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えにょん

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第1話【覚醒】

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私の名前は「黒峰くろみね まゆな」。
平穏な毎日を送る「聖ガブリエル学院」の18歳女子高生!
まゆな「ふぁ~今日もお日様ぽかぽかだぁ~ここで寝れそう~~」
私はそう言いながら地べたに寝転がろうとすると、
れいな「なーにしてるのよあんたは~!ほらー早く学校いくよ!」
首襟を掴み、私を学校に連れていってくれているこの女の子は
天川あまがわ れいな」。私の幼馴染であり大親友!

-------------そして放課後。
教師「えーここ最近、この近くで他校の女子生徒が行方不明者になっているとのことだ~。くれぐれも遅くならないように気を付けて帰れよ~。では今日はこれで解散だ。」
れいみ「よーし!まゆな!今日はとことん付き合ってもらうよ!」
私とれいみはオカルト研究部という部活に所属している。
といっても…部員は私とれいみの二人だけ…。
れいみの趣味に私が付き合っているといった感じである。
まゆな「ちょっとれいみ~…そんなに急がないでよ~…」
怪しげな部室に到着すると、変な魔女の衣装をれいみがもってきた。
れいみ「さぁまゆな!これに着替えて!」
まゆな「はぁ~い…」
れいみ「今日こそルシファー様を召喚するぞぉぉぉ」
目をキラキラさせながられいみはそういうと、怪しげな魔法陣の上でブツブツ言い始めた。
れいみ「…数多の人間に畏怖を抱かしめる者よ、千の形を持つ月の庇護のもとに、我と契約を結ばん…」
シーン
そう、れいみはオカルト大好きで特に聖書に出てくるルシファーという悪魔の王様に恋しているのである。
れいみ「あーんもう今日もルシファー様が私の前に現れてくれないいいい!」
まゆな「物語に出てくる人なんでしょ~?ほんとにはいないよ~」
れいみ「いるいる!人間だってその昔は天使と悪魔だったんだからね!生まれ変わってるだけなんだから!ルシファー様は昔実在したのーー!」
まゆな「はいはい~わかったよぉ~…」
こうなるとれいみは誰にも止められないのである。
まゆな「もう遅いから帰ろ~?先生もこの近くで最近事件が起きてるーって言ってたし~…」
れいみ「夜…事件…!まさか!悪魔の仕業!?」
まゆな「悪魔かどうかわかんないけど~危ないから帰ろ~?」
こうして私たちは日が暮れた頃学校を出た。
れいみ「んー?こんな時間にうちの生徒?」
私たちは聖ガブリエル学院の男子生徒がひとり路地裏に入っていくのを偶然見かける。
れいみ「なにやら事件の香り…!行くっきゃないっ」
まゆな「え~…後をつけるなんて失礼だよぉ…」
れいみ「もーまゆなは真面目なんだから~さぁいくよ!」
手を引っ張って路地裏に入る私たち、すると突然れいみはぴたりと足をとめ、壁に隠れながらソレを凝視していた。
気になった私も覗くと、そこには現実では信じられない光景が私の視界に広がっていた。
男子生徒の姿はなく、異形の姿をしたソレは一人の女性を無惨に喰らっていた。
まゆな「イヤアアア!」
私は思わずその場に座り込み、耳をふさいで叫んでしまった。
異形「ギギ…見られてしまったか。なら…喰われてもしょうがないよなあああ」
異形は私たちに向かって襲いかかってきた。
固まっていたれいみは我に返り、私を庇った。
れいみ「まゆな!危ない!」
れいなは私を庇い、異形の一撃をくらって吹き飛び、そのまま気絶した。
異形「おい女ぁ、お前美味そうな匂いをしているなぁ?」
異形は私を舐めるように見廻すと、にやつきながらそう言った。
まゆな「こ…こないで…」
私は地面に座り込んでしまったまま後ずさりした。
異形は目にもとまらぬ速さで私の首を掴み、持ち上げ、そして壁に叩きつけた。
異形「さぁもっと俺を恐怖しろ…人間は恐怖するほど美味くなるんだ…ギヒヒ」
異形な私をいたぶりながら恍惚とした表情を浮かべる。
すると、異形は私の首をさらに強く締めた。
まゆな「…ん…ぐ…」
異形「ギヒィィ堪らんなぁぁ!苦しめ!!苦しめぇ!!」
私はそのまま気を失ってしまった。

--------まゆな精神下
まゆな「ここは…どこ…?」
私は暗闇の中をひとり佇んでいた。
目を凝らすと暗闇の中、前には一人の男が両手両足を鎖で繋がれて座り込んでいるのが見えた。
まゆな「あなた…だれ…?」
ルシファー『おい、お前。力が欲しいか?』
まゆな「え…なに…どういうこと…」
ルシファー『なぁ、この鎖をほどいてくれよ』
まゆな「鎖を…ほどいてほしいの…?」
私はよくわからないままその男の鎖に触れた。
まゆな「これ…どうしたらいいの?」
ルシファー『鎖を思い切り引きちぎってくれよ、お前ならできる。』
私は言われるがまま鎖を両手でひっぱった。
すると簡単に簡単に鎖は引きちぎれ、見る見るルシファーを繋いでいた鎖は消えていく。
ルシファー『ククク…ようやくだ…アハハハハ!!』
ルシファーは顔を手で押さえながら高笑いをすると、ギロリとこちらをにらんだ。
すると私の方に歩いてきて、頭の上に軽く手を置いた。
ルシファー『交代だ。眠ってろ。』
そして私の意識はなくなった。

異形「なんだ気を失ったのかぁ?だったらもう…喰っちまうかなぁぁ?」
ルシファー『おい、その汚ぇ手…離せよ』
異形「ギギ?」
私の口はそういうと、私の眼は見る見る真紅に変わっていき、その表情は私ではなくなっていた。
異形「き、貴様ぁ!!貴様も『リターナー』か!!」
異形が私を引き裂こうとしたとき、
私の両手に魔力が集まり、両手は異形の手となった。
そして異形の腹に片手をかざすと、一瞬で異形は壁に吹き飛び、めり込んだ。
異形「ギイイイイ」
ルシファー『聞こえなかったか?離せって言ったろ』
異形「ギ…なんだこいつの異常な魔力は…貴様何者だあああ」
ルシファー『俺か?』
そういうと私は一瞬で異形の頭を掴み、
ルシファー『冥府に俺の名を持って帰りな。俺の名は』
異形「その真紅の瞳…まさか…!!」
ルシファー『ルシファー様だ』
そういうと同時に、私は異形の頭を握り潰し、破裂させた。

頭を破壊された異形は倒れ、みるみるその姿は人間に戻っていく。
そして霧状となっていく魔力は集まり、悪魔の結晶《デモンズ・ソウル》となった。
私はそこに近寄り、デモンズ・ソウルを拾うと、ひょいっと口に入れ噛み砕き食べた。
ルシファー『こんなザコじゃ腹の足しにもなんねぇなぁ。さーてとそこの美味そうな女をいただくとするかぁ』
倒れたれいみに近づくルシファー。
れいみに触れようとしたそのとき、
ルシファー『ぐ…魔力が…やはり完全では…なかった…か…』
魔力が尽き、私はそのまま倒れ込んだ。

「みゅみゅ?」
黒い猫のような生き物が建物の上から私を見ていた。
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