🔴全話挿絵あり《堕胎告知》「オマエみたいなゴミ、産むんじゃなかった。」「テメェが勝手に産んだんだろ、ころすぞ。」🔵毎日更新18時‼️

ADPh.D.

文字の大きさ
67 / 190
第二章 藍と学校

63. 愛のお料理教室へようこそ! Welcome to the Love Cooking Class!

しおりを挟む


 「えー、まぁ、林間学校……というわけなんですけれども……えーまぁ、なんかこう、上手いことやってくれたらと思いますね、ハイ。

 まずは班に分かれて飯盒炊爨はんごうすいさんですね。その後に行軍練習、そして山の調査をしてもらい、自由時間ののち、就寝……ということで、まぁそんな感じですわ。よろしく~。

 あっ……!問題だけは起こさんようにね。学校とか他の先生とか教官が監督してるときなら、全然、問題を起こしてもらっても構わんのですけども、えぇー、まぁ今回の林間学校はボクが監督しているのでね。しかもなぜか一人で……これ嫌がらせか?ついにサボり散らかしてんのがバレたか……?暗に『お前教師辞めろ』っていう圧か?……どう思う?みんな?普通の最低でも4人ぐらいはよこすよねぇ?

 ……えーと、なんだっけ……まぁ、そんな感じで、ボクの責任になるのでぇ……ボクが監督している間だけはぁ……決して問題を起こさないように。とくに、ほらイケイケのグループとか……あと普段大人しいグループがこういうとこで変にはしゃいで後で死にたくなるのは……お約束ですからね……まぁ、楽しむのは楽しんでもろて……ハメだけははずさんようにね……え~じゃあスタート……ということで……じゃあね、ばいばい。」

 ◇◆◇



 フリフリと長いそでを振るナウチチェルカ先生。わたくしもフリフリとちいさく手を振り返すと、いつも微笑と共にちょっと長く手を振ってくれる。普段は何をするのも億劫おっくうがるのに、これには応じてくれる……ほんとうは生徒想いの先生なんだと思う。

 2人だけのいつもの習慣ルーティンみたいになっていた。……わたくしはこの時間がなんとなく好きだった。チェル先生もおんなじだといいなぁ……。

「アイちゃん様ー!行きますよ~!」

「あっ!はーい!」

 ◇◆◇

「えっーと。それじゃあ、お料理できる人いますかね?……あっ、わたくしは少しなら戦力になれると思います。……皆さんはどうですか?」

 遠慮がちに手を挙げる……流石に自信満々とはいかない。

「食べたことあるわ!!」



 ラアルさまが自信満々にいう。自信のある姿勢にすこし憧れていのはナイショだ。

「右に同じ。」



 かげろうが申し訳なさそうにいう。まぁ、そうだよね。おままごとでもいつもわたくしが料理する役だったし。

「平民なので!そこそこできますっ!」



 うんうん、アルちゃんはそうだよね。今度一緒にお菓子づくりに誘ってみよう。

「……。」

 腕を組んで黙り込んでいる最後の一人。
 
「……アナタは?なんとか言いなさいよ。」

 ◇◆◇

「……私は……アイちゃんの手料理を食べたことがある……。……私のためだけに作った……私の好物を。」



 あ~たしかに、はじめてはるひちゃんのお家にお邪魔したときに、ひまりさんにハンバーグの作り方を教わったなぁ……。なつかしい、あの頃みたいに……“なかよしな”に……もどれないかなぁ……?というなんでそんな話を――

「はるひ……お前、いい度胸だな……!その程度でマウントを取ったつもりか?俺はアイ様とおままごとで100回はご飯を作ってもらってるんだが?」

「ぷっ……しょせん、文字通り“オママゴト”じゃん……。に……あの至福の料理を味わったことがない人間は、あわれだなぁ……。」

「し、しふく……って、もうっ!はるひくんったら!やめてよみんなの前で!」

 恥ずかしくなってはるひくんの腕を叩いてしまう。

「アイ?おかしいわねぇ……?その言い方だと、“2人きりならいい”みたいに聞こえるんだけどぉ……?私の高貴なる勘違いかしら?」

「いや、そのとおりでしょ。アイちゃんは“私と2人きりのときはすごい”んだから……あっ!これナイショにしてって言われてたんだった、失敬失敬しっけいしっけい。」

 はるひくん、わざとらしー。

「料理じゃなくて毒を食らわせてやるわっ!」
ほのおを食らわせてやる……!」

 やばいっ!また一触即発いっしょくそくはつの空気だっ!

「はいはーい!みなさーん!落ち着いてくださーい!いちおー高貴なる身の上ですよねぇ?それに見合った振る舞いをしていただかないと、平民から尊敬されませんよー。みなさん?」

 手を大きく叩いて、アルちゃんがまとめてくれる。つ、つよい……!

 ◇◆◇

「ありがとうアルちゃん!じゃあ、わたくしとアルちゃんがお料理を担当するので、かげろーとラアルさま、はるひくんはまき集めと、食材を運んでもらいましょうかね?お願いしても……いいですか?」

「ちょっとアイ!なんで春日春日コイツと一緒なのよ!それにデイリーライフと2人きりは危険だわ!私もお料理班で!」

「……えっと、じゃあそのように。かげろー、はるひくん……お願いできる……?」

「アイ様のめいとあらばもちろん!」

「おっけ~、まぁ、めったにオネダリしないアイちゃんのお願いだしね~。」

 かげろうはお辞儀をして、はるひくんはヒラヒラと手を振って、歩いていく。

 ふぅ……色々あったけど、これでひとまずまとまったかな――

「――ちょっと!デイリーライフ!何ドサクサにまぎれてアイの隣に座ってるのよっ!そこは“将来を誓い合ったパートナー”である私の場所でしょ!?」

「はいー?アイたやの隣は“いちばんなかよしな親友”!!のアルターク・デイリーライフの席なんですけど~!てかパートナーとか妄想はやめてくださーい!」

 ――あぁ……よ……なぜ人は争うのか……。
 
 ◇◆◇

「アイちゃん様むっちゃ料理できるぢゃん!じゃんぢゃんじゃん!!そーいやこの娘初対面で“アルタークのお嫁さん検定”に満点合格してたわっ!!てか普段の弁当からクソうめぇから知ってたわ私!

 ファンタジアさま~?冷えてますか~?私アイてゃんにおかず分けてもらったことありまーす。うぇーいw」

 アルちゃんが肩を組んできてそれをラアルさまに見せつける。

「アルちゃん!なんであおるんですかぁ……!」

「アイ?“将来を誓い合った許婚いいなづけ”の私にはなんでまだ食べさせてくれてないのかしら?あっ!そういうことね?本命にいきなりは恥ずかしいのね?……そういう貴女の奥ゆかしいところもかわいらしいわ。

 “どーでもいい相手”で練習してね?それでもっとおいしく作れるようになってからってことよね?……私は春日春日かすがはるひとは違って甲斐性かいしょうがあるから、いつまでも待つわ。貴女のこころの準備がととのうまで……ね。」

 バチンとウインクつきだ。

「は……はぁ?……ありがとう……ございます……?」

「“許婚”って……どんどん妄想が進行しててこわいんですけど……。ってか!だれが“どーでもいいあいて”ですか!?だれが!こちとらぁ“いちばんの――」

「――アルちゃん!もうわかったから!……ふぅ、それにしてもアルちゃんもお料理ほんとうに上手ですねぇ……尊敬しちゃいます!」

「どぅへへ……そんなにホメるなホメるな。肯定されると、どこまでも調子に乗るから、この私!アルタークは!どう?“アイちゃん様の旦那さん検定”合格かな?かな?」

「ん~?……どこどこどこ……どんっ!合格ですっ!」

「「いぇーい!」」

「まぁ、元貴族とはいえ平民だしね~自分のことは自分でもやるクセがついてんのさ~!私とアイぴゃんがぁいればこの班のカレーが一番うまくできるね!」

「そうだねっ!」

「……。」

 ――ハッ!ラアルさまがうらやましそうにこちらを見ている――!

 ◇◆◇

「ラアルさま~?アルちゃんがとってもお料理ができるみたいなので~、それじゃあ、ラアルさまはわたくしと一緒にお料理しましょうね~?」

「する!アイと一緒にお料理!するわっ!この私の高貴なる包丁さばきに震えなさい!」

 座っているから私より低い位置になったラアル様の前にかがみ込んで、両手を握って目線を合わせて伝える。

「ん、ん~!あぶないから、ラアルさまは、今回は包丁を使うときはわたくしと一緒にやりましょうね~?」

「わかったわ!!」

「ギャーっ!私が料理できるばかりにー!私が生活力高すぎて!かわいすぎて!気遣いができるばっかりにー!“アイちゃん様の旦那さん検定”に満点合格したせいでぇぇえぇぇえ!!王女様にいいとこ取られたー!!わーん!」



 といいつつもシュバババッとすごい手際でお料理を進めるアルちゃん……やるな……!

 ◇◆◇

「は~い、じゃあラアルさまはこっちにきましょうね~!アイのお料理教室、開演ですっ!」



「は~いっ!」

「うわーんっ!!」 
しおりを挟む
感想 15

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【もうダメだ!】貧乏大学生、絶望から一気に成り上がる〜もし、無属性でFランクの俺が異文明の魔道兵器を担いでダンジョンに潜ったら〜

KEINO
ファンタジー
貧乏大学生の探索者はダンジョンに潜り、全てを覆す。 ~あらすじ~ 世界に突如出現した異次元空間「ダンジョン」。 そこから産出される魔石は人類に無限のエネルギーをもたらし、アーティファクトは魔法の力を授けた。 しかし、その恩恵は平等ではなかった。 富と力はダンジョン利権を牛耳る企業と、「属性適性」という特別な才能を持つ「選ばれし者」たちに独占され、世界は新たな格差社会へと変貌していた。 そんな歪んだ現代日本で、及川翔は「無属性」という最底辺の烙印を押された青年だった。 彼には魔法の才能も、富も、未来への希望もない。 あるのは、両親を失った二年前のダンジョン氾濫で、原因不明の昏睡状態に陥った最愛の妹、美咲を救うという、ただ一つの願いだけだった。 妹を治すため、彼は最先端の「魔力生体学」を学ぶが、学費と治療費という冷酷な現実が彼の行く手を阻む。 希望と絶望の狭間で、翔に残された道はただ一つ――危険なダンジョンに潜り、泥臭く魔石を稼ぐこと。 英雄とも呼べるようなSランク探索者が脚光を浴びる華やかな世界とは裏腹に、翔は今日も一人、薄暗いダンジョンの奥へと足を踏み入れる。 これは、神に選ばれなかった「持たざる者」が、絶望的な現実にもがきながら、たった一つの希望を掴むために抗い、やがて世界の真実と向き合う、戦いの物語。 彼の「無属性」の力が、世界を揺るがす光となることを、彼はまだ知らない。 テンプレのダンジョン物を書いてみたくなり、手を出しました。 SF味が増してくるのは結構先の予定です。 スローペースですが、しっかりと世界観を楽しんでもらえる作品になってると思います。 良かったら読んでください!

旧校舎の地下室

守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。

最強無敗の少年は影を従え全てを制す

ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。 産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。 カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。 しかし彼の力は生まれながらにして最強。 そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

MP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

1×∞(ワンバイエイト) 経験値1でレベルアップする俺は、最速で異世界最強になりました!

マツヤマユタカ
ファンタジー
23年5月22日にアルファポリス様より、拙著が出版されました!そのため改題しました。 今後ともよろしくお願いいたします! トラックに轢かれ、気づくと異世界の自然豊かな場所に一人いた少年、カズマ・ナカミチ。彼は事情がわからないまま、仕方なくそこでサバイバル生活を開始する。だが、未経験だった釣りや狩りは妙に上手くいった。その秘密は、レベル上げに必要な経験値にあった。実はカズマは、あらゆるスキルが経験値1でレベルアップするのだ。おかげで、何をやっても簡単にこなせて――。異世界爆速成長系ファンタジー、堂々開幕! タイトルの『1×∞』は『ワンバイエイト』と読みます。 男性向けHOTランキング1位!ファンタジー1位を獲得しました!【22/7/22】 そして『第15回ファンタジー小説大賞』において、奨励賞を受賞いたしました!【22/10/31】 アルファポリス様より出版されました!現在第四巻まで発売中です! コミカライズされました!公式漫画タブから見られます!【24/8/28】 マツヤマユタカ名義でTwitterやってます。 見てください。

処理中です...