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小話
冬の嫉妬
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腹が立つ匂いがした。ムカつく匂いがする。
「どうしたの、良悟...怒ってる、?」
怒ってる。
正直に言うと、グーでチカラ一杯殴りそうなくらい怒ってる。
でも多分、和己は悪く無い。
玄関を一歩、入って来ただけで匂いがした。
妙な匂いじゃなくて、花の柔軟剤と花の香水を二重にしたみたいな、頭がグラッと揺れるくらいに強い匂いがした。実際、俺は頭が痛いし、立ちくらみがした。匂いが鼻から肺まで入って俺の自律神経をグラグラ揺らしてる。
だから殴りたい。
何処でそんな俺を不快にする匂いを付けて来たんだ、って。
俺が嫌がるの分かってるくせに。
「くさい」
「え…っ、!?」
「指。だと思う。」
リビングのドアを開けて、一歩入っただけの和己が大慌てで自分の右手の甲と左を嗅ぎだした。
「ぅ、わ…」
「くさい。きらい、あたまいたい...から、いやだ。」
「ま、て。待って良悟っ、ちょっと待っててね!手、洗ってくるからそこで【ストップ】!【待ってね】!」
「… …わかった。」
いまはプレイ中じゃないのに。でも、和己がそういうなら待ってあげても良いと思った。俺はコマンド聞くの上手だし、もしちゃんと待てが出来たら和己は褒めないといけないから。それなら、待ってあげても良いと思った。
くさいけど。仕方ない。
ドアノブすら肘を引っ掛けて閉めて行った。
多分、お風呂場でも肘でドアを開けるんだ。
この家に、俺の気に入らない匂いが付かないように。
ーーーーー
スタジオで使う小道具を買いに出掛けてた。勿論、良悟に送ってもらったり、一緒に行くのも有りだと思ってはいたんだけどね。やっぱり、仕事の物を選ぶ時はまだ俺ひとりのほうが良いかなって思うんだよねぇ。
だってほら、良悟と一緒に出掛けたら仕事なんかどうでも良くなるっしょ。良悟が欲しそうな物を見て、良悟が美味しいって楽しそうに食べてくれる顔が見たくなるから、良悟に叱られた。
ーーそれは、駄目だと思う。
そうだねぇ。
これじゃ仕事じゃなくてデートだねぇ、って俺でも分かるよ。だからひとりで出掛けて...ショップにヘアオイルが並んでた。ボトルの色が綺麗とロゴが面白くてもっと近くで見たかったんだよね。光を当ててもボトルの濃いピンクはそのままの色なのか、それとも中身の液体によって色の濃さが変わるのか...フォントの色、変えてンの良いなとか。
そんな事を考えて、ヘアオイルのお試し用ボトルを手に取ってーーそれだけで十分だった。
結構、香りキツイな。
そういえばボトルの底にオイルが溜まってたかも。
だけどほんの10秒も持ってないと思うんだよなぁ。それでも、良悟にはバレちゃったか。
試しにプラプラ、と顔の下で手を振ってみた。
確かにするね。花を煮詰めて香水ぶっ掛けたみたいな匂いが。
そんな匂いより、俺の良悟が頭痛いって言ってるんだ。
あのシリーズのボトル、可愛いかったけど見るのはネットだけにしておこうかな。バシャバシャと泡を洗い流しながら、つい睨んでた。
俺の良悟に不愉快な思いをさせた匂いが、排水溝からジャンジャン流れて行って跡形もなくこの家から消えるように。
「あーー…最悪、」
俺の良悟を泣かせたの、あんなヘアオイルのボトルなんかで。
クソ。
キスしたぁ...い。
ーーーーー
けど何なんだろ、あの匂い。
香水。
和己が、香水?
それこそあり得ない。俺は和己の匂いが好きだから。仕事の時ですら香水は着けない。代わりにスタジオにはフレグランスを炊いてる。ミストで日によってふわっと優しく香るだけのやつを選んでる。
石鹸とか、ブルーオーシャン、とか。花の香りも有るけど。今嗅いだやつと比べたらささやか過ぎるから、フレグランスじゃないと思う。
じゃあ柔軟剤?
