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『猫神』と再会
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アリシア・リーフ。
俺が生きていた頃は130歳のエルフ族の少女だった。
緑の髪と目が特徴で、性格は勝気、癖の強い冒険者達に1歩も引かない態度で有名で、物理的にも大体の冒険者を黙らせられる実力があった。
そして、日本人の転生者である。
これは俺含めた数人しか知らない秘密だ。
「で?それは誰に対して言ってるわけ?」
「読者様だよ?」
どうやら全て口から出ていたらしい、失敬失敬。
それはさておき。
アリシアはめっちゃ大人になってた。
地球で言うところの雑誌モデルばりに綺麗になってるのも驚いたが。
170センチくらいで、出るところは出て引っ込むところは引っ込んでるモデル体型。
俺が知ってる時は150センチちょいだったのにな。
あ、俺?俺は187センチ(耳あり)でアイドルグループのセンターぐらいには顔が良いらしい(主が言ってた)。
「まさか、80年経ってるとは思わなかったぞ…」
「こっちこそまさかよ。まさかアンタが日本に転生した挙句に、こっちに転移して戻ってくるなんて…想像出来るわけ無いじゃない。」
「だからって出会い頭に顔面全力パンチはやめろや…」
「それはゴメンて。」
そう、コイツは俺の顔を見るやいなや、顔面に向かって全力のパンチをお見舞いしてくれたのだ。
しっかりと助走付きで。
なんでも、数年前に1度討伐ランクSのドッペルゲンガーにこっぴどくやられたそうな。
アイツは姿は変えられても魔力までは模倣出来ないだろうがよ…
まぁ、そんなこんなでアリシアの家に招かれ話を聞いていたが、やはりだいぶ前に冒険者特区は廃れたらしい。
75年前、俺が死んで5年後。
スカーレット帝国の王城地下に封印されていた『群増の邪神』の封印が解かれ、未曾有の大災害が起きた。
『群増の邪神』はアンデッドに特化した邪神で、触れたらアンデッド化する黒い霧を発生させながらスカーレット帝国を蹂躙して行った。
ただ、偶然にもエルフ族の集落やそれぞれの国、依頼で他国へ行っていた者達は巻き込まれることは無く、帰ってきたらボロボロの状態だったらしい。
「で?『群増の邪神』の現在は?」
「当時の『聖女』が再封印したわ。ただ、『群増の邪神』の力が強すぎて定期的に帝都の方からアンデッドが湧き出てくるから、ここと数箇所を拠点に潰してるのよ。」
「なるほどねぇ………なぁ、このタイミングで俺らが転移したのって偶然、じゃないよな?」
「おそらくは、ね。」
明らかにおかしいだろ。
『偶然』湧き出すタイミングで『偶然』拠点に『偶然』異世界から転移した。
まぁ、仮説は色々とあるが、今考えたって仕方ないだろう。
俺が今考えるべきは、主の安全とアリシア達とのこれからのつきあい方だな。
再会したアリシア達は現在、隣国の翡翠ノ国を拠点に活動しているらしい。
翡翠ノ国は武士時代の日本とほぼ変わらない街並みで、独自の発展をしてきた国だ。
ちなみに、海に面した土地なので俺はめっちゃ通ってた。
魚が美味いからな!!
「で、アンタはこれからどうすんの?」
「うーん…それなんだが…」
今の俺の本性はただの猫だし、主のしたい事をするのが1番メインに来る。
それは大前提ではあるが、翡翠ノ国で冒険者登録して金を稼ぎながら行動するのがベストだと思う。
「とりあえず、主に相談しねぇとわかんねぇけど、翡翠ノ国を拠点に動くのが俺はいいと思う…まぁ、今の俺って本性はただの猫だし主の従魔だからな。」
「アンタが従魔とか、その主人苦労するわね?」
「黙らっしゃい!」
何はともあれ、これからの説明をするのにアリシアの協力は必要だ。
一旦、俺の隠し部屋に来てもらって主と3人で話したい。
俺が生きていた頃は130歳のエルフ族の少女だった。
緑の髪と目が特徴で、性格は勝気、癖の強い冒険者達に1歩も引かない態度で有名で、物理的にも大体の冒険者を黙らせられる実力があった。
そして、日本人の転生者である。
これは俺含めた数人しか知らない秘密だ。
「で?それは誰に対して言ってるわけ?」
「読者様だよ?」
どうやら全て口から出ていたらしい、失敬失敬。
それはさておき。
アリシアはめっちゃ大人になってた。
地球で言うところの雑誌モデルばりに綺麗になってるのも驚いたが。
170センチくらいで、出るところは出て引っ込むところは引っ込んでるモデル体型。
俺が知ってる時は150センチちょいだったのにな。
あ、俺?俺は187センチ(耳あり)でアイドルグループのセンターぐらいには顔が良いらしい(主が言ってた)。
「まさか、80年経ってるとは思わなかったぞ…」
「こっちこそまさかよ。まさかアンタが日本に転生した挙句に、こっちに転移して戻ってくるなんて…想像出来るわけ無いじゃない。」
「だからって出会い頭に顔面全力パンチはやめろや…」
「それはゴメンて。」
そう、コイツは俺の顔を見るやいなや、顔面に向かって全力のパンチをお見舞いしてくれたのだ。
しっかりと助走付きで。
なんでも、数年前に1度討伐ランクSのドッペルゲンガーにこっぴどくやられたそうな。
アイツは姿は変えられても魔力までは模倣出来ないだろうがよ…
まぁ、そんなこんなでアリシアの家に招かれ話を聞いていたが、やはりだいぶ前に冒険者特区は廃れたらしい。
75年前、俺が死んで5年後。
スカーレット帝国の王城地下に封印されていた『群増の邪神』の封印が解かれ、未曾有の大災害が起きた。
『群増の邪神』はアンデッドに特化した邪神で、触れたらアンデッド化する黒い霧を発生させながらスカーレット帝国を蹂躙して行った。
ただ、偶然にもエルフ族の集落やそれぞれの国、依頼で他国へ行っていた者達は巻き込まれることは無く、帰ってきたらボロボロの状態だったらしい。
「で?『群増の邪神』の現在は?」
「当時の『聖女』が再封印したわ。ただ、『群増の邪神』の力が強すぎて定期的に帝都の方からアンデッドが湧き出てくるから、ここと数箇所を拠点に潰してるのよ。」
「なるほどねぇ………なぁ、このタイミングで俺らが転移したのって偶然、じゃないよな?」
「おそらくは、ね。」
明らかにおかしいだろ。
『偶然』湧き出すタイミングで『偶然』拠点に『偶然』異世界から転移した。
まぁ、仮説は色々とあるが、今考えたって仕方ないだろう。
俺が今考えるべきは、主の安全とアリシア達とのこれからのつきあい方だな。
再会したアリシア達は現在、隣国の翡翠ノ国を拠点に活動しているらしい。
翡翠ノ国は武士時代の日本とほぼ変わらない街並みで、独自の発展をしてきた国だ。
ちなみに、海に面した土地なので俺はめっちゃ通ってた。
魚が美味いからな!!
「で、アンタはこれからどうすんの?」
「うーん…それなんだが…」
今の俺の本性はただの猫だし、主のしたい事をするのが1番メインに来る。
それは大前提ではあるが、翡翠ノ国で冒険者登録して金を稼ぎながら行動するのがベストだと思う。
「とりあえず、主に相談しねぇとわかんねぇけど、翡翠ノ国を拠点に動くのが俺はいいと思う…まぁ、今の俺って本性はただの猫だし主の従魔だからな。」
「アンタが従魔とか、その主人苦労するわね?」
「黙らっしゃい!」
何はともあれ、これからの説明をするのにアリシアの協力は必要だ。
一旦、俺の隠し部屋に来てもらって主と3人で話したい。
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