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黒豚令息の領地開拓編
水辺への誘い
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窓から入る草原の風と、足を伸ばしてはしたなく組んでも誰も気にしない自由な空間に、シェルリアーナはしばし酔いしれていた。
「幸せねぇ…」
「はい!すごく美味しくて幸せですね!」
「ええ、それもそうだけど…ここでこうしてると、貴族とか制約とか学園とか責任とか血統とか、本当にどうでも良くなっちゃう…」
「デイビッド様が気にしませんからね。」
「そうなのよねぇ…むしろ関わる人間のしがらみとか、片っ端から解放しちゃうのよねぇ。」
「私も、デイビッド様の隣にいると、心が軽くなって悩みとかどうでも良くなっちゃうんですよ。」
「羨ましいわね…」
「え、なんですか?」
「なんでもないわ。ほら、この問題は数式を2つ組み合わせないと解けないわよ?!」
「あ、本当だ!」
(シェル先輩は本当になんでもできるんだなぁ…)
特待生用の課題をこなしながら、ヴィオラは改めてシェルリアーナという偉大な先輩の存在にありがたみを感じていた。
(私もいつかシェル先輩みたいな素敵な大人の女性になるんだ!)
ヴィオラの夢は果たして叶う日が来るだろうか。
開け放たれた窓の下で、エリックの説教から解放されたデイビッドは、洗い物をしながら今日の予定を考えていた。
森の問題は解決したので、次は何をすべきか…
桶に水を汲み、流しに注ごうとした瞬間、水が揺れて誰かが囁くような声がした。
『 湖においで 』
バシャンと桶から魚の形の水が跳ね、辺りに水飛沫を撒き散らしながらまた桶の中へと落ちて来た。
コレは精霊の誘いに間違いない。
昨日の今日で悪い様にはされないだろうと、デイビッドは腹を括り、ついに謎多き湖へ再度向かう事にした。
釣具にロープ、使うか迷った末に持って来ていた投網、一番大きな空樽。
念の為ムスタとファルコの2頭共に声をかけ、支度をしていると、アリーの声と共に何やら小さな足音がワサワサと聞こえてきた。
「なんだ!?」
「タダイマ! セイレイノ イッパイイルトコロニ イッテキタ!」
「大丈夫なのかよ!あぁ、でも言ってたな、アルラウネは精霊の眷族だって…」
「タクサン アソンデキタ オミヤゲモ イッパイ!」
「オミヤゲ…?」
デイビッドがアリーの後ろをチラっと覗くと、色とりどりの歩き草が団体でわっさわっさとアリーの後について走って来る所だった。
「ヒッコヌイタラ ツイテクル オモシロイ!」
「面白くなーい!!どうすんだコイツ等!」
「ホットイテ ダイジョウブ コイツラソダツト ツチガ ゲンキニナル」
「土が?あー…緑肥の類になるのか?食用にはならねぇのかな…」
歩き草の方を見ると、何かを察したのかアリーの後ろにピッタリ隠れて出て来ようとしない。
「元がマンドラゴラなら食えると思ったんだけどよ。」
「タベチャダメ セイレイノ トモダチダカラ…」
「じゃぁダメか。邪魔にならねぇトコなら好きにさせといて構わねぇよ。」
「アリガト!」
ワサワサと歩き草を連れてアリーが草地の方へ行くと、草達は各々落ち着く場所を見つけて穴を掘り始めた。
(マンドラゴラは食えるのに、進化したら友達なのか…仕組みがよくわからん…)
恐らく精霊に準ずる魂が宿ったら、眷族として扱われるのだろう。
アルラウネの発生にも何かそういうモノが関わっているような気がする。
湖に行く用意が整い、昼食のバスケットを詰めていると、頭の上から声がした。
『 ごきげんよう、お会いできたこの良き日に感謝します 』
エルム語の貴族間で交わされる定番の挨拶だ。
『 麗しき日に感謝します、帝国の女神の幸くあらんことを 』
こちらもまた定番の文句で返すと、ヴィオラは唇を噛んでデイビッドをじっと見た。
「サラッと返されちゃいました…」
「そりゃそうよ。アイツを言語で脅かすのは難しいわ。」
「エルム語の課題か?」
「はい!今度テストで式典の挨拶が出るんです。」
「DとJの発音に気をつけろよ?帝国語のDは少し音が濁るんで間違えやすいからな。」
「それ、語学の先生にも言われました!」
「今のヴィオラの発音のままだとな、下手すると俺の名前がジュディッドになる…」
「…かわいい…」
「公式の場でも何度か間違えられてるからな?!」
「その面が良くその名前で通ったわね!?」
「国が違うからそういうもんだと思われたらしい…」
デイビッドは何故かエルムに行くと、何かしらの不幸が重なり存在が異性化する事がしばしばある。
グロッグマン商会ではこれを例に挙げ、他言語他文化圏では、本体を良く確認しないと別物にすり替わっている可能性があるという、大きな教訓にしているそうだ。
ムスタに荷物を積んでいると、ファルコが自分も何か運びたいとちょっかいを出しに来るので、ムスタに釣り道具を、ファルコに野営具を分けて乗せてやると嬉しそうについて来る。
「ファルコはムスタが好きですね。」
「先にいた兄貴分だからな。こっちに来てからずっと一緒にしてたんで懐いたんだよ。ムスタもわりかし面倒見てやってくれるし、仲が良くて助かってるよ。」
バスケットには揚げ焼きのチキンと卵のサンドイッチ、スティックサラダ、ジャム入りの丸パンが入っている。
「いやぁ~お弁当楽しみですね!」
「今日はお前も来るのか?」
「厄介な樹が無くなりましたから!おまけに身体が軽くて絶好調なんですよ!」
今日はエリックもついてくると言い、拠点に隠蔽魔法を掛け、ラフな格好で現れた。
森から湖までの道のりは来た時は草むらの中を歩いていたが、妙に歩きやすい下草の生えた通り道ができていた。
歩きやすく、木の根や石も少ない道が自然とできる訳はない。
そうわかっていても、ここを歩かなくてはいけない様な気がして、デイビッドは黙って足を動かした。
「なんか…至れり尽くせりな感じがしますね。」
「たぶん…気ぃ利かせてくれてんだろうな…」
「森が明るくなりましたね!」
「爽やかって言うか…こう…何かに守られてる感じがするわ…」
決して恐ろしいモノではないが、人の侵入と介入を拒んでいた森が、突如デイビッド達を受け入れ、手厚く歓迎している違和感に、エリックとシェルリアーナは緊張していた。
「着いたぞ。」
「わぁぁ…やっぱりキレーイ!」
恐ろしい魔物の巣窟とわかっていても、この美しさには抗えない。
ここが使えないというのは非常に勿体なく、誠に口惜しい。
しかし、今日は招かれて来たのだ。少しくらい何かおいしい成果があっても良い気がする。
「さぁ!ヴィオラ様、魔法の練習ですよ!?」
「ここでですか?」
「足に集中して、僕に続いて呪文を唱えてみて下さい!」
「はいっ!!」
デイビッドがまた例の釣りポイントまで移動している後ろで、エリックとヴィオラは、なにやら新しい魔法の練習を始めた。
(ここらだったよな…確か仕掛けが…あー…金具が真っ二つか…)
懲りずに仕掛けた罠を引き上げると、留め具の所でポッキリ折れて網が開いて使い物にならなくなっていた。
(ま、しゃぁねぇや…)
ゴミを片付け、ムスタから釣具を降ろすと、湖上から声がした。
「デイビッド様ぁーっ!!見て下さい!私、水の上を歩いてますよぉーー!!」
「ヴィオラ様は飲み込みが早くていいですね!これならもっと上達しますよ!」
「おぉーーーい!!水の中にバケモンがいるかも知れねぇってのに何やってんだ!!」
「それが、いないんですよ。」
「は?!」
「いないんです。どんなに探っても反応ひとつ返って来ません。」
エリックが魔力をソナーのように広げ、湖を探ってみてみたが大きな魚は居ても水面を割るほどの巨大な生物はどこにも居ないそうだ。
「そんなわけねぇだろ!?湖だぞ?どこに隠れるってんだ?」
「洞窟か、別の水場に繋がる穴でもあるんですかね。」
「確かに、それならあり得るか…」
「デイビッド様!スケートみたいでとっても気持ちがいいですよ!」
「危なくないなら、まぁ楽しんで来いよ。」
デイビッドにとっては未知の遊びだが、ヴィオラは夢中で湖面を走り回っていた。
脅威が無いならと、デイビッドは釣竿を固定すると、砂浜に下りてみた。
湖の砂にしてはやけに白く美しい砂浜は、歩くとサクサクと気持ちの良い音がする。
(この砂……なんかおかしくないか…)
デイビッドは砂をすくうと、手の平に広げてポケットからルーペを取り出し覗いて見た。
すると、砂の中に細かな貝と珊瑚の欠片と微細な甲殻類の殻が見える。
(海砂が混じってやがる……?内陸のど真ん中に海??)
