人生おじさんと赤い花

魚口ホワホワ

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みゆちゃんとの突然の別れ

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 お誕生会から、しばらく経つと、急に学校で、みゆちゃんの姿を見なくなりました。ゆきちは、心配になり、みゆちゃんの教室を覗きに行き、同じクラスの女の子にみゆちゃんの事を聞きました。

「みゆちゃんいる?」 
「お休みしてるよ…」
「そう…」

 風邪でも引いたのかなと思い、待ってみることにしました。それから、2日経って、そろそろ風邪だと治った頃だと思い、また、みゆちゃんの教室に聞きに行きました。

「みゆちゃん学校きた?」 
「まだお休みしているよ…」
「お病気なのかな?」
「わかんない…」
「…」

 ゆきちは、とても心配になりました。しばらく、おとうふのお使いもしていないので、お父さんにおとうふを買いに行きたい、とお願いしました。

「お父さん、おとうふを買いに行きたいの…」
「うーん…」
「みゆちゃん、学校来てないみたいなんで、見に行きたいの…」
「そうか…それじゃあ、行ってきなさい…」

 お父さんは少し困った顔になりましたが、お金を準備して、ゆきちに渡しました。

「お父さん、ありがとう、行ってきます…」
「ゆきち、気をつけてな…」

 ゆきちは、靴を履くと一目散にみゆちゃんちのおとうふ屋さんまで、走りました。

「はあ、はあ、みゆちゃん、今、行くよ…」

 おとうふ屋に着くとお店のシャッターがしまってました。そして、何か書かれた、たくさんの紙が貼られてました。 ゆきちは、お店のシャッターをどんどん、とんどんと叩きました。

「みゆちゃん、みゆちゃん…」

 一生懸命に叫びましたが、何の返事もありません。シャッターの上の方に貼ってあった、3文字の紙がパラリと落ちてきました。ゆきちは、それを拾い上げて読みました。

「最初は、きんという漢字…次は、習ってない漢字だ、最後は、ひらがなの、せ、何て書いてあるのかな?」

 その紙を細かく折って、ポケットに入れて、家に向かって、歩きだしました。

「みゆちゃん…どうしたのかな…」

 家に着くとお父さんが、玄関で、心配そうな顔をしていました。ゆきちは、お父さんにお金を返して、おとうふが買えなかったことを言いました。
 
「おとうふやさん、お休みだったよ…」
「そうか…ありがとうな…」
「あっそうだ、お父さん、これ何て書いてあるの?」
「どれ…」

 ポケットから、おとうふやの前で、拾った紙を広げてお父さんに見せました。お父さんは、また困った顔になりました。

「やっぱりか…」
「なあに?、何て書いてあるの?」
「…、みゆちゃんは…引っ越したみたいだ…」
「えー、何も聞いてないよ、お父さん、みゆちゃんが、どこに行ったか知ってるの?…」
「わからないなぁ…」
「みゆちゃん、うえーん…お父さん…」

 ゆきちは、自然と涙が溢れてきて、胸がきゅーとなり、お父さんに抱きつきました。お父さんは、優しくゆきちを抱きしめて、頭を撫でました。

「また、いつかみゆちゃんに会えるさ…」
「ほんとう、お父さん…」
「みゆちゃんのことを忘れないようにな…」
「うん…」

 また、ゆきちの前から大切な人が、いなくなりました。
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