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「はい、これ涼の」
「この紙? は?」
切符を物珍しそうに眺めている涼。本当はカードを使いたいけれど、涼のを勝手に使ったら怒りそうだし。
「これがないと、乗れないのよ。ほら、あそこのゲート通れないの」
ゲートを見て、まるで宇宙人でも見たかのように目を丸くして、言葉が出ないのか口をパクパクとさせている。
確かに、あの世界と比べたらここは近未来と言っていいほど技術が進んでいて、まあそれでも私はあの生活もいいなあと思っていた。
「行こう」
「う、うん」
電車に乗っている間、涼は体を強張らせて緊張しているようだった。
ようやく目的地の駅に着いて、とりあえず外に出ないで街の様子を眺める。
「な、なにか今日は街でイベントでもあるの?」
交差点を行き交う群衆を見て涼は尋ねてきた。
「ううん、何もないと思うよ、これが普通だから」
「これが? すごい人の数だ」
「あ、ちょっと待ってて。なんか飲み物買ってくるから」
「ああ、うん」
久しぶりにカフェチェーン店で、お気に入りのクリームたっぷりの甘々なフラペチーノを購入する。
涼のところに行く前に、自分の分のそれを一口飲むと、懐かしい甘さが口の中に広まった。
この、甘すぎるほどの甘さがたまに飲みたくなる。
今日もその甘さは健在で、単純だけれど幸福度が増した気がした。
そういえば、涼はあまり甘いものって好きじゃなかったけれど……。
「はい、これ」
「ありがとう。…………うん、美味しい」
「でしょ? こういうのって飲んだことある?」
「ううん、普段は紅茶とか生ジュースとかしか飲まないから。でも、これすごく美味しいよ。甘いけれど。僕も何かプレゼント……」
「いいよ、だって、苺のネックレス、くれたでしょ?」
あのネックレスはあっちの世界の自分の部屋に飾っていて、もちろん今はない。そのことがなんとく寂しさを感じさせて、私はそれを飲む込むように甘いフラペチーノを一気に流し込んだ。
再び地上を見ると、あの世界とは違いごみごみとしていて、ああ現実なんだなと夢から覚めた気分になる。
でも、目の前には確かにあっちの世界の涼がいて、現実と夢の境界線が分からなくて、宙ぶらりんな気持ちになった。
「そういえば、この世界では婚約者とかないからね?」
「そうなのか?」
「そう、私と涼はただの幼馴染」
「幼馴染……。ていうことは、自由な恋愛が出来るってことかな?」
「ま、まあ、そうなるね」
「そうか、うん、分かった。桜。僕は婚約者じゃなくてただ君が好きな男として隣にいるよ」
真っ直ぐな瞳で言ってくる涼に思わ「な、なに恥ずかしいこと言ってるの?」と言葉が出てくる。
「え、ああ、ごめん」と、涼は目を逸らした。
「この紙? は?」
切符を物珍しそうに眺めている涼。本当はカードを使いたいけれど、涼のを勝手に使ったら怒りそうだし。
「これがないと、乗れないのよ。ほら、あそこのゲート通れないの」
ゲートを見て、まるで宇宙人でも見たかのように目を丸くして、言葉が出ないのか口をパクパクとさせている。
確かに、あの世界と比べたらここは近未来と言っていいほど技術が進んでいて、まあそれでも私はあの生活もいいなあと思っていた。
「行こう」
「う、うん」
電車に乗っている間、涼は体を強張らせて緊張しているようだった。
ようやく目的地の駅に着いて、とりあえず外に出ないで街の様子を眺める。
「な、なにか今日は街でイベントでもあるの?」
交差点を行き交う群衆を見て涼は尋ねてきた。
「ううん、何もないと思うよ、これが普通だから」
「これが? すごい人の数だ」
「あ、ちょっと待ってて。なんか飲み物買ってくるから」
「ああ、うん」
久しぶりにカフェチェーン店で、お気に入りのクリームたっぷりの甘々なフラペチーノを購入する。
涼のところに行く前に、自分の分のそれを一口飲むと、懐かしい甘さが口の中に広まった。
この、甘すぎるほどの甘さがたまに飲みたくなる。
今日もその甘さは健在で、単純だけれど幸福度が増した気がした。
そういえば、涼はあまり甘いものって好きじゃなかったけれど……。
「はい、これ」
「ありがとう。…………うん、美味しい」
「でしょ? こういうのって飲んだことある?」
「ううん、普段は紅茶とか生ジュースとかしか飲まないから。でも、これすごく美味しいよ。甘いけれど。僕も何かプレゼント……」
「いいよ、だって、苺のネックレス、くれたでしょ?」
あのネックレスはあっちの世界の自分の部屋に飾っていて、もちろん今はない。そのことがなんとく寂しさを感じさせて、私はそれを飲む込むように甘いフラペチーノを一気に流し込んだ。
再び地上を見ると、あの世界とは違いごみごみとしていて、ああ現実なんだなと夢から覚めた気分になる。
でも、目の前には確かにあっちの世界の涼がいて、現実と夢の境界線が分からなくて、宙ぶらりんな気持ちになった。
「そういえば、この世界では婚約者とかないからね?」
「そうなのか?」
「そう、私と涼はただの幼馴染」
「幼馴染……。ていうことは、自由な恋愛が出来るってことかな?」
「ま、まあ、そうなるね」
「そうか、うん、分かった。桜。僕は婚約者じゃなくてただ君が好きな男として隣にいるよ」
真っ直ぐな瞳で言ってくる涼に思わ「な、なに恥ずかしいこと言ってるの?」と言葉が出てくる。
「え、ああ、ごめん」と、涼は目を逸らした。
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