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朝日が部屋に差し込んできたのを感じて目覚めると、強い頭痛と吐き気に襲われ、すぐにベッドを出てトイレに駆け込んだ。
3時間ほど苦しみ続けて、ようやくトイレからフラフラとした足取りで出てくることができた。
ふと口を濯ぐ際に鏡を見てみると、今にも死にそうな青白い顔をしている自分に不覚ながら少し驚いてしまった。
そう、最悪の事態が起こってしまったのだ。
いつか来るとは思っていたが、こんなに早くに来るなんて予想外だった。
万が一、パートナーを見つけることができなかった場合、この苦しみがずっと続くと想像するだけで背筋がゾッとした。
とりあえず、宿から出てここから2週間と少しの距離の次の街へ向かった。
それから10日ほど経ったが、いつものペースよりもかなり遅く歩いていたため未だ次の街へ着く目処が立っていなかった。
そんな森を抜けようとしていたある日、習慣になりつつある毎朝の苦しみから解放され、歩き出したはいいがまだフラフラの状態だった。
もう少し休んでから出発すれば良かったなどと後悔しても、一度出てしまったのでまた端の方へ行って座る気すら起きなかった。
出発してから30分ほどたった時に、ある男たちにあった。
この世界では男は女と主従関係を結ぶ際、匂いを判断材料として取り入れている。正確には、魔力から放出されている香りだ。食べ物で好き嫌いがあるように、その香りも人それぞれ好みがある。その香りの違いは魔力の質によって変わるのだが、個人の内面と魔力の強さが影響していると言われている。要は、男は主人となる女の匂いを嗅いで相性を確認しているということだ。
ちなみに、父親達の話によると私はかなり良い香りを放っているらしい。
そして、女の方の従者にするかの判断材料は基本的には顔や体つきが自分の好みかそうでないかだ。
しかし私は人より鼻がよく利くのか昔から他人との相性などを匂いで判断している。
一見盗賊のようにも見えてしまう男たちは私の方へわらわらと近寄ってくると、
「嬢ちゃん、いい匂いがするなぁ。見たところ一人だから従者を探してんだろ?俺なんかどうだ?腕っ節には自身があるんだぜ?」
「僕なんてどう?顔には自信がある方だよ?」
「俺にしといたら間違いないって!後悔させないよ?」
などと口々に言ってきていて、私はその勢いに引き気味になってしまった。
(うーん、この中にこれといった匂いの人はいないな。むしろ何個もの匂いに囲まれてたらまた気持ち悪くなってきた…。)
そんなことを思いながら、断りをいれて私はその場から立ち去った。
3時間ほど苦しみ続けて、ようやくトイレからフラフラとした足取りで出てくることができた。
ふと口を濯ぐ際に鏡を見てみると、今にも死にそうな青白い顔をしている自分に不覚ながら少し驚いてしまった。
そう、最悪の事態が起こってしまったのだ。
いつか来るとは思っていたが、こんなに早くに来るなんて予想外だった。
万が一、パートナーを見つけることができなかった場合、この苦しみがずっと続くと想像するだけで背筋がゾッとした。
とりあえず、宿から出てここから2週間と少しの距離の次の街へ向かった。
それから10日ほど経ったが、いつものペースよりもかなり遅く歩いていたため未だ次の街へ着く目処が立っていなかった。
そんな森を抜けようとしていたある日、習慣になりつつある毎朝の苦しみから解放され、歩き出したはいいがまだフラフラの状態だった。
もう少し休んでから出発すれば良かったなどと後悔しても、一度出てしまったのでまた端の方へ行って座る気すら起きなかった。
出発してから30分ほどたった時に、ある男たちにあった。
この世界では男は女と主従関係を結ぶ際、匂いを判断材料として取り入れている。正確には、魔力から放出されている香りだ。食べ物で好き嫌いがあるように、その香りも人それぞれ好みがある。その香りの違いは魔力の質によって変わるのだが、個人の内面と魔力の強さが影響していると言われている。要は、男は主人となる女の匂いを嗅いで相性を確認しているということだ。
ちなみに、父親達の話によると私はかなり良い香りを放っているらしい。
そして、女の方の従者にするかの判断材料は基本的には顔や体つきが自分の好みかそうでないかだ。
しかし私は人より鼻がよく利くのか昔から他人との相性などを匂いで判断している。
一見盗賊のようにも見えてしまう男たちは私の方へわらわらと近寄ってくると、
「嬢ちゃん、いい匂いがするなぁ。見たところ一人だから従者を探してんだろ?俺なんかどうだ?腕っ節には自身があるんだぜ?」
「僕なんてどう?顔には自信がある方だよ?」
「俺にしといたら間違いないって!後悔させないよ?」
などと口々に言ってきていて、私はその勢いに引き気味になってしまった。
(うーん、この中にこれといった匂いの人はいないな。むしろ何個もの匂いに囲まれてたらまた気持ち悪くなってきた…。)
そんなことを思いながら、断りをいれて私はその場から立ち去った。
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