2 / 54
第一話「起動」
「起動」(2)
しおりを挟む
赤務警察本署。
臨時の執務室内、デスクにつくのはひとりの男だった。
彼は砂目充。米国に本部をかまえる組織〝ファイア〟の日本支部、捜査一課の課長だ。
特殊情報捜査執行局の単語の頭文字よっつをとって、Fire。その組織名、構成員、活動内容等は、けっして社会の明るみにでることはない。簡単にいえば、ふつうの組織の手に余るおかしな事件、事故等の処理を専門的に行なっている。
あの場所やあの場所に墜落したあんな地球外の物体の後始末、あの寒村やあの大型船舶で起こった人間の大規模失踪の原因、そして無関係な人物に狙撃手の濡れ衣を着せて一応決着したあの要人の暗殺。その他、教科書にでてくる歴史の局面では、ファイアのからんでいない事件を探すほうが難しい。そのように意図的に痕跡を残して真実から世間の目をあざむいたケースなどまだかわいいほうで、うしろめたい活動記録のほとんどはだれも知らない闇にいまだ葬られたままだ。
大昔から組織は、つねに現実の裏側から世界を監視し、正常な公的機関を操っている。
今回もまた、砂目を筆頭としたチームは緊急で赤務市に集められ、警察署の一室を借りて捜査にあたることになった。表向きは警察のサポート&アドバイス等だが、真実はとうぜん違う。
組織が捜査官たちに指示を下した。その現象そのものが、どこか近くで世界の異常が起こっていることを意味する。本腰をいれて動き始めた闇の政府組織の前では、警察もただのお茶汲み係でしかない。
砂目の腰掛けたデスクには、パソコンのモニターがあった。それぞれ表示を分割させた画面内には、エージェント三名の顔が映っている。会議はいまも進行中だ。
砂目は画面に呼びかけた。
「タイプP、パーテ。少年少女四名の取り調べの進捗は?」
〈おう。さいきんの若い連中ときたら、どうしてこう活気ってもんがないのかねえ。まるでゲームの世界に魂を置いてきた抜け殻だ。砂目のだんなも、溜まったもんはちゃんと発散できてるか? 若いんだからさ、な?〉
胴間声で豪快に笑ったのは、タイプPと呼ばれた男だ。着込んだスーツが今にもはちきれそうな巨漢であることは、画面越しにでもわかる。なれなれしい言葉遣いの部下を、砂目は咳払いでいなした。
「大きなお世話だ。次、タイプS、黒野美湖。現場への道中、とくに問題はないな?」
〈はい〉
無感情な声で返事をしたのは、自動車を運転中と思われるミコだった。現在はある事件現場へ急行しているところだが、あいかわらずその挙動に人間らしさはない。まるで事故実験を行う車内に座らされた原寸大の人形のようだ。顎の下で手を組んだまま、砂目はうなずいた。
「よろしい」
パーテ、ミコ、それから。三人めのエージェントの姿に視線を移したあたりから、砂目の眉間には不穏なしわが寄り始めている。先日の駐車場で負ったケガのせいで絆創膏だらけのその横顔を指差し、砂目は首を横に振った。
「いや、よろしくない。ミコ、となりで居眠りしている危機感ゼロのそいつ〝黒の手〟を叩き起こせ。いますぐにだ」
〈わかりました。ヒデト、ヒデト〉
助手席の人物の肩を、ミコは片手でちいさく揺らした。砂目が見守る別の画面かつミコと同じ空間内で、ヒデトはなにか寝言をもらして寝返りをうっただけだ。これっぽっちも起きる気配はない。これも別の画面から、助言したのはパーテだ。
〈どうだ妹よ。ここはひとつ目覚めのキスでもしてやれ。また車のフロントガラスをぶち抜く勢いで飛び起きるぞ〉
〈わかりました。車を路肩に止め、実行します〉
「もういい。時間と電力のムダだ。ミコ、AI内の電子議事録への記録を。目的地についたあと、褪奈には電子書面と口頭ですみずみまで会議の内容を読ませろ。書面にはきちんと本人確認印とサインを行い、定刻までに私へ提出させること。いいな?」
〈わかりました〉
鼻息をついて血圧をおさえると、砂目は本題を切り出した。
「組織は本件を〝セレファイス〟事件と暫定的に命名した。この一見なんの変哲もないゲーム端末が若者たちを暴走させる事件の発生は、今月に入って我々が把握しているだけでも計六回にのぼる。最初の四回は〝パーティを組んでいた〟という若者グループによる無関係な一般市民への暴行。これはゲーム機を通した視界から、若者たちがなんらかの精神汚染を受けていたことが調査によりわかっている。問題は、あとの二回だ。パーテ?」
〈取り調べの結果は、残念だが前と同じだ。ガキども、口をそろえて〝ただゲームをやってただけ〟としか答えねえ。ミコが叩き斬ったっていう鎧も、ゼガ社がゲームセンターに期間限定で貸し出してた宣伝用の飾り物だ。げんに騎士の鎧よっつは、もとあった場所からきれいに消えちまってる〉
「今回のひとつ前の事件では、若者がまとった剣と鎧は明らかな模造品だった。だが今回は違う。ただのプラスチックにしかすぎない武器と防具には、なぜか本物と同じ鋭さと硬さが宿っていた。最初から本物だったのか、それとも後から偽物と入れ替わりで本物が〝召喚〟されたか。ミコ、凶器の材質の鑑定結果は?」
〈はい。この世界に存在するありとあらゆる物質と照合しましたが、該当はなし。今回使われた武器と鎧は、異世界のものと考えて間違いありません。とくに、未知の呪力の痕跡がもっとも多く検出されたのは、鎧の兜のバイザーにあたる部分です〉
「その部分に、若者たちを洗脳し、あまつさえ人体の能力限界を超えて鎧を動かしたなにかがあった。異世界のなにかが。それはただゲームで遊んでいただけの若者たちを、いつの間にか現実と異世界のはざまへ誘導し、魔物を倒す勇者として戦わせた」
砂目が胡乱げに視線をやった先では、ヒデトはまだ眠りこけている。あきあきした顔つきで、砂目は続けた。
「だからこそ褪奈の〝黒の手〟の力で消し去られた。ふだんはなんの役にも立たないそいつの呪力、原理はいまひとつ不明だが、なぜか異世界の存在にはよく効く。気に食わんがそいつの力は、この国の平和ぼけした当局の集団などよりよほど本件にうってつけだ。そして事件は、いまも起き続けている。ミコ、現場までは?」
〈はい。まもなく到着します〉
「目的地であるゼガ社所有の製造工場より、通報が届いてから今でおよそ七分。内容は〝最新の別のゲーム機を試運転していたスタッフが、とつぜん暴れ始めた〟〝スタッフが怪物に変身した〟〝工場の中に、別世界のような森や城が現れた〟等々」
いぶかしげに声を低めて、割り込んだのはパーテだった。
〈ちょっと待てよ。〝セレファイス〟はとっくに製造中止にさせたはずだよな?〉
「当然だ。だが、なんら怪しい履歴のない国内最大手のゲームメーカー、ひいてはその製造工場じたいを営業停止させるには証拠が足りない」
〈最新の別のゲーム機、か。どうやら異世界の不届き者は本体と中身の役割をきっちりわきまえてて、どこからでもおかしな呪力を送り込めるらしい。いまごろその工場は完全に異世界化しちまってるだろうな。俺も向かおうか?〉
「いや、〝妖術師の牙〟、きみは引き続き、被疑者と被害者、ゲーム機と凶器の関連性と法則性を洗い出してくれ。現実と異世界の接触点、いわば引き金のようなものを事前に把握し、有事の際に妨害する手段を練っておく必要がある。さて、ミコ」
〈はい〉
「現場には〝セレファイス〟の呪力を帯びたゲーム機が大量にあるはずだ。押収したそれの危険性を立証できれば、ゼガ社ばかりか、その他企業の類似したゲーム機の製造そのものを止められる可能性も大いに期待できる。諸悪の根源は、もとから断たねばならない」
〈はい〉
「第一優先は証拠品の確保。第二優先は、残っていた場合に限られるが人命の救助。そして第三の行為は、わかるな?」
〈はい。交戦した異世界存在の鎮圧と回収、および徹底的な破壊です〉
「無関係なものが迷い込まぬよう真実への足跡を消すのも、組織の大切な役回りだ。現場への突入時には、いつもどおり必ず二名で行動しろ。助手席の寝ぼすけのサポートもふくめて、頼んだぞ」
〈はい、わかりました〉
〈新しい情報をつかんだら、すぐに知らせるぜ。タイプP、以上〉
〈ZZZ……〉
モニターが暗転することで、睡眠中の一名をあわせた四人の会議は終わった。
臨時の執務室内、デスクにつくのはひとりの男だった。
彼は砂目充。米国に本部をかまえる組織〝ファイア〟の日本支部、捜査一課の課長だ。
特殊情報捜査執行局の単語の頭文字よっつをとって、Fire。その組織名、構成員、活動内容等は、けっして社会の明るみにでることはない。簡単にいえば、ふつうの組織の手に余るおかしな事件、事故等の処理を専門的に行なっている。
あの場所やあの場所に墜落したあんな地球外の物体の後始末、あの寒村やあの大型船舶で起こった人間の大規模失踪の原因、そして無関係な人物に狙撃手の濡れ衣を着せて一応決着したあの要人の暗殺。その他、教科書にでてくる歴史の局面では、ファイアのからんでいない事件を探すほうが難しい。そのように意図的に痕跡を残して真実から世間の目をあざむいたケースなどまだかわいいほうで、うしろめたい活動記録のほとんどはだれも知らない闇にいまだ葬られたままだ。
大昔から組織は、つねに現実の裏側から世界を監視し、正常な公的機関を操っている。
今回もまた、砂目を筆頭としたチームは緊急で赤務市に集められ、警察署の一室を借りて捜査にあたることになった。表向きは警察のサポート&アドバイス等だが、真実はとうぜん違う。
組織が捜査官たちに指示を下した。その現象そのものが、どこか近くで世界の異常が起こっていることを意味する。本腰をいれて動き始めた闇の政府組織の前では、警察もただのお茶汲み係でしかない。
砂目の腰掛けたデスクには、パソコンのモニターがあった。それぞれ表示を分割させた画面内には、エージェント三名の顔が映っている。会議はいまも進行中だ。
砂目は画面に呼びかけた。
「タイプP、パーテ。少年少女四名の取り調べの進捗は?」
〈おう。さいきんの若い連中ときたら、どうしてこう活気ってもんがないのかねえ。まるでゲームの世界に魂を置いてきた抜け殻だ。砂目のだんなも、溜まったもんはちゃんと発散できてるか? 若いんだからさ、な?〉
胴間声で豪快に笑ったのは、タイプPと呼ばれた男だ。着込んだスーツが今にもはちきれそうな巨漢であることは、画面越しにでもわかる。なれなれしい言葉遣いの部下を、砂目は咳払いでいなした。
「大きなお世話だ。次、タイプS、黒野美湖。現場への道中、とくに問題はないな?」
〈はい〉
無感情な声で返事をしたのは、自動車を運転中と思われるミコだった。現在はある事件現場へ急行しているところだが、あいかわらずその挙動に人間らしさはない。まるで事故実験を行う車内に座らされた原寸大の人形のようだ。顎の下で手を組んだまま、砂目はうなずいた。
「よろしい」
パーテ、ミコ、それから。三人めのエージェントの姿に視線を移したあたりから、砂目の眉間には不穏なしわが寄り始めている。先日の駐車場で負ったケガのせいで絆創膏だらけのその横顔を指差し、砂目は首を横に振った。
「いや、よろしくない。ミコ、となりで居眠りしている危機感ゼロのそいつ〝黒の手〟を叩き起こせ。いますぐにだ」
〈わかりました。ヒデト、ヒデト〉
助手席の人物の肩を、ミコは片手でちいさく揺らした。砂目が見守る別の画面かつミコと同じ空間内で、ヒデトはなにか寝言をもらして寝返りをうっただけだ。これっぽっちも起きる気配はない。これも別の画面から、助言したのはパーテだ。
〈どうだ妹よ。ここはひとつ目覚めのキスでもしてやれ。また車のフロントガラスをぶち抜く勢いで飛び起きるぞ〉
〈わかりました。車を路肩に止め、実行します〉
「もういい。時間と電力のムダだ。ミコ、AI内の電子議事録への記録を。目的地についたあと、褪奈には電子書面と口頭ですみずみまで会議の内容を読ませろ。書面にはきちんと本人確認印とサインを行い、定刻までに私へ提出させること。いいな?」
〈わかりました〉
鼻息をついて血圧をおさえると、砂目は本題を切り出した。
「組織は本件を〝セレファイス〟事件と暫定的に命名した。この一見なんの変哲もないゲーム端末が若者たちを暴走させる事件の発生は、今月に入って我々が把握しているだけでも計六回にのぼる。最初の四回は〝パーティを組んでいた〟という若者グループによる無関係な一般市民への暴行。これはゲーム機を通した視界から、若者たちがなんらかの精神汚染を受けていたことが調査によりわかっている。問題は、あとの二回だ。パーテ?」
〈取り調べの結果は、残念だが前と同じだ。ガキども、口をそろえて〝ただゲームをやってただけ〟としか答えねえ。ミコが叩き斬ったっていう鎧も、ゼガ社がゲームセンターに期間限定で貸し出してた宣伝用の飾り物だ。げんに騎士の鎧よっつは、もとあった場所からきれいに消えちまってる〉
「今回のひとつ前の事件では、若者がまとった剣と鎧は明らかな模造品だった。だが今回は違う。ただのプラスチックにしかすぎない武器と防具には、なぜか本物と同じ鋭さと硬さが宿っていた。最初から本物だったのか、それとも後から偽物と入れ替わりで本物が〝召喚〟されたか。ミコ、凶器の材質の鑑定結果は?」
〈はい。この世界に存在するありとあらゆる物質と照合しましたが、該当はなし。今回使われた武器と鎧は、異世界のものと考えて間違いありません。とくに、未知の呪力の痕跡がもっとも多く検出されたのは、鎧の兜のバイザーにあたる部分です〉
「その部分に、若者たちを洗脳し、あまつさえ人体の能力限界を超えて鎧を動かしたなにかがあった。異世界のなにかが。それはただゲームで遊んでいただけの若者たちを、いつの間にか現実と異世界のはざまへ誘導し、魔物を倒す勇者として戦わせた」
砂目が胡乱げに視線をやった先では、ヒデトはまだ眠りこけている。あきあきした顔つきで、砂目は続けた。
「だからこそ褪奈の〝黒の手〟の力で消し去られた。ふだんはなんの役にも立たないそいつの呪力、原理はいまひとつ不明だが、なぜか異世界の存在にはよく効く。気に食わんがそいつの力は、この国の平和ぼけした当局の集団などよりよほど本件にうってつけだ。そして事件は、いまも起き続けている。ミコ、現場までは?」
〈はい。まもなく到着します〉
「目的地であるゼガ社所有の製造工場より、通報が届いてから今でおよそ七分。内容は〝最新の別のゲーム機を試運転していたスタッフが、とつぜん暴れ始めた〟〝スタッフが怪物に変身した〟〝工場の中に、別世界のような森や城が現れた〟等々」
いぶかしげに声を低めて、割り込んだのはパーテだった。
〈ちょっと待てよ。〝セレファイス〟はとっくに製造中止にさせたはずだよな?〉
「当然だ。だが、なんら怪しい履歴のない国内最大手のゲームメーカー、ひいてはその製造工場じたいを営業停止させるには証拠が足りない」
〈最新の別のゲーム機、か。どうやら異世界の不届き者は本体と中身の役割をきっちりわきまえてて、どこからでもおかしな呪力を送り込めるらしい。いまごろその工場は完全に異世界化しちまってるだろうな。俺も向かおうか?〉
「いや、〝妖術師の牙〟、きみは引き続き、被疑者と被害者、ゲーム機と凶器の関連性と法則性を洗い出してくれ。現実と異世界の接触点、いわば引き金のようなものを事前に把握し、有事の際に妨害する手段を練っておく必要がある。さて、ミコ」
