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一編の詩が あなたを 強く抱きしめる 時がある
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1、
心を動かされる詩と出会いたくて、この詩集を手に取った。
『一編の詩があなたを強く抱きしめる時がある』、その通りだと思う。
一編の詩に、一冊の小説に、一曲の歌に、強く抱きしめられる時がある。
今回もたくさんの詩と出会うことができた。
前回、感想を書いた『いまを生きるあなたへ送る詩50』は繊細な、「陰」な雰囲気を含む詩集だったと思うが、今回の詩集は、光がある「陽」の雰囲気を感じる詩集であった。
「陰」というと、悪いイメージを持つ言葉かもしれないが、私は前者の方が心の奥に染み込んでくるものがあり、好きな詩集であった。
今回も、心に留まった詩を3つ取り上げたいと思う。
2、
目覚めた時 葉祥明
今朝
目覚めた時
ベッドの中で
一人微笑んだ
何か良いことが
あったからでも
何か良いことが
ありそうだからでもなく
ただ、今日という日が
また与えられたことが
なんだかうれしくて
思わず微笑んだんだ
「生きていることが幸せ」そんな多くの人が持っている感覚を表現している詩だ。
私は、「生きていて幸せ」「生まれてきて幸せ」という感覚を体験したことがないのだが(本当のことなのだから、建前や綺麗ごとで嘘は言えない)、なぜかこの詩からは貰える感覚があった。
感じるものがあったということは、ずっと分からない感覚だったが、歳をとって、「生きているだけで幸せ」という感覚を少しは分かるようになってきたのかもしれない。
3、
2つ目は、有名な歌の歌詞。
Jupiter 吉元由美
Every day I listen to my heart
ひとりじゃない
深い胸の奥で つながってる
果てしない時を 超えて輝く星が
出会えた奇跡 教えてくれる
Every day I listen to my heart
ひとりじゃない
この宇宙の御胸に抱かれて
私のこの両手で 何ができるの?
痛みに触れさせて そっと目を閉じて
夢を失うよりも 悲しいことは
自分を信じて あげられないこと
愛を学ぶために 孤独があるなら
意味のないことなど 起りはしない
心の静寂に 耳を澄まして
私を呼んだなら どこへでも行くわ
あなたのその涙 私のものに
今は自分を 抱きしめて
命のぬくもり 感じて
私たちは誰も ひとりじゃない
ありのままでずっと 愛されてる
望むように生きて 輝く未来を
いつまでも歌うわ あなたのために
有名な曲なので、この歌自体は知っていたが、歌詞を深く読んだことはなかった。
今回、改めて歌詞を読み込み、その深さを感じることができた。
「深い胸の奥で つながってる」
遠くにいても、長い間会えなくても、そう感じることができる人がいる。
そう思える人がいるだけで、そう思える人に出会えただけで、私の人生幸せだったのかもしれない。
「ありのままでずっと 愛されてる
望むように生きて 輝く未来を」
こんな社会不適合者な私でも、確かに愛してくれている人がいる。
恐れずに、望むように生きれば、もっと幸せになれるのかもしれない。
私は音楽ができない。
こんな言葉たちを、音に乗せて表現でき、多くの人に、深く届けることができる。
やっぱり音楽はすごい、強い。
音楽ができる人を羨ましく思った。
4、
3つ目は、短いが、元気を貰える詩。
かわっていくこと 折原みと
かわっていくことは、こわくない。
ワクワクしたいな。
明日の自分に。
変わっていくことを、嘆くことは多くある。
日本は変わってしまった。生活は変わってしまった。あの人は変わってしまった。
変わらないものは何もない。
変わっていくことにわくわくしたい。変わることを楽しみたい、という前向きな気持ちにさせて貰える詩だった。
5、
最後に、詩集に収録されている「詩」ではないのかもしれないが、本書の一番初めに書かれている「お願い」も紹介したい。
私は、冒頭のこの部分に、一番感動を貰ったかもしれない。
お願い
一編の詩を読んでください
一編の詩が
ぼくを励ましてくれました
一編の詩が
ぼくを育ててくれました
いま 大好きな詩と
ぼくは生きています
その大好きな一編の詩を
あなたにも読んでほしいのです
ぼくはあなたを知りません
あなたの痛みは
わからないと思います
だからこそ
ぼくの大好きな詩を
届けたいのです
ここにある一編の詩を
読んでください
そして 決して
死なないでください
水内喜久雄(2007)『一編の詩があなたを強く抱きしめる時がある』,PHP研究所
心を動かされる詩と出会いたくて、この詩集を手に取った。
『一編の詩があなたを強く抱きしめる時がある』、その通りだと思う。
一編の詩に、一冊の小説に、一曲の歌に、強く抱きしめられる時がある。
今回もたくさんの詩と出会うことができた。
前回、感想を書いた『いまを生きるあなたへ送る詩50』は繊細な、「陰」な雰囲気を含む詩集だったと思うが、今回の詩集は、光がある「陽」の雰囲気を感じる詩集であった。
「陰」というと、悪いイメージを持つ言葉かもしれないが、私は前者の方が心の奥に染み込んでくるものがあり、好きな詩集であった。
今回も、心に留まった詩を3つ取り上げたいと思う。
2、
目覚めた時 葉祥明
今朝
目覚めた時
ベッドの中で
一人微笑んだ
何か良いことが
あったからでも
何か良いことが
ありそうだからでもなく
ただ、今日という日が
また与えられたことが
なんだかうれしくて
思わず微笑んだんだ
「生きていることが幸せ」そんな多くの人が持っている感覚を表現している詩だ。
私は、「生きていて幸せ」「生まれてきて幸せ」という感覚を体験したことがないのだが(本当のことなのだから、建前や綺麗ごとで嘘は言えない)、なぜかこの詩からは貰える感覚があった。
感じるものがあったということは、ずっと分からない感覚だったが、歳をとって、「生きているだけで幸せ」という感覚を少しは分かるようになってきたのかもしれない。
3、
2つ目は、有名な歌の歌詞。
Jupiter 吉元由美
Every day I listen to my heart
ひとりじゃない
深い胸の奥で つながってる
果てしない時を 超えて輝く星が
出会えた奇跡 教えてくれる
Every day I listen to my heart
ひとりじゃない
この宇宙の御胸に抱かれて
私のこの両手で 何ができるの?
痛みに触れさせて そっと目を閉じて
夢を失うよりも 悲しいことは
自分を信じて あげられないこと
愛を学ぶために 孤独があるなら
意味のないことなど 起りはしない
心の静寂に 耳を澄まして
私を呼んだなら どこへでも行くわ
あなたのその涙 私のものに
今は自分を 抱きしめて
命のぬくもり 感じて
私たちは誰も ひとりじゃない
ありのままでずっと 愛されてる
望むように生きて 輝く未来を
いつまでも歌うわ あなたのために
有名な曲なので、この歌自体は知っていたが、歌詞を深く読んだことはなかった。
今回、改めて歌詞を読み込み、その深さを感じることができた。
「深い胸の奥で つながってる」
遠くにいても、長い間会えなくても、そう感じることができる人がいる。
そう思える人がいるだけで、そう思える人に出会えただけで、私の人生幸せだったのかもしれない。
「ありのままでずっと 愛されてる
望むように生きて 輝く未来を」
こんな社会不適合者な私でも、確かに愛してくれている人がいる。
恐れずに、望むように生きれば、もっと幸せになれるのかもしれない。
私は音楽ができない。
こんな言葉たちを、音に乗せて表現でき、多くの人に、深く届けることができる。
やっぱり音楽はすごい、強い。
音楽ができる人を羨ましく思った。
4、
3つ目は、短いが、元気を貰える詩。
かわっていくこと 折原みと
かわっていくことは、こわくない。
ワクワクしたいな。
明日の自分に。
変わっていくことを、嘆くことは多くある。
日本は変わってしまった。生活は変わってしまった。あの人は変わってしまった。
変わらないものは何もない。
変わっていくことにわくわくしたい。変わることを楽しみたい、という前向きな気持ちにさせて貰える詩だった。
5、
最後に、詩集に収録されている「詩」ではないのかもしれないが、本書の一番初めに書かれている「お願い」も紹介したい。
私は、冒頭のこの部分に、一番感動を貰ったかもしれない。
お願い
一編の詩を読んでください
一編の詩が
ぼくを励ましてくれました
一編の詩が
ぼくを育ててくれました
いま 大好きな詩と
ぼくは生きています
その大好きな一編の詩を
あなたにも読んでほしいのです
ぼくはあなたを知りません
あなたの痛みは
わからないと思います
だからこそ
ぼくの大好きな詩を
届けたいのです
ここにある一編の詩を
読んでください
そして 決して
死なないでください
水内喜久雄(2007)『一編の詩があなたを強く抱きしめる時がある』,PHP研究所
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