スウィートカース(Ⅵ):流星観測・井踊静良の結果往来

湯上 日澄(ゆがみ ひずみ)

文字の大きさ
26 / 32
第四話「祈願」

「祈願」(4)

しおりを挟む
「どうぞ」

 気前よく患者を歓迎しながらも、トウコは胸裏だけでつぶやいた。

(相手はふたりだな。若い女。生徒か。ひとりは

 まずひとり、慣れた足取りで入室してきたのは顔なじみの少女だった。目を丸くするトウコへ、あいかわらず鷹揚な調子で挨拶する。

「やあ、先生。きょうもお願い」

「あらあら、またどうしたの、セラちゃん?」

 結果使いエフェクター輝く追跡者ヴェディオヴィス井踊静良いおどせら……彼女のことは、あの雨の日の体育館の陰から、上糸うえいと総合病院の向かいのビルの屋上から、カサまで差してずっと観察し続けていた。

 体裁上は親しみをこめて接してこそいるが、じつのところトウコは、こいつのちょっと行き過ぎなまでの他者への奉仕精神が前々から気に障っている。それでも彼女が、舌なめずりするほど食欲をそそる獲物であることに変わりはない。

(きた♪ 正義の味方気取りの間抜けが♪ ……ん? もうひとりは?)

 セラに支えられてなんとか歩くのは、同じ制服姿のメガネの女生徒だった。健康がすぐれない証拠に、その顔色はかなり血の気を失っている。真っ白なシーツのベッドに横たえられたメガネっ娘のことを、トウコは心配げにセラへたずねた。

「だいぶ容体は思わしくないわね。こちらは?」

「たまたま廊下ですれ違ったとき、しんどそうに倒れかかってたんだ。彼女は……」

 苦しげな息遣いとともに、メガネっ娘はみずから名乗った。

「し、染夜名琴しみやなことです……」

「ありがとう、染夜しみやさん」

(な、なんだこいつ!?)

 動揺の欠片もなくうなずきながら、しかし、トウコは内心で混乱していた。

(あたしの感覚器の誤作動か? このナコトとかいうやつ、? こいつの心臓を動かして生かしているこの異常な呪力……はじめて嗅ぐニオイだ。ほんとうに地球上の生物か? 何者だ?)

 ナコトの体を調べながら、トウコは聞いた。

「熱はないみたいね。でも血圧はけっこう低い。貧血かしら? 染夜しみやさん?」

「はい、すいません。さいきん放課後のアルバイトが忙しいのなんのって。帰ったら帰ったで大食いの弟とペットのイノ……イヌのお世話や家事で大変ですし。ちょっと疲れがでただけです」

 勝手知ったる動きで保健室の冷蔵庫をあさりながら、同調したのはセラだった。

「家を切り盛りする苦労、ぼくも痛いほどよくわかるよ。おまけにそこに重労働のアルバイトまで加わるとなれば、そうとう過酷だね。激務だ」

 セラに手渡されたミネラルウォーターへ、ナコトは遠慮がちに口をつけている。聴診器を肩におろし、トウコは提案した。

「しばらく休んでいきなさい、染夜しみやさん。家庭の事情もあるでしょうけど、あまり無理しすぎちゃだめよ?」

「はい、ありがとうございます……」

「あまりに症状が悪くなるようだったら、救急車を呼ぶわ」

「いえ、すいませんが結構です。歩いて病院に行きますので」

 臆病げなナコトの遠慮に、セラは申し出た。

「いっしょに付き添うよ、病院まで」

「んん、大丈夫。迷惑かけてごめんね、井踊いおどさん。横になって水分補給したおかげで、だんだん元気も戻ってきた」

 ナコトの胸元へ上掛けをかけてやりながら、トウコはつぶやいた。

「きょうはもう、授業は切り上げて早退しなさい。担任の先生にはあたしが説明しとくから」

「ええ、そんな……申し訳ないですよ」

「いいってば。授業中にまた具合を悪くするほうが、よっぽど学校側は大変だわ。アルバイトがあるのならきょうは休んで、家事もそこそこにして晩御飯はレトルトで済ますのが賢明よ。ところでその弟さんというのも、美須賀みすか大付属の下級生?」

「そうです、野球部の背番号五です」

「野球部か。じゃ、顧問の植木うえき先生にお願いして、弟さんを迎えに寄越してもらうわね」

「なにからなにまで、ほんとにすいません……」

 それから数分後、ナコトは無事に帰路についた。

 折に触れて「ばか姉」「腑抜けめ」等々の小言をもらしたのは、知らせを聞いてすっ飛んできた弟の優葉すぐはくんだ。それでもなんだかんだで仲の良い姉弟きょうだいであることは、ふたりをつつむ和やかな雰囲気からたやすく読み取れる。

 はれて患者がゼロになったことを確認し、残されたふたりは胸を撫で下ろした。

 セラは心底からの安堵に。

 トウコは殺気の鎮静化に。

(完全に呪力を抑えたおかげで、あたしの存在には気づかれなかったな。あの軟弱っぷりからして、どうやら組織ファイアの追手等でもなさそうだ。いったい何者なんだろう、あれは。いずれにせよ染夜名琴しみやなことは、怪しいのでいましばらくは注意が必要ね)

 ふとトウコは気づいた。

 なぜかセラが、落ち込んだ面持ちで患者用の席に座ったままなのだ。

「どうしたの、セラちゃん。浮かない顔しちゃって。らしくないわよ?」

「それがその、ぼくの相談も聞いてもらえるかな、先生?」

「ええ、いいわよ」

(〝輝く追跡者ヴェディオヴィス〟……こいつの最近の呪力の発達には、目を瞠るものがある。とても食べごろだ。さあきょうは、どんな負の感情をあたしに見せてくれる?)

「あれ?」

 不思議げにあたりを見回すと、トウコはくんくんと鼻を鳴らした。

「なんだかタバコくさくない? まさかとは思うけど、セラちゃん?」

「ぼくじゃないよ。さっき登校中に、歩きタバコをしてる人とはすれ違ったけど」

「そう。きっとそのせいだわ。副流煙もあるし、マナー不足のひとには困っちゃうわね」

(いや……)

 表情にはださず、トウコはあざ笑った。そのニオイは、さいしょにセラたちが扉の外に立った時点から嗅ぎつけていたのだ。

(吸っているのは、まちがいなくこいつだ。ポケットにライターオイルのにおい。指と唇にも、燃えたニコチンとタールの残り香が強くしみついている。喫煙に逃げるほど強いストレスを感じた? もしや、二合恵留ふたあいめぐるやヒュプノスをあたしに狩られた影響か? さあ聞かせろ、その甘美な苦痛の内容を)

「もしかして、セラちゃんも記憶喪失かしら?」

「え? なんのこと?」

「いえ、違ったらいいの。で、どんなお悩み?」

 うなだれて一拍おいたのち、セラはおもむろに切り出した。

「心と頭の両方、考えすぎて痛いんだ。先生は、もし立場も歳もずっと上の男性を好きになったらどうする?」

「恋愛の相談ね。うれしいわ、先生。ウキウキしちゃう。さて、家事万能・気配り優秀なセラちゃんに惚れ込まれたラッキーなお相手はどなた?」

 口もとに手を寄せ、セラはぼそりとトウコにその名を耳打ちした。

「えェ!?」

 顔全体で、トウコは驚きを表現してみせた。

(なるほど。結果使いエフェクターどうし、仲良く馴れ合っているというわけだな)

 頬をかきながら、トウコは答えに苦しんだ。

「困ったわねえ。倉糸くらいと先生は非の打ち所もなくステキだけど、セラちゃん。あなたはまだ高校生で、あちらは大人の教職員よ? お利口なセラちゃんのことだから、そのことはちゃんと理解してるわね?」 

「理解しようにも……振り切れないんだ、この心の切なさみたいなものが」

「第一、倉糸くらいと先生がどう反応するかわからないわ。告白はもうしたの?」

「とんでもない、まだだよ。そこで二の足を踏んでるんだ。どうすればいいかためらってたら、だんだん頭がパニックになってきてさ……」

 溢れかえりそうになる嗤笑を、トウコはなんとか苦笑いのレベルまで鎮めた。

(おまえはもうとっくに分かりきっている。後ろめたい負い目を感じている。それが禁じられた恋愛であることに。そのどす黒い劣情に比例して、おまえに秘められた呪力が高まるのを感じるぞ。なんてうまそうな堕落のにおい……)

