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5人のシーカー
ある男を探す2人の男
しおりを挟む人通りの少々ある小道を二人の男が馬に乗って通っていた。二人の男は綺麗な茶色の制服にハットをかぶりそれぞれ赤と青のマントを羽織っていた。
「あの丘を越えたら帝国の都ハーレイだな」
「そうだ。長旅だったなギルドの上層部の命令とはいえまさか本社の人間である我々がこんな所にまできて人探しとはな…おまけに名前とこの町にいるという事以外何もわからない…こういうのはもうこれっきりにして欲しいよ」
「まったくだ…ああ腹減った~おい!早く行こうぜ」
「ちっ…せっかちめ…」
二人は勢いよく馬を走らせる。丘を越えると石造りの広大で威厳のある都が広がっていた。
都に着くと2人は感心させられた。大きな門を抜けると石造りの建物がそびえ立っていた。遠くからでも見えていたが近くで見るとより迫力があった。大通りには沢山の人で溢れ市場には様々な商品が売られていた。2人hs空腹を忘れしばらく都を見学した。2人はその後宿屋を探し初めた。適当な宿屋を見つけ部屋をとると近くの酒場を訪れた。さすが帝国の都と言うべきか一般市民から傭兵に商人まで多くの人で賑わっていた。2人の目的は人探し、情報得るにはもってこいだった。それに腹も満たすこともできる。2人が席に着き食事をとっていると商人らしき男が話かけてきた。
「ちょっと失礼。席がないんで同席しても?」
「かまわないよ」
赤のマントの男が答える。いつもなら断るのだがここでは赤の他人の同席は普通らしく何より今は情報が欲しかった。
「ありがとう。ふぅ、やっと食事ありつけるぞ。私はホドック・ワトソンだ。この町を拠点に食品の商売をしている」
「よろしくホドック。私はレイスだ。もう一人の青マント野郎は相棒のグレン私達はギルドで働いている。」
「へぇー、ギルドかい良い所で働いているねぇ」
商人は2人と軽く握手すると食事を頼み初めた。3人で雑談をしていると食事が届き商人は食事を初めた。
「あんたらギルド本社の人間がこの町に何の用かな?」
「!?」
赤マント男のレイスは驚きを隠せなかった。ギルドの人間とは言ったものの本社の人間とは言っていなかった。制服は全ての社員共通なので見た目で気付く訳がない。
「なぜ我々が本社の人間だと?」
青マント男のグレンが商人に問う。
「雰囲気だよ。商売は人との関係が密接だからねぇ。わかっちまうんだ。自然とね」
「なるほど実はある男を探している。」
「男?誰だい?」
「イッサ・フォルマートという男だ」
「ぶっふぉ!?」
ビックリしたのか商人は飲んでいた飲み物を吹いてしまった。赤マントのレイスは持っていたハンカチを渡して商人に顔を拭くように言う。商人は「ありがとう」と一言言って口回りを拭き初めた。それを見ながら青マントのグレンは同じ質問を繰り返す。
「イッサ・フォルマートを探している。雰囲気で身分が分かるほど人と接しているんだろう?それにさっきの反応といい何も知らない訳じゃあるまい?知っている事を教えてくれ」
「フォルマートか…よく知っているよ。この町でアイツほど好き勝手やる奴はいない…で、何でわざわざギルド本社の人間が奴を探している?この町の支社の人間を使えばいいだろう」
商人は興味深々に訪ねてきた。
「我々には答える権限はない」
グレンが機械的に答えると商人はとても残念そうな顔をした。だが面白がってか商人はまたフォルマートの話を初めた。
「極秘って奴かい…まぁいいとにかくフォルマートは恐ろしいやつだ。この町の奴らはみんな知ってるよ。奴は19と言う若さで「デルトラ」というギャングの頭をやっている。敵対するギャングはもうこの町にはないよ。みーんな奴にやられちまった。」
「それは本当なのか?19の若造にこの町のゴロツキ達は支配されているのか?」
信じられないとばかりにレイスが思わず質問してしまう。
「そりゃお前奴が…強すぎるからだよ…何ヵ月か前奴を逮捕しに来た貴族の帝国騎士団が丸裸にされて広場に放り出されてたしな、喧嘩売った力自慢の冒険者や傭兵達も同じ目にあってるよ」
「どこにいるか分かるか?」
「噂じゃ北町の帝国軍武器庫の廃墟にアジトがあるらしい。行った事無いけどな」
「教えてくれてありがとう」
「奴を探して何を企んでるか知らないけどとりあえず幸運を祈ってるよ」
レイスとグレンはメモを取り終えると店主に酒を3杯もって来させ3人は乾杯した。
「この出会いに乾杯!」
グビグビグビグビ…ドンッ!
3人は豪快に酒を飲み干し勢いよくジョッキをテーブルに叩きつけた。
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