【完結】【R18】 二人の主人と三人の家族

mimimi456/都古

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本編'24

4月25日

未だにタバコ休憩が許されているのは良かった。
百害あって一利なしと言うが、忘れ草だと言う話も有る。

ああ、良悟に会いたい。

「おう、お疲れ。」

「お疲れ様です」

俺だけで済む話なら幾らでも構わない。
終わらない仕事、回らない工程、降りない許可、パワハラ、モラハラ。

嫌な流れだ。

「千田。」

「はい?」

「お前、今年参加するんだってな。」

「はい。」

毎年行われるこの辺り合同のイベントは、その年に建てた家の数、売上、優秀なデザインに工夫を凝らした設計、そう言ったものを業界で共有する。
席は無く、立って気軽に飲み食いしながら下請けも呼び、他事務所、ハウスメイカー、工務店等と顔を合わせる。

椎木しぎさんは今年参加されますか?」

「ハッ、誰が行くかよあんな所。野郎ばっかでムサっ苦しい。」

「そうですか。」

俺の先輩はだいぶ前に辞めて、別の事務所に移った。
今は椎木しぎさんが俺の上司で面倒も見て貰っている。
一昨年のイベントはこの人が一緒で大分助かったんだがな。

「おい、俺は子守はしねぇぞ。」

物言いは悪いく、しょっちゅう怒鳴ってる。
この人から物を教わるには、先に幾つもの問題をクリアしなくてはならない。
そのせいで同期や新人に嫌われても、この人の仕事はウチの誰よりも誠実で丁寧だと先輩が話していた。

「分かってます。」

最近は弟子のお陰で、新たな一面を見せて貰ってる。
元々、面倒見の良い人なんだろうなと思う。
そうでなくては、あんな図面は引けない。

「俺は、行かねぇがミズナを押しといた。気を付けろよ。お前嫁さん居ただろ。」

「それを今、悩んでいる所です。どう守ったら良いのか。」

仕事の進め方は先輩に教えて貰った。
それは今も変わらず、後輩にも可能な限り同じ様にしてやりたい。
そしてクライアントへの誠実さはこの人を見習う事にしてる。

「俺に...、そんな事を言うのはお前かアイツくらいだぞ。」

「すみません。椎木さんに聞くのが一番ですから。」

タバコ1本分、長い様な短い様な時間で。
俺はひとつだけ知らないフリをする。

「ミズナに聞け。俺は同業じゃねぇから分からん。」

「ありがとうございます。」

同業ゲイじゃない、と言いながら和己の事を嫁さん、と言ってくれるこの人が何か良い手があるかも知れないから、と自分の弟子に聞けと言う。

その理由を俺は知らない。知らないフリをする。
この人から直接聞いた話では無いからだ。

だが、一番弟子の事は知ってる。
アイツの事だ。
また纏わりついて椎木さんを困らせたな。

結果、今年のイベントに椎木さんは参加せず。
その秘蔵っ子が出る。
師匠譲りの口の悪さだからな。

喫煙所を出て、弟子を探す。
ミズナ、ミズナ、と椎木さんは呼ぶが元々は菜っ葉だった。
食える葉っぱ、所詮は雑草。青二才。

それがいつからか、苗字に近い水菜になった。
雑草から雑草の固有名詞になったぞ、と喜んでたなぁ。

水楢みずなら、」

「お、なんだ千田じゃん。シギさんから聞いたか?」

「さっきな。すまん。」

「何だよ。何も謝る事無ぇだ...ろ、なぁ、もしかして、おい!ちょっと耳貸せ千田っ、」

ちょいちょい、と手招きされて頭を寄せると興奮気味の囁きが鼓膜に届いた。

「もしかして、シギさん照れてたっ、?」

「いや。すまんが俺には何時も不機嫌そうに見える。」

「ンな訳ねぇだろ、!?お前の目は節穴か、!?」

「... ... 。」

思わず遠い目で部屋の隅を眺めてしまったな。
こいつはこういう奴だ。
 
良悟に会いたい。和己の顔も見たい。

俺達3人がそうである様に、椎木さんにぴったり合うのもコイツしか居ないんだろうな。

水楢みずなら、お前ならどうする」

「それな。」

ーーーーー


「和己、ちょっと良いか。」

「なに?」

「パートナー同伴のパーティーが有る。」

「あ、そう。」 

「それが、もしかしたら断りきれないかも知れない。」

「ふぅん。」

ぎゅ、と眉を寄せて"心底気に食わない"と言う様な顔をして突っ立ってる。
そういえば一昨年にもこの時期、パーティーが有ると言っていたな。
あの時は良悟と迎えに行った筈だけど。

