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のんびりは出来ないようです?
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せっかく来たので、先生にお願いして校内を見させて頂きました。
勿論、お兄様とお姉様も一緒。の上に、何とルーお兄様も!!嬉しいー!!
各学年のクラスを見て回って、実験室とか運動場とか見て…うん、敷地がやたら広い。
これ、迷子になるよ。あと、見てないとこは…あれっ?
「あっちにある建物は何ですか?」
「あれは、訓練所ですよ。」
「訓練所?」
「簡単に言えば、剣術とか武術を習ったり、技に磨きを掛ける場所。将来、そういう仕事に就く為に志願した者が集まってます。」
学力のない。腕っ節に自信がある。稀色である。ってそれぞれの理由から、華やかな職種に就かない(就けない)。そんな子供達の将来の為に作られた訓練所なんだって。
これもこの国特有で、他の国は放置してるらしい。教育にも差別がされているの。酷い。
「「見に行く?」」
「今日は行かないです。」
何故かわからないけど、今はまだ行かない方が良いと思った。
冷やかしに行くわけじゃないけど、もっとこの国、この世界の道理を知って、私は、私自身は、どうするべきなのか学ばなくてはいけない気がした。
私は恵まれている。自分では平凡だと思っていても、周りはそうじゃない。もっと、世の中の考えや行いを良いもの、みんなが住み易いものに変えていかないと。
「サリーナ?」
見上げた位置で、ルーお兄様と目が合った。
髪と瞳がキラキラと宝石のように輝いているのが見えた。
キョトンとした顔も麗しいです。
「ルーお兄様、大好きです。だから待ってて下さいね!」
「???」
いつか、平等な世の中にしますから。
***
(ルアン視点)
俺は生まれて来るべきではなかった。
物心付く頃になり、自分の色に絶望した。何故、こんなに醜い色なのかと。
父も母も、時折悲しそうな辛そうな表情をする時がある。理由はわかっている。俺が、こんな色だから。
それでも、差別の酷い他国に比べれば、うちの国は平和だ。多少の差はあるにしても、平等に扱いを受ける事が出来る。
また、同じ年頃のクロード家の兄妹は色など気にせずに接してくれる。これはご両親の方針でどんな色でも平等にと言う考え方が二人にも受け継がれているようだ。それにしても二人と初めて会った時、双子だと思うほどそっくりで驚いた。
数年が経ち、学校に通うようになると偏見の眼差しは日常茶飯事となった。フードは被っていたが、基本、俺に近づく者はいない中、相変わらず二人は普通に話しかけてくれて、周りに誰かがいる事が嬉しかった。
それでも、心の何処かで生まれて来た後悔を拭い去る事が出来ないでいた。
そんな時だった。
「明日、クロード家に行く。ルアン、一緒に来なさい。」
父より、話があった。いつもは一緒に来るか?と聞かれるのに、今日に限って来なさいと命令口調だった。
詳しく話を聞けば、クロード家には3人目の子供がいて、父はその子の護衛をする事となるのだそうだ。
どんな子なのか興味があったし、同行するようにと言われたので一緒に伺う事にした。
「「「………」」」
そこで俺は天使を見た。
な、何?えっ?嘘だろ!?神の色を持ってる!?
あっ…こっちに、近づいて…きた?
「……サリーナ・クロードともうします。よろしくお願いいたします。」
えーっと、よろしく?ってよろしくしていいわけ!?
……衝撃的だった。
勿論、お兄様とお姉様も一緒。の上に、何とルーお兄様も!!嬉しいー!!
各学年のクラスを見て回って、実験室とか運動場とか見て…うん、敷地がやたら広い。
これ、迷子になるよ。あと、見てないとこは…あれっ?
「あっちにある建物は何ですか?」
「あれは、訓練所ですよ。」
「訓練所?」
「簡単に言えば、剣術とか武術を習ったり、技に磨きを掛ける場所。将来、そういう仕事に就く為に志願した者が集まってます。」
学力のない。腕っ節に自信がある。稀色である。ってそれぞれの理由から、華やかな職種に就かない(就けない)。そんな子供達の将来の為に作られた訓練所なんだって。
これもこの国特有で、他の国は放置してるらしい。教育にも差別がされているの。酷い。
「「見に行く?」」
「今日は行かないです。」
何故かわからないけど、今はまだ行かない方が良いと思った。
冷やかしに行くわけじゃないけど、もっとこの国、この世界の道理を知って、私は、私自身は、どうするべきなのか学ばなくてはいけない気がした。
私は恵まれている。自分では平凡だと思っていても、周りはそうじゃない。もっと、世の中の考えや行いを良いもの、みんなが住み易いものに変えていかないと。
「サリーナ?」
見上げた位置で、ルーお兄様と目が合った。
髪と瞳がキラキラと宝石のように輝いているのが見えた。
キョトンとした顔も麗しいです。
「ルーお兄様、大好きです。だから待ってて下さいね!」
「???」
いつか、平等な世の中にしますから。
***
(ルアン視点)
俺は生まれて来るべきではなかった。
物心付く頃になり、自分の色に絶望した。何故、こんなに醜い色なのかと。
父も母も、時折悲しそうな辛そうな表情をする時がある。理由はわかっている。俺が、こんな色だから。
それでも、差別の酷い他国に比べれば、うちの国は平和だ。多少の差はあるにしても、平等に扱いを受ける事が出来る。
また、同じ年頃のクロード家の兄妹は色など気にせずに接してくれる。これはご両親の方針でどんな色でも平等にと言う考え方が二人にも受け継がれているようだ。それにしても二人と初めて会った時、双子だと思うほどそっくりで驚いた。
数年が経ち、学校に通うようになると偏見の眼差しは日常茶飯事となった。フードは被っていたが、基本、俺に近づく者はいない中、相変わらず二人は普通に話しかけてくれて、周りに誰かがいる事が嬉しかった。
それでも、心の何処かで生まれて来た後悔を拭い去る事が出来ないでいた。
そんな時だった。
「明日、クロード家に行く。ルアン、一緒に来なさい。」
父より、話があった。いつもは一緒に来るか?と聞かれるのに、今日に限って来なさいと命令口調だった。
詳しく話を聞けば、クロード家には3人目の子供がいて、父はその子の護衛をする事となるのだそうだ。
どんな子なのか興味があったし、同行するようにと言われたので一緒に伺う事にした。
「「「………」」」
そこで俺は天使を見た。
な、何?えっ?嘘だろ!?神の色を持ってる!?
あっ…こっちに、近づいて…きた?
「……サリーナ・クロードともうします。よろしくお願いいたします。」
えーっと、よろしく?ってよろしくしていいわけ!?
……衝撃的だった。
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