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手を握られる……!?

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 そもそもこの5人は私にとってどんな存在なのよ、と、整った5つの顔を見ていると

「ねー、早く着替えして朝食食べないと学校遅れちゃうよ?」

「学校?」

「もう、今日は休日じゃないからねー? ほら、僕たちは先に行って待ってるから準備して早く来るんだよ?」

 と言い、5人と妹と言われている女の子は部屋からゾロゾロと、分かりやすいほどの笑みを浮かべて消えていった。

 なにがなんだか、起きた瞬間に知らない世界に来て、イケメン5人に囲まれて、しかも美しい妹がいて、いやいやこの世界は一体なんなのよ、と思いながらベットを出て鏡の前に行くと、私の容姿は何一つ変わっていなかった。

 妹はあんなに可愛いのに、私は平凡すぎない?

 って思いながら、クローゼットを開けると制服らしきものがあって、着るとピッタリだった。

 ベージュのチェックのスカートに紺色のジャケット。

 今まで着ていた全身黒色の制服よりも何倍も可愛らしくて、鏡に映る自分の姿を色んな角度から見ていると、部屋の扉がノックされた。

「はーい」

 顔を覗かせたのは、あの私によく話し掛けてくれる人で

「早く早く、本当に遅刻しちゃうよ?」

「わ、分かってる」

 と、なにがなんだか分からないけれどとりあえず返事をしてそっちに向かうおうとしたら、それよりも早く彼が私のところにやって来て

「ねー、じゃあ、行こう?」

 と、本当にさりげなく、ふわっと手を握ってきた。

「ちょ、ちょっと」

 私の手よりも大きくて、骨っぽくて、それになんだか骨っぽいのに妙にや若くて、ていうか、男子に手を握られたのなんて一度数ヶ月だけ付き合ってた男子だけで……。

 こんなイケメンに手を繋がれたことは今までの人生にはなくて。

「あ、あの……、その…手を……」

「手?」

「あ、えっと……手を握られるのが……」

「ええ、いつも握ってたのに?」

「あ、あの……なんか今日は手が痛くて……!」

「えっ、大丈夫?」

 と、彼は何故か顔を私の顔に近付けてきて、目の前には美しすぎる顔が画面度アップに現れて、もう息が止まりそうになった。

「手を怪我してるなら、授業に差し支えちゃうね? ほら、包丁とか持ちづらいでしょ? それに今日の授業は、たしかショコラの彫刻作りじゃなかった?」

「ショコラの彫刻?」

「もう、忘れちゃったの? ていうか、時間時間。早く行かないと」

 と言うと、再び私の手を握って来て走り出す。

 もう心臓は尋常じゃないほど早く鼓動して、きっと握られた手には汗を掻いていて、穴があったら今すぐ入ってしまいたかった。


 
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