13 / 14
十三話
しおりを挟む
王城の一室にて集まっているのは不機嫌そうな八名と、飄々とした顔の執事一人。
レスリーは満面の笑顔で言った。
「それでは、依然お話しした通りお嬢様の事は諦めて下さい。」
アレックスは大きくため息をつくと言った。
「はぁ。可愛いソフィア。どうして我々を選んでくれなかったのか。」
エメラルダも困ったように頬に手を当てながら頷いた。
「本当に。この腹黒執事に捕まって、かわいそうな事。」
レスリーはそんな嫌味をものともせずに、クスクスと笑いながら言った。
「皆様は、お嬢様の事を知らなさすぎます。」
シオンはその言葉に眉間にしわを寄せた。
「私達が?ソフィアのことならば、よく知っている。」
「そうでございます。ソフィアだって、私達の事を好んでいたでしょうに。」
ミリーは不機嫌そうに眼鏡をいじり、それにレスリーは言った。
「そうですね。嫌ってはいませんよ?」
ソフィアは優しい。故に、人を嫌う事はあまりない。
「可愛いソフィアを毎日愛でていたかった。」
「可愛らしく、お菓子を食べる姿が、癒しですのに。」
ジャックとレイラは鋭い視線をしゅんとさせ、小さくため息をつく。
「あぁ・・くねくね君二十八号が出来たというのに。」
「せめて、くねくね君二十八号をソフィアにプレゼントするのはだめかしら?」
ヒューズとエマの言葉に、レスリーは苦笑を浮かべると言った。
「それはおやめください。お嬢様はくねくね君にトラウマを抱いてしまったようですので。」
「まぁ。残念。」
八名が落胆しているのを見つめながら、レスリーはにっこりとほほ笑むとポケットの中から写真を取り出した。
それは、ソフィアの困っている顔からお菓子を食べて幸せそうな顔、泣きそうに震えている姿など種類は多岐にわたる。
それを見て八名の瞳は輝いた。
「あら!新作ですの?」
レスリーはにっこりと良い笑顔を浮かべると言った。
「皆様のおかげで、お嬢様の様々なお顔が撮れました。さぁ、どれも限定一枚限りです。」
「はぁ。お前が商売上手で困る。でも・・まぁ約束通りこれからもソフィアの写真は楽しみにしておく。」
「定期的にソフィアの姿を見れるようにもしてくださいませね?」
レスリーは笑顔で頷き、その後は和やかなムードでの取引が行われた。
八名との関係性も上場であり、レスリーは屋敷へと帰るとほくほく顔でソフィアの元へと向かった。
「レスリー?・・今日はどこへ行っていたの?」
ソフィアのお気に入りの紅茶を入れながら、レスリーは笑顔で言った。
「内緒です。」
レスリーは満面の笑顔で言った。
「それでは、依然お話しした通りお嬢様の事は諦めて下さい。」
アレックスは大きくため息をつくと言った。
「はぁ。可愛いソフィア。どうして我々を選んでくれなかったのか。」
エメラルダも困ったように頬に手を当てながら頷いた。
「本当に。この腹黒執事に捕まって、かわいそうな事。」
レスリーはそんな嫌味をものともせずに、クスクスと笑いながら言った。
「皆様は、お嬢様の事を知らなさすぎます。」
シオンはその言葉に眉間にしわを寄せた。
「私達が?ソフィアのことならば、よく知っている。」
「そうでございます。ソフィアだって、私達の事を好んでいたでしょうに。」
ミリーは不機嫌そうに眼鏡をいじり、それにレスリーは言った。
「そうですね。嫌ってはいませんよ?」
ソフィアは優しい。故に、人を嫌う事はあまりない。
「可愛いソフィアを毎日愛でていたかった。」
「可愛らしく、お菓子を食べる姿が、癒しですのに。」
ジャックとレイラは鋭い視線をしゅんとさせ、小さくため息をつく。
「あぁ・・くねくね君二十八号が出来たというのに。」
「せめて、くねくね君二十八号をソフィアにプレゼントするのはだめかしら?」
ヒューズとエマの言葉に、レスリーは苦笑を浮かべると言った。
「それはおやめください。お嬢様はくねくね君にトラウマを抱いてしまったようですので。」
「まぁ。残念。」
八名が落胆しているのを見つめながら、レスリーはにっこりとほほ笑むとポケットの中から写真を取り出した。
それは、ソフィアの困っている顔からお菓子を食べて幸せそうな顔、泣きそうに震えている姿など種類は多岐にわたる。
それを見て八名の瞳は輝いた。
「あら!新作ですの?」
レスリーはにっこりと良い笑顔を浮かべると言った。
「皆様のおかげで、お嬢様の様々なお顔が撮れました。さぁ、どれも限定一枚限りです。」
「はぁ。お前が商売上手で困る。でも・・まぁ約束通りこれからもソフィアの写真は楽しみにしておく。」
「定期的にソフィアの姿を見れるようにもしてくださいませね?」
レスリーは笑顔で頷き、その後は和やかなムードでの取引が行われた。
八名との関係性も上場であり、レスリーは屋敷へと帰るとほくほく顔でソフィアの元へと向かった。
「レスリー?・・今日はどこへ行っていたの?」
ソフィアのお気に入りの紅茶を入れながら、レスリーは笑顔で言った。
「内緒です。」
34
あなたにおすすめの小説
【完結】泉に落ちた婚約者が雑草役令嬢になりたいと言い出した件
雨宮羽那
恋愛
王太子ルーカスの婚約者・エリシェラは、容姿端麗・才色兼備で非の打ち所のない、女神のような公爵令嬢。……のはずだった。デート中に、エリシェラが泉に落ちてしまうまでは。
「殿下ってあのルーカス様……っ!? 推し……人生の推しが目の前にいる!」と奇妙な叫びを上げて気絶したかと思えば、後日には「婚約を破棄してくださいませ」と告げてくる始末。
突然別人のようになったエリシェラに振り回されるルーカスだが、エリシェラの変化はルーカスの気持ちも変えはじめて――。
転生に気づいちゃった暴走令嬢に振り回される王太子のラブコメディ!
