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2 日射病
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昭和四十二年八月七日午前九時、山間の町・光清町。
小さいながらも栄えた町には木造家屋が軒を連ねる所や、石畳の大通りの沿いには商店や民宿、旅館、料亭などが建ち並ぶ。
町から出ると田畑があちこちにあり、今は田んぼの苗も青々と茂っている。
羊皮紙の指示書に記された文面を頼りに、憂志郎は光清町青木地区を歩いている。指示書には条件を達成しなければならない居候先が記されていた。
“一つ、八月七日午前九時二十三分、青木地区三番地三叉路にて少女介抱。一つ、八月七日午前九時三十一分、青木地区五番地空き地にて婦人負傷”
指示書の問題を解決すれば寝泊まりできる場を得られる。とどのつまり調査がはかどるのに直結するものだ。
指示を放棄しても構わないが、その場合は野宿か自分で宿場を探さなければならず、無駄な出費は後で経理課から大いに叱責を食らう羽目になる。
夏場の野宿は虫が多く、田舎町の宿場での長期宿泊は変な目で見られる危険が高い。過去に不審者扱いされて痛い目をみた憂志郎は、それ以降指示書に従ってばかりだ。
それぞれの条件の最後に、行き着く居候先が記されている。
(……こっちのほうがいいな)
選ぶまでもなく憂志郎は条件を選び現場へ向かった。
(昭和四十二年夏かぁ。西日本では豪雨災害があったがこの辺では特になし。周りの町では求人増加が著しく、こんな田舎町だと余所に行くわな。とりわけ東京へ出稼ぎに行くヤツも多かっただろう)
思いつつ、一枚の資料を読む。そこには光清町の歴史が記されていた。
(昭和、平成中期までは光清町も住民が多く町も栄えていたものの、平成初期から若者の田舎離れが徐々に進み二〇〇二年には著しい人口減少問題が課題となる。後の台風被害、追い打ちの豪雨災害で町が壊滅状態。やがて無くなる町、かぁ)
頭の中でバブル経済崩壊が人口減少の引き金だと結び点ける。
思考の最中、憂志郎は三番地の三叉路へと訪れた。懐中時計を見るとまだ時間があるので脇道の日陰に腰かけ煙草をふかした。
(暑いなぁ……けどまあ、昭和のまだマシな暑さかぁ)
煙草の灰を路肩に落とす。
未来では八月に三十六、七度が当たり前。”猛暑”、”熱中症”などの言葉が毎夏使われている。
どうあれ、どの時代の夏でも蝉の鳴き声は五月蠅く感じる。これを夏の風物詩と捉え風情があると嘯く者もいるが、日々の仕事に追われる者は暑さを増長させる騒音だ。夏を好まない憂志郎も、苛立ちを煽る騒音と感じている。
条件とされる少女が現われるまでの間、事件に遭う男性の資料に目を通した。
沖島郷三郎四十二歳、沖島製造の二代目社長。
二十歳から沖島製造の社員として働くも、社長の息子ということで一般社員とは違い優遇されてきた。とはいえ勉学を怠ることなく励み、その甲斐あって経営手腕が大いに活かされる。
(この面でまあまあやるんだな)
偏見で憂志郎は見てしまう程、郷三郎の顔は悪人面と言える強面で目つきが悪い。加えて、屈強を体現した大柄な体躯が貫禄を見せつける。
郷三郎は会社の知名度を上げる為、政府との邪な繋がりも抜かりなかった。
賄賂、増収、選挙における票稼ぎ。明るみに出ればすんなりと警察沙汰となってしまう悪行も先代から引き継いでいるものだが、本人は悪びれも躊躇いもなく大いに幅を利かせていった。裏社会で郷三郎の名を知らない者はいないほどに。
(そんな悪代官殿は、八月十四日、かぁ……)
八月十四日午前六時十分、朝のラジオ体操へ向かう老爺と孫娘が通りの脇道で沖島郷三郎の遺体を発見。
遺体の頭部には鈍器で一発殴られた跡があり、出刃包丁による背中からの刺し傷が二箇所、内一つが心臓まで到達していた。
(即死、だわな)
検死結果から死亡時刻は午後十一時から午前一時の間。一度目は急所を外し二度目の刺し傷が心臓を貫き死亡。
夜間に背後から襲われたとあるが、なぜ郷三郎がその時間に一人でいたのかは不明。
現場には二人分の草履の足跡があり複数犯とされ、体重八十五㎏もある郷三郎を余所で殺し運んだ線も浮上し、最後に確認された時間帯と検死結果の時間帯も踏まえて鑑み、近場で殺害されて運ばれた計画的犯行だとされる。
(足跡二つなら二人。偽装工作したと考えても、よっぽどの怪力じゃない限り単独犯ではないな。現場近くの屋内で殺されて運ばれた……、現場見てからじゃないと早計か)
必ずしも報告文が正解ではない。調査に当たる者は報告書に記される情報を鵜呑みにしてはならないと、憂志郎は先輩達から教わり、長年の経験からそれはなかった。
郷三郎への殺害動機がある容疑者は、八月十四日時点で光清町に八名。全てが青木地区の住民。内五名が料亭【松栄屋】の関係者である。
容疑者八名の資料を見ようとすると、視界の端に何か動くものが映り、そちらを向いた。すると、青いスカートに白いシャツ姿の、背格好から中学生ぐらいの少女が木柵に凭れて座っていた。掲示板の影になるところである。
資料閲覧に感けすぎて気づかなかったが、懐中時計を見ると九時二十五分になっていた。
「あっぶねぇ」
急いで立ち上がると、意識が朦朧とする少女の元へと歩み寄った。
「君、大丈夫?」
声に気づいて見上げる少女は汗だくで、表情はやや呆け、目もうつろ。
憂志郎は「失礼」と言って少女の額に手を当てると、熱があるのを感じた。
「熱……日射病か?」ついつい“熱中症”と言いそうになるのを訂正した。
「おぶっていこう、家は何処だ?」
「……松、栄屋」
弱々しい声だが聞き取れた。地図を見るとあまり遠くないのは有り難くあった。
◇
「え? 晴ちゃん?!」
松栄屋近くの自動販売機前で、頭に白タオルを巻き、半袖シャツにジーパン姿の青年・広岡清太に声をかけられた。
「お知り合いですか?」
「ええ。すぐそこの娘さん」
「日射病かと。失礼ですがお兄さんで?」
「いえ、俺は知り合いで。とにかく」
言いつつ松栄屋を指さし、先に入ると女将さんの名を呼んだ。
「――どうしたの晴子!?」
松栄屋へ入るや、駆けつけた女将の沢木ヨネが血相を変えた。
「おそらくは日射病かと」
ヨネの声に反応して現われた男性、沢木源一が続く。格好から調理場の主人だ。
「貴方、早く平井先生をお願い」
ヨネの指示により、源一は走って出て行った。
「じゃあ、俺、晴ちゃん運ぶの替わります」
清太は晴子を担ぎ、ヨネの指示で居間へと向かう。最中、膨よかな体型をした女性従業員・鈴木市子が事情を聞き、布団を敷きに走る。
残された憂志郎へヨネが深々と頭を下げて感謝した。
「ありがとうございます。お忙しいところを」
「いえいえ、偶然通りかかっただけで、娘さんは運が良かっただけですよ」
「それより、何か急いでいらしたのでは?」
「ちょいっと、調べ事を。それでこの町にお盆時期までいるので宿か仮住まい出来る所を探していて」
話の最中、「戻ったぞ!」と源一の声が響いた。
暑い中走ってきたのだろう。平井医師も源一も呼吸を乱していた。
「す、少し休ませてくれ」
「しっかりしてくれ先生! 娘が死にかけてるんだ!」
大袈裟に叫ぶ源一を、足早に歩み寄るヨネが制止し、市子に麦茶を入れてくるように命じた。
医者は上がり框で落ち着き、渡された麦茶を一気に飲み干し、ようやく晴子の元へと向かう。
源一の過剰な心配は「寝不足と日射病ですな」の診断結果で杞憂に終わった。
落ち着いた晴子から事情を聞くと、友達と盛り上がった怪談話を想像して怖くなって眠れず、徹夜で漫画を読んだ。前日も寝付きが悪く、朝早くに目を覚ました状態なので、今朝の寝不足は二日分が祟ってしまった結果だ。
「もう、驚かさないでよ」
ヨネは寿命が縮まった思いで深く溜息をついた。
「けど良かった。偶然あの人が通りかからなかったらどうなることか」
清太の言葉に市子も頷いて同意する。
一方の源一は落ち着いた晴子へ声を荒げた。
「馬鹿野郎! 幽霊の何が怖いんだ!」
その点を怒鳴ることなのかと憂志郎は密かに思うも、静観に徹する。
「だって、”誘いトンネル”、怖かったんだから」
「何がトンネルだ!」
「そうよ、トンネルなんて……ん?」
ヨネは何かに気づいた。
「あなた、緑山のトンネル行ったの?」
緑山とは緑山地区。青木地区の隣の地区に当たる。
「行ってないもん。トンネルの前まで」
ほぼ自白。ヨネは呆れたと言わんばかりの落胆ぶりだ。
「あのトンネル周辺は危ないから行くなって言ってるでしょ!」
この後、晴子がどれほど言い訳を口にしようが、ヨネと源一が揃って説教するに至ってしまう。
子供の説教現場に居づらくなる、三人は部屋を後にし、市子に客間へ案内された。
小さいながらも栄えた町には木造家屋が軒を連ねる所や、石畳の大通りの沿いには商店や民宿、旅館、料亭などが建ち並ぶ。
町から出ると田畑があちこちにあり、今は田んぼの苗も青々と茂っている。
羊皮紙の指示書に記された文面を頼りに、憂志郎は光清町青木地区を歩いている。指示書には条件を達成しなければならない居候先が記されていた。
“一つ、八月七日午前九時二十三分、青木地区三番地三叉路にて少女介抱。一つ、八月七日午前九時三十一分、青木地区五番地空き地にて婦人負傷”
指示書の問題を解決すれば寝泊まりできる場を得られる。とどのつまり調査がはかどるのに直結するものだ。
指示を放棄しても構わないが、その場合は野宿か自分で宿場を探さなければならず、無駄な出費は後で経理課から大いに叱責を食らう羽目になる。
夏場の野宿は虫が多く、田舎町の宿場での長期宿泊は変な目で見られる危険が高い。過去に不審者扱いされて痛い目をみた憂志郎は、それ以降指示書に従ってばかりだ。
それぞれの条件の最後に、行き着く居候先が記されている。
(……こっちのほうがいいな)
選ぶまでもなく憂志郎は条件を選び現場へ向かった。
(昭和四十二年夏かぁ。西日本では豪雨災害があったがこの辺では特になし。周りの町では求人増加が著しく、こんな田舎町だと余所に行くわな。とりわけ東京へ出稼ぎに行くヤツも多かっただろう)
思いつつ、一枚の資料を読む。そこには光清町の歴史が記されていた。
(昭和、平成中期までは光清町も住民が多く町も栄えていたものの、平成初期から若者の田舎離れが徐々に進み二〇〇二年には著しい人口減少問題が課題となる。後の台風被害、追い打ちの豪雨災害で町が壊滅状態。やがて無くなる町、かぁ)
頭の中でバブル経済崩壊が人口減少の引き金だと結び点ける。
思考の最中、憂志郎は三番地の三叉路へと訪れた。懐中時計を見るとまだ時間があるので脇道の日陰に腰かけ煙草をふかした。
(暑いなぁ……けどまあ、昭和のまだマシな暑さかぁ)
煙草の灰を路肩に落とす。
未来では八月に三十六、七度が当たり前。”猛暑”、”熱中症”などの言葉が毎夏使われている。
どうあれ、どの時代の夏でも蝉の鳴き声は五月蠅く感じる。これを夏の風物詩と捉え風情があると嘯く者もいるが、日々の仕事に追われる者は暑さを増長させる騒音だ。夏を好まない憂志郎も、苛立ちを煽る騒音と感じている。
条件とされる少女が現われるまでの間、事件に遭う男性の資料に目を通した。
沖島郷三郎四十二歳、沖島製造の二代目社長。
二十歳から沖島製造の社員として働くも、社長の息子ということで一般社員とは違い優遇されてきた。とはいえ勉学を怠ることなく励み、その甲斐あって経営手腕が大いに活かされる。
(この面でまあまあやるんだな)
偏見で憂志郎は見てしまう程、郷三郎の顔は悪人面と言える強面で目つきが悪い。加えて、屈強を体現した大柄な体躯が貫禄を見せつける。
郷三郎は会社の知名度を上げる為、政府との邪な繋がりも抜かりなかった。
賄賂、増収、選挙における票稼ぎ。明るみに出ればすんなりと警察沙汰となってしまう悪行も先代から引き継いでいるものだが、本人は悪びれも躊躇いもなく大いに幅を利かせていった。裏社会で郷三郎の名を知らない者はいないほどに。
(そんな悪代官殿は、八月十四日、かぁ……)
八月十四日午前六時十分、朝のラジオ体操へ向かう老爺と孫娘が通りの脇道で沖島郷三郎の遺体を発見。
遺体の頭部には鈍器で一発殴られた跡があり、出刃包丁による背中からの刺し傷が二箇所、内一つが心臓まで到達していた。
(即死、だわな)
検死結果から死亡時刻は午後十一時から午前一時の間。一度目は急所を外し二度目の刺し傷が心臓を貫き死亡。
夜間に背後から襲われたとあるが、なぜ郷三郎がその時間に一人でいたのかは不明。
現場には二人分の草履の足跡があり複数犯とされ、体重八十五㎏もある郷三郎を余所で殺し運んだ線も浮上し、最後に確認された時間帯と検死結果の時間帯も踏まえて鑑み、近場で殺害されて運ばれた計画的犯行だとされる。
(足跡二つなら二人。偽装工作したと考えても、よっぽどの怪力じゃない限り単独犯ではないな。現場近くの屋内で殺されて運ばれた……、現場見てからじゃないと早計か)
必ずしも報告文が正解ではない。調査に当たる者は報告書に記される情報を鵜呑みにしてはならないと、憂志郎は先輩達から教わり、長年の経験からそれはなかった。
郷三郎への殺害動機がある容疑者は、八月十四日時点で光清町に八名。全てが青木地区の住民。内五名が料亭【松栄屋】の関係者である。
容疑者八名の資料を見ようとすると、視界の端に何か動くものが映り、そちらを向いた。すると、青いスカートに白いシャツ姿の、背格好から中学生ぐらいの少女が木柵に凭れて座っていた。掲示板の影になるところである。
資料閲覧に感けすぎて気づかなかったが、懐中時計を見ると九時二十五分になっていた。
「あっぶねぇ」
急いで立ち上がると、意識が朦朧とする少女の元へと歩み寄った。
「君、大丈夫?」
声に気づいて見上げる少女は汗だくで、表情はやや呆け、目もうつろ。
憂志郎は「失礼」と言って少女の額に手を当てると、熱があるのを感じた。
「熱……日射病か?」ついつい“熱中症”と言いそうになるのを訂正した。
「おぶっていこう、家は何処だ?」
「……松、栄屋」
弱々しい声だが聞き取れた。地図を見るとあまり遠くないのは有り難くあった。
◇
「え? 晴ちゃん?!」
松栄屋近くの自動販売機前で、頭に白タオルを巻き、半袖シャツにジーパン姿の青年・広岡清太に声をかけられた。
「お知り合いですか?」
「ええ。すぐそこの娘さん」
「日射病かと。失礼ですがお兄さんで?」
「いえ、俺は知り合いで。とにかく」
言いつつ松栄屋を指さし、先に入ると女将さんの名を呼んだ。
「――どうしたの晴子!?」
松栄屋へ入るや、駆けつけた女将の沢木ヨネが血相を変えた。
「おそらくは日射病かと」
ヨネの声に反応して現われた男性、沢木源一が続く。格好から調理場の主人だ。
「貴方、早く平井先生をお願い」
ヨネの指示により、源一は走って出て行った。
「じゃあ、俺、晴ちゃん運ぶの替わります」
清太は晴子を担ぎ、ヨネの指示で居間へと向かう。最中、膨よかな体型をした女性従業員・鈴木市子が事情を聞き、布団を敷きに走る。
残された憂志郎へヨネが深々と頭を下げて感謝した。
「ありがとうございます。お忙しいところを」
「いえいえ、偶然通りかかっただけで、娘さんは運が良かっただけですよ」
「それより、何か急いでいらしたのでは?」
「ちょいっと、調べ事を。それでこの町にお盆時期までいるので宿か仮住まい出来る所を探していて」
話の最中、「戻ったぞ!」と源一の声が響いた。
暑い中走ってきたのだろう。平井医師も源一も呼吸を乱していた。
「す、少し休ませてくれ」
「しっかりしてくれ先生! 娘が死にかけてるんだ!」
大袈裟に叫ぶ源一を、足早に歩み寄るヨネが制止し、市子に麦茶を入れてくるように命じた。
医者は上がり框で落ち着き、渡された麦茶を一気に飲み干し、ようやく晴子の元へと向かう。
源一の過剰な心配は「寝不足と日射病ですな」の診断結果で杞憂に終わった。
落ち着いた晴子から事情を聞くと、友達と盛り上がった怪談話を想像して怖くなって眠れず、徹夜で漫画を読んだ。前日も寝付きが悪く、朝早くに目を覚ました状態なので、今朝の寝不足は二日分が祟ってしまった結果だ。
「もう、驚かさないでよ」
ヨネは寿命が縮まった思いで深く溜息をついた。
「けど良かった。偶然あの人が通りかからなかったらどうなることか」
清太の言葉に市子も頷いて同意する。
一方の源一は落ち着いた晴子へ声を荒げた。
「馬鹿野郎! 幽霊の何が怖いんだ!」
その点を怒鳴ることなのかと憂志郎は密かに思うも、静観に徹する。
「だって、”誘いトンネル”、怖かったんだから」
「何がトンネルだ!」
「そうよ、トンネルなんて……ん?」
ヨネは何かに気づいた。
「あなた、緑山のトンネル行ったの?」
緑山とは緑山地区。青木地区の隣の地区に当たる。
「行ってないもん。トンネルの前まで」
ほぼ自白。ヨネは呆れたと言わんばかりの落胆ぶりだ。
「あのトンネル周辺は危ないから行くなって言ってるでしょ!」
この後、晴子がどれほど言い訳を口にしようが、ヨネと源一が揃って説教するに至ってしまう。
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