〈はい〉
「現場には〝セレファイス〟の呪力を帯びたゲーム機が大量にあるはずだ。押収したそれの危険性を立証できれば、ゼガ社ばかりか、その他企業の類似したゲーム機の製造そのものを止められる可能性も大いに期待できる。諸悪の根源は、もとから断たねばならない」
〈はい〉
「第一優先は証拠品の確保。第二優先は、残っていた場合に限られるが人命の救助。そして第三の行為は、わかるな?」
〈はい。交戦した異世界存在の鎮圧と回収、および徹底的な破壊です〉
「無関係なものが迷い込まぬよう真実への足跡を消すのも、組織の大切な役回りだ。現場への突入時には、いつもどおり必ず二名で行動しろ。助手席の寝ぼすけのサポートもふくめて、頼んだぞ」
〈はい、わかりました〉
〈新しい情報をつかんだら、すぐに知らせるぜ。タイプP、以上〉
〈ZZZ……〉
モニターが暗転することで、睡眠中の一名をあわせた四人の会議は終わった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
盾の間違った使い方
KeyBow
ファンタジー
その日は快晴で、DIY日和だった。
まさかあんな形で日常が終わるだなんて、誰に想像できただろうか。
マンションの屋上から落ちてきた女子高生と、運が悪く――いや、悪すぎることに激突して、俺は死んだはずだった。
しかし、当たった次の瞬間。
気がつけば、今にも動き出しそうなドラゴンの骨の前にいた。
周囲は白骨死体だらけ。
慌てて武器になりそうなものを探すが、剣はすべて折れ曲がり、鎧は胸に大穴が空いたりひしゃげたりしている。
仏様から脱がすのは、物理的にも気持ち的にも無理だった。
ここは――
多分、ボス部屋。
しかもこの部屋には入り口しかなく、本来ドラゴンを倒すために進んできた道を、逆進行するしかなかった。
与えられた能力は、現代日本の商品を異世界に取り寄せる
【異世界ショッピング】。
一見チートだが、完成された日用品も、人が口にできる食べ物も飲料水もない。買えるのは素材と道具、作業関連品、農作業関連の品や種、苗等だ。
魔物を倒して魔石をポイントに換えなければ、
水一滴すら買えない。
ダンジョン最奥スタートの、ハード・・・どころか鬼モードだった。
そんな中、盾だけが違った。
傷はあっても、バンドの残った盾はいくつも使えた。
両手に円盾、背中に大盾、そして両肩に装着したL字型とスパイク付きのそれは、俺をリアルザクに仕立てた。
盾で殴り
盾で守り
腹が減れば・・・盾で焼く。
フライパン代わりにし、竈の一部にし、用途は盛大に間違っているが、生きるためには、それが正解だった。
ボス部屋手前のセーフエリアを拠点に、俺はひとりダンジョンを生き延びていく。
――そんなある日。
聞こえるはずのない女性の悲鳴が、ボス部屋から響いた。
盾のまちがった使い方から始まる異世界サバイバル、ここに開幕。
【AIの使用について】
本作は執筆補助ツールとして生成AIを使用しています。
主な用途は「誤字脱字のチェック」「表現の推敲」「壁打ち(アイデア出しの補助)」です。
ストーリー構成および本文の執筆は作者自身が行っております。
『異世界ガチャでユニークスキル全部乗せ!? ポンコツ神と俺の無自覚最強スローライフ』
チャチャ
ファンタジー
> 仕事帰りにファンタジー小説を買った帰り道、不運にも事故死した38歳の男。
気がつくと、目の前には“ポンコツ”と噂される神様がいた——。
「君、うっかり死んじゃったから、異世界に転生させてあげるよ♪」
「スキル? ステータス? もちろんガチャで決めるから!」
最初はブチギレ寸前だったが、引いたスキルはなんと全部ユニーク!
本人は気づいていないが、【超幸運】の持ち主だった!
「冒険? 魔王? いや、俺は村でのんびり暮らしたいんだけど……」
そんな願いとは裏腹に、次々とトラブルに巻き込まれ、無自覚に“最強伝説”を打ち立てていく!
神様のミスで始まった異世界生活。目指すはスローライフ、されど周囲は大騒ぎ!
◆ガチャ転生×最強×スローライフ!
無自覚チートな元おっさんが、今日も異世界でのんびり無双中!
ブラック国家を制裁する方法は、性癖全開のハーレムを作ることでした。
タカハシヨウ
ファンタジー
ヴァン・スナキアはたった一人で世界を圧倒できる強さを誇り、母国ウィルクトリアを守る使命を背負っていた。
しかし国民たちはヴァンの威を借りて他国から財産を搾取し、その金でろくに働かずに暮らしている害悪ばかり。さらにはその歪んだ体制を維持するためにヴァンの魔力を受け継ぐ後継を求め、ヴァンに一夫多妻制まで用意する始末。
ヴァンは国を叩き直すため、あえてヴァンとは子どもを作れない異種族とばかり八人と結婚した。もし後継が生まれなければウィルクトリアは世界中から報復を受けて滅亡するだろう。生き残りたければ心を入れ替えてまともな国になるしかない。
激しく抵抗する国民を圧倒的な力でギャフンと言わせながら、ヴァンは愛する妻たちと甘々イチャイチャ暮らしていく。
異世界亜人熟女ハーレム製作者
†真・筋坊主 しんなるきんちゃん†
ファンタジー
異世界転生して亜人の熟女ハーレムを作る話です
【注意】この作品は全てフィクションであり実在、歴史上の人物、場所、概念とは異なります。
ラストアタック!〜御者のオッサン、棚ぼたで最強になる〜
KeyBow
ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞
ディノッゾ、36歳。職業、馬車の御者。
諸国を旅するのを生き甲斐としながらも、その実態は、酒と女が好きで、いつかは楽して暮らしたいと願う、どこにでもいる平凡なオッサンだ。
そんな男が、ある日、傲慢なSランクパーティーが挑むドラゴンの討伐に、くじ引きによって理不尽な捨て駒として巻き込まれる。
捨て駒として先行させられたディノッゾの馬車。竜との遭遇地点として聞かされていた場所より、遥か手前でそれは起こった。天を覆う巨大な影―――ドラゴンの襲撃。馬車は木っ端微塵に砕け散り、ディノッゾは、同乗していたメイドの少女リリアと共に、死の淵へと叩き落された―――はずだった。
腕には、守るべきメイドの少女。
眼下には、Sランクパーティーさえも圧倒する、伝説のドラゴン。
―――それは、ただの不運な落下のはずだった。
崩れ落ちる崖から転落する際、杖代わりにしていただけの槍が、本当に、ただ偶然にも、ドラゴンのたった一つの弱点である『逆鱗』を貫いた。
その、あまりにも幸運な事故こそが、竜の命を絶つ『最後の一撃(ラストアタック)』となったことを、彼はまだ知らない。
死の淵から生還した彼が手に入れたのは、神の如き規格外の力と、彼を「師」と慕う、新たな仲間たちだった。
だが、その力の代償は、あまりにも大きい。
彼が何よりも愛していた“酒と女と気楽な旅”――
つまり平和で自堕落な生活そのものだった。
これは、英雄になるつもりのなかった「ただのオッサン」が、
守るべき者たちのため、そして亡き友との誓いのために、
いつしか、世界を救う伝説へと祭り上げられていく物語。
―――その勘違いと優しさが、やがて世界を揺るがす。
悪徳貴族の、イメージ改善、慈善事業
ウィリアム・ブロック
ファンタジー
現代日本から死亡したラスティは貴族に転生する。しかしその世界では貴族はあんまり良く思われていなかった。なのでノブリス・オブリージュを徹底させて、貴族のイメージ改善を目指すのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる