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宇宙演奏家バッハン星人その1
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宇宙の片隅に平和な星がありました。
ある日、遠い星から1基の大型のスピーカーをつけた円盤がやってきました。そして、バイオリンのような楽器で音を出して、上空を旋回しました。
「この星の人達にも私の素敵な演奏を聞かせてあげよう!」
夕方の忙しい時間帯にぎーぎーと大音響が鳴り響き、帰宅している人達や夕御飯の支度している奥様方は大迷惑です。円盤にむかって、耳を塞ぎながら、抗議しています。
「みんな外へ出てきて、喜んでるな…もっと聞かせて上げよう…」
その時です。宇宙から一筋の光が、円盤に向かって、飛んできました。その光は人の形になり、腕をクロスすると円盤のスピーカーに光線を当てました。ウルトラの人でした。
円盤のスピーカーは、完全に破壊され、あの大音響は消えました。そして、円盤を飛ばしていたシステムも壊れ、円盤は大きい公園にゆっくりと不時着しました。
ウルトラの人は、それを見ると宇宙に帰っていきました。
円盤からは、「バッハン星人」がバイオリンのような楽器を持って、出てきました。
「いたた、ひどい事をする奴がいるなぁ、せっかくの私の演奏が台無しだ…しょうがないここで演奏してやるか…」
バッハン星人は、円盤を林の中に隠すと公園で演奏が出来そうな場所を探していると素敵な歌声が聞こえてきました。バッハン星人は、歌声に引き寄せられて、歌声の主の方に行きました。
「なんて、素敵な歌声なんだ…私は感動したぞ…」
その歌声の主は「ナズ」でした。ナズは歌が大好きだったが、人前は恥ずかしいので、公園の片隅で歌ってました。バッハン星人は拍手しながら、ナズに近付いて行きました。
「キャー、宇宙人…殺さないで…」
「殺すわけないだろ、私は宇宙演奏家バッハン星人だ…」
「バッハンせいじん?宇宙人でしょ?」
「宇宙でも五本指に入る演奏家の私を知らないのか?」
「知りません…」
「まあ、いい…この格好が怖いのか…」
バッハン星人は、いかにも見た目が宇宙人っぽいので、この星のイケメンな青年に化けました。
「そこで、ひとつをお願いがある…一緒にセッションしてくれないか?」
「えー、セッションですか?何を歌えばいいですか?」
「さっきので、いいですよ…私、メロディ覚えましたから…」
ナズが歌い始めるとバッハン星人のバイオリンのような楽器が、あとを追うように綺麗なメロディを奏でます。実は、バッハン星人は、さすがに宇宙演奏家を名乗るほど超一流の演奏が出来、持ってるバイオリンのような楽器は、この星の価値で1000億円もします。
ただ、バッハン星人は機械音痴なので、円盤に付けた大型スピーカーが、中古品で音が割れて、ハウリングを起こし、単なる騒音しか鳴らない代物でした。円盤の中は防音設備で、外に流れている音がわかりませんでした。
ふたりのセッションにギターの音色が、加わりました。この近くでギターの練習をしていた「かな」でした。かなはギターを引きながら近寄ってきて、2人の顔を見てうなづきました。
すると、3人の音楽が奇跡的に凄いハーモニーをかもし出し、バッハン星人の楽器の効果で、半径1キロくらいに音が伝わるとそれを聞いた人達が、公園に集まって来ました。
ゆうに1000人くらいの人が集まり、みんな3人の音楽をうっとり聞き惚れてます。中には動画を撮ったり、写メしてり、そして演奏が終わると拍手の嵐が起こりました。
3人は顔を見合せ、観客に向かってペコリと挨拶しました。そして、観客から名前は?と質問されるとそれぞれ答えました。
「かな」
「ナズ」
「バッハン」
『それじゃバンド名は、かなナズバッハンですね!』
