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10話
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「杏里、放課後奏多さんのところに一緒に行かない?」
「ええ、もちろんよ。ぜひ」
自分が好きになった人なのだから、同じ人にまたきっと恋をするはず。だって、恋って特別な感情でしょ? そんなに簡単に消えるものじゃない。
婚約を破棄してまでなんだから、きっと相当好きだったのよ。
涼くんに抱いているこの淡い気持ちは、まだ消すことができるはず。
まだ、恋と呼ぶには小さくて、だけど無ではないこの想い。今ならまだ間に合う。
「桜、どうかした?」
「ううん」
「ねえ、今日のランチ、重三郎さんも一緒でいいかしら?」
「いいけど、もしかして……」
「この前、告白されたの」
「おめでとうっ」
「ありがとう、桜のおけげよ。好きな気持ちを大切にしようって思えたの」
好きな人と恋人関係になれるなんて、すごく素敵で奇跡的なことだと思う。
友人の恋が実る。それは私にとってもとっても大切で、重三郎さんには杏里のことを本当に大事にしてほしい。
「久しぶりです。桜さん」
「ええ、お久しぶり」
「その、いろいろと大変そうで」
3人でランチを囲みながらお話をする。
「そうね。でも、杏里がいるおかげで笑顔になれるの。杏里がいてくれるおかげで掬われることがたくさんあるわ」
「それはよかったです」
「そういえば、重三郎さんも生徒会よね?」
「え、そうなんですか?」
「はい。実はそうなんですよ。…………桜さんは今涼さんのこと、どう思ってるんですか?」
まさか、重三郎さんからそんな質問が飛んでくる予想はしていなかったから、正直とても驚いている。
「どうって……。記憶がないから……」
「その記憶がない今、きっと桜さんにとっては初対面みたいな感じですよね。そんな桜さんから見た涼さんは、どんな感じなのかと」
重三郎さんはきっと頭がいい。
「…………すごく、いい人。それに、私のことを本当に好きでいてくれてるんだなって伝わってくる。その気持ちは気持ち悪くなくて、むしろ暖かくて心がほっとする」
これが、今の涼くんに対する私の本心で、でも認めちゃいけないと言っている自分もいる。それに、さっき決意したばかり。
「……そうなんですね。僕が杏里と一緒にいる時と同じだ」
「でも…………。私には涼くんを好きになる資格がないんです。私には恋人だっているし、涼くんのそばには鈴華さんがいる」
「……確かに、そうですね。でも、素直な気持ちを伝えるのも大事だと。桜さんが倒れた日なんて、涼さん、そわそわして仕事にならなかったんですよ。1つだけ確実なのは、涼さんは本当に桜さんが好きということです」
そんな涼くんの姿は容易に想像できて、微笑ましいと思う。
少しずつ、涼くんの人柄に惹かれていっている自分がいることが本当に皆に申し訳なくて、過去の自分に、どうして涼くんの良さを感じ取られなかったの? と問いたい。
もし、こっちの世界に来た時からちゃんと彼のことを見ていれば……。
それとも、そうさせない何かがあったのかしら……。なんだか、そんな気もする。
「もちろん、最終的には桜が決めて。私たちが強制できることでもないから」
「うん、ありがとう」
2人が私事を思っていてくれることがひしひしと伝わるランチの時間だった。
「ええ、もちろんよ。ぜひ」
自分が好きになった人なのだから、同じ人にまたきっと恋をするはず。だって、恋って特別な感情でしょ? そんなに簡単に消えるものじゃない。
婚約を破棄してまでなんだから、きっと相当好きだったのよ。
涼くんに抱いているこの淡い気持ちは、まだ消すことができるはず。
まだ、恋と呼ぶには小さくて、だけど無ではないこの想い。今ならまだ間に合う。
「桜、どうかした?」
「ううん」
「ねえ、今日のランチ、重三郎さんも一緒でいいかしら?」
「いいけど、もしかして……」
「この前、告白されたの」
「おめでとうっ」
「ありがとう、桜のおけげよ。好きな気持ちを大切にしようって思えたの」
好きな人と恋人関係になれるなんて、すごく素敵で奇跡的なことだと思う。
友人の恋が実る。それは私にとってもとっても大切で、重三郎さんには杏里のことを本当に大事にしてほしい。
「久しぶりです。桜さん」
「ええ、お久しぶり」
「その、いろいろと大変そうで」
3人でランチを囲みながらお話をする。
「そうね。でも、杏里がいるおかげで笑顔になれるの。杏里がいてくれるおかげで掬われることがたくさんあるわ」
「それはよかったです」
「そういえば、重三郎さんも生徒会よね?」
「え、そうなんですか?」
「はい。実はそうなんですよ。…………桜さんは今涼さんのこと、どう思ってるんですか?」
まさか、重三郎さんからそんな質問が飛んでくる予想はしていなかったから、正直とても驚いている。
「どうって……。記憶がないから……」
「その記憶がない今、きっと桜さんにとっては初対面みたいな感じですよね。そんな桜さんから見た涼さんは、どんな感じなのかと」
重三郎さんはきっと頭がいい。
「…………すごく、いい人。それに、私のことを本当に好きでいてくれてるんだなって伝わってくる。その気持ちは気持ち悪くなくて、むしろ暖かくて心がほっとする」
これが、今の涼くんに対する私の本心で、でも認めちゃいけないと言っている自分もいる。それに、さっき決意したばかり。
「……そうなんですね。僕が杏里と一緒にいる時と同じだ」
「でも…………。私には涼くんを好きになる資格がないんです。私には恋人だっているし、涼くんのそばには鈴華さんがいる」
「……確かに、そうですね。でも、素直な気持ちを伝えるのも大事だと。桜さんが倒れた日なんて、涼さん、そわそわして仕事にならなかったんですよ。1つだけ確実なのは、涼さんは本当に桜さんが好きということです」
そんな涼くんの姿は容易に想像できて、微笑ましいと思う。
少しずつ、涼くんの人柄に惹かれていっている自分がいることが本当に皆に申し訳なくて、過去の自分に、どうして涼くんの良さを感じ取られなかったの? と問いたい。
もし、こっちの世界に来た時からちゃんと彼のことを見ていれば……。
それとも、そうさせない何かがあったのかしら……。なんだか、そんな気もする。
「もちろん、最終的には桜が決めて。私たちが強制できることでもないから」
「うん、ありがとう」
2人が私事を思っていてくれることがひしひしと伝わるランチの時間だった。
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