70 / 145
第4章 輝きは交わり繋がる
第5話 ジネルウァとの出会い
しおりを挟む
4-5
揺らめくランプの灯りに照らされながら、石造りの廊下を老紳士の後について歩きます。
ここは王族のプライベートスペースですから、無駄に豪華な装飾が施されていたりはしません。落ち着いた、品の良い内装でかなり好みです。
右手から伝わるブランの気配も落ち着いてますね。
案内役の彼の話では、コレは陛下の趣味とのことですから、うん、ジネルウァ様とは気が合いそうです。
流石城。その部屋に着くまでそれなりに歩きました。
逸る気持ちが表にではないよう、魔力を制御しながら老紳士が扉をノックする姿を見つめます。
「陛下、グラシア姉妹をお連れしました」
「入れ」
声は若く、よく通りそうですね。
プライベートとは言え一国の王の前に出るのです。渋々ブランと繋いでいた手を離しました。
「ブラン、手を後ろに回すのはやめなさい。疑われるわよ?」
「……ん」
一体どうしたんでしょうか。
普段はそんな事しませんが……少し手が赤い?
「失礼します」
おっと、今はジネルウァ様との会談ですね。
「お初に御目にかかります。セフィロティアのアルティカ女王より紹介を受けて参りました。Bランク冒険者のアルジュエロ・グラシアと申します」
「お、同じく、妹のブラン・グラシア、です」
おぉ、ブラン、よく言えました!
ちょこんとお辞儀する姿も凄まじく可愛いですよ!
私もギルドで習った汎用のカーテシーを披露して、顔を上げます。
「……あの、陛下?」
「……おっと、すまない。見惚れていたよ。なるほど、これがそうなのか」
見惚れていた!?
まさかジネルウァ様はロリコン!?
いくら陛下でもブランは渡しませんよ!?
「ハイド、御苦労。お茶の用意をしたら下がって良いぞ」
「畏まりました。……陛下。彼女なら申し分ありませんので」
やたらとニコニコしながらお茶の準備を始める老紳士ことハイドさん。
そして顔を仄かに赤らめるジネルウァ様……。
まさか、『吸血族』ってロリコンばかりなのでしょうか……?
「アルジュエロ、だったな。座って良いぞ」
「では、失礼します」
魔道具の事を聞かねばなりませんが、ちょっとその申し分ない、の意味についても是非是非お聞かせ願いたいのですが!?
「アルティカ様から聞いているとは思うが、現国王ヴラディエト九世。真名はジネルウァ・カーミル・ヴァンピリエだ」
そう言って握手を求めるジネルウァ様。
王がそんな軽々しく握手とかしちゃっていいんでしょうか?
応えますが。
「………やはり美しい。愛称は、アルジェ、だったな。私もそう呼んで良いか?」
「え、ええ。構いません」
「そうか。なら、君もジルと呼んでくれ」
「えと、その……」
んん!?
なんかグイグイ来ますね!?
「ふむ。なんと言う事はない。アルジェ、君に私が一目惚れをしてしまったようなのだ。私の妻になってくれないだろうか?」
「…………はい?」「……へっ?」
は、え? 一目惚れ? 私に? 誰が? ジネルウァ様? え? ん? は?
「ねねねね姉様、おちおちおち、おちつ、落ち着いてっ!」
……うん。目を回して噛みまくってるブランを見たら落ち着きましたね。寧ろ和みました。
「んんっ。……本気で、仰っておられますか?」
「ああ、私は本気だ。かつてないほどに、な」
いや、そんな悪戯っぽく微笑まないでくださいよ……。
「ああ、もちろん。断ったとしても情報は渡すから安心してくれ」
安心してくれと言われましてもね?
「その……一目惚れ、なんですよね?」
「ああ。その美しさもだが、君からは、私と同じ匂いがするのだ。いや、これは当然か……」
当然?
「ですが、陛下と私は今ここで顔をあわせたばかりですよ?」
「そうだな。だが問題ない。本質を見抜くハイドが認めたのだから」
たしか、そんな魔眼がありましたね……。
ハイドさんがそれを持っていると言うことでしょうか。
「あなたは良くても、私はあなたを知りません。判断できるはずがないでしょう」
「なるほど。では、こうしよう。私の挑戦を受けてくれないか――」
ジネルウァ様は、いつのまにかハイドさんが持ってきていた剣を取り、剣気をぶつけながら聞いてきます。
「姉弟子殿?」
「……ああ、なるほど。そういう事ね」
そうでした。
彼はジジイと同じパーティにいたんでしたね。
「それなら、敬語なんて使わないわよ?」
「構わない。訓練場へ行こう」
そう言われて、私が受けないはずがないでしょう。
「ふふ、イイ剣気だわ。楽しみね」
「……姉様、すごく色っぽい……」
「……同感だな、未来の義妹よ」
もう私と結婚する気でいるようです。
気の早い事で。
ですが、そうですね……。
ジジイが認めたなら……。
「私に勝てたら、貰われてあげる」
「……これは、ますます気合が入ると言うものだな。師に鬼才と聞かされてきた君の剣、楽しみだ」
◆◇◆
場内にある、王族専用の訓練場に移動します。
ここには、リベルティアの傷などをなかったことにする装置のようなものはないようですね。ギルドの訓練場と同レベルの安全装置です。
まあ、今回は訓練用のものを使った剣のみの戦いですからね。
問題ありません。
さてさて、いきなり求婚されたわけですが、ここまでの彼の評価を公開しておきましょう。
まず、センスは合格、文句なしです。
見た目もなかなか。
中性的な事もあり、思ったほど忌避感はありません。
ここに来るまでに、さり気なくブランに歩調を合わせてくれていたのはかーなーりーの高得点です。
ここまでは、なかなか有料物件ですね。
え? 私は元男だろうって?
それなんですが、体に引っ張られたのか、もうすっかり心は女性によってしまって……。
というわけで、あとは剣を交え、その人となりをもっと深い所まで知ってからです。
「やはり君も、刀を使うのだな」
「そういうあなたは両手剣なのね」
「刀も扱えるが、コレが一番得意なのでな」
彼が正眼に構えている物の幅は、腕二本には満たない程度。全長は一メートル半より少し長いくらいです。ブロードソード、と言うには長すぎますか。
「では、全力でいかせてもらおう」
そう言って、ジネルウァ様は一足飛びに十メートルの距離を詰めてきました。
♰♰♰
あちらの初手は袈裟気味の切りおろし。
目的が目的なので、ここは受ける。
刀なら基本選択しない手だ。
「っ! あら、重いわね。そこは女性に気を使って手を抜くところじゃないの?」
――力は向こうが上ね。
「冗談を。君にそれは最悪手だ」
――わかってるじゃない。
返事は、ニヤリと笑って横腹へ蹴りを叩き込むことに変えた。
予想していたのか、左手を挟んでガードしてきたがお構い無しに蹴り飛ばす。
「っっ……! なるほど。聞いていた通りの蹴りだ」
「へぇ。どう聞いていたのかしら?」
「フフッ、秘密だ」
「あら、そっ!」
今度はこちらから。
話している間に体制を整えたジネルウァ様の目の前に〈縮地〉、からの手を鞘に見立てた居合い。
今の身体強度だからできることだ。
ジネルウァ様はこれを一歩下がって躱そうとした――
ので前側の足をさらに半歩、踏み込んだ。
伸びきっているように見えたのだろう。
慌てて剣でガードしたジネルウァ様。
しかし受けた刀に剣を沿わせながら、左肩でタックルを仕掛けてきた。
これは刀で重心を操作し、崩したところを合気の要領で投げて防ぐ。
完全に投げる前に自分で跳んでダメージを抑えられたが、空中にあるのは変わらない。
着地点へ向けて走り出す。
着地した瞬間、
歩法で距離感をずらしつつ、
スキルではない縮地を用いて肉薄。
袈裟気味に切り下ろす。
剣でこれを受けようとするジネルウァ様だが、已然距離感は狂ったままのようだ。
『朧霞』でガードをすり抜け、
心臓目掛けて突きを放つ。
残念、ガードのために横に構えていた剣で軌道を下に逸らされた。
それでも勢いは殺さず、腹の左側を突く。
「ガハッ!」
――さすが真祖。丈夫ね。
空気を吐き出しながら吹き飛んでいったが、普通なら腹を貫通している。
「まだ、終わりじゃないでしょう? さあ立って向かってきなさい!!」
ジネルウァ様は口角を上げ、フラつきながらも立ち上がる。
「クッ……。はぁはぁはぁ……。ああ、もちろんだとも!」
――いいですね。その楽しそうな顔。本番は、ここからですよ?
揺らめくランプの灯りに照らされながら、石造りの廊下を老紳士の後について歩きます。
ここは王族のプライベートスペースですから、無駄に豪華な装飾が施されていたりはしません。落ち着いた、品の良い内装でかなり好みです。
右手から伝わるブランの気配も落ち着いてますね。
案内役の彼の話では、コレは陛下の趣味とのことですから、うん、ジネルウァ様とは気が合いそうです。
流石城。その部屋に着くまでそれなりに歩きました。
逸る気持ちが表にではないよう、魔力を制御しながら老紳士が扉をノックする姿を見つめます。
「陛下、グラシア姉妹をお連れしました」
「入れ」
声は若く、よく通りそうですね。
プライベートとは言え一国の王の前に出るのです。渋々ブランと繋いでいた手を離しました。
「ブラン、手を後ろに回すのはやめなさい。疑われるわよ?」
「……ん」
一体どうしたんでしょうか。
普段はそんな事しませんが……少し手が赤い?
「失礼します」
おっと、今はジネルウァ様との会談ですね。
「お初に御目にかかります。セフィロティアのアルティカ女王より紹介を受けて参りました。Bランク冒険者のアルジュエロ・グラシアと申します」
「お、同じく、妹のブラン・グラシア、です」
おぉ、ブラン、よく言えました!
ちょこんとお辞儀する姿も凄まじく可愛いですよ!
私もギルドで習った汎用のカーテシーを披露して、顔を上げます。
「……あの、陛下?」
「……おっと、すまない。見惚れていたよ。なるほど、これがそうなのか」
見惚れていた!?
まさかジネルウァ様はロリコン!?
いくら陛下でもブランは渡しませんよ!?
「ハイド、御苦労。お茶の用意をしたら下がって良いぞ」
「畏まりました。……陛下。彼女なら申し分ありませんので」
やたらとニコニコしながらお茶の準備を始める老紳士ことハイドさん。
そして顔を仄かに赤らめるジネルウァ様……。
まさか、『吸血族』ってロリコンばかりなのでしょうか……?
「アルジュエロ、だったな。座って良いぞ」
「では、失礼します」
魔道具の事を聞かねばなりませんが、ちょっとその申し分ない、の意味についても是非是非お聞かせ願いたいのですが!?
「アルティカ様から聞いているとは思うが、現国王ヴラディエト九世。真名はジネルウァ・カーミル・ヴァンピリエだ」
そう言って握手を求めるジネルウァ様。
王がそんな軽々しく握手とかしちゃっていいんでしょうか?
応えますが。
「………やはり美しい。愛称は、アルジェ、だったな。私もそう呼んで良いか?」
「え、ええ。構いません」
「そうか。なら、君もジルと呼んでくれ」
「えと、その……」
んん!?
なんかグイグイ来ますね!?
「ふむ。なんと言う事はない。アルジェ、君に私が一目惚れをしてしまったようなのだ。私の妻になってくれないだろうか?」
「…………はい?」「……へっ?」
は、え? 一目惚れ? 私に? 誰が? ジネルウァ様? え? ん? は?
「ねねねね姉様、おちおちおち、おちつ、落ち着いてっ!」
……うん。目を回して噛みまくってるブランを見たら落ち着きましたね。寧ろ和みました。
「んんっ。……本気で、仰っておられますか?」
「ああ、私は本気だ。かつてないほどに、な」
いや、そんな悪戯っぽく微笑まないでくださいよ……。
「ああ、もちろん。断ったとしても情報は渡すから安心してくれ」
安心してくれと言われましてもね?
「その……一目惚れ、なんですよね?」
「ああ。その美しさもだが、君からは、私と同じ匂いがするのだ。いや、これは当然か……」
当然?
「ですが、陛下と私は今ここで顔をあわせたばかりですよ?」
「そうだな。だが問題ない。本質を見抜くハイドが認めたのだから」
たしか、そんな魔眼がありましたね……。
ハイドさんがそれを持っていると言うことでしょうか。
「あなたは良くても、私はあなたを知りません。判断できるはずがないでしょう」
「なるほど。では、こうしよう。私の挑戦を受けてくれないか――」
ジネルウァ様は、いつのまにかハイドさんが持ってきていた剣を取り、剣気をぶつけながら聞いてきます。
「姉弟子殿?」
「……ああ、なるほど。そういう事ね」
そうでした。
彼はジジイと同じパーティにいたんでしたね。
「それなら、敬語なんて使わないわよ?」
「構わない。訓練場へ行こう」
そう言われて、私が受けないはずがないでしょう。
「ふふ、イイ剣気だわ。楽しみね」
「……姉様、すごく色っぽい……」
「……同感だな、未来の義妹よ」
もう私と結婚する気でいるようです。
気の早い事で。
ですが、そうですね……。
ジジイが認めたなら……。
「私に勝てたら、貰われてあげる」
「……これは、ますます気合が入ると言うものだな。師に鬼才と聞かされてきた君の剣、楽しみだ」
◆◇◆
場内にある、王族専用の訓練場に移動します。
ここには、リベルティアの傷などをなかったことにする装置のようなものはないようですね。ギルドの訓練場と同レベルの安全装置です。
まあ、今回は訓練用のものを使った剣のみの戦いですからね。
問題ありません。
さてさて、いきなり求婚されたわけですが、ここまでの彼の評価を公開しておきましょう。
まず、センスは合格、文句なしです。
見た目もなかなか。
中性的な事もあり、思ったほど忌避感はありません。
ここに来るまでに、さり気なくブランに歩調を合わせてくれていたのはかーなーりーの高得点です。
ここまでは、なかなか有料物件ですね。
え? 私は元男だろうって?
それなんですが、体に引っ張られたのか、もうすっかり心は女性によってしまって……。
というわけで、あとは剣を交え、その人となりをもっと深い所まで知ってからです。
「やはり君も、刀を使うのだな」
「そういうあなたは両手剣なのね」
「刀も扱えるが、コレが一番得意なのでな」
彼が正眼に構えている物の幅は、腕二本には満たない程度。全長は一メートル半より少し長いくらいです。ブロードソード、と言うには長すぎますか。
「では、全力でいかせてもらおう」
そう言って、ジネルウァ様は一足飛びに十メートルの距離を詰めてきました。
♰♰♰
あちらの初手は袈裟気味の切りおろし。
目的が目的なので、ここは受ける。
刀なら基本選択しない手だ。
「っ! あら、重いわね。そこは女性に気を使って手を抜くところじゃないの?」
――力は向こうが上ね。
「冗談を。君にそれは最悪手だ」
――わかってるじゃない。
返事は、ニヤリと笑って横腹へ蹴りを叩き込むことに変えた。
予想していたのか、左手を挟んでガードしてきたがお構い無しに蹴り飛ばす。
「っっ……! なるほど。聞いていた通りの蹴りだ」
「へぇ。どう聞いていたのかしら?」
「フフッ、秘密だ」
「あら、そっ!」
今度はこちらから。
話している間に体制を整えたジネルウァ様の目の前に〈縮地〉、からの手を鞘に見立てた居合い。
今の身体強度だからできることだ。
ジネルウァ様はこれを一歩下がって躱そうとした――
ので前側の足をさらに半歩、踏み込んだ。
伸びきっているように見えたのだろう。
慌てて剣でガードしたジネルウァ様。
しかし受けた刀に剣を沿わせながら、左肩でタックルを仕掛けてきた。
これは刀で重心を操作し、崩したところを合気の要領で投げて防ぐ。
完全に投げる前に自分で跳んでダメージを抑えられたが、空中にあるのは変わらない。
着地点へ向けて走り出す。
着地した瞬間、
歩法で距離感をずらしつつ、
スキルではない縮地を用いて肉薄。
袈裟気味に切り下ろす。
剣でこれを受けようとするジネルウァ様だが、已然距離感は狂ったままのようだ。
『朧霞』でガードをすり抜け、
心臓目掛けて突きを放つ。
残念、ガードのために横に構えていた剣で軌道を下に逸らされた。
それでも勢いは殺さず、腹の左側を突く。
「ガハッ!」
――さすが真祖。丈夫ね。
空気を吐き出しながら吹き飛んでいったが、普通なら腹を貫通している。
「まだ、終わりじゃないでしょう? さあ立って向かってきなさい!!」
ジネルウァ様は口角を上げ、フラつきながらも立ち上がる。
「クッ……。はぁはぁはぁ……。ああ、もちろんだとも!」
――いいですね。その楽しそうな顔。本番は、ここからですよ?
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
『急所』を突いてドロップ率100%。魔物から奪ったSSRスキルと最強装備で、俺だけが規格外の冒険者になる
仙道
ファンタジー
気がつくと、俺は森の中に立っていた。目の前には実体化した女神がいて、ここがステータスやスキルの存在する異世界だと告げてくる。女神は俺に特典として【鑑定】と、魔物の『ドロップ急所』が見える眼を与えて消えた。 この世界では、魔物は倒した際に稀にアイテムやスキルを落とす。俺の眼には、魔物の体に赤い光の点が見えた。そこを攻撃して倒せば、【鑑定】で表示されたレアアイテムが確実に手に入るのだ。 俺は実験のために、森でオークに襲われているエルフの少女を見つける。オークのドロップリストには『剛力の腕輪(攻撃力+500)』があった。俺はエルフを助けるというよりも、その腕輪が欲しくてオークの急所を剣で貫く。 オークは光となって消え、俺の手には強力な腕輪が残った。 腰を抜かしていたエルフの少女、リーナは俺の圧倒的な一撃と、伝説級の装備を平然と手に入れる姿を見て、俺に同行を申し出る。 俺は効率よく強くなるために、彼女を前衛の盾役として採用した。 こうして、欲しいドロップ品を狙って魔物を狩り続ける、俺の異世界冒険が始まる。
12/23 HOT男性向け1位
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
ユーヤのお気楽異世界転移
暇野無学
ファンタジー
死因は神様の当て逃げです! 地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。
少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。
スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る
早見羽流
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」
解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。
そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。
彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。
(1話2500字程度、1章まで完結保証です)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる