転生特典の『おまけ』ってなんだよ。

SHOW

文字の大きさ
4 / 4

シカワへ向かって・・・おまけってこういう事?

しおりを挟む
ギルド登録を終えて、シカワへ向けて出発!!
半日でつくからテントなどの準備は必要なしだ。

・・・なんて思っていた自分が恥ずかしい。

今、オーガ3体から追われ、全力で逃げています。

オーガは、ゴブリンからの亜種進化をした魔物と位置づけされており、能力値100の俺が5人いてどうにか一体と戦える・・・
そう、俺が15人いないと勝てない相手と・・・

こんな状況になったのもシカワへ向かう途中の森で一休みしている時に、甘い香りに誘われ、ついフラフラと探しに行き見つけたヴェリーの実を採取しているとオーガもそのヴェリーの実の匂いにつられてやってきてしまった。
・・・こんな場所にオーガがいるなんて知らなかったし・・・

「はぁはぁ、いい加減あきらめてくれよー」

逃げながらそう言っても、オーガは逃げようとする先へ先へと3体が連携するように、俺の逃走先を森の奥へ奥へと誘導されてしまっている。
しかも、今逃げている先には岩肌が見えてきた。

「ちくしょう、こんなところで・・・んっ!!」

岩肌につくと、俺1人が入れるような横穴がみえた。

「あの穴に入って、やり過ごすか・・・」

そう呟きながら、どうにかその横穴に入ることができた。
オーガは、体のサイズ的にこの横穴に入ってこれそうにない・・・
しかし、俺がしびれを切らして、横穴から出てきたところを襲うおうと待ち構えている。

「はぁはぁ、ゴクリ。」

息はまだ整っていないが、やっと一息つけると思い、水筒を手にとり、一口水を飲んだ。

「オーガはまだいる。この横穴がどこまで続いているかだが・・・」

横穴に入って分かったのが、かなり奥まで続いているということだ。
ここでの選択肢は2つだ。
一か八かでオーガの包囲網を抜けて逃げる・・・いや、ここまで逃げてきて森の出口が分からないのだからこれは悪手だ。
残された選択は、この洞窟を調べ、他に抜け道がないかを調べる・・・って、選択する余地すらない。

と即決で洞窟を調べることにした。

「プチライト!」

灯りを灯す魔法を使った。

・・・そういえば、成人の儀を受けてから初めて魔法を使ったな

そんなことを思いながら、照らされた洞窟を眺めると大分奥まで続いているようだった。
蜘蛛の巣が通路をふさぐように張られていて、人が通った形跡は見えない・・・

洞窟だとスパイダー、ゴブリン、コボルト、そして蝙蝠という魔物がいる可能性があるが、蜘蛛の巣の状態がとてもきれいで、それを見る限り、ゴブリンやコボルトはいないと推測できる。ただ、スパイダーはいる可能性が高い。

「プチファイヤ」

火をおこす魔法を使った。
蜘蛛の巣にその火をぶつけると、溶けるように燃えていった。

「グギャー」

蜘蛛の巣が燃えていく中、悲鳴が聞こえると燃えているスパイダーが現れた。

・・・ってどこに隠れていたんだよ。

こちらに向かってくるので、腰に下げた剣を抜き、スパイダーに突き刺した。
燃えているスパイダーの動きがビクンとなった後、ぴたりと止まった。
何とか退治出来たようだ。

その直後、頭の中に声が聞こえてきた。

『スパイダー初回討伐のおまけは、操糸術です。』

・・・って、おまけってそういう事か?

通常スキルは、成人の儀で明らかになった後は、習得したい事象を数年かけて訓練することで、その才能があれば習得することが出来るといわれている。
まぁ、成人の儀で明らかになるスキルが訓練していないものがあるという事実もあるが・・・

そして、スキルは、村人レベルで1~5、かなりの才能を持ち、訓練、そして実践を重ねたもので10を持っているといわれている。過去、英雄となったものでも15だったと。

とりあえず、このおまけってスキルを持つ俺だと、魔物を初回倒せば、スキルが増える可能性があるということ・・・そう、英雄を超えるような複数のスキルを得ることが可能だということだ。

「さて、洞窟の先へ進もう、もっとスキルを習得出来れば、生還できる可能性があるな」

そう思い、スキル、おまけの意味が少し分かったので、このスキルを知るためにも、この洞窟を抜け森から脱出するにも、洞窟を調べ、魔物を倒していこうと思った。
しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

悪役令嬢の慟哭

浜柔
ファンタジー
 前世の記憶を取り戻した侯爵令嬢エカテリーナ・ハイデルフトは自分の住む世界が乙女ゲームそっくりの世界であり、自らはそのゲームで悪役の位置づけになっている事に気付くが、時既に遅く、死の運命には逆らえなかった。  だが、死して尚彷徨うエカテリーナの復讐はこれから始まる。 ※ここまでのあらすじは序章の内容に当たります。 ※乙女ゲームのバッドエンド後の話になりますので、ゲーム内容については殆ど作中に出てきません。 「悪役令嬢の追憶」及び「悪役令嬢の徘徊」を若干の手直しをして統合しています。 「追憶」「徘徊」「慟哭」はそれぞれ雰囲気が異なります。

メインをはれない私は、普通に令嬢やってます

かぜかおる
ファンタジー
ヒロインが引き取られてきたことで、自分がラノベの悪役令嬢だったことに気が付いたシルヴェール けど、メインをはれるだけの実力はないや・・・ だから、この世界での普通の令嬢になります! ↑本文と大分テンションの違う説明になってます・・・

聖女が降臨した日が、運命の分かれ目でした

猫乃真鶴
ファンタジー
女神に供物と祈りを捧げ、豊穣を願う祭事の最中、聖女が降臨した。 聖女とは女神の力が顕現した存在。居るだけで豊穣が約束されるのだとそう言われている。 思ってもみない奇跡に一同が驚愕する中、第一王子のロイドだけはただ一人、皆とは違った視線を聖女に向けていた。 彼の婚約者であるレイアだけがそれに気付いた。 それが良いことなのかどうなのか、レイアには分からない。 けれども、なにかが胸の内に燻っている。 聖女が降臨したその日、それが大きくなったのだった。 ※このお話は、小説家になろう様にも掲載しています

冷遇王妃はときめかない

あんど もあ
ファンタジー
幼いころから婚約していた彼と結婚して王妃になった私。 だが、陛下は側妃だけを溺愛し、私は白い結婚のまま離宮へ追いやられる…って何てラッキー! 国の事は陛下と側妃様に任せて、私はこのまま離宮で何の責任も無い楽な生活を!…と思っていたのに…。

乙女ゲームの悪役令嬢、ですか

碧井 汐桜香
ファンタジー
王子様って、本当に平民のヒロインに惚れるのだろうか?

ちゃんと忠告をしましたよ?

柚木ゆず
ファンタジー
 ある日の、放課後のことでした。王立リザエンドワール学院に籍を置く私フィーナは、生徒会長を務められているジュリアルス侯爵令嬢アゼット様に呼び出されました。 「生徒会の仲間である貴方様に、婚約祝いをお渡したくてこうしておりますの」  アゼット様はそのように仰られていますが、そちらは嘘ですよね? 私は最愛の方に護っていただいているので、貴方様に悪意があると気付けるのですよ。  アゼット様。まだ間に合います。  今なら、引き返せますよ? ※現在体調の影響により、感想欄を一時的に閉じさせていただいております。

【完結】追放された子爵令嬢は実力で這い上がる〜家に帰ってこい?いえ、そんなのお断りです〜

Nekoyama
ファンタジー
魔法が優れた強い者が家督を継ぐ。そんな実力主義の子爵家の養女に入って4年、マリーナは魔法もマナーも勉学も頑張り、貴族令嬢にふさわしい教養を身に付けた。来年に魔法学園への入学をひかえ、期待に胸を膨らませていた矢先、家を追放されてしまう。放り出されたマリーナは怒りを胸に立ち上がり、幸せを掴んでいく。

【完結】平民聖女の愛と夢

ここ
ファンタジー
ソフィは小さな村で暮らしていた。特技は治癒魔法。ところが、村人のマークの命を救えなかったことにより、村全体から、無視されるようになった。食料もない、お金もない、ソフィは仕方なく旅立った。冒険の旅に。

処理中です...