「恐らく、同性のパートナーだからと言うのは、会場に入ってしまえば気にならないと思うが。」

「思うが?」

「多分ナンパされる。」

「何だそれ。俺が?お前が?」

「分からん。顔の良い男が好きらしい。」

「どっかのご令嬢?それくらい何とかするけど。」

「いや、令嬢じゃない。」

「何だよはっきり言え。」

「一昨年、男の腰を抱く男を見た。」

「あぁ。」

そういうのは俺にも心当たりが有る。
可愛い物、綺麗な物を作る男は女から見ても男から見てもそれだけで魅力的。

好きな物を作ってくれる奴の事は好きになっちゃうじゃん。
羨ましいとか憧れるとか、もっと色んな作品を見たいと思って近付き過ぎた結果、俺も男に腰を抱かれた事がある。

あれはキモかったなぁ。

良悟がこれ以上無いくらい膝でぎゅっ、て締めて騎乗位してくンなかったら、結構な悪夢だったわ。

ああー…可愛い。くそかわ。思い出すだけで可愛い。
そう言えば最近騎乗位シてないな。

「去年は断ってたじゃん。」

「一昨年出たからな。それで断れた。」

「じゃあ無理か。」

「美人な彼氏を連れて来いとも言われてる。お陰で住宅手当を外すべきか考えている。」

それはセクハラか?
そんでパワハラか?
貰ってるのは住宅手当だ。扶養手当じゃないだろ。

「手当て出してやってンだからパーティー出ろよってか?」

「そうだな。そんな風なことも言われた。」

「それ断ったら仕事干されたりする?」

「どうだろうな。」

一息付いて挨拶が終われば、ハッテン場の出来上がりってか。
そんな所にガタイが良くて、面倒見も顔も良いコイツと。
コイツが選んだ噂の美人な彼氏は良い話題になる訳か。

「男にナンパされた感想は?」

「いや。あれがナンパだったと気付いたのは後からだったからな...、単に会話しただけで終わっ、た。」

「へぇ。ナンパだった事には気付いた訳だ。」

「別の男が、男の腰を抱く所を見て、それで上司も側に居てくれて」

「ふぅん。」

そう言えば無意識なのか、女の子を目で追うコイツを見た事がある。
けど、決まってそういう子達は黒髪ショートで、高いヒールを履いていて。
身長が良悟と変わらない事を俺は知ってる。

ノンケなのか一途なのか分かんない奴だな、と思ってさ。

「和己、」

「なんだ...っ、ておい、顔真っ青じゃん、!?」

「俺は浮気、したと思うか。」

「馬鹿かよそんな訳」

「答えてくれ...っ、」

コイツのこんな顔は初めて見たな。
切羽詰まったり、焦ったり、怒ったりした所は見た事あるけど。
そんな情け無い顔見てらんないっての。

「ナンパされたくらいで浮気になる訳無いだろ。」

「そう、なのか、」

「お前がそのナンパ男を一瞬でも抱きたいって思ったンならーー俺が、ここで今ぶん殴ってやるよ。」

「無い。あり得ない。」

「じゃあ良いだろ?つーか、今までも女の子にナンパされた事あるだろ。この前も歯型で済んでたじゃん。」

「あれは、良悟の想定内だから平気なんだが...っ、男の場合が有るとは、考えてなかった、」

陸也が落ち着き無く視線を彷徨わせ、腕を組んでは外し、拳を握ったりしてる。
オーケー。
これ俺じゃ無理。
良悟じゃないと駄目な奴だ。

「とりあえず、寝室行けよ。パーティーには行ってやる。二人で指輪してぴったりくっついてれば良いんじゃねぇの。」

「... 良い響きだな。」

「良かったな。」

「来てくれるか、和己。」

「パートナーだからな。けど良悟が許すかどうかは別の話だろ。良いから行って話して来いよ。そんで、その顔どうにかしろ。」

せっかく早く帰って来たんだ。
良悟は今日、寝室に早めに籠って映画見るって張り切ってたんだけどね。

「良悟に嫌われたら耐えられる気がしない、」

「陸也。」

ーー馬鹿な奴。

それで、めんどくさい。

それは、昔からか。
何をごちゃごちゃ考えてるんだか。
良悟がそんな事で嫌う訳無いだろ。

首輪、軟禁、ドッグタグ、挙句にGPSをお守りに出来る様な子がナンパされた位で嫌いになるかよ。
せいぜい歯形が付いて暫く痛むだけだ。
さっさと行け、と廊下を指差すとまだ青い顔のままで寝室に入って行くのを見送った。

「肩でも首でも捧げて来い。」

そんで。
早く復活しろ。

「はぁーー…。」


人間めんどくせぇ。
マジであんま気にすんなよ。

キスぐらいしてやれば良かったなぁ。

「いいなーぁー」

俺、噛まれた事無いんだよねぇ。
良悟が噛んでくれたら、アイツにもキスしてやろ。

ーーーーー

覚えている事はあまり無い。

何時も腹が減っていて、家のあちこちで食い物を探していた。
両親は家に居なかった。
浮気が原因だと聞いた覚えがある。

知らない男が家に来て、俺はアパートの駐車場で待つ。
男が家を出て母が部屋の前から手招きするまでだ。

それが何時からか、帰ってこないという事に気付いた。
ドアの外に座り込んで、どうしたら良いのか悩んでたら日が暮れて。
二つ隣の部屋の人が帰って来たから、声を掛けた。

おれはどうしたら良いですか。

行く所もなく。
捨てられたのか置いて行かれたのか、という事は子供にも分かった。
ーーーーー

「陸也。」

「ふ...っ、ぅ、」

「りくや。」

膝に乗って、頭を抱き寄せて耳をはむっと食べて、舐めて、歯を立てる。
顎にも吸い付いて、はむっと食べて、舐めて、歯を立てる。

次は首。
でも、喉仏も良いな。

「陸也。」

何時もなら直ぐに熱くなる身体が、今夜はまだぬるい。
少し冷たいくらいだ。

「大丈夫。」

帰って来た時は、なんか変な顔してると思ったけど。
ご飯も風呂も済ませて寝室に来た時は、明らかに顔色が悪かった。
俺が甘かったんだ。

結構昔だ。女の子にナンパされる陸也嫌いだ、って言った。
俺がどうしても欲しかった男を、自分にもチャンスがあると思って寄ってくるからムカつく。

俺のだって分かる様にしたい、って言ったら。

歯型でも付けてくれるのかって言うから。
まぁ、せっかく頑丈な身体だし。
何時も食われそうなキスされて、偶には食われてみろよと思ったから。

ーーじゃあ、今度から女の子にナンパされたら歯型1個付ける。
それで、このモヤモヤを収める事にする。

そんな風な事を言った。
そこに、男は入れてなかった。
だからこんな顔させて、俺に謝りに来てる。

俺も和己も、別に男が好きって訳じゃ無いと思う。
でも、陸也がカッコいいのも和己がイケメンなのも分かる。
俺は、雰囲気がなよなよしい。可愛い子犬系。

俺だってイケメンになりたい。
いや、高校くらいまではイケメンだった気がする。
抱いてくれて好き好き言われるうちに、表情が変わった自覚は有る。

ひとに物騒な視線投げるままの俺だったら、イケメンだったのに。
今は自分の心配性な男がしゅんとしてるのを慰めてあげたい。

握り込んだ手をにぎにぎして、膝に乗り上げてキスをして、落ち着くのを待つ。

視野が狭くなって、おかしな事ばかりが頭を過るんだ。
陸也は俺に嫌いになったか、って聞いた。
そんな訳ないだろ。

「俺達は恋人じゃない。」

「俺達はフツーじゃない。」

「けど、家族だよ。」

本当なら陸也の養子になってあげたかった。
母親の名前が入った戸籍から陸也が抜けた。
その選択を側で見守った事を俺は忘れないと思う。

書類で済むんだな、と思った。

たった紙切れ1枚でも。
こんなに重い紙切れ、他に無いなと思った。

これで陸也は母親の戸籍には戻れない。

けど俺は、結局ギリギリまで悩んで戸籍は抜けない事にした。
本当は陸也の養子になってあげたかったのに。
でも、他にも手は有った。
和己が陸也のパートナーになった事で、俺は書類上は遠いけど陸也の家族になった。

言葉だけで、信じろって言って乗り越えられる壁じゃ無かった。
けど、今なら。
小難しい市の書類と、弁護士の公正証書が俺達に着いてる。

俺達の関係を終わらせるのは、離婚届を出すより難しい。
でも、それで良いと思った。
3人で決めたんだ。

誰がどれだけ辛くても側に居て支えたい。
誰ひとり我慢と苦痛を強いられない、公平な立場でいたい。

それが俺達の"家族"。

「陸也。」

「陸也。」

返事するまで呼ぶ。

俺達は知ってるんだ。
大事なひとに名前を呼ばれる事が、どれだけ嬉しい事なのか。

怒鳴りもせず、怒りもせず、何か用がある限り呼ばれない。
そんなのこの家の中では起こらない。
こっちを向いて欲しいってだけで名前を呼んでくれる人が居て、呼ばれたら嫌じゃ無い限りは返事してあげないといけない。

ハグと一緒だ。

俺は陸也が好き。
好きだから何回呼んでも良い。
だから、陸也が嫌じゃなければ返事しないといけない。

ぽたぽたっ、と左耳の上に濡れた感触がする。
じわっと頭皮と髪を濡らして、止まりそうにない。

「ハグでも良いよ...っ、ふ、ぅっ、」

息が詰まりそうな圧迫感のハグ、と言うより締め上げてる...っ、気がする、

「り、くや、陸也...っ、締まって、る」

「むりだ、」

「ふ、うーー…っ、は、ふっ、ぅ」

「良悟。」

「ぁ、まって、ゃだ、」

「愛してる。」

「ひっ、ンっ、!?」

「愛してる。」

「ぃや、いやだ、まって、それいや...っ」

最悪。くそっ、嫌なやつだ。
何処にも触られてないのにっ、耳だけ、耳だけで腰がカクカクする...っ、♡
締められてて、苦しいせいで、でも、この苦しいの、セックスに似てる、んだ

「愛してる。」

「うぅ...っ、だめぁ、あ♡」

急激に上がり始めた陸也の体温。
同時に匂い立つ、俺の好きな匂い。
呼吸するだけで肺が重くなるような、濃い匂いのする首が目の前にある。

締め上げられて、甘い痺れる身体。
酸素が薄くてぼーっとする頭。
大好きな声が気持ち良くて、腰がカクカクして、前も後ろも擦れてる。

「いく、いくっ、やだ...、耳でいくのいやぁ、」

「良悟。良悟。」

呼ばれたら返事してあげないといけない。
でも耳の中に声を吹き込まれてたら、返事できなぃっ、♡

「うぅーー…っ、ンっ、く、イクっ、イ、クイクーっ、!」


ああ。最悪。
耳でイッたなんて、最悪っ、とぷとぷっ出てる、かっこわるいぃ...っ、

「はぁーっ、はぁ、はあっ、は、あ、うぅ?」

締め付けが解けて、思う存分酸素を吸ってたら、口を塞がれた。
まだ、息してるだろっ、!?

