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神ちゃま - お賽銭
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すっかりおそくなっちゃった。朝に話したのにさ。
「ちょっと怖い、部活の帰り」
「学校近いんだから大丈夫だって。そうね、男子が寄ってくる」
「うん、そうかも」
「なら、変な髪形にしたらいいでしょ。ほら、おかっぱなんてどう。誰も相手にしなくなるわよ」
「いやあ、友達が笑う」
「笑わしとけばいいのよ。どうせ卒業したらもう会わなくなるから」
「まだ3年もあるでしょ」
「すぐだって」
「ねえ、お母さん送り迎え、帰りだけでいいの、迎えに来て」
「どこのお嬢様よ。気にすることないってお母さんに似てるんだから、誰も寄ってこないって」
お母さんのバカ。さっきから、なんかつけられみたいだし。
段差につまづいた。
なんで、わたしったら若いよ、ぴょんぴょんの少女だよ。つまづくかよ普通。
「痛ったあ」
膝が擦りむけてるよ。そして、きた。
「大丈夫ですか」
なんだ女の子。って、すごく変なんだけど。子犬ぐらいの大きさの巫女姿の女の子。ありえない。
「はあ?」
「私は神様です」
いやあ、いきなりそう言われても。痛いし。
「神ちゃま、ちっちゃい」
「それは、ほっといて」
神ちゃまでも機嫌悪くするんだ。神の祟りとかかな。いや、いや、神って祟らないんじゃない。
「痛い」
「私は、なんでも望みを叶えてあげられるので、その傷直しましょう。そして、今日は特別サービス、望みも叶えてあげましょう」
すごいドヤ顔なんだけど。
「そんなこと出来るの」
「できます。ただし、その前に、お賽銭を下さい」
なにこれ、新手の詐欺かな。寸借詐欺ならぬ、お賽銭詐欺。罰当たりだよ。
「このキャリーバッグをお金でいっぱいにしてくれる。そんなこと出来るの」
「もちろん」
ならいいか。お賽銭って硬貨を投げるんだったか。財布に入っていた小銭を全部渡した。神ちゃま満足そう。何かの印を組む。
「あらタマ、あらシロ。あらクロ、あらミケ。あらチャトラ」
「なにそれ」
「言ってみただけ。雰囲気出るかと思って。あなたの望みは叶えられました」
傷、全然治ってないんだけど。お金も入ってない。怪訝そうにみてると、なんか神ちゃま慌てだした。
「これ返します」
渡した賽銭返された。詐欺ではないってことかな。そして、ささっといなくなった。
なにやら、神ちゃまの心のつぶやきが聞こえた。
「おかしい。賽銭まで渡した相手のこと、全然信じてないの。
お賽銭って行動が信じてる証となるって思ったのにさ。
私は神様だって言ってるのに、賽銭まで出したくせに、どうして信じてくれないかな。
信じてさえくれれば、私は神の力が使えたのに。
まっ渡された賽銭も320円だったから、信じてなかったってことか」
「ちょっと怖い、部活の帰り」
「学校近いんだから大丈夫だって。そうね、男子が寄ってくる」
「うん、そうかも」
「なら、変な髪形にしたらいいでしょ。ほら、おかっぱなんてどう。誰も相手にしなくなるわよ」
「いやあ、友達が笑う」
「笑わしとけばいいのよ。どうせ卒業したらもう会わなくなるから」
「まだ3年もあるでしょ」
「すぐだって」
「ねえ、お母さん送り迎え、帰りだけでいいの、迎えに来て」
「どこのお嬢様よ。気にすることないってお母さんに似てるんだから、誰も寄ってこないって」
お母さんのバカ。さっきから、なんかつけられみたいだし。
段差につまづいた。
なんで、わたしったら若いよ、ぴょんぴょんの少女だよ。つまづくかよ普通。
「痛ったあ」
膝が擦りむけてるよ。そして、きた。
「大丈夫ですか」
なんだ女の子。って、すごく変なんだけど。子犬ぐらいの大きさの巫女姿の女の子。ありえない。
「はあ?」
「私は神様です」
いやあ、いきなりそう言われても。痛いし。
「神ちゃま、ちっちゃい」
「それは、ほっといて」
神ちゃまでも機嫌悪くするんだ。神の祟りとかかな。いや、いや、神って祟らないんじゃない。
「痛い」
「私は、なんでも望みを叶えてあげられるので、その傷直しましょう。そして、今日は特別サービス、望みも叶えてあげましょう」
すごいドヤ顔なんだけど。
「そんなこと出来るの」
「できます。ただし、その前に、お賽銭を下さい」
なにこれ、新手の詐欺かな。寸借詐欺ならぬ、お賽銭詐欺。罰当たりだよ。
「このキャリーバッグをお金でいっぱいにしてくれる。そんなこと出来るの」
「もちろん」
ならいいか。お賽銭って硬貨を投げるんだったか。財布に入っていた小銭を全部渡した。神ちゃま満足そう。何かの印を組む。
「あらタマ、あらシロ。あらクロ、あらミケ。あらチャトラ」
「なにそれ」
「言ってみただけ。雰囲気出るかと思って。あなたの望みは叶えられました」
傷、全然治ってないんだけど。お金も入ってない。怪訝そうにみてると、なんか神ちゃま慌てだした。
「これ返します」
渡した賽銭返された。詐欺ではないってことかな。そして、ささっといなくなった。
なにやら、神ちゃまの心のつぶやきが聞こえた。
「おかしい。賽銭まで渡した相手のこと、全然信じてないの。
お賽銭って行動が信じてる証となるって思ったのにさ。
私は神様だって言ってるのに、賽銭まで出したくせに、どうして信じてくれないかな。
信じてさえくれれば、私は神の力が使えたのに。
まっ渡された賽銭も320円だったから、信じてなかったってことか」
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