そして、みんなスマホで撮った動画を「かなナズバッハン」をタグ付けし拡散させました。
続く
ある日、遠い星から1基の大型のスピーカーをつけた円盤がやってきました。そして、バイオリンのような楽器で音を出して、上空を旋回しました。
「この星の人達にも私の素敵な演奏を聞かせてあげよう!」
夕方の忙しい時間帯にぎーぎーと大音響が鳴り響き、帰宅している人達や夕御飯の支度している奥様方は大迷惑です。円盤にむかって、耳を塞ぎながら、抗議しています。
「みんな外へ出てきて、喜んでるな…もっと聞かせて上げよう…」
その時です。宇宙から一筋の光が、円盤に向かって、飛んできました。その光は人の形になり、腕をクロスすると円盤のスピーカーに光線を当てました。ウルトラの人でした。
円盤のスピーカーは、完全に破壊され、あの大音響は消えました。そして、円盤を飛ばしていたシステムも壊れ、円盤は大きい公園にゆっくりと不時着しました。
ウルトラの人は、それを見ると宇宙に帰っていきました。
円盤からは、「バッハン星人」がバイオリンのような楽器を持って、出てきました。
「いたた、ひどい事をする奴がいるなぁ、せっかくの私の演奏が台無しだ…しょうがないここで演奏してやるか…」
バッハン星人は、円盤を林の中に隠すと公園で演奏が出来そうな場所を探していると素敵な歌声が聞こえてきました。バッハン星人は、歌声に引き寄せられて、歌声の主の方に行きました。
「なんて、素敵な歌声なんだ…私は感動したぞ…」
その歌声の主は「ナズ」でした。ナズは歌が大好きだったが、人前は恥ずかしいので、公園の片隅で歌ってました。バッハン星人は拍手しながら、ナズに近付いて行きました。
「キャー、宇宙人…殺さないで…」
「殺すわけないだろ、私は宇宙演奏家バッハン星人だ…」
「バッハンせいじん?宇宙人でしょ?」
「宇宙でも五本指に入る演奏家の私を知らないのか?」
「知りません…」
「まあ、いい…この格好が怖いのか…」
バッハン星人は、いかにも見た目が宇宙人っぽいので、この星のイケメンな青年に化けました。
「そこで、ひとつをお願いがある…一緒にセッションしてくれないか?」
「えー、セッションですか?何を歌えばいいですか?」
「さっきので、いいですよ…私、メロディ覚えましたから…」
ナズが歌い始めるとバッハン星人のバイオリンのような楽器が、あとを追うように綺麗なメロディを奏でます。実は、バッハン星人は、さすがに宇宙演奏家を名乗るほど超一流の演奏が出来、持ってるバイオリンのような楽器は、この星の価値で1000億円もします。
ただ、バッハン星人は機械音痴なので、円盤に付けた大型スピーカーが、中古品で音が割れて、ハウリングを起こし、単なる騒音しか鳴らない代物でした。円盤の中は防音設備で、外に流れている音がわかりませんでした。
ふたりのセッションにギターの音色が、加わりました。この近くでギターの練習をしていた「かな」でした。かなはギターを引きながら近寄ってきて、2人の顔を見てうなづきました。
すると、3人の音楽が奇跡的に凄いハーモニーをかもし出し、バッハン星人の楽器の効果で、半径1キロくらいに音が伝わるとそれを聞いた人達が、公園に集まって来ました。
ゆうに1000人くらいの人が集まり、みんな3人の音楽をうっとり聞き惚れてます。中には動画を撮ったり、写メしてり、そして演奏が終わると拍手の嵐が起こりました。
3人は顔を見合せ、観客に向かってペコリと挨拶しました。そして、観客から名前は?と質問されるとそれぞれ答えました。
「かな」
「ナズ」
「バッハン」
『それじゃバンド名は、かなナズバッハンですね!』
そして、みんなスマホで撮った動画を「かなナズバッハン」をタグ付けし拡散させました。
続く
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