死霊術師の人生日記

胡嶌要汰

文字の大きさ
28 / 54
第3章

第二十八話「屍喰鬼」

しおりを挟む
 俺は早く承諾書と冒険者カードを見せて迷宮ダンジョンに入った。
魔石が話し始めてから迷宮ダンジョンに着くまでに「早く!」「魔力!」みたいな事を言われて頭がヅキヅキして痛かった。

 迷宮ダンジョンの2階に行き、ぐったりと座っていた。

「……おい! 早く魔力を流し込め!」
「うッ! わかった。わかったから! ちょっと待て」

 俺は屍喰鬼グールの魔石に魔力をありったけ流し込んだ。
魔力を流し込んだ俺は魔力切れで意識を失った。

「ん? ここは……」
「主人様!」

 俺が目を覚ましたのは2時間後らしい。
アルバータ達は心配して出てきたらしい。

「……起きたか?」

 俺が起き上がった目の前には肌の黒いツギハギの皮の男前な顔をした奴がいた。

「お前は……誰だ?」
「俺は屍喰鬼グールだ。あの魔石に封印されてたな」
「そっか、あの魔石からね。って! 魔石って魔物の体内にある奴だから封印ってどう言う事?」
「それはだな……」

 俺が封印されていた魔石は自然にできた魔石で魔物を封印できる封魔石って言う種類の魔石だ。
 昔、魔導士の爺さんに封印されてそれっきりあの店に置かれっぱなしだった。
 だが、あんたが魔力を流し込んだおかげで自由になったわけだ。

「へぇ。そんな事だったのか。じゃあ、これからどうすんだ?」
「ま、そこら辺の魔物でも倒して生きていくさ」

屍喰鬼グールは後ろを向いて歩こうとした。

「待って!」

 俺は屍喰鬼グールを呼び止めた。

「なんだ? 俺に何か用でもあるのか?」
「グ、屍喰鬼グールって死霊アンデットだよね!?」
「なんだよ。そんな事か? そうだよ。俺は死霊アンデットだ。文句でもあんのか?」

 なんか喧嘩腰で返答が来た。

「な、なら! 俺と〈契約〉してくれ!」
「はぁ? お前と〈契約〉? 馬鹿なこと言うな坊主が俺を使役できるとでも?」
「やってみせる!」
「ほぅ。なら、やってみるか? 力尽くで!」

 屍喰鬼グールは飛びかかって来た。

「主人様!」

 すぐにアルバータが来たが、防戦一方になるばかりだった。

「ほらほら! どうした!? そんなもんじゃねぇだろ!?」

 屍喰鬼グールはアルバータを殴りながら笑っている。

「クッ!!」

 アルバータはそれを受け流すだけで精一杯だ。

「これで終いだ。【格闘戦術】〈黒死拳〉!!」

 屍喰鬼グールは拳に黒い魔力の様なものを纏い、アルバータを全力で殴った。
そしてアルバータはバラバラになった。

「アルバータ!」

 俺の目の前に飛んできたアルバータの顔を俺はゆっくりと抱きしめた。

「主人様、主人様、苦しいです。」
「え?」

 悲しんでいる最中、アルバータは喋り始めた。

「私は死霊アンデットです。スキルなんかでは死にませんよ?」
「あ、そうだったね」

 今更だが、アルバータは死なない事を思い出した。

「なんだ? お前【死霊術師】だったのか?」
「あぁ、そうだよ。」
「なら、次は誰と戦わせてくれるんだ?」
「それは……」
「主人様、僕が行きます!」

 名乗りを上げたのはボウだった。

「ボウ……行けるか!」
「もちろん!」

 ボウは斧を持ってどっしりと戦闘態勢に入った。

「ヘヘッ! 今度はそいつが相手か!」

 屍喰鬼グールもそれに感化され拳を前に突き出した。
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜

かの
ファンタジー
 世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。  スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。  偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。  スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!  冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

『召喚ニートの異世界草原記』

KAORUwithAI
ファンタジー
ゲーム三昧の毎日を送る元ニート、佐々木二郎。  ある夜、三度目のゲームオーバーで眠りに落ちた彼が目を覚ますと、そこは見たこともない広大な草原だった。  剣と魔法が当たり前に存在する世界。だが二郎には、そのどちらの才能もない。  ――代わりに与えられていたのは、**「自分が見た・聞いた・触れたことのあるものなら“召喚”できる」**という不思議な能力だった。  面倒なことはしたくない、楽をして生きたい。  そんな彼が、偶然出会ったのは――痩せた辺境・アセトン村でひとり生きる少女、レン。  「逃げて!」と叫ぶ彼女を前に、逃げようとした二郎の足は動かなかった。  昔の記憶が疼く。いじめられていたあの日、助けを求める自分を誰も救ってくれなかったあの光景。  ……だから、今度は俺が――。  現代の知恵と召喚の力を武器に、ただの元ニートが異世界を駆け抜ける。  少女との出会いが、二郎を“召喚者”へと変えていく。  引きこもりの俺が、異世界で誰かを救う物語が始まる。 ※こんな物も召喚して欲しいなって 言うのがあればリクエストして下さい。 出せるか分かりませんがやってみます。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

少し冷めた村人少年の冒険記 2

mizuno sei
ファンタジー
 地球からの転生者である主人公トーマは、「はずれギフト」と言われた「ナビゲーションシステム」を持って新しい人生を歩み始めた。  不幸だった前世の記憶から、少し冷めた目で世の中を見つめ、誰にも邪魔されない力を身に着けて第二の人生を楽しもうと考えている。  旅の中でいろいろな人と出会い、成長していく少年の物語。

【完結】子爵令嬢の秘密

りまり
恋愛
私は記憶があるまま転生しました。 転生先は子爵令嬢です。 魔力もそこそこありますので記憶をもとに頑張りたいです。

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

処理中です...