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「お嬢様。何をそんなに驚いていらっしゃるんですか???」
「ああ、いや……なんか、整理できていないというか……」
「どういうことですか???ひょっとして……ああ、しまった!!!!!!!」
キャシーが絶叫した。なになに……どうしたの??????
「昨日ですね、お嬢様が食べたリンゴ……あれが腐っていたのかもしれません!!!!」
そんなバカな……仮に腐っていたとしても……いやいや、関係ないだろう。
どうして、私は若返ってしまったのだろうか????ファンコニー様が10歳って言っていたから……私は彼と同い年で……つまり、私も10歳になってしまったってことかしら???
ううん……全然理解できない。いや、本当に腐ったリンゴを食べて若返ったの????どうして????どうしてこんなことが?????
「お嬢様?????やっぱり、変です!!!!!!」
誰よりも私の細やかな仕草に敏感なキャシー……だからこそ、分かるのだろう。私が、その頃キャシーの知っているエライザじゃないってことを……。
「お嬢様????私のせいで変になってしまったのですか????ねえ、私のせいですか???ああ、私のせいでこんなふうになってしまったんですね!!!!ああ、私は大変なことをしてしまいましたああああっ!!!!!!!!」
絶叫するキャシーの姿を見ていると、私は何だか非常に申し訳ない気分になって来た。でも……正直どうすることも出来ないのだ。私は私でキャシーはキャシーなのだから。
「ああ、申し訳ございません、お嬢様!!!!!!!こうなったら……私は命を持って償いますわ!!!!!!」
おいおい、待て待てキャシーよ。どういうことだ???????
「キャシー……その必要はないわ。あなたのせいではないんだから!!!!!!」
そう言って、私はキャシーの暴挙を止めようとしたが、キャシーは既にナイフを握っていた。
「いえいえ、お嬢様。私は自らの罪を償いたく存じます。お嬢様をこんなふうにしてしまったことを……お嬢様、ありがとうございました!!!!!!!!」
そう言って、キャシーは自らの胸にナイフを突き立てた。
「止めなさい、キャシー!!!!!!!」
私は声高く叫んだ。だが、キャシーは既にナイフを突き刺していた。白いメイド服に赤い血が滲み始めた。
「ああ、このままじゃ、キャシーが死んじゃう!!!!!ああ、大変だわ!!!!!」
私はとりあえず慌てるしかなかった。でも、すぐに事態は想像もしない方向に動き出すのだった。
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