ソツのない彼氏とスキのない彼女

吉野 那生

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隠し味

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どうでもいい事だが、北条はよく食べる。

がっしりしているが、決して太っては見えない彼曰く、その体力を維持する為に必要な量との事だが。

それにしても、1食で人の3倍は軽く食べている。

確かに食べた分かそれ以上、北条はよく動いているし、豪快な食べっぷりは見ていていっそ気持ちいいのだけれど…。


悠香は目の前に並んだ皿が、かなりのスピードで空になっていくのを、目を丸くして見つめた。


「今西さん、それ食べないの?
食べないんなら…」

「食べます!」

最後に、と思って残していた好物を取られてなるものか、と皆まで言わさずきっぱり返すと

「えーそうなの?
んじゃもう1回取ってくるわ」

と北条は席を立った。


 
昨晩、あれほど辛そうにしていた人と本当に同一人物か?と真剣に考えたほど、北条の体調は戻っていた。


「大丈夫ですか?その…二日酔いとか」

まだ寝ていた北条を起こさないよう、出来るだけ静かにシャワーを浴び、身支度を整えてバスルームを出た所で、目が覚めたらしい北条と目が合った。

開口1番そう訊ねた悠香に

「二日酔い?全然。
それより腹減ったなぁ、なんか食いに行こう」

と寝ぐせでぐしゃぐしゃになった頭を掻きながら、北条は言った。

「…その前にシャワー浴びられたらいかがですか?」


流石にちょっと…お酒の匂いが、ともいえずに濁した悠香の態度に察したのか

「それもそうだな。
じゃあ、ちょっと待ってて」

北条はバスルームに消えていった。


 その回復の速さと旺盛な食欲に呆れつつ、悠香は北条の後ろ姿を目で追った。

ホテルの最上階にあるラウンジで、バイキング形式の朝食を取っているのだが、北条がお代わりに行くのはこれでもう3回目だ。

1回に取って来る量とて、決して少なくないのにぺろりと平らげてしまう。

この分だと彼の家計におけるエンゲル係数の割合は相当高いようだ、とかなりどうでもいい事を考えて悠香は苦笑した。
 

「なーに笑ってんの?
思い出し笑いをする人はエッチなんだって知ってた?」

またしても皿に大盛り料理を乗せて戻ってきた北条が、目ざとくからかってきたので

「あら、そうなんですか?
初めて聞きました」

わざと悠香は知らないふりをした。

「えー、そうかなぁ?
わりとよく聞くと思うんだけど。
で、ナニ思い出し笑いしてたの?」

「別に思い出し笑いしてた訳じゃありません。
ただ、北条家はエンゲル係数高そうだなと思っただけですよ」

隠すほどの事でもないので正直に悠香がそう言うと

「あー、よく食うからねぇ俺。
ほら、育ち盛りだし」

意味もなく北条は自慢げに胸をはった。


「育ち盛りと言うには「とう」が立ってません?」

だが悠香のクスクス笑いながらの切り返しに

「そりゃあないでしょう」

今度は大げさにぼやき、心なしかふて腐れた態度でやけ食いのように食べだした。
 

くるくる変わる北条の表情を「百面相みたい」と微笑ましく思いながら

「北条さんって脂っこいものが好きなんですか」

さっきから思ってた事を悠香は聞いてみた。

「あぁ、わりとね。
って言っても何でも食べるんだけどさ、基本的に」

だが見た限り、彼が取ってきた「野菜」はトマトジュースだけ。

朝っぱらからよくそんな脂っこい物食べられるな、と密かに悠香が感心したくらい彼の皿に並ぶのは肉や揚げ物の類だけだ。

煮炊きした物も生も、野菜には一切手をつけていない。


「ちゃんと栄養のバランス考えて食べてます?」

「え…?」

驚いた顔で見つめられ、余計な事だったかと悠香は顔を赤らめた。

「あー、バランスねぇ。
考えた事もなかったな」

ややあって、頭を掻きながら言う北条に悠香は小さな声で

「すみません、ヘンな事言って」

と謝った。


そんなにしょげられたら、まるで俺が苛めたみたいじゃないか、と幾分焦って北条は

「だけどさ、だからってどこか悪いわけじゃないんだぜ。
むしろ完璧な健康体。
丈夫だけが取り柄ですから、俺」

とフォローを入れる。

それでも悠香の顔色は冴えない。

なので
 
「誰かさんがバランス満点の弁当でも作ってくれたら…」

 
北条にしてみれば、半分以上リップサービスのつもりだった。

いや、打算や期待が全くなかったとはさすがに言わないが。
それでも本当に作ってもらおうなんて厚かましい考えは…なかったのだ。

 
「じゃあ私作ります。毎日は無理だけど」

途端にパッと明るい表情になった悠香の言葉に、北条はゴクッと唾を飲みこんだ。

「…いいの?ホントに?迷惑じゃない?
ほら、俺、結構食べるし、色々めんどくさいだろ」

と一応念を押してみる。

良くも悪くも押しの強さが「売り」だったのに、いざとなったらこの体たらく。

 
——何余計な事言ってんだよ、俺。
大体向こうから言い出したことだろうが!

とは北条の心の声。

 
「迷惑だなんて全然。
それに私、お昼に外出の予定のない日は弁当を持参しているんです。
1人分も2人分も同じですから」

にっこり笑って快諾した悠香の言葉に、内心「よっしゃあー!」と叫び、その日はたとえ外回りに出ていようとも、必ず昼食を食べに帰ってこよう!と誓う北条であった。

 
   * * * * * * 

 
そんな訳で、悠香の手作り弁当を初めて味わえるその日。

外回りに出ていた北条は11時過ぎには打合わせを半ば強引に終わらせ、社へと急いで戻った。

朝、悠香が弁当らしき大きな包みの入った紙袋を提げて出社したのはチェック済み。

社で決められている昼の休憩時間は基本的に正午から1時間。

その5分前には余裕で戻り、北条は「外出中」になっていた自分のネームプレートを「在席中」に戻した。

「お帰りなさい、早かったんですね」

「予定より早く打合わせが終わってさ。
今西さんの手作り弁当を食べに、急いで帰ってきたって訳」


何食わぬ顔で、わざと周囲に聞こえるようやや大きめの声で言い放った北条に、悠香を除く一同の視線が集中した。

「あら、少しくらいなら待ってますよ」

今度は悠香に視線が集まったが、本人はそれに気がついていない。

などと言ってるうちに正午になり、連れ立って食堂に出かけた2人の姿が完全に見えなくなった途端


「て、て、て…手作り、弁当だぁ?」

「何だってあの人だけそんな羨ましい事になってるんだ?」

「ったく!自慢かよ、今のは」

野口、門馬、江藤ら、独身の男性陣が悔しがる中、美里だけが冷静に

「あの2人、いつの間にそういう仲に…?」

と呟いた。

  
——もちろん、まだ「そういう」間柄になった訳ではない。

悠香がその場にいたらそう訂正しただろう。

しかしその場に居合わせた者にそんな事分かる筈もなく、2人が消えていった方を呆然と見つめた。
 


悠香はよく食べる北条にあわせて、3段重ねの重箱を用意していた。

「すげー!なんか運動会みたい」

お茶を淹れている悠香の横で、子供のように北条は目を輝かせる。

パンッと手を合わせ「いただきます」と言うなり、いつもより豪快に北条は食べ始めた。

「んまい!今西さん、料理上手だなぁ。
ん、これもうまい」

少々わざとらしいかと思いつつ、北条は大きめの声で悠香の手料理を絶賛する。

…実は見せびらかしいだけであったのだが。

でも今西さんの作った料理が美味しいのは事実だ、と北条は心の中で言い訳する。


一方褒められるのは嬉しいが、注目を集めてしまった悠香は真っ赤になって俯いた。

「ほら、食べないの?」

誰のせいですか?と言いかけて、隙間なく詰めてきた中身が半分以上なくなっている事に気付き、悠香も慌てて箸をとった。
 
仲良く同じ重箱をつついている2人の様子を、他の社員達は興味深々で見守る。

 
噂はホントだったのだと得意げに目配せする者。

北条を、もしくは今西を取られたと肩を落とす者。

面白半分で口笛を吹く者。

 
そんな周囲の気配を十分に察知していながら、北条は尚も牽制をかける。

「こんなうまい弁当、明日も食べられるなんて幸せ者だなぁ、俺」

「オーバーですよ、北条さん」

周囲の微妙な空気と不躾な視線に気付いた悠香は、そそくさと食べ終えるときれいに片付いた重箱をしまう。


「オーバーじゃないって。
あ、次はリクエストしてもいいかな?」

「いいですけど、他の場所に行きましょう。
ね?」

駄目押しのように周囲を見回す北条を、半ば引きずるようにして悠香は食堂を出ていった。

そして、後にはあっけに取られた面々だけが取り残された。


「何…だったんだ?今の」

「さぁ…?」

 
空になった重箱を入れた紙袋と北条の左腕とを両腕に抱えたまま、悠香は屋上へ駆け込んだ。

殆ど全力疾走に近いスピードで階段を駆け上がってきたので少々息が切れ、悠香はその場にへたりこんでしまった。

腕を掴まれたままの北条もそれに倣って、屋上のドアに背中を預けて座り込む。


「今西さんって走るの早いんだな。
付いてくのが精一杯だったぜ」

息も切らしてなければ汗一つかいてない北条が言っても、説得力の欠片もない。

それでも彼の腕をしっかり胸に抱え込んだままだった悠香は慌てて手を放し

「あ…ご、ごめんなさい。私ったら…。
それによく考えたら、あなたまで逃げ出してくる事はなかったのよね。」

殆ど条件反射で頭を下げた。


——こんな事なら、余計な事を言うんじゃなかった。


腕に押し付けられていた悠香のふくよかな胸の感触を惜しみつつ、

「いやぁ、今西さんと一緒ならたとえ火の横水の横」

という北条に

「…?
それを言うなら、火の中水の中でしょ?」

フフッと笑いながら訂正する悠香。

しかし北条は真顔で言いきった。

「いや、横でいいんだ。
俺が火やら水に入ってる時、今西さんに何かあったら、すぐに助けに駆けつけられないだろ」

一転して鮮やかにウィンクを1つ決め、気障なセリフを吐く北条を、悠香は真っ赤な顔で見つめた。 


「…何?」

「よく、そういう恥ずかしい事平気で言えますね。
もしかして酔ってます?」

見つめられるのは大歓迎だが、セリフの方は少々難ありだ。

お返し、とばかりにじっと覗き込み

「今西さんにね」

「っ!」
 

——おぉ、今、ボンと火を噴きそうな勢いで顔色が変わったぞ。

すげぇ真っ赤っか。

 
ニンマリと笑いながら北条は続けた。

「正確には、今西さんの絶品手作り弁当に、かな」

「あなたはっ!」


言葉の代わりに盛大なため息をつき、悠香は膝を抱え、その中に顔を埋めた。


「おーい、今西さん?」 

「私で遊ばないで下さい」

「遊びじゃなかったらいいの?」

がばっと勢いよく顔を上げると悠香は北条を睨みつけた。

「だから!そういう事じゃないでしょう?
そんなイジワルな事ばかりおっしゃるんでしたら、もうお弁当やめますよ」

我ながら子供っぽい脅迫だ、と思いつつ悠香がそう口にした途端

「ごめんなさい!
俺が悪かった!もうしません!
だからそれだけは勘弁してください」

顔の前で両手を合わせ、縋りつくように上目遣いで悠香を見上げる北条。

 
わざとだ。絶対わざと。
 
分かっていても、そんな顔をされてしまうと強く出れないのが悠香の性格。


「…もういいです。
で、何がいいんですか?明日のお弁当は」

「え?」

「あら、だってさっき「リクエストしても良い?」って」

周りに対する牽制のつもりで口にしただけなのに、真に受けられていたとは。


いやいや、今更何も考えてなかったとも言いにくいし…と北条は鼻の頭を掻いた。

「実はさ、手作り弁当に今まで縁がなかったから、どんなおかずが定番かって知らないんだな、これが」

言い繕うのもなんだし、と正直に打ち明けると悠香は目を丸くした。

「今まで食べた事なかったんですか?」

「俺んち結構複雑でさ、弁当作ってくれる人っていなかったのよ」

「でもさっき運動会みたいって…」

「あー、誰も弁当作ってくれない上に見にも来てくれない俺を不憫がって、1回だけ担任が作ってくれた事あったから」

「すみません。私…知らなくて」

すっかり俯いてしまった悠香の肩に手を置き

「もう20年も前の話だから。
それに今は今西さんが作ってくれるでしょ?」

と苦笑する北条の手を徐に握りしめ、悠香は力強く宣言した。

「分かりました。明日から毎日愛情いっぱいのお弁当を作らせていただきますわ」

「愛情いっぱいは嬉しいけどさ、毎日なんてそう気張らずとも時々で良いよ。
重箱3段は結構しんどいだろ」

「いいえ!そんなこと全然ないです。
北条さんのためなら」

「…」
「…」
 

——今、なんかとっても嬉しい事を言われた気がする、と北条は悠香を見つめた。

——今、なんかとっても恥ずかしい事を言ってしまった気がする、と悠香は視線を逸らした。
 

恥ずかしそうに視線を逸らす悠香がメチャクチャ可愛くて、思わず本能の赴くままに行動しそうになった北条だが

「あら、もうこんな時間。
大変、事務所に戻らなくちゃ。
すみません、電話の約束がありますので先に戻ります」

あくまでも天然な悠香は、何1つ気付かずに
バタバタと階段を駆け下りていった。
 

   * * * * * * 

 
そして今日も今日とて

「お、また愛妻弁当か?」

課で唯一の彼女持ち門馬にからかわれ、向かいに座ってる悠香に

「違います!」

と速攻で否定されつつ

「羨ましいだろー」
と鼻の下を伸ばす北条 智32歳。

 
付き合ってるのか?と聞かれれば返答に困るが、それでもほぼ毎日食べさせてもらえる手作り弁当に、幸せをかみしめる営業主任であった。
 
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