 あっけらかんと、トウコは言い放った。

「あたしが許可するわ。告っちゃいなさいよ」

「えぇ!?」

 うろたえるセラの視界で、トウコはちっちっと指を振ってみせた。

「そのまま我慢ばかりし続けてたら、心身に悪いって話だわ。倉糸くらいと先生は節度ある社会人よ。彼にその意志がなければきっぱり拒否されるだけ。逆にもし相思相愛になっても、彼はセラちゃんが年齢のしばりから解き放たれるまで、きっとちゃんと待ってくれる」

 心配げに胸の前で手を組み、セラは食い下がった。

「そ、その間にソーマ、ほかのだれかに取られちゃわないかな?」

(よだれがでる。飢えが我慢できない。だが学校で襲ってはなにかと面倒だ。あたしの可愛いサメたちは、精密動作にあまり向いていない。食い散らかすことに関してはめっぽう強いが、代償としてかならず獲物の体の破片を残してしまう。ああ、どうすれば……)

 欲求を必死に押し殺し、トウコはセラの肩をやさしく叩いた。

「ほかに目移りしちゃったら、その男性ひととはそれまでのご縁だったということね。ならば行動しない後悔より、する後悔じゃなくて?」

「う、うん。そうだ、たしかにそうだよね」

 顔の前で、トウコは勇気づけるように拳を握ってみせた。

「先生、応援してるから♪ フラれちゃったら、またいらっしゃい。飛び込んできて泣く胸なら、セラちゃん用にいつでも空けとくわ」

「ありがとう、なんだか燃えてきた。よぉし、当たって砕けろだ!」

 一礼して退室するセラを見送るトウコの眼差しは、どこまでも朗らかだ。その白衣のポケットに隠した両手の爪が、血肉の渇きをこらえるあまり、掌に食い込んで震えていることは本人しか知らない。

「おや?」

 セラの去ったあとに落ちていたそれを、トウコは機敏に拾い上げた。

 一本のタバコだ。

「あのウスノロめ。けっこうな度数の銘柄だな。これはいい口実ができた」

 ふたたび保健室の扉がノックされたのは、直後のことだった。

 そのときには、トウコは証拠の品を白衣のポケットにしまっている。めまぐるしい次の来訪者の正体をも、トウコはまたその鋭い嗅覚で見抜いていた。

(これはこれは、張本人のご登場か……)

 本業のいそがしさに呆れ、トウコはやれやれと嘆息した。

(あの雨の夜は、井踊静良いおどせら結果呪エフェクトの実力を探るため、あえて当て身で気絶したフリをしてやった。こいつもとくに美味そうだ。あたしの食餌に、結果使いエフェクターは相性抜群。だがこいつは組織ファイア捜査官イヌよ。まだ〝竜巻の断層トルネンブラ〟の鋭さの限界値はわからないし、他の仲間の能力も得体が知れない。食うにはいっそうの慎重を要する)

 何事もなかったかのようにイスに座り直すと、トウコは答えた。

「はい、どうぞ」

「失礼します……」

 静かに患者用のイスに腰掛けたのは、英語教師の倉糸壮馬くらいとそうまだった。その顔色は心持ち優れず、スーツの下腹を手でおさえている。

「いけませんね、倉糸くらいと先生。またずいぶんとお具合が悪そうです。大丈夫ですか?」

 鉄仮面の瞳をふせ、ソーマはメガネの奥から謝罪した。

「お忙しい中恐縮です。じつはその、深く悩みすぎてか胃のあたりが痛くなってしまいまして……」

「それは大変です。いったいどのようなご相談ごとで?」

「教師という聖職についておきながら、恥ずべきことです」

 じゃっかんの逡巡ののち、ソーマは打ち明けた。

「どうか非難してやってください。前途ある大切な生徒に、恋愛感情などを抱いてしまったこの私を」

 不気味に瞳をきらめかせ、トウコはうなずいた。

「おうかがいしましょう」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】

田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。 俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。 「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」 そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。 「あの...相手の人の名前は?」 「...汐崎真凛様...という方ですね」 その名前には心当たりがあった。 天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。 こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

『急所』を突いてドロップ率100%。魔物から奪ったSSRスキルと最強装備で、俺だけが規格外の冒険者になる

仙道
ファンタジー
 気がつくと、俺は森の中に立っていた。目の前には実体化した女神がいて、ここがステータスやスキルの存在する異世界だと告げてくる。女神は俺に特典として【鑑定】と、魔物の『ドロップ急所』が見える眼を与えて消えた。  この世界では、魔物は倒した際に稀にアイテムやスキルを落とす。俺の眼には、魔物の体に赤い光の点が見えた。そこを攻撃して倒せば、【鑑定】で表示されたレアアイテムが確実に手に入るのだ。  俺は実験のために、森でオークに襲われているエルフの少女を見つける。オークのドロップリストには『剛力の腕輪(攻撃力+500)』があった。俺はエルフを助けるというよりも、その腕輪が欲しくてオークの急所を剣で貫く。  オークは光となって消え、俺の手には強力な腕輪が残った。  腰を抜かしていたエルフの少女、リーナは俺の圧倒的な一撃と、伝説級の装備を平然と手に入れる姿を見て、俺に同行を申し出る。  俺は効率よく強くなるために、彼女を前衛の盾役として採用した。  こうして、欲しいドロップ品を狙って魔物を狩り続ける、俺の異世界冒険が始まる。 12/23 HOT男性向け1位

詠唱? それ、気合を入れるためのおまじないですよね? ~勘違い貴族の規格外魔法譚~

Gaku
ファンタジー
「次の人生は、自由に走り回れる丈夫な体が欲しい」 病室で短い生涯を終えた僕、ガクの切実な願いは、神様のちょっとした(?)サービスで、とんでもなく盛大な形で叶えられた。 気がつけば、そこは剣と魔法が息づく異世界。貴族の三男として、念願の健康な体と、ついでに規格外の魔力を手に入れていた! これでようやく、平和で自堕落なスローライフが送れる――はずだった。 だが、僕には一つ、致命的な欠点があった。それは、この世界の魔法に関する常識が、綺麗さっぱりゼロだったこと。 皆が必死に唱える「詠唱」を、僕は「気合を入れるためのおまじない」だと勘違い。僕の魔法理論は、いつだって「体内のエネルギーを、ぐわーっと集めて、どーん!」。 その結果、 うっかり放った火の玉で、屋敷の壁に風穴を開けてしまう。 慌てて土魔法で修復すれば、なぜか元の壁より遥かに豪華絢爛な『匠の壁』が爆誕し、屋敷の新たな観光名所に。 「友達が欲しいな」と軽い気持ちで召喚魔法を使えば、天変地異の末に伝説の魔獣フェンリル(ただし、手のひらサイズの超絶可愛い子犬)を呼び出してしまう始末。 僕はただ、健康な体でのんびり暮らしたいだけなのに! 行く先々で無自覚に「やりすぎ」てしまい、気づけば周囲からは「無詠唱の暴君」「歩く災害」など、実に不名誉なあだ名で呼ばれるようになっていた……。 そんな僕が、ついに魔法学園へ入学! 当然のように入学試験では的を“消滅”させて試験官を絶句させ、「関わってはいけないヤバい奴」として輝かしい孤立生活をスタート! しかし、そんな規格外な僕に興味を持つ、二人の変わり者が現れた。 魔法の真理を探求する理論オタクの「レオ」と、強者との戦いを求める猪突猛進な武闘派女子の「アンナ」。 この二人との出会いが、モノクロだった僕の世界を、一気に鮮やかな色に変えていく――! 勘違いと無自覚チートで、知らず知らずのうちに世界を震撼させる! 腹筋崩壊のドタバタコメディを軸に、個性的な仲間たちとの友情、そして、世界の謎に迫る大冒険が、今、始まる!

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

処理中です...