異世界のネット廃人ミネルちゃん

吉高雅己

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始まりの異世界接続

アーテナイ姫 アーテナイ姫の1日

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 異世界転生した、うちは、アーテナイって名前の姫になっていた。つまり、今度の人生は生まれた時から職業姫ってことでFA。いやあ、キル報酬違うし。誰でも姫って言われたなら、それが地位と職業を表すって分かるじゃん。ピンポン! でも、当てたことにしたい。それが廃人ポリシー。
 
 姫の一日は規則正しい。否、うちはあがなう。それが廃人ポリシー。エナドナ下さい。コンビニないよね、自販機どこ、自販機探して旅にでるしかないか。そか、お姫様なんだから、誰かに命ずるって手もありなんじゃない。ううん、いつ命令しよう。5歳の姫の命令を聞くものなのかな。他のことで確かめてからがいいよね。ああ、自販機ってどうやって説明したらいいかな。そそ、エナジードリンクってあらためて説明しようって思うと意外と難しいよ。あれ、5歳児ってエナドナ飲んでも良かったっけ。だめかも、根本的な問題を解決しないと命令しても意味ないのか。

 朝に起きます。新鮮な気分。毎日、朝に起きる生活ってこういうものか。しかも、メイドさんが起こしてくれます。うちが朝に起きる時って、寝落ちしても遅刻しない時間に起きるために、起きていないとならない時間にセットしておいた目覚ましで起きた時ぐらいなもので。もうそこからは、怒涛どとうの身支度。まゆを引くの忘れたことあって、それから剃るの止めてる。前髪で隠しちゃえば、描かない分早いとかだった、ふう、つい数日前なんですけど、そそ、五歳に突然転生したのね、もう遠い昔の出来事みたいな、なんてね。
 起きたら、着替えです。家ではスエットよろしく、いつでもどこでも寝れたんだよね。もち、家着なんだから、寝るのに着替えないでしょ。着替えるんかい。うちは、そうしてたんだよ。こっちでも、そうだと思っていたんだけど、メイドさんが勝手に全部してくれるんだよね。ぜんぜん、全然うちは強制とかしてないんだよ、でも、してくれるの無下に断れないでしょ。貰えるものは貰ってしまえ、それが廃人ポリシー。
 そして食事です。意外と質素な、味のしない、素材風味そのままの料理が、数品。ポテチのケチャップ載せに、カップスープにコチジャン入れて、マヨご飯って、こてこて風味が恋しい。まあ、いつも朝は時間ないから、たまにしか食べなかったんだけどさ。どっちが体にいいんだろう。明らかに、前世の方が栄養価高いよね。そうでもないのかな。分かんない、分かりたくない。興味ないことは、調べもしないし、考えもしない、それが廃人ポリシー。

 それから、王様、お父様と過ごす。うちはぼうっとしてる。惚けてるわけじゃないんだけど、それが、いいみたい。あるいは、お勉強。
「このように、我が国は」
「先生、大先生」
「うほん。なにかな」
 なんでだあ、5歳の子にちょっと、大先生言われたぐらいで喜ぶか、このおじさん。まさか、ちょろい。なんかとってもちゃんとしてるし。姫の教育係ってそういうものなのかな。将来の宰相ってことかもね。だとしたら、こんなちょろくていいのか。更迭、なんちゃって、しないけどね。
「この教科書全部覚えるんですか」
「そうですよ、将来の女王様なんですから、全部どころか、これ以外にも覚えることがありますよ」
「うんとね、この教科書はいつまで」
「そうですね、この本で、あと2年程と思っています」
 まじ、薄い本なんだけど。だって、週刊誌の半分ぐらいしかないような。こんなの2年もかけるのか。その日集中したら、読み終わった。っていうか8回ぐらい読み返して、ほとんど覚えた。これで二年分の勉強は済んだから、てきとうにしてても、心置きなくネットゲーが出来るってことだよ。
 そして、また食事。毎日毎日、3回も食事するって、辛くない。苦行だと思うの。エナドナ一本。気になった時に飲み干す。必要なら重ね飲み。必要ないなら、ずーっと飲まない。それが普通だと思うんだけどな。これが身体維持における廃人クオリティ。それで死んじゃったってことは、身体維持出来てなかったのか自分。やれやれですね。今はメイドが気を付けてくれてるから大丈夫かも。ってことは、もぐもぐ3回は覚悟しないとならない。
 本当に面倒なので、急いで食べると、
「今日は、そんなにお腹がおすきでしたか。では、追加をお持ちいたします」
なんで、急いで食べたのに、食べたはずなのに、全然減ってないよ。うちはね、食べ物は粗末にしないの。だから、出されたものは食べる。食べる。食べます。いや、無理だから、どこまで追加する。
 しばらく後に分かったことだけど、うちが残しても、さすがに自分の皿の食べかけは無理としても、手をつけてないのとかは、メイドさんとか使用人で食べてくれてるんだって。早く言ってよね。その時期の自分は、確実に重量オーバーな身体バランスだったと思う。記憶にも留めないからいいんだけど。ぼうっとしてるか、部屋に閉じこもっているかだから、どんな身体バランスでも問題はないんだけどね。
 そういえば、姫剣士とか、キャラとしてなら素敵かも。そそ、お姫様が有名な紅の剣士とか、白銀の女剣士とかさ、でも、自分の体を酷使するんじゃね、それに、そんな練習してたら、ネット時間が減っちゃうじゃん。自分磨きなんてしてちゃだめよ、ネットキャラ育てられないじゃん。魔法使いも同じ。そりゃあ、なにもしなくても、うちは既に覚えている、みたいなことなっていて、すごい魔法を無造作にどんどん使えちゃうならいいけど、修行しないとならないでしょ多分。そんな時間あるなら、ネットキャラを育てないとさ。メインキャラは当然レベルカンストを目指して、メインと並行して、サブキャラも育てる。いくら時間あっても足りないんだよ。
 他の人はどうしてるのかな。やっぱり同じIDキャラを2人でチームになって、12時間交代で運用するっていうのが一番効果的なのかな。そんなやつらに負けるな自分。うちは一人で、長時間プレイで克服してやる。って、そういえば、こっちの世界で、こんなことしてるのってうち一人だけだった。勝ったな。生まれた時から勝利が保証されてるよ、すごいじゃん自分、やったね自分、うちのストイックさが認められてる世界ってことよね、最高じゃん。
 そそ、メイドさんになされるがままに、食事やらなんやら、隙を見つけて、部屋に籠ってネット接続。ベッドに寝かせられても、すぐに起き出して、部屋に籠って、結局、寝落ち。でも大丈夫、気づけばちゃんとベッドの中って、夢のような生活になっていたのだった。
 
 メインキャラ、ミネルを作成すると「チュートリアルを開始します」って、どうやってリアル世界をチュートリアルにしたの。女神様凄すぎ。うちもなんだか頭の中がバグってきた気がする。
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