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一章 陽菜の為に
第1話 強襲
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①
晴れ渡る空に、終業を告げる鐘が鳴り響く。その高校中の生徒たちは一斉に教科書をしまい、放課前の掃除の準備を始める。教室を担当する生徒たちが換気の為に窓を開けると、冷たい風が吹き込んで未だに残る冬の気配を教えた。
「さっぶ!」
今年から受験勉強に励むことを余儀なくされる少年、思導翔はそう言って両腕をさする。そのツーブロックにされた、こげ茶に近い黒色の髪が風で逆立った。
――もうすぐ春だっていうのに……。
翔は逃げるように今自分が開けた窓の傍から離れ、掃除用具入れを目指す。その翔の視界に箒を差し出す手が映った。そこにいたのは、長い濡れ羽色の髪を揺らす彼の幼馴染だ。どちらかと言えばキリっとした目の彼女は、巫女のような雰囲気を身に纏っている。
「はい、翔君」
「あ、陽菜。ありがとう」
箒を受け取った翔は彼女、舞上陽菜を連れ立って教室の端から順に掃き始める。付き合うようになったのは高校に入ってからの二人だが、距離感はそれ以前から変わらない。こうして自分たちの世界を作るのも最早いつもの光景だ。その容姿の割に陽菜を狙う男子生徒が少ないのは、これが理由だった。
「明日午前中の授業が終わったら、もう終了式か」
「だね。そしたらもう受験だよ」
「色々忙しくなるね」
面倒だという思いを顔に出しつつ翔は呟く。その時だった。
「っ⁉ なんだ?」
突然温かな風が二人の間を駆け抜け、教室内を渦巻く。それは最近新調されたばかりのエアコンのものだと言うには少し強すぎた。不自然な風に翔が首を捻り、疑問の声を漏らす。そして次の瞬間、真っ白な光が溢れ出し、教室内にいた少年少女を包み込んだ。翔たちはぎゅっと目を瞑り、手をかざして瞼を貫通してくる白光をやり過ごす。
ややあって光が収まり、翔たちの瞳は瞼の裏さえ映さなくなった。
――なんだったんだろう、今の光は?
不思議に思いつつ翔は目を開ける。
まず見えたのは、同じように瞼を上げる彼の恋人の姿。そして、周囲を囲む緑だった。
「えっ……。いや、え、森……?」
つい先ほどまであったはずの風景はそこにない。黒板や窓ガラスの代わりに緑生い茂る木々が周囲を囲み、光に艶めく木目の床は柔らかい腐葉土へと姿を変えた。頭上を仰ぐと、二つの陽が翔たちを照らしている。
ぽつぽつと周囲に困惑の声が溢れ始めるが、状況を整理しきれないからなのか、彼らの心は妙に凪いでいた。
「陽菜、大丈夫?」
「う、うん。大丈夫だけど、これって……」
陽菜は周囲をキョロキョロと見まわしながら不安を顔に現す。
何が起きたのか、どうしたらいいのか、翔たちにはその一切が分からなかった。風に騒めく森の中、時間が経つほどに不安ばかりが募る。その不安を誤魔化すように二人は互いの手を握り、身を寄せ合った。翔の握った柔らかい手は、大きくなっていく陽菜の不安を表すように震えていた。
翔は生唾を飲み込み、深呼吸をして頭を冷やす。それから、とにかく親友と合流しようと視線を巡らせ、集団の中に頭半個分ほど大きな影を探した。
――大丈夫、大丈夫、大丈夫……。
そう胸中で繰り返し唱えながら、その彼を探している内に気が付いた。
――さっきより、静かになった?
先ほどまで聞こえていた、風に揺れ擦れる木の葉の音の一切が無くなっていた。翔たちの周囲に異質な空気が漂い始める。陽菜もそれに気が付き、翔と繋いだ手により一層力を込めた。
パキッ、パキッ、と何かが枝を踏み折る音が聞こえた。
翔たちはその音の出どころ、森の奥の暗がりへ一斉に目を向ける。
それは、ゆっくりと姿を現した。
まず見えたのは、筋肉質で太い猫科の脚。それから、鋭く長い牙。そして、獰猛な光を瞳に宿す、巨大な虎の頭。
体高二メートルを超えるサーベルタイガーのような猛獣の威容に、翔たちは立ち竦む。
その巨大な虎は一番近い位置にいた翔たちへ視線を向けると、ゆっくりと片腕を振り上げた。その腕の先に光る鋭い爪を見ても、二人は呆然としたまま動かない。翔の視界が、ゆっくりと、虎の爪で埋まっていく。
「何してるの!」
突然そんな声が響き、翔たちは予期せぬ方向からの強い衝撃に地面を転がった。直後にドンっという音がして土埃が舞う。軽く叩きつけただけのように見えたにも拘らず、地面は陥没しひび割れていた。
「っ! ……間錐さん、ありがとう」
「朱里ちゃん、ごめんね」
我に返った二人は慌てて立ち上がり、命の恩人である間錐朱里へと礼を言った。朱里はセーラー服に付いた土を払い、いいから、と短く返す。
「とにかく離れましょっ!」
そういう朱里の視線の先では、巨大な虎が次の獲物を探して生徒たちへと視線を巡らせていた。その姿はまるで、おもちゃを選ぶ小さな子どもだ。
――アレはいったい何なんだ!
翔がそう思った瞬間、彼の視界に半透明の板が現れた。それは空中に直接投影されたタブレット画面の様で、日本語の文章が並んでいる。
――――――――――――――
〈アサルトタイガー〉A (健康)
強靭な脚力から生まれる高い俊敏性を持った虎型魔物。
その牙は魔力を込められた妖精銀すら貫き、爪に纏う魔法毒は敵対者の自由を奪い地獄の業火で焼かれたような痛みを齎す。
その姿はまさに威風堂々。多くの人間がその毛皮に夢を見、そして散っていった。
『災害種』
――――――――――――――
翔は驚き、一瞬動きを止める。しかしすぐに思い直して走り出した。そうしている間にも猛獣は爪で木々を引き裂き、尾で薙ぎ払って空き地を広げている。朱里が助けてくれなかったら、今頃あの木々のようにめちゃくちゃにされていたのだと考えてしまい、翔は一瞬足をもつれさせた。
彼らはどうにか大きな岩の陰に滑り込んで岩に背をつけ、身をかがめる。
「いったい何がどうなってるの⁉ あの化け物は何⁉」
「わからないよ!」
虎が暴れる音にかき消されないよう叫んだ朱里に、翔も負けじと返す。それから、先ほどから視界に残り続ける板を見た。
――アサルトタイガー? あの化け物の事? 魔物って、ファンタジーとかゲームによく出てくるあの魔物? それに、魔法……毒⁉
「あいつ、爪に毒があるらしい!」
「あってもなくても当たったら即死でしょ! あんなの!」
翔は朱里の返答に、確かにと頷いた。その翔の袖を陽菜が引っ張る。
「翔君、なんで毒があるってわかったの?」
「いや、ここに書いて……」
しかし陽菜たちにその板は見えていない。何を言っているのかわからないと言った顔で翔を見る。と同時に、轟音を立てて大岩が砕け散った。翔たちはその衝撃に弾き飛ばされ地を転がる。その陽菜の片脚に弾けた岩が直撃した。
「きゃぁっ!」
「陽菜!」
翔が慌てて彼女に駆け寄ると、その脚は骨折で紫色に変色していた。
彼は動けない恋人を庇い覆い被さる。体の震えを抑えるように丸まり、浅い呼吸を繰り返す陽菜へ大丈夫と繰り返す彼の様子を楽しむように、アサルトタイガーはゆっくりと二人に近づいていく。
――なんで、なんで俺たちがこんな目に合わなきゃいけないんだ! 誰か、助けて……!
「陽菜! 思導!」
朱里が二人の名前を叫び戻ろうとするのを、クラスメイトの一人が止めた。その視線の先でアサルトタイガーが彼らへ向けて腕を振り上げる。
その場の誰もが鮮血の飛び散る未来を幻視し、目を背けようとする。引き延ばされた時間の中で徐々に振り下ろされていく爪はしかし、決定的な絶望の未来を彼らの瞼の内へ焼き付けて逃がそうとしない。例え国内屈指の俊足を誇る朱里であろうと、もう先ほどのように彼らの命を掴み取ることは叶わない。
逃れ得ない悲劇に、少年少女の世界から音が消える。
「〈限界突破〉!」
声が響いた。
低くて良く通る、翔たちの誰一人知らない声が。
その声の持ち主は瞬きをする間に翔たちとアサルトタイガーの爪との間に割り込み、美しい白色の楯を構えた。楯は狂爪を受け流し、軌道を変える。そして右手の直剣を振り下ろした。
「グルァアッ⁉」
脚一つを一刀のもとに切り落とされた巨虎は悲鳴を上げ、彼を睨む。
いくら経っても来ない終わりに翔が顔を上げると、そこには真っ白な騎士鎧に身を包んだくすんだ金髪の偉丈夫がいた。
「すまない。手違いがあったようだ」
巨虎の殺気を正面から受け止める彼に動じる様子はなく、後ろで唖然とする翔たちをちらと見てそう声をかける。
「すぐに終わらせる」
翔に分かったのは、彼が〈咸卦法〉と呟いた事と、アサルトタイガーの頭が縦に割れたという事だけだった。翔が気が付いた時、その偉丈夫は既に剣を鞘に納めていた。オールバックに整えられた金髪には、一切乱れた様子がない。
「『アーカウラ』へようこそ、【選ばれし者】の諸君。歓迎しよう」
彼、聖騎士グラヴィスは振り返り、翔たちを見渡してそう静かに告げた。
晴れ渡る空に、終業を告げる鐘が鳴り響く。その高校中の生徒たちは一斉に教科書をしまい、放課前の掃除の準備を始める。教室を担当する生徒たちが換気の為に窓を開けると、冷たい風が吹き込んで未だに残る冬の気配を教えた。
「さっぶ!」
今年から受験勉強に励むことを余儀なくされる少年、思導翔はそう言って両腕をさする。そのツーブロックにされた、こげ茶に近い黒色の髪が風で逆立った。
――もうすぐ春だっていうのに……。
翔は逃げるように今自分が開けた窓の傍から離れ、掃除用具入れを目指す。その翔の視界に箒を差し出す手が映った。そこにいたのは、長い濡れ羽色の髪を揺らす彼の幼馴染だ。どちらかと言えばキリっとした目の彼女は、巫女のような雰囲気を身に纏っている。
「はい、翔君」
「あ、陽菜。ありがとう」
箒を受け取った翔は彼女、舞上陽菜を連れ立って教室の端から順に掃き始める。付き合うようになったのは高校に入ってからの二人だが、距離感はそれ以前から変わらない。こうして自分たちの世界を作るのも最早いつもの光景だ。その容姿の割に陽菜を狙う男子生徒が少ないのは、これが理由だった。
「明日午前中の授業が終わったら、もう終了式か」
「だね。そしたらもう受験だよ」
「色々忙しくなるね」
面倒だという思いを顔に出しつつ翔は呟く。その時だった。
「っ⁉ なんだ?」
突然温かな風が二人の間を駆け抜け、教室内を渦巻く。それは最近新調されたばかりのエアコンのものだと言うには少し強すぎた。不自然な風に翔が首を捻り、疑問の声を漏らす。そして次の瞬間、真っ白な光が溢れ出し、教室内にいた少年少女を包み込んだ。翔たちはぎゅっと目を瞑り、手をかざして瞼を貫通してくる白光をやり過ごす。
ややあって光が収まり、翔たちの瞳は瞼の裏さえ映さなくなった。
――なんだったんだろう、今の光は?
不思議に思いつつ翔は目を開ける。
まず見えたのは、同じように瞼を上げる彼の恋人の姿。そして、周囲を囲む緑だった。
「えっ……。いや、え、森……?」
つい先ほどまであったはずの風景はそこにない。黒板や窓ガラスの代わりに緑生い茂る木々が周囲を囲み、光に艶めく木目の床は柔らかい腐葉土へと姿を変えた。頭上を仰ぐと、二つの陽が翔たちを照らしている。
ぽつぽつと周囲に困惑の声が溢れ始めるが、状況を整理しきれないからなのか、彼らの心は妙に凪いでいた。
「陽菜、大丈夫?」
「う、うん。大丈夫だけど、これって……」
陽菜は周囲をキョロキョロと見まわしながら不安を顔に現す。
何が起きたのか、どうしたらいいのか、翔たちにはその一切が分からなかった。風に騒めく森の中、時間が経つほどに不安ばかりが募る。その不安を誤魔化すように二人は互いの手を握り、身を寄せ合った。翔の握った柔らかい手は、大きくなっていく陽菜の不安を表すように震えていた。
翔は生唾を飲み込み、深呼吸をして頭を冷やす。それから、とにかく親友と合流しようと視線を巡らせ、集団の中に頭半個分ほど大きな影を探した。
――大丈夫、大丈夫、大丈夫……。
そう胸中で繰り返し唱えながら、その彼を探している内に気が付いた。
――さっきより、静かになった?
先ほどまで聞こえていた、風に揺れ擦れる木の葉の音の一切が無くなっていた。翔たちの周囲に異質な空気が漂い始める。陽菜もそれに気が付き、翔と繋いだ手により一層力を込めた。
パキッ、パキッ、と何かが枝を踏み折る音が聞こえた。
翔たちはその音の出どころ、森の奥の暗がりへ一斉に目を向ける。
それは、ゆっくりと姿を現した。
まず見えたのは、筋肉質で太い猫科の脚。それから、鋭く長い牙。そして、獰猛な光を瞳に宿す、巨大な虎の頭。
体高二メートルを超えるサーベルタイガーのような猛獣の威容に、翔たちは立ち竦む。
その巨大な虎は一番近い位置にいた翔たちへ視線を向けると、ゆっくりと片腕を振り上げた。その腕の先に光る鋭い爪を見ても、二人は呆然としたまま動かない。翔の視界が、ゆっくりと、虎の爪で埋まっていく。
「何してるの!」
突然そんな声が響き、翔たちは予期せぬ方向からの強い衝撃に地面を転がった。直後にドンっという音がして土埃が舞う。軽く叩きつけただけのように見えたにも拘らず、地面は陥没しひび割れていた。
「っ! ……間錐さん、ありがとう」
「朱里ちゃん、ごめんね」
我に返った二人は慌てて立ち上がり、命の恩人である間錐朱里へと礼を言った。朱里はセーラー服に付いた土を払い、いいから、と短く返す。
「とにかく離れましょっ!」
そういう朱里の視線の先では、巨大な虎が次の獲物を探して生徒たちへと視線を巡らせていた。その姿はまるで、おもちゃを選ぶ小さな子どもだ。
――アレはいったい何なんだ!
翔がそう思った瞬間、彼の視界に半透明の板が現れた。それは空中に直接投影されたタブレット画面の様で、日本語の文章が並んでいる。
――――――――――――――
〈アサルトタイガー〉A (健康)
強靭な脚力から生まれる高い俊敏性を持った虎型魔物。
その牙は魔力を込められた妖精銀すら貫き、爪に纏う魔法毒は敵対者の自由を奪い地獄の業火で焼かれたような痛みを齎す。
その姿はまさに威風堂々。多くの人間がその毛皮に夢を見、そして散っていった。
『災害種』
――――――――――――――
翔は驚き、一瞬動きを止める。しかしすぐに思い直して走り出した。そうしている間にも猛獣は爪で木々を引き裂き、尾で薙ぎ払って空き地を広げている。朱里が助けてくれなかったら、今頃あの木々のようにめちゃくちゃにされていたのだと考えてしまい、翔は一瞬足をもつれさせた。
彼らはどうにか大きな岩の陰に滑り込んで岩に背をつけ、身をかがめる。
「いったい何がどうなってるの⁉ あの化け物は何⁉」
「わからないよ!」
虎が暴れる音にかき消されないよう叫んだ朱里に、翔も負けじと返す。それから、先ほどから視界に残り続ける板を見た。
――アサルトタイガー? あの化け物の事? 魔物って、ファンタジーとかゲームによく出てくるあの魔物? それに、魔法……毒⁉
「あいつ、爪に毒があるらしい!」
「あってもなくても当たったら即死でしょ! あんなの!」
翔は朱里の返答に、確かにと頷いた。その翔の袖を陽菜が引っ張る。
「翔君、なんで毒があるってわかったの?」
「いや、ここに書いて……」
しかし陽菜たちにその板は見えていない。何を言っているのかわからないと言った顔で翔を見る。と同時に、轟音を立てて大岩が砕け散った。翔たちはその衝撃に弾き飛ばされ地を転がる。その陽菜の片脚に弾けた岩が直撃した。
「きゃぁっ!」
「陽菜!」
翔が慌てて彼女に駆け寄ると、その脚は骨折で紫色に変色していた。
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――なんで、なんで俺たちがこんな目に合わなきゃいけないんだ! 誰か、助けて……!
「陽菜! 思導!」
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その場の誰もが鮮血の飛び散る未来を幻視し、目を背けようとする。引き延ばされた時間の中で徐々に振り下ろされていく爪はしかし、決定的な絶望の未来を彼らの瞼の内へ焼き付けて逃がそうとしない。例え国内屈指の俊足を誇る朱里であろうと、もう先ほどのように彼らの命を掴み取ることは叶わない。
逃れ得ない悲劇に、少年少女の世界から音が消える。
「〈限界突破〉!」
声が響いた。
低くて良く通る、翔たちの誰一人知らない声が。
その声の持ち主は瞬きをする間に翔たちとアサルトタイガーの爪との間に割り込み、美しい白色の楯を構えた。楯は狂爪を受け流し、軌道を変える。そして右手の直剣を振り下ろした。
「グルァアッ⁉」
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「すまない。手違いがあったようだ」
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「すぐに終わらせる」
翔に分かったのは、彼が〈咸卦法〉と呟いた事と、アサルトタイガーの頭が縦に割れたという事だけだった。翔が気が付いた時、その偉丈夫は既に剣を鞘に納めていた。オールバックに整えられた金髪には、一切乱れた様子がない。
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