死霊術師の人生日記

胡嶌要汰

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第2章

第六話「眷属」

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 スケルトンはゆっくりと立ち上がった。

「は、ははッ! 遂に俺も本格的に【死霊術師】かぁ」

 俺はもうなんだか呆れてしまった。
家を追い出されて、もう何もかも…

「なぁ、お前は俺を信じてくれるよな?」
「はい。主人あるじ様」

 まぁ、スケルトンに聞いたって、喋るはず…ない?
喋る?え?今誰が?

「私ですよ。主人様。スケルトンです」
「えぇぇえぇぇぇぇぇ!! お、お前! 話せるのか?」
「え? あ、はい。最初から」
「なんだよもう。先に言えよ」
「申し訳ございません。」
「いや、いい。」

 おかしい。俺がこの10年間で調べた死霊術師は死霊の召喚と命令だけ。
話せるなんて書物に書いてなかったぞ!

「なぁ、お前。ステータスを確認してもいいか?」
「え? はい! もちろん! 主人様のためなら!」

 俺は【鑑定】を使った。

――――――――――――――――――――
個体名:アルバータ
種族名:ナイトスケルトン[上位種魔人]
職業:聖騎士パラディン
〈才能〉
【聖騎士】S
〈スキル〉
【聖剣生成】S
【豪剣】B
【身体強化】D

死霊アンデットの為基本ステータスはなし
――――――――――――――――――――

 なるほど、上位種だから人族との会話が成り立つのか。

「主人様? 私は大丈夫でしたか?」
「あぁ、大丈夫だ。それよりお前上位種なんだな」
「まぁ、前世では沢山の人を殺しましたからね」
「なるほど、じゃあお前のことは個体名の通りアルバータと呼ぶ」
「は! 主人様」

 アルバータは俺の前で跪き、右の掌を左胸に当てた。

「アルバータ、俺はこれから学院に通おうと思ってる」
「そうですか。学院、懐かしいですなぁ」
「お前も前世では行ってたのか?」
「えぇ、もちろん。」
「じゃあ、入学試験に向けて行くか」
「はい」

 俺は学院に向かった。
と言っても。
10分ほどで着いてしまった。

「そうだった。ここ王都だから、すぐ着くんだった」
「なら、主人様。冒険者になって入学費を稼ぎましょう!」
「え? 入学費? そんなの要らない。あ! 俺、もう貴族じゃなかった。よし! アルバータ! その案乗った!」
「はい!」

 俺は王都ですぐ近くの冒険者ギルドに向かった。
中々、大きな建物だ。
中に入るとそこには人族、獣人、亜人の多種多様な姿の人達がいた。

「これが冒険者ギルド」
「あら、主人様緊張されてますね。」
「まぁ、ここに来るのは初めてだからな。」
「じゃあ、今まで何を…いや、今聞くのはやめておきましょう」
「あぁ…ありがとう」

 アルバータが気を遣ってくれた事、やはり主従関係は裏切らないな。
これなら俺でも安心して信用できる。
俺は受付をアルバータに教えてもらい受付前に行った。

「ようこそお越しくださいました。こちらは王都ハーヴェスト冒険者ギルドにございます。今回、担当させて頂くメリアと申します。」

 なんで丁寧なんだろう。
日本とあまり変わらない礼儀だ。

「あ、今回は冒険者に登録しようかと」
「はい。でしたらこの用紙に名前と才能をお書きください。」

 俺は10年間学んだ異世界語で書いた。

「はい。では読ませていただきます。……はぁ、【死霊術師】か。では、この水晶に手を置け」
「貴様!」
「やめろアルバータ」

 態度に怒ったアルバータを必死に止めた。
だが、アルバータの声は誰にも聞こえない。

「すみません。主人様」
「プッ、ハハハハハッ! 【死霊術師】だってよ!  笑わせるぜ!」
「何も出来ねぇくせにここに来んなよ!」

 散々な言われようだ。
するとそこに1人の大男が近づいて来た。

「テメェ、ここは俺らの場所だ。すぐ死ぬ奴はとっとと返って横のスケルトンの骨でもしゃぶってな」

 俺はムカついたが、それ以上にアルバータが怒りを露わにしていた。
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