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か弱い悪魔
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手が離れたらきっと、もうこれで最後だ。
次はない。
そう思えば思うほど、手が冷えて。
遠い遠い夜景がキラキラ揺らめく度に、心に風が吹きすさぶ。
「咲さん、次はいつ会えるかな」
震える手をいっそう強く握る。
「いひひ、手、痛いよ」
そうやって、ふわりとはぐらかして。
間延びした声がキンと冷えた空気に滲んでいく。
それすらも、切ない。
「君はまだ若いからねぇ、もっともっと、いい人が見つかるとお姉さんは思うのです」
「だから、そんな悲しい顔しないで?」
「かわいいね~、ほっぺむぎゅーーー」
「あはは、冷たいかな」
「……ね、だから、元気だしてね」
「大丈夫だよぉ、君かっこいいし」
「マネージャーの子、上手くいってるんでしょー?」
「んふふ、嫉妬しないのって?お姉さんもう大人だもん」
「それでも、まぁ、少しだけ」
「君の前では子供でいたかもね」
「僕は、僕は……!」
「だーめ」
咲さんの人差し指が僕の口元に添えられる。
指の腹とキスをするような格好。
甘い香水の香りが冷たい空気と共に鼻を抜けた。
「でもね」
咲さんは僕の口に当てていた手を、スっと離して。
いじわるな、僕の大好きな笑顔で。
人差し指の腹を、自分の口に当てて、こう言うのだ。
「忘れないでいてくれたら、またいつか会えるよ」
次はない。
そう思えば思うほど、手が冷えて。
遠い遠い夜景がキラキラ揺らめく度に、心に風が吹きすさぶ。
「咲さん、次はいつ会えるかな」
震える手をいっそう強く握る。
「いひひ、手、痛いよ」
そうやって、ふわりとはぐらかして。
間延びした声がキンと冷えた空気に滲んでいく。
それすらも、切ない。
「君はまだ若いからねぇ、もっともっと、いい人が見つかるとお姉さんは思うのです」
「だから、そんな悲しい顔しないで?」
「かわいいね~、ほっぺむぎゅーーー」
「あはは、冷たいかな」
「……ね、だから、元気だしてね」
「大丈夫だよぉ、君かっこいいし」
「マネージャーの子、上手くいってるんでしょー?」
「んふふ、嫉妬しないのって?お姉さんもう大人だもん」
「それでも、まぁ、少しだけ」
「君の前では子供でいたかもね」
「僕は、僕は……!」
「だーめ」
咲さんの人差し指が僕の口元に添えられる。
指の腹とキスをするような格好。
甘い香水の香りが冷たい空気と共に鼻を抜けた。
「でもね」
咲さんは僕の口に当てていた手を、スっと離して。
いじわるな、僕の大好きな笑顔で。
人差し指の腹を、自分の口に当てて、こう言うのだ。
「忘れないでいてくれたら、またいつか会えるよ」
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