「ううっ、り、く...っ、さんそ、さんそほしっ、い!」

痺れる身体で思いっきり肩を殴り付けた。
多分、全然力入ってない。
それでも鎖骨を狙ったお陰で、痛かったらしい。

はっ、ざまあっ、ふっ、はぁ。

「すまん、つい」

とりあえず、酸素吸って。息整えて。
もう一回。
もう一回、呼ぼう。

「陸也。」

「なんだ」

「陸也。」

「良悟。あまり呼ばれると、また泣きそうになるんだが。」

泣けば良いだろ。
俺なんかしょっちゅう泣いてる。
俺が30回泣いてやっと陸也が1回泣くくらい、別に何とも無い。

恥ずかしさなら、声だけでイク俺の方だ。

「良いけど、先に着替えたい。」

べたべたで、どう見ても慰めてた側の格好じゃ無い。

「そう言えば、聞いても良いか良悟。」

「なに?」

「何で和己の事は噛んでやらないんだ。何時も、羨ましそうな顔をされる。」

「あ、そう?」

「少し心苦しいな。」


そうは言っても。
そもそも噛んで欲しい、と言われた事が無い。
いやでも、陸也を噛みたいと思うからそれは言い訳か。

「なんか、うっかり血が出たら怖い...。」

「俺は良いのか。」

「陸也は筋肉が有る。和己は、無い。」

「ああ。なるほどな。」

「そんなに見てる?」

「ああ。羨ましそうに見てるぞ。」

「そっかぁ。何で言わないんだ。真っ先に俺もって言うタイプなのに。」


この前のプロポーズの時もそうだし。
何しても、俺もって言ってくる和己は可愛い。
三人一緒なのは嬉しい...し、

「あ。」

「ん?」

「もしかしてヤキモチか。」

「結構、溜め込むからな。」

そう。和己は俺よりずっと我慢強い。
俺はダメだ。
直ぐ愚痴って喚いて、当たり散らして良い事になってる。

二人がそうした。

「陸也、和己の一番筋肉着いてるとこって、どこ?」

「どこ、だろうな。触ってみるか。」

「そこなら、噛めるかも。」


そもそも、噛まれたら痛いだろ。
歯型なんてほんの数分しか残らないし、残ったとしても痛みだけで。
噛まれる側の良い所なんて、俺には分からない。

噛む側は。
すっきりするし、マーキング出来た気になって良い気分だけど。

「良悟、助かった。」


膝の上でわしゃっと髪を撫でられて、何時もと同じキスが降ってくれば。

もう大丈夫なんだな、と思える。

「俺も、良かった。」

陸也が大丈夫なら俺も安心出来る。
良かった。
あとは、心配してるだろう和己を安心させないとな。

「着替えたい。」

「手伝う。」

「ひとりで出来る」

「俺がしたいんだ。見せてくれるか良悟。」



それは手伝い、とは言われないと思う...っ、!

ーーーーー

結果、和己に筋肉は無かった。
有るのは肩凝り。

だから、肩揉んでやった。
俺、マッサージ上手いんだよね。
ゆるっゆるになって、解れて来た肩と首の温まった薄いけど男らしい筋肉に。

ーーがぶり。

「あ、痛っ!?」

「陸也にはもっと噛むけど。和己はエグいキスマークとどっちが良い?」


キスマークだって痛い。
皮膚の下の血管を痛めてるんだぞ。
歯型より酷いと思う。

俺に牙はないし、流石に血を出させた事は無い。
そんな度胸無いし、俺は自分の歯を大事にしたい。
ゴリラの筋肉に挑んで、無事でいられるとは思えない。

「あ、は...痛ぁ。♡」

え。うそ。不味い。
不味いぞ。
これ、多分失敗した。間違えたぞ、


「もう一回、噛んでくれない良悟?♡」


可愛いねってにこにこしながら、口に指突っ込んで来るやつだった。


「駄目。様子見して欲しい。仕事に差し支えるかもだから嫌だ。」

「ダメ?」

「駄目。支障無かったら、もう少し強く出来るし。別に歯型じゃなくてもエグいキスマークは和己だから付きやすい。」

ゴリラは毛細血管も太くて健康らしい。
外食ばっかのくせにっ、

「すっごい嬉しい。ありがと良悟。」

「ん。」

「けど、これで俺はアイツにキスしてやらないとなぁー。」

「ん?」

「何でも無いよ。こっちの話。」

「ふーん?」


陸也は今、風呂掃除してる。
多分、洗面台も。

「和己は、パーティーの件どう思う。」

「んー行くしか無い、かな。良いよ俺は。良悟が慰めてくれるって知ってるし。俺の勉強になるかも知れないからね。」

「そう?」

「そうだよ。だから大丈夫。あんま気にしないで。」


じゃあ俺は、二人が帰ってくるのを待つ係か。
和己は酒が飲めないから、気を付けて欲しい。

「希望休だして、俺が車出す。」

「俺、良悟も充分過保護だと思うなぁ。」

「何の話だ?」

「俺とお前の話だよ。良悟に愛されてるなって話。」

「俺もだ。」










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