迷宮深層へ叩き落されたマリオネットマスターの俺、巨大人形を強化して、ホムンクルス(美幼女)とイチャコラしながら己の道を切り開く

シトラス=ライス

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一章

斬魔刀アクスカリバー

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 【斬魔刀アクスカリバー】――護拳に竜の頭のような意匠がなされたゲオルグの形見。
かつて100匹もの竜を斬り殺したとも言われる、ドラゴンスレイヤーの異名を持つ大剣である。

「どけぇぇぇ!!」

 一馬の声が響き、アインがアクスカリバーを振る。
 ドラゴンスレイヤーの異名を持つ、鋭く強力な大剣は、波居るオーガを切り捨て、道を切り開いてゆく。

スキル――【オーガパワー】

 多数のオーガを倒したことで、アインは攻撃力を大きく補正するスキルを獲得していた。
その強大な力と、アクスカリバーが揃えば、もはやオーガなど敵では無かった。 
 一馬は怒りと悲しみを胸に、荒野を無我夢中で突き進んだ。

「マスター! 100層到達! 以下の階層反応ありません! 最深層です! おめでとうございます!」

 やがてニーヤが嬉々とした様子で報告し、一馬は我に帰る。
 目前には禍々しい二枚扉があり、行手を塞いでいる。

(おそらく、この先に転送装置と迷宮の主人が)

 どの迷宮の最深層にも、そこの主というべき強大な魔物が存在している。
煌帝国が所有する迷宮が、すべて一馬たち転生戦士の訓練施設というならば、そういう存在が最終テストとして配置されていても不思議ではない。

 これまでの一馬とアインであったら手に余る敵に間違いなかった。
しかし今は違う。

 頼りになる相棒ホムンクルスのニーヤ。
 瑠璃の設計図によって新生した球体関節人形アインTYPE-R。
そして、異世界での師、ゲオルグが託してくれたドラゴンスレイヤーの異名を持つ斬魔刀アクスカリバー。

「行くぞ、ニーヤ、アイン!」
「イエス、マイマスター!」
「ヴォッ!」

 一馬はアインの手で扉を押し開ける。

 その先は、周囲に毒々しい紫紺の雲が流れる、闘技場のような楕円のフィールドだった。
楕円の先には、青白い輝きに包まれる求めた装置――転送装置が確認できる。

「敵反応増大! きます!」

 ニーヤの報告と同時に、虚空の彼方から稲妻が迸り、フィールドを打つ。
そして光の向こうから、強大な敵が姿を現した。

 強靭な四足の足。長い首に、凶暴な牙。そんな巨大な身体を容易に浮かび上がらせることが可能な、二枚の翼。
魔物は顕現した途端に、激しい咆哮を放って、一馬たちを威嚇する。

(やっぱり財宝を守るのは"ドラゴン"の役目ってか! でも、今のアインの敵じゃない!)

 一馬は恐れることなく、アインへアクスカリバーを構えさせた。

「やるぞ、ニーヤ! これで戦いを終わりとし、ファウスト大迷宮から生還する!」
「了解! 先行します!」

 ニーヤはアインの肩から颯爽と飛び降りた。
手の甲から青い光の剣を伸ばし、ドラゴンへ向けて怯んだ様子を見せずに疾駆する。

 するとドラゴンは咆哮と共に口を開き、喉の奥へ輝きを宿し始めた。
ドラゴンの口から、激しい熱を持った、真っ赤な火球が次々と放たれる。
 しかしニーヤは俊敏な動作で、火球をかわし続ける。

「殲滅っ!」

 ニーヤはドラゴンの足元をちょこまかと動き回りつつ、巨大な足を光の剣で斬り付ける。
 ドラゴンがダメージを受けている様子はさほど見受けられない。
それでもうざったいのか、地団駄を踏むように、前足を必死に動かし続けている。
 そんなドラゴンへ密かに接近していた、巨大人形アインは、上段に構えたアクスカリバーを、思い切り振り落とす。

「ギャオォォォーン!!」

 脇腹を盛大に切り裂かれたドラゴンは激しい悲鳴を上げて仰け反った。ダメージは通った。
 ドラゴンはギロリと忌々しげに、アインを黄金の瞳で睨むと、翼を羽ばたかせて上昇してく。

「させるか! セイバーアンカー、シュート!」
「ヴォッ!!」

 アインの腕から射出されたアンカーはまるで蛇ようにうねりながら飛び、ドラゴンの腹に突き刺さる。
 ドラゴンは身をよじって、アンカーを抜こうと試みる。
しかししっかりと食い込んだアンカーは全く抜ける気配をみせない。

「そのまま振り回せ!」
「ヴォォォ!!」

 アインはアンカーで捕らえたドラゴンを、まるでハンマー投げ―の準備のようにブンブン振り回し、放り投げる。
巨大なドラゴンさえも容易に振り回せるオーガパワー様々だった。

 おもいきり叩きつけられたドラゴンは、それでもすぐさま首を上げて、喉の奥から熱線を吐き出した。

 熱線はアイン操作に集中し、簡単に動きことができな一馬を狙う。

 そんな彼の前へニーヤが割って入り、青い魔法陣を展開させる。
障壁であるソレは熱線を偏向させ、一馬への直撃を防いだ。

「いつもサンキュ!」
「いえ!」
「ガオォォォ!」

 ひとしきり、熱線を吐き終えたドラゴンは宙へ舞い上がる
 一馬はドラゴンを再度捕らえようと、セイバーアンカーを放つ。
しかい知能が高いらしいドラゴンは翼からつむじ風を打ちだし、アンカーを吹き飛ばした。

「ガオォォォーーンっ!!」

 ドラゴンの咆哮がエリアに轟き、上空からの火球での応酬が始まった。
 
 空の敵に対してはセイバーアンカーぐらいしか対処方法が無いアインはただ逃げ惑うのみ。
 
(長期戦は不利。なら、一気に決めるしかない!)
 
 一馬はニーヤを見やった。

「ニーヤ! この間アインの腕へ魔力を集中させて撃ったアレ、アクスカリバーでもできるよな!?」
「勿論です! アインの一部になっているものなら何でも」
「ちなみに魔力の残は?」
「拘束魔法、魔力充填可能です! 後ほど魔力充填のためにエビとタコを所望します!」
「わかった! たらふく食わせてやる!」
「ありがとうございますっ! 頑張りますっ!」

 すっかり食いしん坊となったニーヤらしい返答だった。
 
 ニーヤとアイン、そしてゲオルグの託してくれたアクスカリバー。
 三つの力は、一馬へ勝利の確信を与える。
そして一馬はアインを急停止させ、両腕を上空のドラゴンへ掲げさせた。

「アイン! ワームアシッドとスパイダーストリングスを撃て! 撃って撃って撃ちまくれっ!」
「ヴォォォッ!!」

 両腕を掲げたアインは命令通り、強酸と網を連続で放った。
 金属よりも固い鱗を持つドラゴンにとって強酸と網などはまるで効果がない。
 しかし、動きを翻弄することはできている。
 その隙に、隣のニーヤは、身体から青白い魔力の輝きを放っている。

「照準固定――! 行きます、拘束魔法照射ぁっ!」

 ニーヤの身体から放たれた青い魔法陣は、進むたびに大きさを増し、ドラゴンへ突き進む。
 
「ギヤ……ガオォォォーン!?」

 ドラゴンはニーヤの放った魔法陣に捕らわれ、空中へ不自然な姿勢で固定される。

「続けて魔力開放――行きます!!」

 アインのアクスカリバーが青白い輝きを帯び始めた。
 関節のアコーパールが強く輝き始める。
 そしてアインは、アクスカリバーを八相に構えた。

 アインは魔石を入り口にニーヤの魔力を受け取り、アコーパールを通じて全身へ行き渡らせ、増幅を図った。
魔力の刃を放つエアスラッシュは、切れ味を高める斬鋼のスキルによって、威力を増す。

「これがゲオルグさんと、ニーヤと、アインと、俺の! アクスカリバーだぁぁぁ!!」

 振り落とされたアクスカリバーから鋭く、そして巨大な魔力の刃が放たれた。
 豪速で飛んだ魔力の刃はドラゴンの硬い鱗をいとも簡単に切り裂き、肉を断つ。
一刀両断。一撃必殺(クリティカルヒット)!

 空中に固定され、真っ二つに切り裂かれたドラゴンは、魔光に変わって、アインへ吸収されてゆく。


【スキル獲得】 *竜の怒り


 瞬間的にドラゴンの力を発動させて、敵を一気に殲滅するスキルのようだった。

 しかし試し打ちなどしている暇はない。

 目の前には待望の転送装置が。

「行こう、ニーヤ」
「はい! どこまでもお供します、マスター!」

 一馬たちは転送装置へ飛び込む。
そして彼らは迷宮最深層から姿を消す。

 すぐさま風景が変わり、周囲の空気が最深層に比べると幾らか軽く感じられる。

「ニーヤ、ここは何層だ?」
「少々お待ちを……ここはファウスト大迷宮第五層です」

 ニーヤの報告を聞いて、一馬はほっと胸を撫で下ろした。

 戻ってくることができた。今のアインなら、低層を突き進むなど容易なこと。

(先輩、今すぐ迎えに行きます!)

 一馬は流行る気持ちを堪えつつ、迷宮を歩き出す。

 その過程で、見たこともない巨大な足跡と、何かを引きずった後を見つける。
不意に胸がざわつき始めた。
 嫌な予感のした一馬は、迷宮をアインと共に最高速度で駆けてゆく。



【球体関節人形:アイン TYPE R】現状(更新)


★頭部――鉄製アーメット
*必殺スキル:竜の怒り NEW!

★胸部――丸太・魔石×1
*補助スキル:魔力共有

★腹部――丸太

★各関節――アコーパール×10
*補正スキル:魔力伝導効率化

★腕部――鎧魚の堅骨
*攻撃スキル:ワームアシッド
*攻撃スキル:セイバーアンカー
*攻撃スキル:スパイダーストリングス
*必殺スキル:アインパンチ
*補正スキル:オーガパワー

★脚部――鎧魚の堅骨・大きな石
*補正スキル:水面戦闘
*補正スキル:オーガパワー

★武装――斬魔刀アクスカリバー×1
*必殺スキル:エアスラッシュ
*補正スキル:斬鋼(切れ味倍加)

★武装2――ホムンクルスNO28:ニーヤ×1
*補助スキル:魔力共有

★ストック
*防御スキル:シェルバリア(使用不可)



 ぼちぼち一章クライマックスでーす。
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