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出会い

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季節は春 桜も散り青葉が綺麗に太陽に照らされている。
安西みどりは猫の茶子と暮らしている。

「茶子~春だねぇー穏やかな天気だねぇー」とみどりは空を眺めて微笑む
「な~にが春だね 穏やかな天気だね~だ
おまいさんの頭の中は年中春で 能天気な私の主だろう 」と茶子がみどりに言う

「ひどい言い返しだね茶子さん私はちょっと散歩にでも行ってきますかね」

「車や自転車に気をつけるんだよ」
茶子に見送られてみどりは散歩に出掛けた。

自宅の近くの公園に立ち寄りベンチでひと休みしている時 大きな楠木が目にとまり
上から下まで見たあと木の根元に卵が2個あるのを見つけた。
大きさは2個ともダチョウの卵くらいある。

辺りを見渡しても親鳥や鳥の巣等もない。

季節は春といえど、夜はまだ肌寒い時もある。
「ただいまぁ帰ってきましたよ」と茶子に
声をかけるみどり
茶子の横を通り過ぎようとしたその時
「みーどーりさん なんだいそれは」
「あらもう見つかってしまったか…」
「そりゃ見つかるに決まってるだろう
私ゃ妊婦が帰ってきたかと、孫に会えるのも近いなんて思っちまって二度見したさね
その服の下に入れてるものはなんだいそれは~」
「えっとですね これですとみどりは卵を2個  茶子に見せる」

「卵~しかも2つも持って帰ってきたのかい!何が産まれるかもわからないって思わなかったのかいみどり」

「産まれてからのお楽しみだねぇー茶子さん」

「やれやれ能天気な主をもつと世話がやける」
茶子さんは夜は卵の側に寝そべり暖めてくれた。

みどりが卵を拾って帰って3週間がたった
それは突然訪れた!
1つ目の卵にヒビがイナズマのように入ったかと思った瞬間 卵が割れ カラフルな鳥が
出てきた 嘴は白 頭から尾っぽまでは、赤 黄 緑 青 紫 綺麗なグラデーション模様だ
まあるい黒目をパチクリさせてみどりと茶子を見ると「腹減ったぁ!」と喋った

もう1つの卵にもヒビが入りパカッと殻が割れると、中から  ピンクの体の豚が出てきた
背中に白いふわふわした羽が付いている
みどりと茶子を見たあと「ぴぃー!」と鳴いた。
「茶子賑やかな生活が始まるね!」と みどりは笑顔になった。


2 新しい日々

鳥には 「るい」豚には「ぴぃ」と名付けた

ぴぃも喋る事ができ るい と ぴぃの見守り役を茶子にお願いした。

「みどりを見守ってきたんだ 鳥の1羽 豚の1匹 私の手を出す必要もない」っと茶子が言ってる傍から  るいは コーンフレークの袋をつつきまわし ぴぃは電源コードにかぶりつこうとしている。

「こぉぉりゃ~!コンフレークは朝ごはん 」「電源コードは食べ物ではなーい!楽しみの昼ドラが観られなくなったらどうしてくれようか!」

これは食べられないっと ぴぃは諦めてくれた。
るいは 皆で朝ごはん 朝ごはん~と言い始めたので  朝食を食べる事にした。

「コーンフレーク美味い!これ好き」とるいが喜ぶ」

「これ甘くて美味しいね」ぴぃは玉子焼きが気に入った様子

茶子の好物はかつお節である

みどりはトーストと珈琲

朝食を食べ終わると 各自 好きな時間を過ごす。

みどりは、お気に入りのオレンジ色のソファーに座り 読書

茶子はキャットタワーから外を眺める

るいは羽の毛づくろいをし

ぴぃは ピンポン球を転がして遊んでいる

ぴぃが遊んでるピンポン球がいきよいよく
飛んで るいの額に当たってしまった…

「痛いっなぁ」とるいは額をさする
ぴぃは 「ピンポン球どこにいった?」と
探している。
「あっ見つけたぁ 」と言って何事もなかったように遊びを再開する。

キャットタワーから茶子が 「ぴぃ 遊ぶ前にるいに何か言わなきゃいけやしないかい?」と声をかける。

ぴぃは3秒程考えて 「るいも一緒に遊ぶ?」

「それも大事な事だけど その前にるいに
ピンポン球ぶつけてごめんね」だよ

ぴぃは「あっそうだよね茶子おばあちゃん教えてくれてありがとう」

「るいピンポン球ぶつけてごめんね」と
ぴぃは謝る。

るいは「わざとじゃないから許す」と言ってくれた。

みどりが 茶子「ありがとう」とお礼を伝える。
茶子は「いいってことよこれから色んな事を教えていかなきゃいけないからね」と
口角をあげた。

3  

とある日の午後 ぴぃが「おやつがない~」と 騒いでる
茶子が「食べたんじゃないのかい?」と聞くと、食べてないの返答が返ってきた。

ふとぴぃがるいを見ると、るいが美味しそうにバームクーヘンを食べている

「あ~!それ ぴぃのおやつぅぅ」ダッシュでるいの側にぴぃが行くが、最後の1口が
るいのお腹の中に入ってしまう。

るいは「ごめん お腹空いちゃって ぴぃのだって知らなくて食べてしまった」とぴぃに伝えた。

ぴぃは許してくれたが、お腹が空くとるいを見て 「唐揚げ チキン南蛮 」と 呟いている。

「俺を見て料理にしようとするなぁ!」るいの声が部屋に響く事が たまに増えた安西家であった。
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