26 / 46
第24話~坑道の情事~
しおりを挟む「人間の女、名前は何と言う?」
「ア、アンジェです」
「よ、良い名だ」
アンジェの前に同じように座り込んだ蒼魔族の戦士は、優しい目でアンジェの顔を見つめると、頬に手を添えた。
「美しい」
「えっ?」
思わぬ言葉を囁かれ、アンジェは蒼魔族の戦士の顔を改めて見た。仄かに青い肌以外は、容姿は人間と変わりない。それどころか、切れ長の一重に、通った鼻筋は美青年と言えない事もなく、よく見ると思ったよりも幼い。ただ、鍛え上げられた鋼鉄のような肉体は魔族のものであったが、アンジェはその身体つきに目を奪われた。
「あ、あの……」
「俺の名はミスリア。蒼魔族の戦士だ」
そう言うと、ミスリアはアンジェに唇を重ねた。
その口づけは、ぎこちなく優しかった。戦士の手がアンジェの胸に触れる。しかし、すぐ手を離すと、手の平を見ながら、指を閉じたり開いたりを繰り返した。その挙動を不思議に思ったアンジェは、恐る恐る尋ねる。
「ど、どうしたの?」
先ほどのキスで、蒼魔族に対する恐怖心は若干和らいでいた。無理やり犯されると思っていたが、どうも勝手が違うようだ。
「人間の女とは、こうも柔らかいものなのか…」
戦士は再び、法衣の上からその胸を掴んだ。その力にアンジェが悲鳴を上げる。
「痛い!」
その声に反応して、すぐに戦士は手をひっこめた。
「す、すまん。その、どう触れてよいかわからなくて」
落ち着かない挙動と、先ほどのぎこちない口づけ。もしかしてと思い、アンジェは聞いた。
「もしかして、あなた。初めてなの?」
蒼魔族の戦士の青白い顔が、赤く染まる。
「そ、蒼魔族の男は、そう簡単に操を捨てたりはしないのだ! そ、それに俺はまだ、一人前の戦士として……」
わかりやすく狼狽える姿を見て、アンジェは頬が緩んだ。《萌芽》に注が アンジェは我慢できなくなり、戦士の股間に手を入れた。アンジェの指が直に触れると、ソレは硬くなっているのがわかった。というより、戦士のソレは、硬すぎた。
「な、なに……」
触れた感じ、形は人と何ら変わらなかった。大きさも規格外に大きいわけでもない。ただ、まったく違うのはその硬さだ。まるで鉄でできた棒のようだった。アンジェが思わず手を引く。戦士が立ち上がる。
「俺のは、変か?」
「そ、そんな事ないわ。少し驚いただけ」
欲望と好奇心がアンジェを大胆にする。戸惑う戦士の腰の衣服をアンジェが脱がす。されるがままの戦士は、少し恥ずかしそうだった。
アンジェは戦士のソレを両手で包み込み、ゆっくりと手を動かした。温かく柔らかな手に擦られると、戦士は目を閉じて、その快感に耐えた。その表情は、アンジェに新たな性癖を目覚めさせた。
(私、いけない事してる)
戦士の先端からは、青臭い匂いと共に、粘液が滲みでていた。アンジェはそれを舌先ですくった。
「うおっ!」
戦士が声をあげる。間髪いれず、アンジェがソレを口に含んだ。この数日で咥え込んだどのモノよりも、それは硬かった。
「すごい、硬い……」
咥えながら、この硬質の武器で身体を貫かれる事を想像すると、アンジェは下腹部に熱を感じた。
「だ、ダメだ。これ以上は」
アンジェが武器の根元を握りこむ。暴発しそうな武器が思いとどまった。
「まだ、イッちゃダメよ」
悪戯っぽく笑うと、アンジェも立ち上がり、自ら法衣を脱ぎ去った。
服の中に隠れていた魔王トカゲは、脱ぎ捨てられた法衣から頭を出して、アンジェに声を送った。
「なぜやめる。早くその魔族の魔力を吸いとってしまえ」
アンジェは魔王を一瞥すると首を横に振った。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
【完結・おまけ追加】期間限定の妻は夫にとろっとろに蕩けさせられて大変困惑しております
紬あおい
恋愛
病弱な妹リリスの代わりに嫁いだミルゼは、夫のラディアスと期間限定の夫婦となる。
二年後にはリリスと交代しなければならない。
そんなミルゼを閨で蕩かすラディアス。
普段も優しい良き夫に困惑を隠せないミルゼだった…
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される
clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。
状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる