魔導蟲

七味とうがらし

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聖剣中禅寺湖

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「ほう、これは良いものだ、」手には一本のひのきの木刀そして柄の部分には焼き印が押してある、

そして見慣れた武器が売っていた、トンファ―だ、これにも焼き印が押してあった、根性と海人の2種類があった、ここが製造元だったのか、俺がエルフの国で使ったものと同じものだった。

「親っさん、これに焼き印が入ってるんだけど、どういう意味だい?」俺は訊ねる、

「ああ、それかい?昔救世主がこの焼き印って奴を作ってな、それを俺の先祖が買ったって聞いてるが、意味はわからんな~ だが結構売れてるんだよなそれ」

ジュン・コーナか、こんなものも作ってたのかよ、色々な所に痕跡が残っているんだな、

「何本か貰っていくよ」そう言って代金を払う、 記念品だからまたデイの所に送ってやろう

アイテムボックスに入れておく、手持ち無沙汰なのでひのきの木刀を一本手にする、それを腰にさしておく、他の連中は各自自由行動中だ、

 セキはあちこち食べ歩きをしているようだ、セラはそれに便乗しているみたいだし、ランはいつも通りドワーフのおっさんがたむろす所でショットガン勝負で売り上げを上げている、シローネは俺の後ろに...いないな、と思ったら土産物屋にまだ商品を眺めていた、

「シローネ、いくぞ、」慌ててシローネがあとを追いかけてくる、俺はシローネの手を取り、隣を歩かせる、「迷子になるから離れるなよ」と警告する、

「シローネ、姉さんは無口で必要な事しか話さなかったんだけど、前からそうだったのか?」

「そうですね、昔から何を考えてるか読めない人でした、ただ冒険者への憧れが強かったと思います」

「そうか、だからギルドに就職したのかな、クローネは話す時って随分冷たい感じがしたんだよな~」

「それは魔法が使えないのにコーナの家名を名乗っていたからだと思いますよ、」

「そうか...そうかもしれないな~」

「あそこに見える熊耳と銀髪は、セキとセラだな、ちょっと小腹がすいたから4人で何か食うか」

そう言ってセキを呼び止める、「セキ~なんかいい食いもんあったか~?」

「あ!コージィ、今ねそこのお店に入ろうとしてたんだ。」

「料理全般何でもできるんだって、知らない料理でおいしかったらここで雇ってもらおうかとおもったんだ」

「私もウエイトレスとしてやとってもらえるかしら」セラが心配気に言う、

「まあ、ウエイトレスならいけるんじゃね?」俺がてきとーに答えてみた、

「まあなんでもやってみよう、とりあえず飯食おう、」俺たちは店に入る、

俺たちは4人掛けのテーブルに着きのろのろとやって来たおばさんに注文を聞かれる、

「この街の名物料理とかってあるのかな?」俺はおばあさんに聞く、

「救世主ワンプレートってのがあるよ、」

「じゃあそれで、」

それはエリンギのバター炒めと肉野菜炒め白米とスープの定食だった、

「妹のミケーネにとジュン・コーナがよく作って食べさせていたと言われる料理だよ、」

「随分とお手軽料理なんだな、」

「ああ、忙しい人たちだったらしいからね」

「セキこの材料で何とかなりそうか?」

「あと1品足していけばなんとかなるかもだけど...原型がなくなっちゃうかも」

「ちょっとやってみるか?」

「今日は俺が交渉してくるよ、俺の先祖の事だしな、貧相な飯ばかり食ってたと思われるのもアレだし、」

「おばちゃん、シェフに話させてもらえないかな、」

「ああいいよ、」厨房に声をかける、「あんたお客さんが話をしたいんだってさ」

「はじめまして、俺はコージィ・コーナと言います、ミケーネ・コーナの子孫です、この料理なんですが少々当家の料理と違うので出来れば本当のミケーネのワンプレートを出していただけるとありがたいのですが、」

「ほう、本物か じゃあ試しに作ってもらおうじゃねーか、」

「一応念の為俺が正当なコーナだと言う証があります、」そう言ってミスリルのクレイモアを引き出す、」

「おお、これがあの伝説の救世主の武器か、わかった、喜んで厨房をお貸ししよう、そして本物を作ってみてくれ」

「では本日はこのセキが担当いたします、当家の味を知り尽くした男です」

「こんにちは~よろしく~厨房おかりしますよ~」

出来上がって来たのはさっきの定食にゴブ肉のステーキが追加されているだけだった、

「まあ試食してみてください、」 俺はそう言ってシェフに勧めた、

「美味い、美味すぎる!!!」

「どうですか?これが本物のコーナ家のワンプレートです、」

「今まで儂はコーナ家の料理を貶めていたのだな、本当に申し訳ないことをした、」

「いやあ、過ぎてしまったことはいいんですよ、よろしければこの味をこの店で引き継いでいただけませんか?」

「え?よろしいのですか、私の様なものがレシピを受け継いでも、」

「はい、広く多くの人に食べてもらいたいですから、皆の幸せが私達コーナ家の願いですから、」

「ではひと月ほどこのセキとセラをお預け致しますので、味を引き継いでください、宜しくお願いいたします」

俺たちはセキの作ったワンプレートを食べてからここで解散、セキとセラはここに残って早速仕事です、給料は歩合制にしておきました、伝票管理はセラの役目、これも勉強だからね、

 それで俺とシローネは鍛冶屋街に来てる、商材さがしだ、とそこへ

「ドンッ ガラガッシャ~ン」「 なめてんじゃね~ぞ ごらぁ!!!」

何だか暴れてる奴がいました、熊の獣人ですね、身長2.5mくらいダイと変わらない位の体格かな、なんだか力任せに暴れてるんですよ、

「何舐めたこと言ってんだ、俺はコーナだぞ!この鍛冶屋はジュン・コーナがミスリル剣を作ったって事は知ってるんだ!さっさと俺様のミスリル剣を出しやがれ!!!それともエルフの国の兵隊をやったようにここも潰してほしいのか?オラなんとかいってみろ!!!」

ふ~ん奇遇だね~あいつもエルフの国の兵隊とやったんだ、

「このコージィ・コーナ様に逆らって生きていられると思うなよ!」

またまた奇遇だね~名前もおなじだよ~  って俺の名を騙る偽物かよw もうしばらく様子を見てみよう、

あ!武器を出したよあいつ、根性と海人の焼き印の入ったトンファ―だよ、

「このダブルトンファ―がお前の頭をかち割る前に早いとこ出しな!」

ふ~んダブルトンファ―だって、すごいなー(棒)

トンファ―を振り回し始めて何だか店の中を破壊してるみたいだね、そろそろ止に行ってきますよ、

「ごめんください~、こちらにコージィ・コーナさんが来てるって聞いたんですけど~」

「俺様がそのコージィ・コーナ様だあ~、何か用があるのか邪魔するなら叩き潰すぞ」と言いトンファ―を振り回し威嚇してくる」

「救世主さん御一行は熊獣人と人族とドワーフの娘の3人組と聞いたんですけど 他の方はどちらに?」

「あたいがドワーフのランだよ!」 なんだかちっちゃいおばちゃんがそこにいました

「ぼくがセキです」 なんだか気の弱そうなひょろっとした人族のおっさんがそこにいましたよ、

うわ~頭数合わせただけの集まりだよこれ、ダメな奴らの集いだよ、

俺は身体強化を自分にかけて更に腰に差した【聖剣中禅寺湖】に魔力を流す、

「いや~俺本物の救世主をエルフの国で見たこと有るんだけど熊獣人がセキで人族がコージィ・コーナそれでランはこんなおばさんじゃなかったよ」

「俺たちにケチつけようってのか、お前から潰して見せしめにしてやるぜ!」

そう言ってトンファー振り回してやてきましたよ、

俺は【聖剣中禅寺湖】をスラリと抜いて構える、

考えなしで力任せにただ振り回してくるトンファ―をひのきの木刀で真っ二つに切る

そして俺は言う「聖剣中禅寺湖に切れぬもの無し!」相手は若干ひるんだが背中から背負っていたクレイモアを取り出して来た、

「木のトンファーだから折れちまったがこれなら折れねえ、食らいやがれ!」

トンファーの切断面に気が付かないのか、折れたんじゃなくて切れたのに、んじゃこれも

キーンと金属音がしたと思ったらクレイモアが中央部から切れて飛ばされていた、

「だから言ったろう聖剣中禅寺湖に切れぬもの無しと」

「くそ、セキ魔法で攻撃しろ!」

ほ~魔法が使えるのかあの人族のおっさんは、あ、何か呪文唱え始めたよ、

「アノクタラサンミャクサンボダイ、アノクタラサンミャクサンボダイ、アノクタラサンミャクサンボダイ、ファイアボール」

一瞬何かの化身になるのかと思ったが気のせいだったようだ、

詠唱長くしてわざと防御のタイミングを外させようと言う技なのか?これは、 いや普通に遅いだけみたいだねこれは、しかもピンポン玉くらいの火の玉がのろのろこっちに向かってくるだけですよ、
あ!しかも魔法を放ったあとのあのドヤ顔って、

俺、無詠唱で水かけてみました、ジュっと音がしてきえちゃいましたけどね、

「あんたがランだと言うならこの酒が飲めるはずだ、」と言ってココロコを一杯出す、

「ドワーフに酒は効かないんだよ!」と嬉しそうにコップを傾ける

ドワーフのおばちゃんはココロコの一気飲みをしてオワタ

「っであんた、どうするんだい?偽のコージィ・コーナさんよ」

「うるせい」と言いながらやる気十分でこちらに走って来た、ので足元に泥沼を作って沈めてみた、

「おっさん実力もないのにコージィ・コーナの名を騙るなんて本物がいたらあんた命はなかったよ、これに懲りて二度と他人の名前を騙るんじゃないよ、わかったかい?」

おっさんコクコクと頷いていた、

俺は聖剣中禅寺湖を腰に差しなおして壊された店にシローネと共に入っていく

「何処のどなたか存じませんが有難う御座いました、おかげさまで助かりました、」

「俺のせいで迷惑かけてしまったようですね、些少ではありますがこれを」と言って金貨を10枚渡した、驚いた顔でこちらを見る、

「俺の先祖が世話になった所に迷惑かけて申し訳ない、」改めて謝辞を述べる

「貴方がコージィ・コーナ様でしたか、」

「はい、でも一応内緒にしておいてください、知れ渡ると面倒なので、」

「はい承知しました、」微笑みながらそう言った、

「少々お聞きしたいことがあるんですけど、ジュン・コーナはミスリル金属の精錬するレシピとかは残しておりませんでしょうか?」

「手前どもの初代がジュン・コーナ様の手伝いをしたとの記録がありますが、見てみますか?」

「よろしいのですか?拝見させて頂いても」

「では、こちらへどうぞ、」

俺たちは地下倉庫に案内された、昔は資料小屋と言うのがあったらしいがあまりにも膨大な資料になってしまったので地下倉庫を作ったようだ、そこには何百冊と資料があった、それと現物を採取した鉱石標本やら色々だった、

「シローネ、お前読み書き計算は出来るか?」

「はいなんとか出来る程度ですが、」

「じゃあ必要な本があったら書き写してくれるか?」

「はい、コージィ様の為にがんばります、」

「おいおい、もう俺たちは仲間なんだ様はやめてくれよ、」

「ん~では、ミケーネ・コーナがジュン・コーナを呼んでいたように兄者とでも呼んでくれ」

「はい、兄者」

俺たちは資料を探し回った、あと鉱石のサンプルを頭に叩き込んだ、夜も更けてきた頃、この店ヴォ-レン工房の主柄ってきてが魏を渡してくれた、今日は宿に戻ろうセキ達も心配してるだろうから、

地下倉庫の鍵を閉め俺たちは宿に向かう、

宿にはランだけがいた、

「ラン、セキ達はまだ帰ってきてないのかな?」

「ああ、まだみてーだな、」

「ラン飯食ったか?」

「い~やまだ食ってねえ」

「セキ達が勤めに出たレストランへ行ってみねーか?」

「おお、いいな行ってみるか、」

「よし、シローネも飯食いに行くぞ」

「はい、兄者」

「おお~シローネはコージィの事は兄者と呼ぶのか、」

「はい」笑顔で答える、

っでセキのいる店、なんか繁盛してるよ、ってか並んでる、行列の出来るレストランになってるよ、

「いようセキ~がんばってるね~」

「コージィ ヘルプはいって~~」

「そんなに大変か、よし待ってろすぐ支度する、ラン、ウエイトレス頼む、」と言うとランと俺は厨房へ」

「兄者私もお手伝いいたします」

「おう、助かるぜ、じゃあお前は洗い物やってくれるか?」

「はい、兄者」

「セキ、やはりワンプレート定食か?」

「うん、あれが殆どだよ」

「食材は足りるか?」

「ゴブ肉が少なくなった」

「良し俺のアイテムボックスから出す」

「会計はおばさんがやってるけど列が出来ちまう、ラン頼めるか?価格はおばさんに聞いてやってくれ」

「あいよ!」

どんどん行列がこなされていく、やはりこのチームは商売に向いてるいいチームだなとつくづく思う、

「セキやっと引けたな、何時頃からああなったんだ?」  俺たちはセキの作ったまかないを食べている、

「コージィが来る1時間前くらいかな~」

「そうだったのか、そりゃ大変だったな」

俺は今日の一件を皆に話す、偽物が出るから注意を促した、それと明日の予定も話しておく、

「ランの明日の予定は?」

「コージィの行ってる店に顔出してみるよ、ドワーフの店なんだろ?」

「ああ、そうだよ、気のいい店主だから是非とも一緒に行こうぜ、」

「おう、ちょいと勝負でもしてみようかな」

「面白そうだな、ラン、例のショットガン勝負か?」

「ああ、楽しみだ」

「お手柔らかにな~」

「オレは勝負事には手を抜かないたちなんだよな~」

「そうだったな、じゃあしっかり勝って儲けて来いよ」

「おう」

「飯も食ったし、宿に戻るか、」

全員腹も満ち足りたしてくてく歩いて宿に戻る、シローネが俺の袖を掴んで一言

「兄者、今日は本当に充実した日でした、有難う御座いました、生きている事をこんなに楽しいと思ったことがありませんでした、」

 少し涙ぐんでいた、両親も無くし絶望していた日々に遠い血縁の俺が兄として一緒にいてくれると言う安心感が有ったのだろうなと、それで感謝してくれたのであろうなと思った、俺もコイツには苦労はさせたくはないと思う、まあクローネの所に行けばもっと安心するだろうからな、

「シローネ、クローネ姉さんと早く会いたければなんとかするぞ?」

「いいえ私は兄者と旅を続けたいと思います、その後でクローネ姉さんに会うのも遅くはないと思いますから、」

「そうか、行商の旅、ちょっと長くなるけど、これからも宜しく頼むな、」

「はい、兄者」満面の笑顔で返事をしてくれる、






続く

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

おまけ

ここはテンシンの町はずれ、ドワーフの爺さんの工房だ、

やって来る少女は眼帯をして腕には包帯が巻かれている、それで登山Tueじゃなくて【魔杖高尾山】を握りしめている、ドワーフとしては少し大きい、それは獣人族とドワーフのハーフだからかもしれない、

「こんにちはぁ~」

「おじいさん、ランから連絡とかあったかなぁ?」

「おお、ランの幼馴染のサリーちゃんか、全然連絡ははいってないぞい」

「今、ランは救世主様と一緒に旅をしているんでしょ、いいなぁ、あたしも旅にでたいなぁ」

「のどが渇いたじゃろ、まあ一杯飲んでいきなさい」

「うわぁ~ありがとうおじいさん」

氷を入れたグラスにアップルブランデーをなみなみと注いで渡す、

「うわぁ~おいしい~」

「そうじゃろうそうじゃろうコージィ・コーナが持ってきてくれた酒じゃからのぉ」

「あの救世主様からのお酒ですか?」

 ここでサリーは拳を握りしめ、ランはいつもこんなにおいしいもの飲んでるのね、私も絶対旅に出てもっと美味しいお酒探すんだぁ~と心に誓う、

「ほうほう、ではランが土産に置いていった奴でもだそうかのう」

サリーちゃんの氷の残ったグラスを受け取り樽の栓を開けグラスに注ぐ、もわっとした空気が手を包む、高純度のアルコールが蒸発して行くときに感じるあの空気だ、なみなみとそれをグラスに注ぐ、

サリーちゃん、これはランからのだ、のんでみるかい、

「ランからのお酒ですか~いただきまぁ~す」

「う~んイマイチなところですねぇ~きついだけでコクがないのよねぇ 少しエグみがあるし、これは果汁で割ってあげるといいですねぇ」

「サリーちゃんはちゃんと味がわかるようじゃのぅ、結構結構ふぉふぉふぉ」

「お前さんも酒の仕入れを商売にしていくのかのう?」

「それもいいなぁ~ランが帰ってきたら相談してみるね~」

「ごちそうさまでした、また遊びにきますね~」

夕日を背中に浴びながら街に向かって歩き出しました


続く???








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