※全6話
一級魔法使いになれなかったので特級厨師になりました
しおしお
恋愛
魔法学院次席卒業のシャーリー・ドットは、
「一級魔法使いになれなかった」という理由だけで婚約破棄された。
――だが本当の理由は、ただの“うっかり”。
試験会場を間違え、隣の建物で行われていた
特級厨師試験に合格してしまったのだ。
気づけばシャーリーは、王宮からスカウトされるほどの
“超一流料理人”となり、国王の胃袋をがっちり掴む存在に。
一方、学院首席で一級魔法使いとなった
ナターシャ・キンスキーは、大活躍しているはずなのに――
「なんで料理で一番になってるのよ!?
あの女、魔法より料理の方が強くない!?」
すれ違い、逃げ回り、勘違いし続けるナターシャと、
天然すぎて誤解が絶えないシャーリー。
そんな二人が、魔王軍の襲撃、国家危機、王宮騒動を通じて、
少しずつ距離を縮めていく。
魔法で国を守る最強魔術師。
料理で国を救う特級厨師。
――これは、“敵でもライバルでもない二人”が、
ようやく互いを認め、本当の友情を築いていく物語。
すれ違いコメディ×料理魔法×ダブルヒロイン友情譚!
笑って、癒されて、最後は心が温かくなる王宮ラノベ、開幕です。
皇后マルティナの復讐が幕を開ける時[完]
風龍佳乃
恋愛
マルティナには初恋の人がいたが
王命により皇太子の元に嫁ぎ
無能と言われた夫を支えていた
ある日突然
皇帝になった夫が自分の元婚約者令嬢を
第2夫人迎えたのだった
マルティナは初恋の人である
第2皇子であった彼を新皇帝にするべく
動き出したのだった
マルティナは時間をかけながら
じっくりと王家を牛耳り
自分を蔑ろにした夫に三行半を突き付け
理想の人生を作り上げていく
乙女ゲームの悪役令嬢に転生したけど何もしなかったらヒロインがイジメを自演し始めたのでお望み通りにしてあげました。魔法で(°∀°)
ラララキヲ
ファンタジー
乙女ゲームのラスボスになって死ぬ悪役令嬢に転生したけれど、中身が転生者な時点で既に乙女ゲームは破綻していると思うの。だからわたくしはわたくしのままに生きるわ。
……それなのにヒロインさんがイジメを自演し始めた。ゲームのストーリーを展開したいと言う事はヒロインさんはわたくしが死ぬ事をお望みね?なら、わたくしも戦いますわ。
でも、わたくしも暇じゃないので魔法でね。
ヒロイン「私はホラー映画の主人公か?!」
『見えない何か』に襲われるヒロインは────
※作中『イジメ』という表現が出てきますがこの作品はイジメを肯定するものではありません※
※作中、『イジメ』は、していません。生死をかけた戦いです※
◇テンプレ乙女ゲーム舞台転生。
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇なろうにも上げてます。
婚約破棄ブームに乗ってみた結果、婚約者様が本性を現しました
ラム猫
恋愛
『最新のトレンドは、婚約破棄!
フィアンセに婚約破棄を提示して、相手の反応で本心を知ってみましょう。これにより、仲が深まったと答えたカップルは大勢います!
※結果がどうなろうと、我々は責任を負いません』
……という特設ページを親友から見せられたエレアノールは、なかなか距離の縮まらない婚約者が自分のことをどう思っているのかを知るためにも、この流行に乗ってみることにした。
彼が他の女性と仲良くしているところを目撃した今、彼と婚約破棄して身を引くのが正しいのかもしれないと、そう思いながら。
しかし実際に婚約破棄を提示してみると、彼は豹変して……!?
※『小説家になろう』様、『カクヨム』様にも投稿しています
【完結】捨てた女が高嶺の花になっていた〜『ジュエリーな君と甘い恋』の真実〜
ジュレヌク
恋愛
スファレライトは、婚約者を捨てた。
自分と結婚させる為に産み落とされた彼女は、全てにおいて彼より優秀だったからだ。
しかし、その後、彼女が、隣国の王太子妃になったと聞き、正に『高嶺の花』となってしまったのだと知る。
しかし、この物語の真相は、もっと別のところにあった。
それを彼が知ることは、一生ないだろう。
9時から5時まで悪役令嬢
西野和歌
恋愛
「お前は動くとロクな事をしない、だからお前は悪役令嬢なのだ」
婚約者である第二王子リカルド殿下にそう言われた私は決意した。
ならば私は願い通りに動くのをやめよう。
学園に登校した朝九時から下校の夕方五時まで
昼休憩の一時間を除いて私は椅子から動く事を一切禁止した。
さあ望むとおりにして差し上げました。あとは王子の自由です。
どうぞ自らがヒロインだと名乗る彼女たちと仲良くして下さい。
卒業パーティーもご自身でおっしゃった通りに、彼女たちから選ぶといいですよ?
なのにどうして私を部屋から出そうとするんですか?
嫌です、私は初めて自分のためだけの自由の時間を手に入れたんです。
今まで通り、全てあなたの願い通りなのに何が不満なのか私は知りません。
冷めた伯爵令嬢と逆襲された王子の話。
☆別サイトにも掲載しています。
※感想より続編リクエストがありましたので、突貫工事並みですが、留学編を追加しました。
これにて完結です。沢山の皆さまに感謝致します。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる