況する側で。
何っつーのかなぁ。
物足りなさを感じた。
皆は、家族の話とか友達とこんな事が有ったとか色々喋ってくれる訳。それなのに俺は昼夜逆転、一日中家に居てゲームして寝て起きて風呂入って飯食ってまた仮眠してからゲームする。
もう付き合いのある友達ってのが、オミひとりだけだった。
それも夕方過ぎに偶に飯食いに行くだけの仲。
向こうはまだ俺を溶けた目で見てた。
あれから何年経ったと思ってる…5年あれば、高校生は大学を卒業して社会人にだってなるんだ。
人生の分かれ目だろ。
それなのに、こいつはまだ俺の側に居る。
ファンが色んな話を振ってくる。
好きなタイプは、休みの日は何してる、デート行くなら海派?それともインドア派?
そーゆー質問の度に、こいつの目を思い出してた。
良いなって。
こいつにこんだけ思われてる人間が羨ましいと思うくらいなのに。
その相手が俺な事が無性に許せなかった。
けどこの半年。とうとう収入がサラリーマンの平均月給と同じになった。ほんの少しの社会人経験で得た給料を超えた。
思い切ってバイトは辞めた。
そしたらホントに対面で会って会話する人間がひとりしか居ない事に気が付いた。その唯一の男が、まだ俺を好きっぽい。
「さみしーなって思って、さ。」
半分は本音だけど半分は建前。
こいつの側は居心地が良いんだ。もしこのままこいつが俺だけを思って墓場まで行くなら可哀想だって思うだろ。
そんで、何よりも。
他の誰かの隣にこいつが居る、という状況が…思い浮かべただけでも無理だった。
もう良いだろ。
お前、ずっと俺の側に居ろよって…そう言いたかった。
遠回しでもそこは、地道にクリアして行けば良い。
まずはこっちのゲームに乗せてからが勝負
「俺は犬猫じゃないぞ。」
「こんなデケー犬猫見た事ねぇって。んで、どうする?来る?部屋空いてる所使う?」
先制攻撃。
ここで怯んだら負けだって、俺のゲーマーとしての勘が喚いてた。
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