【完結】もう貴方とは離縁させていただきます!

かのん

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九話 正々堂々立ち上がる!

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「う、嘘だ!そんな証明書偽物だ!」

 リックの言葉とその様子から、リックの両親は全て真実だと悟ったのか青ざめたまま、顔をうつむかせた。

 ラナは真っ直ぐにリックを見つめて言った。

「全て、貴方が嘘をついたことから始まっているんです。もう、終わらせましょう。」

「お前・・ふざけるなよ。見た目も頭も悪いお前と、俺は結婚してやったんだぞ?俺とお前では釣り合いも取れていないのは分かっていただろう?!それでも結婚を止めなかったのは、自分自身だろう!」

 その言葉に私は唇を噛んだ。

 分かっていた。

 釣り合っていないのは分かっていたし、結婚を止めなかったのは結局自分だ。

 それは本当のことだとラナが瞳を伏せると、それまで口を挟むことのなかったユージーンが笑い声をあげた。

「ははっ!」

「何がおかしい!!」

「いや、確かに釣り合っていなかったなと思ってさ。」

 その言葉にリックはにやりと笑みを浮かべた。

 ラナはユージーンの言葉に目を丸くするが、続けられた言葉にさらに驚いた。

「だって、釣り合っていなかっただろう?純粋で綺麗で、学年では僕に次いで成績の良かったラナと、不誠実にも婚約者がいながらも他の令嬢と爛れた関係を持ち、しかも成績は中の下な君ではね。」

「なっ!!!」

「言っておくが、学園内では君の評価よりもラナの評価の方が遥かに高かった。」

「嘘だ!!」

 顔を真っ赤にし、リックはユージーンを睨みつけた。

「ははっ!滑稽だな。」

「ふざけるな!外野は黙っていろ!そもそも何故お前がこの場にいるんだ!まさか、お前の方こそ浮気をしていたのではないか!?はは!お前もよくやるじゃないか!」

 その言葉にユージーンは大きく息をつくと呆れた声で言った。

「君とラナを一緒にしないでくれ。後、君は口の聞き方に気を付けた方がいい。もうここは、学園内ではないのだよ?」

「な・・何?!」

「僕は公爵家の者てあり、王宮に使える魔法使いでもある。対して君はただの子爵家の跡取り。立場の違いは明白だろう?」

「あ・・そっ、それは。」

 あえてユージーンは大きくわざとらしくため息をつくと足を組み替えて言った。

「僕とラナは、成績優秀生だったから教授から特別に受ける授業が多く、そこで切磋琢磨した友人同士だ。これは他の教授に聞けば分かること。君と違って僕らに後ろめたいことはない。」

 はっきりと言いきられ、リックは奥歯をぎりぎりと噛んだ。

 ユージーンはにこりと笑みを浮かべると、ラナに視線を向けた。

「さぁ、話し合いに戻ろう。ラナ、言いたいことははっきり言わないとダメだよ?」

 その言葉に背中を押され、勇気をもらったラナは顔をあげると、はっきりとした口調で声をあげた。

「もう貴方とは離縁させていただきます!貴方のようなクズな男など、こちらから願い下げです!!!」

「なっ!」

「支援金は全額返していただきます。不貞行為、私に対する傷害、慰謝料も請求させていただきますので、覚悟していてください!」

「そ、そんな!」

「あと、ミリアーナ様!」

「は?何よ!」

「貴女様にも慰謝料はもちろん請求させていただきますので、これからのご自分の身の振り方、考えたほうかいいかと!」

「なんですって!?なんで私が!!!」

 ラナは立ち上がると、堂々とした様子で言った。

「貴女が先ほど自分で言ったではないですか!在学中から体の関係を持ち、愛し愛されていたと!」

「なっ・・」

「私はもう我慢しません。正々堂々戦わせていただきます!」

 


 
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