がんばれ!工業高校生

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お疲れちゃん

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「新藤お疲れ。テストどーだった?」
今日はテストを終えた翌日。
一校時目からテスト返却があり、今は昼休みだ。
返ってきたテストは、現代社会とコンピュータシステム(必修6)の二つ。
「水本くんもお疲れちゃーん。現社は80点で、シスコンは72点だったー」
シスコン?
そんなものに点数なんてつけて良いのだろうか。
「新藤シスコンだったの?」
「違うよ違うよ!いや違くわないけど違うよ!コンピュータシステムを略してシスコンなの。水本くんはテストどーだった?」
コンピュータシステムを略したらコンシスだろと思うのだが、シスコンの方が言いやすいのだろう。
野暮なツッコミはしない主義なのだ。
てか、違くないのかよ。
「俺は、現社は46点でシスコンは98点だったよ」
「やっぱり普通科弱いね~。情報科のやつは基本情報取ったから余裕だった?」
「けっこう内容被ってたからね」
俺はつい先日、基本情報技術者という資格を取得したのだ。
と、俺が新藤と楽しげに話している所に山本が割り込んできた。
「ちょっと聞いてくれよ!俺ファイル提出したのにしてないことになってんだよ!」
またこいつは訳の分からないことを、と思ったが顔の焦り具合から冗談ではないことは察した。

工業高校は普通科高校に比べて提出物点の配点が非常に高い。
頭が悪い生徒でも真面目にやれば点数を取れる、赤点を逃れることができる、という風になっている。
先生によっては、ペーパーテスト70%、提出物30%で採点することもある。
それくらい工業高校にとっては提出物が大切だということだ。

「俺シスコンのファイル、ボックスに入れたんだよ。周りにいた奴らも見てたから証人はいる。それなのにファイルがカバンの中にあったんだよ!おかしくね!?仕組まれてるわこれ誰かに!ふざけんなよマジで!!」
「一旦落ち着け、うるせー。お前はただでさえ声がでかいんだから。つーかお前もシスコンって言うんだな」
この略し方を知らなかったのは俺だけだったらしい。
普通コンシスだろ…。
「えっと、つまり山本さんは、ファイルを出したのに自分のカバンの中に入ってて、提出していないことになってるってこと?」
「そういうこと!俺テストやばかったし授業中も騒いでて点数引かれてるからやべーんだよ提出しなきゃ!」
シスコンの教師は授業中うるさい生徒がいても注意はしない。
黙ってテストの点数から引いていく。
「とりあえず先生の所に行こうぜ。話せばわかってくれるかもよ?」
俺たちは情報科職員室に向かった

シスコンの教師は意外にもしっかりと話を聞いてくれた。
「なるほどな。山本の言うことはわかった。それで、お前はどうしたいんだ?」
「ファイルを見てほしいです!ちゃんと提出したんで点をください!」
山本のでかい声が響く職員室の中、渋々といった表情でファイルを受け取るシスコン教師。
流れでついて来た新藤が口を開く。
「シスコン先生、私の提出物点教えて貰ってもいいですか?」
おい新藤、シスコン先生はまずいだろ。
「新藤は、提出物点は満点だな」
「やった!」
先生、シスコン呼ばわりされてますよ?
そんなやつに満点あげていいんですか?
「ちなみに水本は、基本情報受かったから提出物点満点で、合計点にプラス30点」
「やったー」
まあ30点プラスされた所で、百点以上にはならないのであまり意味は無い。
「山本、お前プリント足りないじゃないか。ちゃんと挟んでおけと言ったのを聞いていなかったのか?」
「あ、すみません無くしました」
「減点」
山本お前、ファイル提出しない方が良かったんじゃないか…?
「はい、見終わったよ。次からはちゃんと出すように」
「俺の提出物点は何点ですか?」
ファイルを脇に挟み、両手を祈りを捧げるように組んでいる。
山本のペーパーテストは40点。
40点の70%は28点なので、提出物点が無ければ赤点である。
果たして山本の提出物点は赤点を回避するだけあるのだろうか。
提出物点が7点以上であれば、赤点回避である。
結果は、
「山本の提出物点は、10点だ」
「よっしゃー!!!」
赤点回避だ。
狂喜乱舞する山本。
しかし、シスコン教師は続けてこう言った。

「山本は授業中うるさいからな。合計点から8点引いてあるぞ」

「え…?」
さぁ、みんなで計算してみよう。
40点の70%は28点。
10点の30%は3点。
合計点は31点。
そこから8点引くと23点。
赤点は30点未満である。
なるほど。
これは一目瞭然だ。

「「お疲れちゃーん」」
俺と新藤は、情報科職員室を後にした。
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