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悪女の確信
昼下がりのサロンには多くの女子生徒達が集まっていた。
制服を着た彼女達はティーカップを傾けながら、優雅にお茶会を楽しんでいる。
そんな中、バン! と大きな音を立てて、サロンのドアが開かれた。
そこには怒りの形相をしたプリシラが立っている。
女子生徒達はプリシラに対して一斉に非難がましい視線を送った。
しかしプリシラはそんなものは意に介さないといわんばかりに、肩を怒らせながらサロンの奥に歩いていく。
その先には取り巻き二人と談笑しているエルメスが座っていた。
プリシラはエルメス達の前で立ち止まると大声でさけぶ。
「ちょっとどういうことよ! なにのんきにお茶会なんてしてるわけ!? 本当にやる気あんのアンタ達!」
プリシラのその言葉に、取り巻き達はいきり立って立ち上がった。
「お黙り! 入ってくるなり挨拶もなしに失礼なヤツね!」
「エルメス様に出入りを許されたからって調子に乗ってるんじゃ――」
「――お静かに」
エルメスの一言に、取り巻き達は口をつぐむ。
まだ何か言いたそうにしている二人だったが――
「ここは淑女の社交場ですよ。猿のような大声を出して、みっともない。場を弁えなさい」
「も、申し訳ございません」
エルメスに釘を差されてソファに腰を下ろした。
二人が座ったのを横目で見ながら、エルメスはプリシラに視線を向ける。
眉をひそめて目を細めたその顔は、明らかに不機嫌そのものだった。
「お前も一体どういうつもり? 私が呼び出すまでは顔を見せるなと言ってあったわよねえ? もしかして私は共通語も分からない蛮族と、今まで協力関係を結んでいたのかしら」
嫌味ったらしくエルメスが言うと、プリシラはテーブルに手をついて怒鳴る。
「どういうつもりですって!? それはこっちのセリフよ!」
そのあまりの剣幕に周囲がざわつく中、プリシラは声をひそめることなく、サロン中に聞こえるような大声で言った。
「あたしはアンタの言う通り、一ヶ月にも渡ってあの女が吸血鬼だって証拠を集めてきた! それが協力する条件だって言われたからよ!」
周知させられてしまった事実に取り巻き達が慌てふためく中、プリシラはさらにエルメスに指を差して続ける。
「これだけの証拠があるんだからもう十分でしょ!? なんでなにも動こうとしないのよ! 早くしないとあの女が卒業しちゃうでしょ! そうなったら私が手出しできるタイミングがなくなっちゃうじゃない!」
プリシラとエルメスが協力関係になってから一ヶ月と半月。
アムネジアが吸血鬼だということを周囲に知らしめて、地獄に叩き落とす二人の計画は、実行に移されることがないまま先延ばしになっていた。
その原因はエルメスがアムネジアに対して吸血鬼だということに確信を持てないことにある。
確かにアムネジアはおかしい。
エルメスとてそれは以前から感じていたことではあったし、夜会でのフィレンツィオとの一件を聞かされた時には、その疑念がさらに深まった。
だがプリシラの発言とハンカチについた血だけを元にして、アムネジアは吸血鬼だなどと人前で糾弾するのは、流石に根拠が薄すぎるし、証拠としても不十分だろう。
だから、プリシラに証拠を集めさせた。
アムネジアの持ち物に銀製の物を忍び込ませて反応をうかがい。
事故を装って水をかけてみたり。
にんにくや十字架を近づけてみたり。
結果、確かにアムネジアはそのすべてを嫌がるような素振りを見せた。
だがやはり、それを見てなおエルメスは、アムネジアが吸血鬼であるということに確信が持てずにいる。
そんな状態でもしアムネジアが吸血鬼だと糾弾し、間違っていたら?
学校卒業後、エルメスは社交界でとんだ笑いものにされるだろう。
それゆえにエルメスはアムネジアを告発するあと一歩が踏み出せずにいた。
そんな煮え切らない協力者の態度に、プリシラは我慢が限界に達したのか、今まで抑えてきた挑発的な言葉をついに口にしてしまう。
「アンタ、もしかしてここまで来て怖じ気づいたんじゃないでしょうね!? 夜会の女王が聞いて呆れるわ! アンタなんて吸血鬼に怯えるただの家畜の子羊よ!」
その言葉にエルメスはカッと大きく目を見開いた。
そして勢いよく立ち上がると、プリシラを憤怒の形相で怒鳴りつける。
「お前のような無知蒙昧な平民に言われなくとも、そのようなことは十分に分かっています! 失せなさい! 決行の日は追って伝えます!」
扇を投げつけながら顔を真っ赤にするエルメスの剣幕に、プリシラは思わず後ずさった。
協力者に対して流石に言い過ぎたと思ったのか、プリシラはバツが悪そうに口を開く。
「……今決行って言ったわね? ちゃんとやるならあたしに文句はないわ。約束は守りなさいよ」
そう言って、プリシラは足早にサロンから立ち去っていった。
エルメスは息を荒げてソファに座り込む。
彼女としても半月後に迫った自分達の学年の卒業パーティーまでには、アムネジアをどうにかしたいと思っていた。
アムネジアは卒業後、フィレンツィオの婚約者として宮廷入りをすることが決まっている。
そうなった場合、卒業後は実家に帰ってしまうエルメスには、アムネジアに嫌がらせやいじめをするにしても手段が限られるし、手を出すリスクも大きくなってしまう。
それではせっかくアムネジアが吸血鬼だという証拠を集めても、告発する機会そのものがなくなってしまうおそれすらあった。
「え、エルメス様。大丈夫でしょうか、その……決行と言ってしまって」
「……黙って。今少し考えているところよ」
心配そうに声をかけてくる取り巻きを黙らせながら、エルメスは考える。
これからどうするべきかと。
その時、エルメスの目にとある物が写った。
「……貴女、その扇はどうしたの」
エルメスが取り巻きの一人が持っている扇を指差した。
指摘された令嬢は、慌てた様子で弁解する。
「これは、その! エルメス様がアムネジアを叩いた後、血がついて汚くなったからもういらないとお捨てになったので、その……」
普段のエルメスならば、捨てた物を拾うなど浅ましいと叱りつけただろう。
だが、今のエルメスにとってそれは、天から舞い降りてきた福音のように感じられた。
「それをよこしなさい!」
エルメスが有無を言わさず、取り巻きの手から扇を奪い取る。
綺麗に拭かれたのか、扇にアムネジアの血の名残は見当たらなかった。
銀のスプーンを手に取ったエルメスは、それを扇の先端辺りに近づける。
すると――
「――ああ、ようやく確信が持てましたわ」
水が蒸発するような音を立てて、扇の中から赤い蒸気が沸き立った。
エルメスにとって他人の言葉はすべて信用に値しないものである。
だが他の誰でもない、自分が使い、自分の目で確認した物からアムネジアが吸血鬼足り得る証拠が出た。
それならば信用できる。
これこそ、エルメスが欲しがっていた確信だった。
「さあ貴女達! 準備に取り掛かるわよ! 愚かな吸血鬼を断罪する、最高の舞台の準備にね!」
エルメスは取り巻きに声高らかにそう告げた。
そしてソファに深く腰掛けると、扇を開いて口元に笑みを浮かべる。
「待っていなさい、吸血鬼。大勢の人間が見ている卒業記念パーティーの場で、お前の醜い化けの皮を剥がして、本性を晒してやるわ……!」
制服を着た彼女達はティーカップを傾けながら、優雅にお茶会を楽しんでいる。
そんな中、バン! と大きな音を立てて、サロンのドアが開かれた。
そこには怒りの形相をしたプリシラが立っている。
女子生徒達はプリシラに対して一斉に非難がましい視線を送った。
しかしプリシラはそんなものは意に介さないといわんばかりに、肩を怒らせながらサロンの奥に歩いていく。
その先には取り巻き二人と談笑しているエルメスが座っていた。
プリシラはエルメス達の前で立ち止まると大声でさけぶ。
「ちょっとどういうことよ! なにのんきにお茶会なんてしてるわけ!? 本当にやる気あんのアンタ達!」
プリシラのその言葉に、取り巻き達はいきり立って立ち上がった。
「お黙り! 入ってくるなり挨拶もなしに失礼なヤツね!」
「エルメス様に出入りを許されたからって調子に乗ってるんじゃ――」
「――お静かに」
エルメスの一言に、取り巻き達は口をつぐむ。
まだ何か言いたそうにしている二人だったが――
「ここは淑女の社交場ですよ。猿のような大声を出して、みっともない。場を弁えなさい」
「も、申し訳ございません」
エルメスに釘を差されてソファに腰を下ろした。
二人が座ったのを横目で見ながら、エルメスはプリシラに視線を向ける。
眉をひそめて目を細めたその顔は、明らかに不機嫌そのものだった。
「お前も一体どういうつもり? 私が呼び出すまでは顔を見せるなと言ってあったわよねえ? もしかして私は共通語も分からない蛮族と、今まで協力関係を結んでいたのかしら」
嫌味ったらしくエルメスが言うと、プリシラはテーブルに手をついて怒鳴る。
「どういうつもりですって!? それはこっちのセリフよ!」
そのあまりの剣幕に周囲がざわつく中、プリシラは声をひそめることなく、サロン中に聞こえるような大声で言った。
「あたしはアンタの言う通り、一ヶ月にも渡ってあの女が吸血鬼だって証拠を集めてきた! それが協力する条件だって言われたからよ!」
周知させられてしまった事実に取り巻き達が慌てふためく中、プリシラはさらにエルメスに指を差して続ける。
「これだけの証拠があるんだからもう十分でしょ!? なんでなにも動こうとしないのよ! 早くしないとあの女が卒業しちゃうでしょ! そうなったら私が手出しできるタイミングがなくなっちゃうじゃない!」
プリシラとエルメスが協力関係になってから一ヶ月と半月。
アムネジアが吸血鬼だということを周囲に知らしめて、地獄に叩き落とす二人の計画は、実行に移されることがないまま先延ばしになっていた。
その原因はエルメスがアムネジアに対して吸血鬼だということに確信を持てないことにある。
確かにアムネジアはおかしい。
エルメスとてそれは以前から感じていたことではあったし、夜会でのフィレンツィオとの一件を聞かされた時には、その疑念がさらに深まった。
だがプリシラの発言とハンカチについた血だけを元にして、アムネジアは吸血鬼だなどと人前で糾弾するのは、流石に根拠が薄すぎるし、証拠としても不十分だろう。
だから、プリシラに証拠を集めさせた。
アムネジアの持ち物に銀製の物を忍び込ませて反応をうかがい。
事故を装って水をかけてみたり。
にんにくや十字架を近づけてみたり。
結果、確かにアムネジアはそのすべてを嫌がるような素振りを見せた。
だがやはり、それを見てなおエルメスは、アムネジアが吸血鬼であるということに確信が持てずにいる。
そんな状態でもしアムネジアが吸血鬼だと糾弾し、間違っていたら?
学校卒業後、エルメスは社交界でとんだ笑いものにされるだろう。
それゆえにエルメスはアムネジアを告発するあと一歩が踏み出せずにいた。
そんな煮え切らない協力者の態度に、プリシラは我慢が限界に達したのか、今まで抑えてきた挑発的な言葉をついに口にしてしまう。
「アンタ、もしかしてここまで来て怖じ気づいたんじゃないでしょうね!? 夜会の女王が聞いて呆れるわ! アンタなんて吸血鬼に怯えるただの家畜の子羊よ!」
その言葉にエルメスはカッと大きく目を見開いた。
そして勢いよく立ち上がると、プリシラを憤怒の形相で怒鳴りつける。
「お前のような無知蒙昧な平民に言われなくとも、そのようなことは十分に分かっています! 失せなさい! 決行の日は追って伝えます!」
扇を投げつけながら顔を真っ赤にするエルメスの剣幕に、プリシラは思わず後ずさった。
協力者に対して流石に言い過ぎたと思ったのか、プリシラはバツが悪そうに口を開く。
「……今決行って言ったわね? ちゃんとやるならあたしに文句はないわ。約束は守りなさいよ」
そう言って、プリシラは足早にサロンから立ち去っていった。
エルメスは息を荒げてソファに座り込む。
彼女としても半月後に迫った自分達の学年の卒業パーティーまでには、アムネジアをどうにかしたいと思っていた。
アムネジアは卒業後、フィレンツィオの婚約者として宮廷入りをすることが決まっている。
そうなった場合、卒業後は実家に帰ってしまうエルメスには、アムネジアに嫌がらせやいじめをするにしても手段が限られるし、手を出すリスクも大きくなってしまう。
それではせっかくアムネジアが吸血鬼だという証拠を集めても、告発する機会そのものがなくなってしまうおそれすらあった。
「え、エルメス様。大丈夫でしょうか、その……決行と言ってしまって」
「……黙って。今少し考えているところよ」
心配そうに声をかけてくる取り巻きを黙らせながら、エルメスは考える。
これからどうするべきかと。
その時、エルメスの目にとある物が写った。
「……貴女、その扇はどうしたの」
エルメスが取り巻きの一人が持っている扇を指差した。
指摘された令嬢は、慌てた様子で弁解する。
「これは、その! エルメス様がアムネジアを叩いた後、血がついて汚くなったからもういらないとお捨てになったので、その……」
普段のエルメスならば、捨てた物を拾うなど浅ましいと叱りつけただろう。
だが、今のエルメスにとってそれは、天から舞い降りてきた福音のように感じられた。
「それをよこしなさい!」
エルメスが有無を言わさず、取り巻きの手から扇を奪い取る。
綺麗に拭かれたのか、扇にアムネジアの血の名残は見当たらなかった。
銀のスプーンを手に取ったエルメスは、それを扇の先端辺りに近づける。
すると――
「――ああ、ようやく確信が持てましたわ」
水が蒸発するような音を立てて、扇の中から赤い蒸気が沸き立った。
エルメスにとって他人の言葉はすべて信用に値しないものである。
だが他の誰でもない、自分が使い、自分の目で確認した物からアムネジアが吸血鬼足り得る証拠が出た。
それならば信用できる。
これこそ、エルメスが欲しがっていた確信だった。
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