それは多分無い。今までも無かった。
けど、香水なら有るーー。
俺の和己はモテる。黙ってればカッコイイし。スタイルも良い。指が長くて俺の太ももをギュッて力入れて掴んで来るのが...っ、えっちで好きだ。ちょっと痛くて、それがゾクゾクする…っ。♡
ーースン。
鼻を鳴らす、とまだほんの少しだけど強い花の匂いが香った気がした。
また女の子に言い寄られたのか。
香水の匂いが手に移るくらい近くて、その女の子が香水を付けた場所を、和己の手が触ったーー浮気だろ。
「は?」
思わず、知らない男の声が出た。
違う。確かに俺の声なんだけど、久しぶりに出した...絶望塗れの低い声は全然、可愛く無かった。
俺、自分の大事な物を取られるのって許せない。
家を出て、和己と二人暮らしをしてから知ったんだ。自分の物は大事にしてれば無くならないし、無くしても諦めなくて良いんだって。探してみる事から始めるんだって。どっかに隠れてるだけかも知れないから。
でもその前に聞きたいかも。
「お待たせ良悟っ、」
「俺以外の触り心地はどうだったーー?」
その花の匂いのする女の子は、俺より可愛かったかよ。
あんまりムカついてたから、多分今なら俺は世界一可愛くないと思う。
ーーーーー
「んふふ♡あはは、!あはぁっ♡まじぃ?♡」
俺の男は、俺が思うより頭がおかしかった。
キレ散らかした俺を一周して更に上回るハイテンションぶりだった。
「りょーごーっ!!♡嗚呼~っ、!ホントに可愛いねぇ♡」
「… … 浮気した?」
「してないよ。♡」
「殴りたい。」
「それは嫌だな良悟。でもセックスでお仕置きされたいなぁ俺。♡良悟が好きな腰振って、俺は1ミリも動いたらダメな奴しよ?♡好きでしょ、良悟。俺に言う事聞かせたいーっ?♡」
「違う。本当の事が知りたい。」
自分でも目がじっとりするのが分かった。もう。分かった。これあれだ。俺の勘違いだ。だってこの喜び用、絶対そうだ。
だから、もうどうでもいい...。
動画見たい。ゲーム実況が良い所なんだ、次で勝負が決まるって時に帰って来て、くさい匂いさせて...それなのに、なんでデレデレしてる。
「なんでってそりゃあ、ねぇ。♡」
良悟の殺意も絶望も、嫉妬もぜんぶ俺のものだからだよっ、て言う。
俺の、良悟なんだからって。
「違うと思う。」
「なんでっ、!?違うくないよっ、?」
「和己が俺のだ。だって...養父は俺だ。」
「うぐ…ゥッ、」
ほらな。
でもこのくらいにお互いの所有権を張り合うくらいが多分、俺達には丁度良い。だって俺達はお互いの為なら結構な自己犠牲をしてしまう。俺が黙ってれば和己に不都合が無いなら、俺は多分黙ってたーーと思う。陸也の事もそうだ。
二人の為なら、俺は自分が削れてもどうでも良いと思う。
けど二人が俺のものじゃなくなるなら、話は別だ。
俺は俺のものが壊されたり無くなったりするのは許せないし、勝手に触らせないでほしい。和己の身体は俺のだ。
「わかったら説明してほしい。怒ってる、俺。」
「ん。わかったよ♡ちゃんと俺の話を聞いて、怒ってね。」
ーーーーー
「すごいな...」
「だろっ?♡」
帰って来るなり良悟が胸に飛び込んで来て、抱き締めた。
コートが冷たい、と文句を言いながらも抱き締めてくれて、じんわりお互いの体温で温くなるまで立ったままくっ付いていた。
靴を脱ぐ時も抱き締めて離れないから、そのまま洗面所まで一緒によたよたしながら歩いて手を洗う間に、良悟がボソッと呟いた。
「俺、カッコ悪い…。」
「何でた?良悟はカッコイイし可愛いだろ?まだ疑ってるのか。」
「違う。けど、カッコ悪いことしたから...慰めてほしい、」
ゴスゴス、とコート越しの背中に頭突きをされた。
全く痛くも無く、可愛いばかりだな。カッコイイ所を探してやらないとな。
良悟を慰めてからリビングに入ると、今度は和己がニヤニヤしていた。あの様子だとかなり嬉しい事があったらしい。きっと良悟絡みだな。なんて簡単な推理だ。
「俺、先に布団行くっ、おやすみっ、!」
「ああ。おやすみ良悟。」
「えぇーーなんでぇ良悟ぉっ、俺寂しいなぁあーっ」
「知らない!おやすみっ、!」
耳まで真っ赤にして良悟がリビングのドアをキッチリ閉めて行ってしまった。この家のドアを何処もかしこもほんの少し、開けておく事にしてるんだがな。
本人が閉めたなら、仕方ない。
早めに寝室に行くか。きっと寂しがるだろうからな。
「それで、何が有ったんだ和己」
そう尋ねると、冬のモコモコパジャマの裾を胸まで捲り上げて肌を見せてくれた。キスマークだらけだった。それも、付けられたばかりらしい赤だ。
「俺、浮気を疑われてさぁ。♡」
「ははっ、そうかっ!ふ…っ、くく、それで?吸われたのか」
「かぁわいいよなぁー♡お仕置きだってぇ。」
「俺の時は容赦無く噛むんだがな。」
それも毎回、首だ。結構危ない所を噛まれている自覚は有る。痛むしな。
俺も良悟の首には危ない魅力を感じる。好きなんだ。どうしようもなくな。
だが和己の場合は、全身か。
「お互い厄介な愛され方をしているな。」
「最高じゃん。♡」
「ああ。そうだな。」
俺も厄介な愛し方をしてしまっている。良悟のキスマークばかりで埋め尽くされた和己の身体は、唆る。折角の晩ごはんより、目が釘付けになっている。
「ふぅん?♡」
「どうした?」
「俺のこの身体、好きだろ陸也ぁ。」
「ああ。愛してるぞ。」
「俺も、この身体だぁいすき♡」
デレデレ笑いながら、目がドロっとした熱を孕んでいて。この腹黒いチャラチャラした男のことも俺は愛してるんだ。抱きたい。腰がそわつく。特に二人がすれ違っていると間に居座って意地の悪い事をしたくなる。
嗚呼、可愛い事だな。
「陸也ぁ。」
「うん?」
「早く飯食って風呂入れよ。」
「… …良いのか」
「違ぇわ、ベッド。良悟が待ってンの。ほら、コート脱げよ。飯、炊き立て食う?」
「ああ。」
「オッケー。」
ーー完
「どうしたの、良悟...怒ってる、?」
怒ってる。
正直に言うと、グーでチカラ一杯殴りそうなくらい怒ってる。
でも多分、和己は悪く無い。
玄関を一歩、入って来ただけで匂いがした。
妙な匂いじゃなくて、花の柔軟剤と花の香水を二重にしたみたいな、頭がグラッと揺れるくらいに強い匂いがした。実際、俺は頭が痛いし、立ちくらみがした。匂いが鼻から肺まで入って俺の自律神経をグラグラ揺らしてる。
だから殴りたい。
何処でそんな俺を不快にする匂いを付けて来たんだ、って。
俺が嫌がるの分かってるくせに。
「くさい」
「え…っ、!?」
「指。だと思う。」
リビングのドアを開けて、一歩入っただけの和己が大慌てで自分の右手の甲と左を嗅ぎだした。
「ぅ、わ…」
「くさい。きらい、あたまいたい...から、いやだ。」
「ま、て。待って良悟っ、ちょっと待っててね!手、洗ってくるからそこで【ストップ】!【待ってね】!」
「… …わかった。」
いまはプレイ中じゃないのに。でも、和己がそういうなら待ってあげても良いと思った。俺はコマンド聞くの上手だし、もしちゃんと待てが出来たら和己は褒めないといけないから。それなら、待ってあげても良いと思った。
くさいけど。仕方ない。
ドアノブすら肘を引っ掛けて閉めて行った。
多分、お風呂場でも肘でドアを開けるんだ。
この家に、俺の気に入らない匂いが付かないように。
ーーーーー
スタジオで使う小道具を買いに出掛けてた。勿論、良悟に送ってもらったり、一緒に行くのも有りだと思ってはいたんだけどね。やっぱり、仕事の物を選ぶ時はまだ俺ひとりのほうが良いかなって思うんだよねぇ。
だってほら、良悟と一緒に出掛けたら仕事なんかどうでも良くなるっしょ。良悟が欲しそうな物を見て、良悟が美味しいって楽しそうに食べてくれる顔が見たくなるから、良悟に叱られた。
ーーそれは、駄目だと思う。
そうだねぇ。
これじゃ仕事じゃなくてデートだねぇ、って俺でも分かるよ。だからひとりで出掛けて...ショップにヘアオイルが並んでた。ボトルの色が綺麗とロゴが面白くてもっと近くで見たかったんだよね。光を当ててもボトルの濃いピンクはそのままの色なのか、それとも中身の液体によって色の濃さが変わるのか...フォントの色、変えてンの良いなとか。
そんな事を考えて、ヘアオイルのお試し用ボトルを手に取ってーーそれだけで十分だった。
結構、香りキツイな。
そういえばボトルの底にオイルが溜まってたかも。
だけどほんの10秒も持ってないと思うんだよなぁ。それでも、良悟にはバレちゃったか。
試しにプラプラ、と顔の下で手を振ってみた。
確かにするね。花を煮詰めて香水ぶっ掛けたみたいな匂いが。
そんな匂いより、俺の良悟が頭痛いって言ってるんだ。
あのシリーズのボトル、可愛いかったけど見るのはネットだけにしておこうかな。バシャバシャと泡を洗い流しながら、つい睨んでた。
俺の良悟に不愉快な思いをさせた匂いが、排水溝からジャンジャン流れて行って跡形もなくこの家から消えるように。
「あーー…最悪、」
俺の良悟を泣かせたの、あんなヘアオイルのボトルなんかで。
クソ。
キスしたぁ...い。
ーーーーー
けど何なんだろ、あの匂い。
香水。
和己が、香水?
それこそあり得ない。俺は和己の匂いが好きだから。仕事の時ですら香水は着けない。代わりにスタジオにはフレグランスを炊いてる。ミストで日によってふわっと優しく香るだけのやつを選んでる。
石鹸とか、ブルーオーシャン、とか。花の香りも有るけど。今嗅いだやつと比べたらささやか過ぎるから、フレグランスじゃないと思う。
じゃあ柔軟剤?
それは多分無い。今までも無かった。
けど、香水なら有るーー。
俺の和己はモテる。黙ってればカッコイイし。スタイルも良い。指が長くて俺の太ももをギュッて力入れて掴んで来るのが...っ、えっちで好きだ。ちょっと痛くて、それがゾクゾクする…っ。♡
ーースン。
鼻を鳴らす、とまだほんの少しだけど強い花の匂いが香った気がした。
また女の子に言い寄られたのか。
香水の匂いが手に移るくらい近くて、その女の子が香水を付けた場所を、和己の手が触ったーー浮気だろ。
「は?」
思わず、知らない男の声が出た。
違う。確かに俺の声なんだけど、久しぶりに出した...絶望塗れの低い声は全然、可愛く無かった。
俺、自分の大事な物を取られるのって許せない。
家を出て、和己と二人暮らしをしてから知ったんだ。自分の物は大事にしてれば無くならないし、無くしても諦めなくて良いんだって。探してみる事から始めるんだって。どっかに隠れてるだけかも知れないから。
でもその前に聞きたいかも。
「お待たせ良悟っ、」
「俺以外の触り心地はどうだったーー?」
その花の匂いのする女の子は、俺より可愛かったかよ。
あんまりムカついてたから、多分今なら俺は世界一可愛くないと思う。
ーーーーー
「んふふ♡あはは、!あはぁっ♡まじぃ?♡」
俺の男は、俺が思うより頭がおかしかった。
キレ散らかした俺を一周して更に上回るハイテンションぶりだった。
「りょーごーっ!!♡嗚呼~っ、!ホントに可愛いねぇ♡」
「… … 浮気した?」
「してないよ。♡」
「殴りたい。」
「それは嫌だな良悟。でもセックスでお仕置きされたいなぁ俺。♡良悟が好きな腰振って、俺は1ミリも動いたらダメな奴しよ?♡好きでしょ、良悟。俺に言う事聞かせたいーっ?♡」
「違う。本当の事が知りたい。」
自分でも目がじっとりするのが分かった。もう。分かった。これあれだ。俺の勘違いだ。だってこの喜び用、絶対そうだ。
だから、もうどうでもいい...。
動画見たい。ゲーム実況が良い所なんだ、次で勝負が決まるって時に帰って来て、くさい匂いさせて...それなのに、なんでデレデレしてる。
「なんでってそりゃあ、ねぇ。♡」
良悟の殺意も絶望も、嫉妬もぜんぶ俺のものだからだよっ、て言う。
俺の、良悟なんだからって。
「違うと思う。」
「なんでっ、!?違うくないよっ、?」
「和己が俺のだ。だって...養父は俺だ。」
「うぐ…ゥッ、」
ほらな。
でもこのくらいにお互いの所有権を張り合うくらいが多分、俺達には丁度良い。だって俺達はお互いの為なら結構な自己犠牲をしてしまう。俺が黙ってれば和己に不都合が無いなら、俺は多分黙ってたーーと思う。陸也の事もそうだ。
二人の為なら、俺は自分が削れてもどうでも良いと思う。
けど二人が俺のものじゃなくなるなら、話は別だ。
俺は俺のものが壊されたり無くなったりするのは許せないし、勝手に触らせないでほしい。和己の身体は俺のだ。
「わかったら説明してほしい。怒ってる、俺。」
「ん。わかったよ♡ちゃんと俺の話を聞いて、怒ってね。」
ーーーーー
「すごいな...」
「だろっ?♡」
帰って来るなり良悟が胸に飛び込んで来て、抱き締めた。
コートが冷たい、と文句を言いながらも抱き締めてくれて、じんわりお互いの体温で温くなるまで立ったままくっ付いていた。
靴を脱ぐ時も抱き締めて離れないから、そのまま洗面所まで一緒によたよたしながら歩いて手を洗う間に、良悟がボソッと呟いた。
「俺、カッコ悪い…。」
「何でた?良悟はカッコイイし可愛いだろ?まだ疑ってるのか。」
「違う。けど、カッコ悪いことしたから...慰めてほしい、」
ゴスゴス、とコート越しの背中に頭突きをされた。
全く痛くも無く、可愛いばかりだな。カッコイイ所を探してやらないとな。
良悟を慰めてからリビングに入ると、今度は和己がニヤニヤしていた。あの様子だとかなり嬉しい事があったらしい。きっと良悟絡みだな。なんて簡単な推理だ。
「俺、先に布団行くっ、おやすみっ、!」
「ああ。おやすみ良悟。」
「えぇーーなんでぇ良悟ぉっ、俺寂しいなぁあーっ」
「知らない!おやすみっ、!」
耳まで真っ赤にして良悟がリビングのドアをキッチリ閉めて行ってしまった。この家のドアを何処もかしこもほんの少し、開けておく事にしてるんだがな。
本人が閉めたなら、仕方ない。
早めに寝室に行くか。きっと寂しがるだろうからな。
「それで、何が有ったんだ和己」
そう尋ねると、冬のモコモコパジャマの裾を胸まで捲り上げて肌を見せてくれた。キスマークだらけだった。それも、付けられたばかりらしい赤だ。
「俺、浮気を疑われてさぁ。♡」
「ははっ、そうかっ!ふ…っ、くく、それで?吸われたのか」
「かぁわいいよなぁー♡お仕置きだってぇ。」
「俺の時は容赦無く噛むんだがな。」
それも毎回、首だ。結構危ない所を噛まれている自覚は有る。痛むしな。
俺も良悟の首には危ない魅力を感じる。好きなんだ。どうしようもなくな。
だが和己の場合は、全身か。
「お互い厄介な愛され方をしているな。」
「最高じゃん。♡」
「ああ。そうだな。」
俺も厄介な愛し方をしてしまっている。良悟のキスマークばかりで埋め尽くされた和己の身体は、唆る。折角の晩ごはんより、目が釘付けになっている。
「ふぅん?♡」
「どうした?」
「俺のこの身体、好きだろ陸也ぁ。」
「ああ。愛してるぞ。」
「俺も、この身体だぁいすき♡」
デレデレ笑いながら、目がドロっとした熱を孕んでいて。この腹黒いチャラチャラした男のことも俺は愛してるんだ。抱きたい。腰がそわつく。特に二人がすれ違っていると間に居座って意地の悪い事をしたくなる。
嗚呼、可愛い事だな。
「陸也ぁ。」
「うん?」
「早く飯食って風呂入れよ。」
「… …良いのか」
「違ぇわ、ベッド。良悟が待ってンの。ほら、コート脱げよ。飯、炊き立て食う?」
「ああ。」
「オッケー。」
ーー完
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