貝殻の記憶

ケンナンバワン

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学校で

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次の日隆は朝起きて登校している途中21日の夕方どうしようか考えていた。

その日は学園祭の当日で終わるのが丁度夕方ごろになるが一人で行くのは不安な部分があるので吉雄に相談して一緒についてきてもらうようにしようと考えた。
 
学校に着くと自分のクラスに入り周りを見渡したが吉雄はまだ来てなかったので自分の席について来るのを待った。

吉雄は始業のベルが鳴ると先生と一緒に入ってきたので話はできず1時限目の授業が終わるまで待って話そうと思った。
 
授業が終わり吉雄に話しかけたが吉雄は隆が話そうとしているのを遮って「すまん部室に体操着を置いているから取りに行ってくる。」と言って部室に走っていった。

吉雄は野球部に入っていたが夏の大会が終わり今は引退している。

しかしOBとして時々後輩の指導に行っていた。
 
隆は体操着に着替えると体育館に向かった。

体育館で準備運動をしていると吉雄が入ってきた。

吉雄「何か話があるのか?」

隆「相談したいことがある。」と言って貝殻の事を話して「港に一緒に行ってくれないか?」と訊いた。
 
吉雄「21日といったら明日じゃないか文化祭が終わってからいくのか?」

隆「そのつもりだけどダメか?」と訊いた。

吉雄「別に構わないがなぜそれが送られてきたのか全然心当たりがないのか?」

それに対して隆は頷いた。
 
吉雄「そうか・・」と言い間をあけて話題を変え

吉雄「放課後に出店の最後の仕上げをしなければいけないので備品の調達はできているのか?」

隆「ああ」

吉雄「分かったそれじゃあ授業に入ろうぜ。」と言って吉雄は器械体操の練習している列に並んだ。

今日の体育の授業は先生が来ないので各自苦手なところを自主練するようにとのことだったので隆と吉雄は時々鉄棒の練習をしながらしゃべっていると時間が来た。
 
放課後になり二人は出店のテントに向かった。

テントには紗理奈と和美が先に来ていて焼きそばを試作していた。

吉雄が声を掛けると紗理奈が「丁度焼きそばが出来たから試食してよ。」と言うと焼きそばを皿に盛って差し出した。

吉雄「OK」と言って皿を受け取ると別の皿に半分移して隆に渡して「おまえも食べてみろよ」と言った。
 
隆は焼きそばを受け取ると「いただきます。」と言って食べた。

吉雄も食べて紗理奈のほうを見て「うんおいしいよ。」と言った。

隆「これだったら売れそうだ。」

紗理奈「でしょう私の焼きそばは結構お客さんに評判がいいから。」
 
隆は和美を見て「君は見ているだけ?」と声を掛けると和美は「失礼しちゃうちゃんと仕事しているわよ。」と言った。

隆「何しているの?」和美は小さな声で「味見」と言った。

隆は少し笑顔になると和美は視線を落とした。

すると紗理奈が「味見を馬鹿にしてはだめよ。ちゃんと第三者の意見を聞かないと味が分からなくなるから。」

隆「ごめんそんなに気にするとは思わなかったよ。」

和美「大丈夫なにも気にしていないから。」

それを見ていた吉雄が「なにをイチャイチャしている気分悪いな。」少し語気を強めて言った。

隆「なにイライラしているのだ?」

吉雄「別にイライラしてないよ。」

隆は吉雄を見て「分かったヤキモチをやいているな。」

続けてみんなに聞こえるように大きな声で「吉雄は和美が好きだからな!」と言い

吉雄は慌てて「何馬鹿なこと言っているのじゃあないよ。」と否定したが顔は赤くなっていた。

和美も少し赤くなって「私忘れ物がある。」と言って校舎に走っていった。

隆はとぼけたように「何か悪いこと言ったか?」と吉雄を見ると

吉雄「これ以上とぼけたことを言うと口を利かないからな。」と、怒った口調で隆を見た。

隆は少しやりすぎたかなと思い片手を顔の前に持ってきて拝むようなポーズをした。

そのやり取りを見ていた紗理奈は「仲がいいわね。」

吉雄は紗理奈に「君もその仲間の一人だよ。」

紗理奈「ありがとう仲間に入れてくれて嬉しいわ。」と言うと鉄板の後片付けをしだした。

隆「早く準備を終わらせよう。」と言って持ってきた備品をテーブルに置きだした。

吉雄も準備に取り掛かった。

準備は1時間30分くらいで終わり下校の支度をして帰っていった。

和美はあれからテントには帰って来なかった。
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