甘々にすっ転べ全集

mimimi456/都古

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35 寂しさ

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#寂しさ


「成程。」

正しく歪、といった笑顔を浮かべるアルバムの中のひとり。

こんな顔を周囲の大人は見ていて
なんとも思わなかったのだろうか。

ランドセルが学生鞄になる頃には
これはもう典型的だと分かる人には分かる表情だった

「成程ね。」

やはり誰かに助けを求めるべきだったのだ。
こんな顔をして何も言わずに過ごすべきでは無かったのだ。

アルバムの何処を見ても。
周りを真似して口角を上げただけの顔で居る少女は
目が笑っていない。

「やっぱりそうか。」

確信した。

やはり私は病気だったのだ。
繊細だとか気の持ち様だとか反抗期とか
そういう事ではなく。
異常事態が毎日起きていたのだ。

そして毎日起きる内に慣れ、耐え方を覚え、笑い方を知らないアルバムが出来て行った。

けれどあの時分の私にはああして過ごす事が最善の策だった。
そう自分で決意した日の事を未だ覚えている。

何時か、バカな子供の頭で良く考えたものだと自分を笑ってやれる日が来ると信じていた。

ねぇ。
どうやらその日は今日だったらしい。
歪な私のアルバムを抱きしめて
私は私と沢山、話し合ってみよう。

答え合わせだ。

「私はがんばったんだね。」

「私はとても聡かったんだね。」

「私はとても優しかったんだね。」

写真を見て思う。

「これ好き?」

「ほんとはこっちが良かったんでしょ?」

「分かる。絶対こっちの方が可愛いよね。」


頭の中の少女は全然笑わないのに
目はきらきらしていっぱい頷いてくれる。

そうじゃないな、と思ったら首を振って答えてくれた。

ちゃんと意思がある。
ちゃんと彼女の中に答えがある。
だから自分で決めた事を貫いたんだ。

「偉過ぎるよ。」

私の妄想に付き合う少女を抱きしめる。
この感情をなんと言えば良いのだろうか。

そしてひとつ思い出した。
とりわけ小さかった彼女は同級生が120、140、と言われる中、身体測定で104.5センチと言われた時、数字が3桁になった事。

更には100を越え110にも届きそうな事に大層喜んで、祖母に報告した。
あと足りない0.5が1センチの半分だと言う事も定規で確認して意気込んで告げたのだ。

「私、巨人さんになれるかもしれん!」

これは思い出すべきでは無かった。
すまぬ過去の私よ。
多分、巨人さんには...マダ ナレテ ナイ ダケヤ

ソノウチ ナレル テ、タブン。


ーーーーー

最近お題がヘラってるの悲しいね。
なんか良いのないかなー。
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