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渡せたなかったか?ラブレター
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朝になりマツケンは完全に寝不足で、目が充血し変なテンションで家を出ました。
「父上、母上、マツケン一世一代の勝負をして参りやす~」
「おう!頑張れよ」
「また、変なもの食べさせたかねぇ~、はい、いってらっしゃい」
「いつも通りの朝ごはんだったぞ…」
「それじゃ、また頭を打ったかねえ~」
会社に着くと舞子が駆け寄ってきました。
「先輩!おはようございます?大丈夫ですか?」
「大丈夫っすよ~」
「ラブレターちゃんと書き写しましたか?」
「書いたっすよ~」
「念の為、チェックするので貸してください」
「はい、どうぞっす…」
「先輩、最初のDearが抜けてますよ」
「舞子くん、すまんが少し会議室で寝てくるので、書いておいてくれ~」
さすがにマツケンは、寝ないと告白が出来ないと思ったので、会議室に隠れて寝に行きました。
「舞子ちゃん、マツケンは?」
「!?…編集長…先輩はちょっと別室で仕事中です」
「そうか、じゃあ邪魔しちゃいけないね…」
マツケンは結局、昼前まで寝てしまい、慌てて起きて、舞子からラブレターを受け取り、急いで事務所を出て行きました。
何とか、マリンさんがパンを買いに来るであろう時間前には着き、ベーカリーの入口で待機しました。そして、ラブレターを渡す時のセリフを小声で、繰り返し、つぶやきました。
「マリンさんっすかぁ?…これ読んで下さいっす~マリンさんっすかぁ?…これ読んでくださいっす~…」
その時、遠くから、オレンジ色の髪の毛の女性とメッシュの女性が歩いて来るのが見えて、心臓がバクバクとなり始め、緊張がピークになった時、電子音が鳴って、ビックリしてスマホを見るとマリンさんからでした??
慌てて開くとマリンさんの投稿でした。
『今日は、お休み取って、彼と初ドライブデートなのだ♥️♥️♥️』
顔は隠れていたが、男女カップルがスポーツカーを背にして、仲良く自撮りしている写真が写っていて、髪の毛はオレンジ色ではなく、ちょっと茶色のロングヘアでした。
「えっ!?マリンさんがお休み??」
マツケンはオレンジ色の髪の毛の女性の近づいて来たので、マジマジと顔を見ると意外と若作りで、40代?という感じだった…。
「このオレンジ色の髪の毛の人は誰なんだ~?」
マツケンは地獄のどん底に落ちました。涙が流れて来て悲しみが止まりません。自分のアホさ加減で恥ずかしくなり、走って事務所に戻りました。会議室にこもり、机に突っ伏して号泣しました。
「ヴェッ、ヴェッ、ヴェーン~」
その時、会議室の扉がゆっくり開き、誰かが入って来ました。そして背中をそっと抱きしめられました。その人物も泣いてました。マツケンは顔をあげて、その人の顔を見ました。
「舞子くん…?」
「えっ、えっ、えーん」
「なんで、舞子くんも泣いてるっすかぁ?」
「えーん、せ、ん、ぱ、い…そのラブレターを…私にく、ら、さ、い…」
「ヴゥ…これは…マリンさん宛っすよ」
「ちがうもん…せんぱい…中身を良く見て…ください…」
マツケンは、ラブレターを封筒から出して広げました。そこには『Dear 舞子さん』!?と修正液で書き換えられていました。
「えっ?舞子くん…どうして?」
「せんぱいのラブレターは、私の物だもん…誰にも渡したくないもん…せんぱいが好きなんだもん…」
「えっ!?」
マツケンは、メガネを外して、涙を拭ってる舞子の顔を見た途端に走馬灯のように色んな事を思い出しました。
仕事が上手くいって、喜んでいる時や失敗して落ち込んでいる時も必ず、舞子が側にいて喜んでくれたり、一緒に愚痴ってくれたりしてくれた。
そして、メガネを取った舞子の顔が意外と可愛かった!?マツケンは、急に舞子の事が愛おしくなり、ラブレターを舞子に渡し、抱きしめました。そして、また、一緒に泣き出しました。
「マツケンいるか?」
会議室のドアが開けられて、編集長が入ろうとしたが、二人が抱き合って泣いているのを見て、慌てて閉めました。
「あのバカ…やっと気付いたか…」
編集長も嬉し涙がこぼれ、トイレに避難しました。
二人は、ひとりしきり泣くとお互いの顔を見つめて、マツケンが口を開きました。
「舞子くん…さっきの告白は無しっす…俺が告白するっす!マツケンの名おれっす!」
「えっ??はい!!」
マツケンは舞子からラブレターを取り、読み始めました。
『Dear舞子さん 突然のお手紙失礼します!あの時、出会ったのは運命だと思います。………お付き合いしてください。松木健一郎』
「せんぱ~い!それ私が考えた文章ですよ」
「まあまあ、深く考えなくていいっす!…恋人同士のちゅーするっす!」
「えっ?…はい…」
舞子はあきらめて、唇をつき出しているマツケンの唇に自分の唇を優しく合わせました。
「舞子くん…もう一回!」
「先輩!最低!!」
舞子は会議室を出ていってしまいました。マツケンも絶好調で仕事に戻りました。
そして、次のお休みの日になり、舞子は約束したマツケン秘蔵のDVDをマツケンの家に見に行き、ご両親に挨拶をしました。
その日以来、マツケンは両親から『ケンイチロー』と呼ばれるようになりました。
「母さん…ケンイチローも俺と一緒でやる時はやるねぇ~」
「お父さん…忘れたんですか?…私から告白したんですよ…」
「……。」
終わり
「父上、母上、マツケン一世一代の勝負をして参りやす~」
「おう!頑張れよ」
「また、変なもの食べさせたかねぇ~、はい、いってらっしゃい」
「いつも通りの朝ごはんだったぞ…」
「それじゃ、また頭を打ったかねえ~」
会社に着くと舞子が駆け寄ってきました。
「先輩!おはようございます?大丈夫ですか?」
「大丈夫っすよ~」
「ラブレターちゃんと書き写しましたか?」
「書いたっすよ~」
「念の為、チェックするので貸してください」
「はい、どうぞっす…」
「先輩、最初のDearが抜けてますよ」
「舞子くん、すまんが少し会議室で寝てくるので、書いておいてくれ~」
さすがにマツケンは、寝ないと告白が出来ないと思ったので、会議室に隠れて寝に行きました。
「舞子ちゃん、マツケンは?」
「!?…編集長…先輩はちょっと別室で仕事中です」
「そうか、じゃあ邪魔しちゃいけないね…」
マツケンは結局、昼前まで寝てしまい、慌てて起きて、舞子からラブレターを受け取り、急いで事務所を出て行きました。
何とか、マリンさんがパンを買いに来るであろう時間前には着き、ベーカリーの入口で待機しました。そして、ラブレターを渡す時のセリフを小声で、繰り返し、つぶやきました。
「マリンさんっすかぁ?…これ読んで下さいっす~マリンさんっすかぁ?…これ読んでくださいっす~…」
その時、遠くから、オレンジ色の髪の毛の女性とメッシュの女性が歩いて来るのが見えて、心臓がバクバクとなり始め、緊張がピークになった時、電子音が鳴って、ビックリしてスマホを見るとマリンさんからでした??
慌てて開くとマリンさんの投稿でした。
『今日は、お休み取って、彼と初ドライブデートなのだ♥️♥️♥️』
顔は隠れていたが、男女カップルがスポーツカーを背にして、仲良く自撮りしている写真が写っていて、髪の毛はオレンジ色ではなく、ちょっと茶色のロングヘアでした。
「えっ!?マリンさんがお休み??」
マツケンはオレンジ色の髪の毛の女性の近づいて来たので、マジマジと顔を見ると意外と若作りで、40代?という感じだった…。
「このオレンジ色の髪の毛の人は誰なんだ~?」
マツケンは地獄のどん底に落ちました。涙が流れて来て悲しみが止まりません。自分のアホさ加減で恥ずかしくなり、走って事務所に戻りました。会議室にこもり、机に突っ伏して号泣しました。
「ヴェッ、ヴェッ、ヴェーン~」
その時、会議室の扉がゆっくり開き、誰かが入って来ました。そして背中をそっと抱きしめられました。その人物も泣いてました。マツケンは顔をあげて、その人の顔を見ました。
「舞子くん…?」
「えっ、えっ、えーん」
「なんで、舞子くんも泣いてるっすかぁ?」
「えーん、せ、ん、ぱ、い…そのラブレターを…私にく、ら、さ、い…」
「ヴゥ…これは…マリンさん宛っすよ」
「ちがうもん…せんぱい…中身を良く見て…ください…」
マツケンは、ラブレターを封筒から出して広げました。そこには『Dear 舞子さん』!?と修正液で書き換えられていました。
「えっ?舞子くん…どうして?」
「せんぱいのラブレターは、私の物だもん…誰にも渡したくないもん…せんぱいが好きなんだもん…」
「えっ!?」
マツケンは、メガネを外して、涙を拭ってる舞子の顔を見た途端に走馬灯のように色んな事を思い出しました。
仕事が上手くいって、喜んでいる時や失敗して落ち込んでいる時も必ず、舞子が側にいて喜んでくれたり、一緒に愚痴ってくれたりしてくれた。
そして、メガネを取った舞子の顔が意外と可愛かった!?マツケンは、急に舞子の事が愛おしくなり、ラブレターを舞子に渡し、抱きしめました。そして、また、一緒に泣き出しました。
「マツケンいるか?」
会議室のドアが開けられて、編集長が入ろうとしたが、二人が抱き合って泣いているのを見て、慌てて閉めました。
「あのバカ…やっと気付いたか…」
編集長も嬉し涙がこぼれ、トイレに避難しました。
二人は、ひとりしきり泣くとお互いの顔を見つめて、マツケンが口を開きました。
「舞子くん…さっきの告白は無しっす…俺が告白するっす!マツケンの名おれっす!」
「えっ??はい!!」
マツケンは舞子からラブレターを取り、読み始めました。
『Dear舞子さん 突然のお手紙失礼します!あの時、出会ったのは運命だと思います。………お付き合いしてください。松木健一郎』
「せんぱ~い!それ私が考えた文章ですよ」
「まあまあ、深く考えなくていいっす!…恋人同士のちゅーするっす!」
「えっ?…はい…」
舞子はあきらめて、唇をつき出しているマツケンの唇に自分の唇を優しく合わせました。
「舞子くん…もう一回!」
「先輩!最低!!」
舞子は会議室を出ていってしまいました。マツケンも絶好調で仕事に戻りました。
そして、次のお休みの日になり、舞子は約束したマツケン秘蔵のDVDをマツケンの家に見に行き、ご両親に挨拶をしました。
その日以来、マツケンは両親から『ケンイチロー』と呼ばれるようになりました。
「母さん…ケンイチローも俺と一緒でやる時はやるねぇ~」
「お父さん…忘れたんですか?…私から告白したんですよ…」
「……。」
終わり
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