時々青春、時々昼ドラ

ジョー

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ep.4~ピュアピュア修学旅行~

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【佐々木翔 視点】

今日は待ちにまった修学旅行当日だ!
俺らは北海道から飛行機に乗り
京都へと来ている。

俺と孝介を含む6人の男子グループは
あまり行きたいところもなかったんで
よく言われる観光名所をとりあえず回っている。


『俺らのメインは明日のUSGだけだなw』

日本二大テーマパークと呼ばれるUSGに明日はいくのだ!

孝介『まぁ、今日は今日で俺は楽しいけどな』

同じグループの江崎、宇山、大谷、石澤も
そうだな~というような相槌をそれぞれがうった。


USGがメイン。口ではそう言ったが
俺の本心はもちろん違う。


『孝介、孝介!ちょいちょい!』
小声で孝介を呼びつけ、みんなの少し後ろを歩く。

孝介『なんだよ、翔』

『俺のメインは別なんですが、その辺は準備万端すか、、?』

孝介『あー、告白?』

『ばっ!バカ!声がでけえ!』

孝介『お前の方がでけえよw とりあえずメイリちゃんとは話ついてるよ』

『さっすが!本当に頼みます!』

孝介『まぁ、後はお前次第だな』


そう。俺は今日の夜、ホテルでみすずに告白をするのだ。正直、今からそのことしか考えれない。

だがその前にこのグループ研修中にやりたいことがある。


『ここだ!ついた!』
有名な京都のお寺さんについた。

江崎『なんか翔、急にテンション高くない?』
宇崎『こんな寺、別になんもないだろ』

確かに、今まで回ってきた寺と見た目は変わらない。
でも違うんだなあ。
俺はここにだけは目的がある。


『この寺、恋みくじが有名なんだよ!』

このグループは皆、あまり恋愛などに興味を示さない。みんな微妙な反応。

孝介が、呆れ半分、ニヤケ半分話し始めた。

孝介『相変わらずすぎでしょwもしあれならみんな先どっか見ててよ。俺、翔に付き合ってくるわ。』

さすが孝介だ。
こいつは神なのか。空気読めすぎだろ。

『孝介さん!神!いこっいこっ!』


少し長めの階段を登り
恋みくじとお参りをする岩?みたいなものが見えた。


『はぁ。。めっちゃ疲れた。。』


階段が長すぎる。
一旦膝に手をついてしまって、顔をあげる気力がない。

孝介『え?』
急に孝介が足を止めて声をあげた

『え?なに、どうしたの』

顔あげると、予想外の光景だ。
時が止まる。


『え。。』
孝介『だよな?』


お祈りをする岩の前に
みすずとメイリが立っている。

しかも、みすずは岩に向かって手を合わせ目を瞑っている。

ダメだ。完全にお参りするきが失せた。
とりあえず、踵をかえし、階段を降りる。


『まじかよ。』
孝介『びびったな。まさかいるとわ。』

『問題はそこじゃないんだよ~!』
孝介『ああ。完全に祈ってたもんな』

『そこよ!そこ!』
孝介『お前のことを祈ってた可能性は?』

『正直言うと、ほぼ間違いなくないね。。』
孝介『そうか。。』


とりあえず、他のみんなはちょっと先まで行っちゃったらしいから合流しよう。。


孝介『ちなみに、なんで自分じゃないって思うの?』


今の俺は完全に魂抜けた顔をしているはずだ。
気をつかったのか、無言が嫌だったのか、孝介が話し出す。


『うーん。なんとなくだけど。まず、向こうは俺の好意すら気付いてないと思うよ。』

孝介『そういや、そんなこと言ってたな。』
『うん。』


俺は毎日のように話しかけてるし、
優しいとこも見せてるはず?
なんだけどな。
手応えは相変わらずないんだ。


孝介『で?告白はすんの?』

『それはするよ!なんかもうここまで考えて悩んだのに、そのままの方が嫌だもん。ダメならダメでいいよもう。』

孝介『勇気出したな。やけくそ感もあるけどw』

翔『まぁな。孝介にも協力してもらったし、やり抜くよ』

孝介『そかそか。』


やけくそでも別にいいやい!


そんなこんななうちに
告白の時間が近づいてきた。
    
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