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3 開けてびっくり! じいちゃんの日記
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パポー……パポー……
リビングからかすかに聞こえてきた鳩時計の音で、俺ははっと我に帰った。
やべ。これ、なんとかしなきゃあ。
膨大な量のガラクタの中から立ち上がろうとした時、俺の膝から一冊の古ぼけた本がどさっと落ちて、またもやホコリをもうもうと舞い上げた。
もぉぉ……かんべんしてくれよぉ。
ため息をつきながら、その本を拾いあげる。
ん? そんなに厚みがないくせになんか、ずしっとくるんだよな?
革表紙は、相当使い込んであって、何か文字が書いてあるんだけどほとんど読めなかった。
その本には、1枚のボロボロの紙切れがはさみこんであって、何気なしにそこを目安に本を開けてみると、中のページが丸く深くくりぬいてあって、手のひらで包みこめるくらいの大きさのガラス玉が入っていた。
俺はその玉をそうっとつかんで取り出して、窓から差し込む光に透かして見てみた。
そのガラス玉は、薄い青で氷に気泡が入ってるみたいに不透明で、大きな亀裂がひとつ、ピシッと入っていた。
な、なんなんだ?これは?
「それは、おまえのじいちゃんの[マジカル・オーブ]だ」
「げげっ!」
不意に頭の真上から声がしたので心臓が口から飛び出しそうになった。
おそるおそる上を見ると、年はじいちゃんと同じぐらいみたいだけど背はもっと高く、体格もがっしりしてる。
そして長めのシルバーの髪を革で無造作にくくっている、この掃除のモト。
つまりじいちゃんの知り合いであろう人が、ニマニマしながら俺を見下ろしていた。
「とうとう、それを見つけてしまったな」
「え? こ、これっすか?」
ガラス玉をつかんだまま、俺はしどろもどろに聞き返した。
「そう。それだよ」
その人はしゃがみこんで、ガラス玉を目を細めて懐かしそうに見つめて呟いた。
「あいつめ、こんな所に隠しておったのか」
まだドキドキしている心臓を落ち着かせようと、2~3回深呼吸してから、ごくっと唾を飲んで、俺は自分から話しかけてみた。
「あんた……じゃなくって、あなたはじいちゃんの知り合いの方っすよね?」
その人は、視線を玉から俺の方に向けて言った。
「おお、自己紹介が遅れてすまんな。私はシーガル・スタインメッツ。おまえのじいちゃんとは実は幼馴染でな」
へぇ。知り合いとだけしか聞いてなかったのに、そんな間柄だったんだぁ。
実は俺、じいちゃんの事、あんまりよく知らないんだ。大の冒険好きだから、1週間以上家に居た試しがない。
帰ってきても、この書庫にこもってたりしてて。
そんな訳でじいちゃんとなかなか話す機会がなかったんだ。
でもそんなじいちゃんだけど俺はすっごく好きなんだ。男として、人生の先輩として。
だから俺はじいちゃんの事、もっと知りたいと思ってたので、思い切ってシーガルさんに聞いてみた。
「あの……じいちゃんの事、もっと聞かせて欲しいんですけど」
シーガルさんは大きなごつい手で俺の頭をくしゃっと撫でた。
「俺もそのつもりだ。だがその前に、おまえのかあさんの手料理をごちそうにならないとな」
そう言って、よっこらしょ、と立ち上がった。
「お、そうだ。おまえのかあさんが、『どうせさぼってるでしょうから、あまり掃除は行き届いてないですけど』って言ってたぞ。それと、『早く終わらせないと、大好物のノア魚とハーブのパイ包み焼き、みんな食べちゃうよ』だとさ」
シーガルさんは笑いながら部屋を出ていった。やば!まだ掃除途中じゃん!さっきの鳩時計、お昼の時間だったんだぁ。
かあさん、がさつに見えるけど完璧主義だからなぁ。ううう、あとどれくらいかかるかなぁ。
じいちゃんの本棚もまだとっちらかってるし。
とりあえず、速攻でやっつけるしか、俺が昼飯にありつける方法は残されてなかった。
仕方なしに、気を取り直してハタキを手に再び掃除を再開。
あぁあ、腹へったぁ……
リビングからかすかに聞こえてきた鳩時計の音で、俺ははっと我に帰った。
やべ。これ、なんとかしなきゃあ。
膨大な量のガラクタの中から立ち上がろうとした時、俺の膝から一冊の古ぼけた本がどさっと落ちて、またもやホコリをもうもうと舞い上げた。
もぉぉ……かんべんしてくれよぉ。
ため息をつきながら、その本を拾いあげる。
ん? そんなに厚みがないくせになんか、ずしっとくるんだよな?
