世界は荒野でできている

立夏 よう

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恵梨香 3

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帰宅。当然のごとくママはまだ。
うちはシングル家庭で、ママは公務員。朝はあたしより早くて、帰りはあたしより遅い。あたしが小さい頃離婚したらしくその頃のパパのことはぼんやりとしか覚えてない。今でも年一くらいでご飯食べに連れて行ってくれるけど、パパっていうより他人のおじさんって感じ。

早く帰宅したほうが炊飯器の用意するってことになってるから必然的にそれはほぼあたしの役目。無洗米を量って水をそそいで、これでやるべきことは済んだって感じ。あとはいつママが帰ってくるか。
早い日は7時くらいだけど遅いときは9時くらい。もう慣れっこなんだけどうちは夕食の時間はいつもバラバラ。LINEくれるわけでもないから、予定たたないけどママも働いてるんだし仕方ないよね。放任されてるのはいい面と悪い面がある。ママは放任してる自分を、子供を信頼してるいいママだと思ってるみたい。でもそうかな。

一息ついて、今日のカフェテリアの話を思い出す。

伊東先生、か。

そう言えば、なんか引っかかってたことがあったの思い出した。
伊東先生、すごく地味だったのに、最近ちょっとメイクに気合はいってた。服はいつもワンパターンのモノトーンのパンツとシャツ、ジャケットの組み合わせばかりだったけど、メイクはいつ見た時に気づいたのか忘れたけどハイライト入れ始めたんだこの先生って思ったの覚えてる。あと、グリッター。いつ頃だっただろう。わりと最近な気がする。すれ違ったとかじゃなくて間近で過ごした時だ、あれいつだったかな、何の時だったんだっけ。

伊東先生に何か心境の変化でもあったんだろうか?
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