となると可能性はただひとつ、この湖の底のどこかに海に繋がる穴が通っているのだ。
「幸せねぇ…」
「はい!すごく美味しくて幸せですね!」
「ええ、それもそうだけど…ここでこうしてると、貴族とか制約とか学園とか責任とか血統とか、本当にどうでも良くなっちゃう…」
「デイビッド様が気にしませんからね。」
「そうなのよねぇ…むしろ関わる人間のしがらみとか、片っ端から解放しちゃうのよねぇ。」
「私も、デイビッド様の隣にいると、心が軽くなって悩みとかどうでも良くなっちゃうんですよ。」
「羨ましいわね…」
「え、なんですか?」
「なんでもないわ。ほら、この問題は数式を2つ組み合わせないと解けないわよ?!」
「あ、本当だ!」
(シェル先輩は本当になんでもできるんだなぁ…)
特待生用の課題をこなしながら、ヴィオラは改めてシェルリアーナという偉大な先輩の存在にありがたみを感じていた。
(私もいつかシェル先輩みたいな素敵な大人の女性になるんだ!)
ヴィオラの夢は果たして叶う日が来るだろうか。
開け放たれた窓の下で、エリックの説教から解放されたデイビッドは、洗い物をしながら今日の予定を考えていた。
森の問題は解決したので、次は何をすべきか…
桶に水を汲み、流しに注ごうとした瞬間、水が揺れて誰かが囁くような声がした。
『 湖においで 』
バシャンと桶から魚の形の水が跳ね、辺りに水飛沫を撒き散らしながらまた桶の中へと落ちて来た。
コレは精霊の誘いに間違いない。
昨日の今日で悪い様にはされないだろうと、デイビッドは腹を括り、ついに謎多き湖へ再度向かう事にした。
釣具にロープ、使うか迷った末に持って来ていた投網、一番大きな空樽。
念の為ムスタとファルコの2頭共に声をかけ、支度をしていると、アリーの声と共に何やら小さな足音がワサワサと聞こえてきた。
「なんだ!?」
「タダイマ! セイレイノ イッパイイルトコロニ イッテキタ!」
「大丈夫なのかよ!あぁ、でも言ってたな、アルラウネは精霊の眷族だって…」
「タクサン アソンデキタ オミヤゲモ イッパイ!」
「オミヤゲ…?」
デイビッドがアリーの後ろをチラっと覗くと、色とりどりの歩き草が団体でわっさわっさとアリーの後について走って来る所だった。
「ヒッコヌイタラ ツイテクル オモシロイ!」
「面白くなーい!!どうすんだコイツ等!」
「ホットイテ ダイジョウブ コイツラソダツト ツチガ ゲンキニナル」
「土が?あー…緑肥の類になるのか?食用にはならねぇのかな…」
歩き草の方を見ると、何かを察したのかアリーの後ろにピッタリ隠れて出て来ようとしない。
「元がマンドラゴラなら食えると思ったんだけどよ。」
「タベチャダメ セイレイノ トモダチダカラ…」
「じゃぁダメか。邪魔にならねぇトコなら好きにさせといて構わねぇよ。」
「アリガト!」
ワサワサと歩き草を連れてアリーが草地の方へ行くと、草達は各々落ち着く場所を見つけて穴を掘り始めた。
(マンドラゴラは食えるのに、進化したら友達なのか…仕組みがよくわからん…)
恐らく精霊に準ずる魂が宿ったら、眷族として扱われるのだろう。
アルラウネの発生にも何かそういうモノが関わっているような気がする。
湖に行く用意が整い、昼食のバスケットを詰めていると、頭の上から声がした。
『 ごきげんよう、お会いできたこの良き日に感謝します 』
エルム語の貴族間で交わされる定番の挨拶だ。
『 麗しき日に感謝します、帝国の女神の幸くあらんことを 』
こちらもまた定番の文句で返すと、ヴィオラは唇を噛んでデイビッドをじっと見た。
「サラッと返されちゃいました…」
「そりゃそうよ。アイツを言語で脅かすのは難しいわ。」
「エルム語の課題か?」
「はい!今度テストで式典の挨拶が出るんです。」
「DとJの発音に気をつけろよ?帝国語のDは少し音が濁るんで間違えやすいからな。」
「それ、語学の先生にも言われました!」
「今のヴィオラの発音のままだとな、下手すると俺の名前がジュディッドになる…」
「…かわいい…」
「公式の場でも何度か間違えられてるからな?!」
「その面が良くその名前で通ったわね!?」
「国が違うからそういうもんだと思われたらしい…」
デイビッドは何故かエルムに行くと、何かしらの不幸が重なり存在が異性化する事がしばしばある。
グロッグマン商会ではこれを例に挙げ、他言語他文化圏では、本体を良く確認しないと別物にすり替わっている可能性があるという、大きな教訓にしているそうだ。
ムスタに荷物を積んでいると、ファルコが自分も何か運びたいとちょっかいを出しに来るので、ムスタに釣り道具を、ファルコに野営具を分けて乗せてやると嬉しそうについて来る。
「ファルコはムスタが好きですね。」
「先にいた兄貴分だからな。こっちに来てからずっと一緒にしてたんで懐いたんだよ。ムスタもわりかし面倒見てやってくれるし、仲が良くて助かってるよ。」
バスケットには揚げ焼きのチキンと卵のサンドイッチ、スティックサラダ、ジャム入りの丸パンが入っている。
「いやぁ~お弁当楽しみですね!」
「今日はお前も来るのか?」
「厄介な樹が無くなりましたから!おまけに身体が軽くて絶好調なんですよ!」
今日はエリックもついてくると言い、拠点に隠蔽魔法を掛け、ラフな格好で現れた。
森から湖までの道のりは来た時は草むらの中を歩いていたが、妙に歩きやすい下草の生えた通り道ができていた。
歩きやすく、木の根や石も少ない道が自然とできる訳はない。
そうわかっていても、ここを歩かなくてはいけない様な気がして、デイビッドは黙って足を動かした。
「なんか…至れり尽くせりな感じがしますね。」
「たぶん…気ぃ利かせてくれてんだろうな…」
「森が明るくなりましたね!」
「爽やかって言うか…こう…何かに守られてる感じがするわ…」
決して恐ろしいモノではないが、人の侵入と介入を拒んでいた森が、突如デイビッド達を受け入れ、手厚く歓迎している違和感に、エリックとシェルリアーナは緊張していた。
「着いたぞ。」
「わぁぁ…やっぱりキレーイ!」
恐ろしい魔物の巣窟とわかっていても、この美しさには抗えない。
ここが使えないというのは非常に勿体なく、誠に口惜しい。
しかし、今日は招かれて来たのだ。少しくらい何かおいしい成果があっても良い気がする。
「さぁ!ヴィオラ様、魔法の練習ですよ!?」
「ここでですか?」
「足に集中して、僕に続いて呪文を唱えてみて下さい!」
「はいっ!!」
デイビッドがまた例の釣りポイントまで移動している後ろで、エリックとヴィオラは、なにやら新しい魔法の練習を始めた。
(ここらだったよな…確か仕掛けが…あー…金具が真っ二つか…)
懲りずに仕掛けた罠を引き上げると、留め具の所でポッキリ折れて網が開いて使い物にならなくなっていた。
(ま、しゃぁねぇや…)
ゴミを片付け、ムスタから釣具を降ろすと、湖上から声がした。
「デイビッド様ぁーっ!!見て下さい!私、水の上を歩いてますよぉーー!!」
「ヴィオラ様は飲み込みが早くていいですね!これならもっと上達しますよ!」
「おぉーーーい!!水の中にバケモンがいるかも知れねぇってのに何やってんだ!!」
「それが、いないんですよ。」
「は?!」
「いないんです。どんなに探っても反応ひとつ返って来ません。」
エリックが魔力をソナーのように広げ、湖を探ってみてみたが大きな魚は居ても水面を割るほどの巨大な生物はどこにも居ないそうだ。
「そんなわけねぇだろ!?湖だぞ?どこに隠れるってんだ?」
「洞窟か、別の水場に繋がる穴でもあるんですかね。」
「確かに、それならあり得るか…」
「デイビッド様!スケートみたいでとっても気持ちがいいですよ!」
「危なくないなら、まぁ楽しんで来いよ。」
デイビッドにとっては未知の遊びだが、ヴィオラは夢中で湖面を走り回っていた。
脅威が無いならと、デイビッドは釣竿を固定すると、砂浜に下りてみた。
湖の砂にしてはやけに白く美しい砂浜は、歩くとサクサクと気持ちの良い音がする。
(この砂……なんかおかしくないか…)
デイビッドは砂をすくうと、手の平に広げてポケットからルーペを取り出し覗いて見た。
すると、砂の中に細かな貝と珊瑚の欠片と微細な甲殻類の殻が見える。
(海砂が混じってやがる……?内陸のど真ん中に海??)
となると可能性はただひとつ、この湖の底のどこかに海に繋がる穴が通っているのだ。
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