革表紙は、相当使い込んであって、何か文字が書いてあるんだけどほとんど読めなかった。
その本には、1枚のボロボロの紙切れがはさみこんであって、何気なしにそこを目安に本を開けてみると、中のページが丸く深くくりぬいてあって、手のひらで包みこめるくらいの大きさのガラス玉が入っていた。
俺はその玉をそうっとつかんで取り出して、窓から差し込む光に透かして見てみた。
そのガラス玉は、薄い青で氷に気泡が入ってるみたいに不透明で、大きな亀裂がひとつ、ピシッと入っていた。
な、なんなんだ?これは?
「それは、おまえのじいちゃんの[マジカル・オーブ]だ」
「げげっ!」
不意に頭の真上から声がしたので心臓が口から飛び出しそうになった。
おそるおそる上を見ると、年はじいちゃんと同じぐらいみたいだけど背はもっと高く、体格もがっしりしてる。
そして長めのシルバーの髪を革で無造作にくくっている、この掃除のモト。
つまりじいちゃんの知り合いであろう人が、ニマニマしながら俺を見下ろしていた。
「とうとう、それを見つけてしまったな」
「え? こ、これっすか?」
ガラス玉をつかんだまま、俺はしどろもどろに聞き返した。
「そう。それだよ」
その人はしゃがみこんで、ガラス玉を目を細めて懐かしそうに見つめて呟いた。
「あいつめ、こんな所に隠しておったのか」
まだドキドキしている心臓を落ち着かせようと、2~3回深呼吸してから、ごくっと唾を飲んで、俺は自分から話しかけてみた。
「あんた……じゃなくって、あなたはじいちゃんの知り合いの方っすよね?」
その人は、視線を玉から俺の方に向けて言った。
「おお、自己紹介が遅れてすまんな。私はシーガル・スタインメッツ。おまえのじいちゃんとは実は幼馴染でな」
へぇ。知り合いとだけしか聞いてなかったのに、そんな間柄だったんだぁ。
実は俺、じいちゃんの事、あんまりよく知らないんだ。大の冒険好きだから、1週間以上家に居た試しがない。
帰ってきても、この書庫にこもってたりしてて。
そんな訳でじいちゃんとなかなか話す機会がなかったんだ。
でもそんなじいちゃんだけど俺はすっごく好きなんだ。男として、人生の先輩として。
だから俺はじいちゃんの事、もっと知りたいと思ってたので、思い切ってシーガルさんに聞いてみた。
「あの……じいちゃんの事、もっと聞かせて欲しいんですけど」
シーガルさんは大きなごつい手で俺の頭をくしゃっと撫でた。
「俺もそのつもりだ。だがその前に、おまえのかあさんの手料理をごちそうにならないとな」
そう言って、よっこらしょ、と立ち上がった。
「お、そうだ。おまえのかあさんが、『どうせさぼってるでしょうから、あまり掃除は行き届いてないですけど』って言ってたぞ。それと、『早く終わらせないと、大好物のノア魚とハーブのパイ包み焼き、みんな食べちゃうよ』だとさ」
シーガルさんは笑いながら部屋を出ていった。やば!まだ掃除途中じゃん!さっきの鳩時計、お昼の時間だったんだぁ。
かあさん、がさつに見えるけど完璧主義だからなぁ。ううう、あとどれくらいかかるかなぁ。
じいちゃんの本棚もまだとっちらかってるし。
とりあえず、速攻でやっつけるしか、俺が昼飯にありつける方法は残されてなかった。
仕方なしに、気を取り直してハタキを手に再び掃除を再開。
あぁあ、腹へったぁ……
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