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~皇国レミアム~外伝【Ⅰ】

外伝~皇国レミアムでの休息~ 思考

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 皇国レミアムの火、灯だ。故郷の景色は、ゼイフォゾンを今まで以上に癒した。上空から見ると、ドグマ大陸とはインペリウス大陸に比べるとこんなにも小さいのかと思っていた。あそこの火がゲイオス王国の火だ。そして、あそこがハーティー共和国、どれもがガトランの故郷だ。あの素晴らしき将軍、ガトラン・ベネトナーシュの故郷、ゲイオス王国最強の男の生きた証を立てたドグマ大陸。あの日々を、忘れた事はなかった。今の自分がどれだけ、恥ずかしくない生き方をしているのか、それは分からない。天に帰ったガトランが自分をどう見ているのかなんて分からない。しかし、恥じぬ生き方をしてきたつもりである。宿命を乗り越え、業を乗り越え、使命を果たしてきたつもりである。それは間違いなかった。またこうしてドグマ大陸に帰ったのには、理由がある。それに更なる使命を果たすつもりでこうして帰ってきた。ゼイフォゾンは夜明けを確認すると、ルシファーに皆を起こすように言った。夜明けの景色は素晴らしかった。まるでガトランが、おかえりと言ってくれたようであった。ガトランはゼイフォゾンの中で生き続けていた。それは彼の考え方から、思想、戦い方に至るまで、全てがゼイフォゾンの中に脈々と流れていた。ドグマ大陸には様々な思い出がある。その中には、苦い思い出や楽しかった思い出、戦いの記憶、喜怒哀楽を享受した記憶があった。それらは全てが重要で、ゼイフォゾンを構成する全てが詰まっていた。そのドグマ大陸という地に、再び、ミカエラが降りる。ドグマ大陸、皇国レミアムの領土、魔神シャレードが住んでいた場所の近くである。そこには、皇国レミアムの国民だけでなく、エミリエル、メルアーラ、サリエッタ、ラーディアウス、そして准将たちと最上級魔神たちが出迎えてくれていた。自分にとって、この者たちは家族同然である。ゼイフォゾンはミカエラを着艦させると、自分の仲間たち全員で皇国レミアムの領土へと降り立った。


「アルティス……生きているのね?」

「その通りだ、サリエッタ。心配かけたな」


 アルティスはサリエッタと再会できた事を喜んでいた。それも前よりも屈託のない笑顔で。ふたりは抱きしめ合っていた。その様子は完全に恋人のそれと同じであった。やっと同じ時を過ごせる事を、再確認していた。そして、ふたりは唇を重ねた。長い口付けであったであろう、その熱い様子を誰も邪魔しなかった。間に入ったら野暮であろう。それは確かであった。ふたりはいつまでもこのままだった。アルティスは自分がやっと素直になった気がしていた。あのエクスマギアクレアと戦ってから、いつもの不器用な気持ちを素直に表現する事ができていた。周りはそんなアルティスをいい傾向だと見て大して触れなかったが、アルティス本人にしてみれば、大した進歩であった。そう、あの時、自分は確かに死んだのだ。それを止めたのは、死なずにいられたのはこのサリエッタへの一握りの想いであろう。アルティスはこの塵芥の無限の愛が、自分をここまで生かしたのだと確信していた。

 ゼイフォゾンは、エミリエルに再会した。あの旅、ガトランとの旅で出会った時とは違うエミリエルとの再会であった。ゼイフォゾンは神聖ザカルデウィス帝国でまた成長を遂げていた。


「ゼイフォゾンや、また良い顔になったな。ガトランもきっと喜ぶぞ」

「後でガトランの墓標に行こう。レミアムはどうだった、エミリエル。何か変わった事はないか?」

「いいや、いつも通りじゃ」


 エミリエルは喜んでいた、それも素直に喜んでいた。このゼイフォゾンという男がここまで成長した事に、そして生きて神聖ザカルデウィス帝国から帰ってきたという事実に。ゼイフォゾンの隣にはルシファーがいたが、あくまでも下級の魔神の姿に擬態していたので気付かれなかった。ルシファーの存在はエミリエルにも知らされていなかったので、正体を現すのは得策ではなかった。ゼイフォゾンはエミリエルがまた美しくなったと思った。皇国レミアムに姫として大人しくしていたからだろうか。それもあるかも知れないが、単に服装がゼイフォゾンの好みだったからかも知れない。そんな下心を読んだエミリエルは、ゼイフォゾンを目一杯からかった。その笑顔は確かに絶世の美女で、神聖ザカルデウィス帝国にはひとりも存在していなかったような瞳で、ゼイフォゾンを見るものだから、彼も戸惑いを隠せなかった。

 そして、ゲンドラシルとカオウスはラーディアウスと初めて会った。これが、ソーンの兄でありロックハンスの長兄、ロックハンスの一族最強の男かと驚いた。もっと仰々しいものだと思っていたが、思っていたよりも体格には恵まれていない。それに才能らしい才能を秘めているような男でもない。なのにその佇まいには果てしない奥深さを感じさせるものがある。ラーディアウスは口を開いた。ゲンドラシルを知っているようであった。


「お前は……ゲンドラシル・ジェノーバ、まさかこのドグマ大陸で出会う事になろうとはな」

「ならばお前がソーン・ロックハンスの兄か」

「ロックハンスの長兄、ラーディアウスだ。ソーンは元気か?」

「あの女は相変わらずだ。お前がラーディアウス……思っていたよりも精悍だな」

「剣術に必要のない無駄な筋力は全て捨てているからだ」

「その姿は全て、努力の結晶だと?」

「私はロックハンスの一族のなかでも才能も何もなかった男でな。弟や妹に追い付くには、研鑽する道しか残されていなかったのだ。だから、私は剣術を磨いた。そしてその道で、不敗無敵という領域に達し、剣神という称号を得た。単独で死合うならば、今までアルティス様にしか敗れた事がない。逆を返せば、それ以外の者など問題ではない」

「ラーディアウス・ロックハンス……確かに僕の想像以上に強いみたいだね。きっと僕とゲンドラシルが束になっても勝てないだろう、ロックハンスの兄弟ってなんでこうも強力な者ばかりなんだろう」

「知らないほうがいい真実も、時としてあるものだ」

「だとさ、教えてくれないようだ。ありがとう、ラーディアウス。お前とは仲良くなれそうだ」

「武について語り明かそう。ゲンドラシル・ジェノーバ、カオウス・オデュッセス・オーファン。私はお前たちを歓迎する」


 神聖ザカルデウィス帝国の将軍ふたりが、ドグマ大陸に歓迎された。そう、神聖ザカルデウィス帝国に恨みがあるのではない。戦争を生んだ人の身勝手を恨んでいたのだ。それが平穏を破壊するのであれば、それこそいらない。もっと建設的な話をするべきである。侵略という話は、とっくの昔に切り捨てられた思想だと誰もが信じていた。しかし、その日和見がガトランを殺した。それは悲しい事だ。しかし、それを恨むのではなく、この結果を生み出した、そうするしかなかった立場の、それぞれの意見をより良く取り入れて、世界の平穏を守る事が、ガトランにとってせめてもの手向けではないか。皇国レミアムの人間はそう考えていた。それを示したのは、総帥ゼウレアー・ジ・オードであった。彼は国民の前で、そう演説した。それは国民にすぐに浸透していた。総帥という立場になったゼウレアーは多忙を極めていたが、それにかまけるほど愚かではなかった。皇国レミアムに何かあったら、すぐに国民に伝えていた。帝王ゴーデリウス一世はただ座っているわけでもなかった。よく足を動かし、世の中の動向を見て回っていた。そして声を聞き、それに耳を傾ける事で、それをゼウレアーと政治家と共有して、国の血液の巡りを良くしていた。それはいい形となって、現れていた。エミリエルもその放浪癖を活かして、ドグマ大陸の情勢を記憶していたので、その情報も活用されていた。

 そして、ゼイフォゾンが用があったのは、メルアーラであった。メルアーラ・ザイラヴァ…このコル・カロリの世界で錬金術の礎を築いた男。そして人類最高峰の魔術師であり、武闘家でもある。しかし、その本領はまさに錬金術である。錬金術とは何かを対価にして何かを創造するという行為である。その対価はそれぞれあるが、より高度なものになり、あるはずのない物質を一から創造するには、例えば命ある物質を創造するには、人体の一部を対価として払い、その見返りに森羅万象から提供されるといったプロセスを踏まなければならない。人体の錬成には、その錬金術師の生命を払って行う禁術もあり、それ以外にも禁術と呼ばれるものは存在する。しかし、メルアーラはひとりだけ違う。メルアーラは錬金術の世界にて、奥義と呼ばれる領域に達している。その奥義とは、対価を支払わずに、森羅万象に自在にアクセスする事でありとあらゆる物質、事象を錬成できるというもの。その奥義をラーメメントと呼び、それに覚醒できたのは歴史上、メルアーラのみ。タイムラグもなく、全ての物質を瞬時に錬成し、戦場に持って行って、それを実際に活用した。錬金術を戦場に持ち込んだ最初の人物として、メルアーラの名前が挙がる。それは歴史書にも書き込まれている通りである。メルアーラは歴史上で、伝説、または幻にもなっている重要な人物であり、別名、世界を看取る鬼才と称される。ゼイフォゾンは、そのメルアーラに頼みがあった。それはメルアーラ個人では到底成功できない大規模な錬金術を行使して欲しいという内容のものであった。


「メルアーラ、お前にこの錬成を頼みたい。この図を見てもらいたい」

「これって……ミカエラの見取り図か。良い船になったもんだな。で、これをどうしたい?」

「このミカエラを大幅な強化改造を施したい。サイズはおおよそ二倍に、武装もより強力に、そして装甲はより柔軟かつ堅牢になればよい。速度はそのまま維持したい」

「ほう……それじゃやってやるけど、材料はあるのか?このミカエラの動力源は原理の力だ。そのエネルギーを指向性をもって出力するのが限度だが、それ以上を求めて、なおかつ更に武装を強力にするとなると、そのエネルギーをよりダイレクトかつ繊細に、そして満遍なく行き渡らせる必要がある。そして装甲だ、柔軟でより堅牢にさせるにはガドラム以上の物質を求めねばならん。ガドラムはこの世界でも最強の硬度を誇る金属だぞ。それ以上となると……なぁ、速度は原理の力の……さっき言った通りのエネルギーの循環の話になるが、そんな物質を持っていたらの話になるが……」

「材料か……ならばこの材料ならばどうだ?」

「この物質の資料は、エクスマギアクレア?この竜王の名前は……あれか。覇界の大帝の名前じゃねえか!まさか……この竜王の外皮と大鱗を!?」

「その通りだ。この大鱗と外皮は神の物質と化している。それもその機能は書いてある通り、それ以上の機能を持つかも知れない」

「これがあるならお前の話は現実になるかも知れねぇ……よし、やってやる。金はこっちで請求してやるから、お前の給料から天引きさせてもらうぜ」

「まったく、お前はがめつい奴だ。しかし、頼りにしている。その錬金術の腕、この世界に君臨する腕を存分に振るってくれ」

「褒めるのは上手いんだよな……」


 こうして、メルアーラは大規模な錬成陣をミカエラの周囲に描く構想を練った。そしてその横にはエクスマギアクレアの外皮と大鱗を置き、メルアーラが司祭長を務める教団の人間を招集した。ゼイフォゾンは、このミカエラを究極の船にしたいという願望があった。その願望は野望とは違っていた。強化改造したミカエラを使って世界を征服するといった野望はなかった。ただ、この船を使って、世界を一つにしたいという願望があっただけである。それはまさしく究極にして最強の箱舟でこの世に平穏をもたらし、いずれは博物館にでも置いといてもらえればいいという考えであった。それはゼイフォゾンにとって理想の姿であった。そして、ある想いも秘めていた。何故、このミカエラにこだわっているのか。それは誰にも分からなかったが、それでも良かった。聞かれたら恥ずかしいものであったからである。

 ゼイフォゾンたちは皇国レミアムの本国へと向かった。そして、エルフェレイム城に近づいた。その凱旋は豪華なものであった。皇国レミアムの将軍たちと神聖ザカルデウィス帝国の将軍ふたり。空にはダーインスレイヴとグラムである。その姿を一目見ようと、国民が外へと出てきた。エルフェレイム城の城門には最上級魔神と准将たちが勢揃いしていた。その奥にはゼウレアーの姿があった。国を挙げての歓迎である。これには、ゲンドラシルとカオウスも驚いていた。ゼイフォゾンの帰還にここまでの事をする、それだけの価値がゼイフォゾンという男には備わっている。その真実に驚いていた。神聖ザカルデウィス帝国の第一次インペリウス開戦の指揮を執った際も、その存在感は他を圧倒していた。確かに、救世主として存在しているだけある。ソード・オブ・オーダーという立場だけあり、国民からも絶大な支持を得ているのも納得できる。それだけ愛されているのだ。アルティスとサリエッタは、恋人として隣同士を歩いていた。皇国レミアムの武の象徴と、人類史上最強の魔女のカップルである。皇国レミアムのゴシップになるかも知れない。ゲンドラシルとカオウスを誘導していたのは、ラーディアウスである。彼らはあくまでも堂々としていた。挙動不審はこういう時一番いけない。メルアーラは錬成に忙しい。かくして、城門を潜った先に待っていたゼウレアーが、ゼイフォゾンの前まで歩いてきた。


「では報告を謁見の間で聞こう。ゼイフォゾン・ディア・ミレニア、お前の歩んできた証を立ててくれ」

「分かった。では行こう」


 ゼイフォゾンは、最上級魔神たちに促されるままエルフェレイム城に入っていった。その中にはデミウルゴスもいた。それに交じって、擬態したルシファーもいた。その正体にはゼウレアーも気付いていたが、あえて何も言わなかった。ゼウレアーは、そのままゲンドラシルとカオウスに挨拶をした。


「ゲンドラシル・ジェノーバ、カオウス・オデュッセス・オーファン。神聖ザカルデウィス帝国の将軍たちよ、私は皇国レミアム総帥、ゼウレアー・ジ・オード。お前たちを歓迎する、好きに過ごすといい」

「ゼウレアー・ジ・オード……実在したんだな。あの百年戦争の人類の英雄神。分かった、心遣い感謝する」


 ふたりを恨むでもなく、そのまま歓迎したゼウレアーの懐の深さに感銘を受けた。そして、そのゼウレアーには絶対的なカリスマ性を感じずにはいられなかった。ふたりは、ゼウレアーを英雄神と言った。太古に起こった百年戦争ではゼウレアーとは純然たる人類最強を貫いた男として知られている。その伝承は、神聖ザカルデウィス帝国でも有名であった。まさか本当に会えるとは思っていなかった。アルティスとサリエッタはお互いの手を離した。アルティスにはゼイフォゾンと共に旅の報告をするという仕事が残っていたのだ。


「サリエッタ、先に部屋に行っててくれ。俺はやる事がある。この旅の報告がある」

「うん……行ってきて」


 国民はこのアルティスとサリエッタの関係を祝福していた。もう少し早く付き合っていていてもいいと考える国民もいたので、このふたりの話は噂にもなったりしていた。ゴシップはいつの時代も国民の栄養なのだ。ゼイフォゾンとアルティスはエルフェレイム城に入り、謁見の間まで足を運んだ。その玉座には、帝王ゴーデリウス一世が座っていた。


「汝らの話を聞かしてくれるとは誠か、ゼイフォゾン、アルティス」

「は!帝王陛下!」

「固くなるな、アルティス。汝とは長いのだ、そろそろ立場を対等にしないか」

「ゴーデリウス様、我らは神聖ザカルデウィス帝国の解放に成功いたしました。次はライナス大陸に渡るつもりです。インペリウス大陸は広大でした。流石はこのドグマ大陸の倍はあるだけあり、その国の規模も素晴らしいものになりました。しかし、戦争はそこにもありました。内乱です……我々はそれを止める事ができなかったのです」

「しかし、それを終結させたのは紛れもなくゼイフォゾンです。陛下……」

「エクスマギアクレアと戦ったな、あのドラゴンロードと戦ったな。アルティスよ」

「七英雄との戦闘は初めてでした。まさか、我々が勝てるとは思わなかったのですが……」

「汝、現人神になったな」

「自分でも分かりません。気が付いたら、ドラゴンロードに一撃を加えていて、なおかつ傷は癒えていました。あの力の正体がまだ分からないのです。まさかあのような不遜な力を振るえるとは思っていなかったので」

「その反応は正しい。現人神の実態は我にも分からぬ。しかし、よく生きて帰ってきた。あのドラゴンロードは我のかつての同胞だ。時空と記憶を司る神を超えし竜帝、エクスマギアクレア……懐かしいな。あのドラゴンロードに傷を与えたのだ。誇ってよいぞ、アルティス」

「……は!」

「ゴーデリウス様、このソード・オブ・オーダー……私はこのインペリウス大陸で学んだものがあります。それは、クーデターです。上層の者がいつまでも権力を独占していたら、国には不満が生まれ、将軍同士が争うという事を学びました。執政は民主主義によって行われるべきだと思いました。この皇国レミアムでもその流れは来ていると思います。ミカエラの強化改造の錬成が終わった後に、ライナス大陸に向かいますが、それまでこの皇国レミアムの執政に復帰したいのです」

「いいだろう。ゼイフォゾンよ、力を存分に発揮し、この皇国レミアムに貢献してくれ」

「は!」


 皇国レミアムに民主主義を敷くべく、ゼイフォゾンは構想を練っていた。アルティスもそれに協力するつもりでいた。それをゼウレアーにも伝えておかなければいけない。神聖ザカルデウィス帝国は専制主義で来ていたが、第一次インペリウス開戦の影響で、民主主義の道を歩みだした。一部のエリートが得をするのではなく、誰もが平等に、自由を唱えてよい世界を目指すために歩みだした。神聖ザカルデウィス帝国がそれを先導したのだ。帝政国家である皇国レミアムでもやれない事はない。しかし、懸念があった。平等になった事で、能力主義の社会にならないだろうか。才能や努力は平等ではない。能力がない者が弱者になってしまってはいけない。それに答えを出せる者はどこにもいないが、これについて議論し続けるのが寛容なのだと考える。ゼイフォゾンはその議論と執政によって、より良いものが生まれたら、国民にとってより良いものが生まれたら、それでいいと考えていた。このコル・カロリの世界は変わらなければいけない。革命という道に進むのではなく、国がその良い部分を残し、悪い部分を更により良くしようという姿勢を貫いて国民に平たい言葉で伝えるべきなのだ。この民主主義という考えを広めたい。それがゼイフォゾンの願いであった。

 メルアーラがゼイフォゾンのもとへとやってきた。ミカエラの強化改造の錬成が終わったという報告を受けた。ゼイフォゾンはそれを見るべく、足を動かした。自分の求めた究極の箱舟が出来上がったのだ。ゼイフォゾンは気持ちを新たにして、歩みだした。
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