【完結】悪役令嬢と魔王の結婚

かのん

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 ロデリックの呟き18

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 大きなため息が出てしまう。



「はぁ、、、。」



 後処理が面倒くさい。



 首謀者となった貴族らを表立って処刑すれば収めていた領地をどうするか、血族はどうするのかなどの問題が発生してしまう。そうなれば迷惑を被るのはその地の領民だ。

 また、処刑を理由に他の貴族らに付け入る隙は与えたくない。



 よし。ならばお家に溜め込んである私財を没収し、大人しく領地経営に勤しんでもらっておこう。

 もうこんな事を起こさないように魔法契約を行い縛り上げておけば問題ないだろう。まぁ、あんな魔王様に威圧されて逆らおうという気概もないだろう。



 ただ、エルリオット公爵の嫡子モリドエルだけは幽閉措置になるだろう。あれはもう駄目だ。

 公爵家には次男もいる。

 今回の事で恩を売る事も出来たし、良いだろう。



 エルリオット公爵も、モリドエルの犯した罪に青ざめていた。あれは親の教育ミスだ。モリドエルは魔力量が少なく、家でどんな扱いを受けていたのかは容易に想像出来る。



 リナリー様が来て下さった事をきっかけに、これからは第二、第三のモリドエルが生まれないように法も整備していくべきだろう。



 そして、リナリー様が言っていたように外交を利用し、魔力をもたない者が人間の国側へ移住したり、また、魔力を持たないからこそ人間の国への外交官として活躍出来る場を設けても良いかもしれない。



 やる事は山積みだ。

 だが、嫌ではない。



 執務室の窓から外を見つめると、中庭ではシバとリナリーとカールがお茶会を開いている。



 カールにすらヤキモチを焼く魔王様。



 こんなにも魔王様がリナリー様を溺愛するとは思っても見なかったが、とても良い事だ。



 体に持ち合わせた魔力の多さに、普通の令嬢では魔力に押しつぶされてしまい気をたしかに持っていられなかった。



 紅の瞳は、恐ろしさから真っ直ぐに見つめ返せる者は片手で数えられる程度だ。



 魔王様自身、人から一歩引いている所があった。しかし、リナリー様は魔力を持ち合わせていないからこそ、魔王様にも怯まない。



 何より愛を魔王様へ向けてくださる。



 いきなりの事ではあったが、人間の国には感謝の気持ちでいっぱいだ。

 まぁ、だがしかし、リナリー様を婚約破棄したり嘘八百を並べ立てたりと、大事にしてしまったのは駄目だな。体裁が必要だったのだろうが、リナリー様が少なからず傷ついてしまった。



 よし、感謝の気持ちは持っておくが、リナリー様の事があるのでそれでとんとんだな。よし。



 あー、、、後は国全土に魔力を展開させた事で一部被害が出ているからそれを補填して、体調を崩した者には菓子折りの手配を。



 はぁ。魔力国全土に展開させるって魔力が底なしだなぁ、我が主は。



 後始末する方の身にもなって欲しい。



 だがしかし。



 庭に響く笑い声。

 青く晴れた、心地の良い天気。

 空が晴れているのは存外気分の良いものなので、まぁ、良しとしよう。
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