上 下
2 / 19

海底怪獣シーラカンの巻

しおりを挟む
 宇宙の片隅に平和な星がありました。

 ある日、海底深くで地震が起こり、太古からずっと眠ってた怪獣が起きてしまい、海底から餌を探しに泳いで海面へ浮上してきました。

 そして、湾内に大量発生したクラゲを見つけると食べ始めました。

 その怪獣は、硬いウロコを持ち、昔の魚の形した怪獣で、「シーラカン」と呼ばれました。シーラカンは手と足が出ていて、器用に手を使いクラゲをすくい、食べました。相当いたクラゲも、シーラカンが3時間も食べ続けるとクラゲは一匹残らずいなくなりました。

 このシーラカンは、のしのしと歩いて漁港に上陸しようとしたので、漁師達は、みんな食べられてしまうと思い逃げようとしました。

 その時です。宇宙から一筋の光が、シーラカンに向かって、飛んできました。その光は人の形になり、シーラカンにキックしました。ウルトラの人でした。

 シーラカンの尻尾をつかみ、沖の方に連れていき、戦いました。ウルトラの人は、シーラカンの硬いウロコを一枚、一枚とはいでいき、最初の一枚を遠洋で漁をしていた船が漁港に帰るところだったので、その船の中に投げ入れ、その他のウロコは漁港の方に投げ入れました。

 シーラカンのウロコを甲板に投げ入れられた船のまわりには、大量の魚が集まり、今回の遠洋では、不漁だったので慌てて、船の周りに網を出して漁を始めました。網の中は凄い大漁になりました。

 どうやら、シーラカンのウロコは、魚を呼び寄せる効果があるようでした。

 シーラカンは、ウロコを全部剥がされると弱っていき、ウルトラの人に抱えられて、海底深くに連れていかれ、眠らされました。

 ウルトラの人は漁港に戻り、手刀でシーラカンのウロコを細かく刻み、漁師達に渡し、ペコリとして宇宙へ去って行きました。漁師達は、遠洋の船の漁師から効果を聞き、シーラカンのウロコをお守りにしました。

 漁師達は、そのお守りを漁に行く時に持って行くと必ず、大漁で帰って来ました。

 実は、この漁港はクラゲが大量に発生してしまい、ここ何日間も近くでの漁が出来ず、みんな貧乏になり、途方にくれているところでした。
 
 魚が大漁で凄く儲かったので、みんなに還元するとの思いで、シーラカン水族館を作る計画があがり、漁港の中に建てました。漁港は観光客もたくさん来て、食堂やシーラカンのグッズのお土産物屋さんもも増えて、活気ある漁港になりました。

 水族館の片隅には、ウルトラの人のエリアも作り、ウルトラの人の銅像を建てたそうです。

 そしてお年寄りの漁師は、この銅像の前で「良くわかってるウルトラの人、ありがとう」と言ったそうです。
しおりを挟む

処理中です...