9 / 22
♯8
しおりを挟む
――数刻前
『しまった。エリュスと戦友をおいてきた』
うしろを見たテュータは、しんとしずまりかえったおしろでまいごになっていたことをエリュスと戦友とはぐれてだいぶ経ってからきがついた。
『……でも、まっすぐすすめば、まおー、ぜったいにいる』
テュータはエリュスと戦友のことをいっかいわすれて、まえに行く。
すると遠くから
『グオオ゛オ゛オ゛ア゛ア゛ア゛ア゛!!』
『うおああぃっ!?』
おおきな叫びごえが聞こえて、いそいで耳をふさいだ。びっくりした……。
『びっくりした、けど、みつけた。まおー』
ふさぐためにつかっていたてを耳から放して、声のしたほーをみる。すこしとびらがあいていて、そこから光がちょっとみえてた。おへやにいるんだ、まおー。
『不味い……。どれも良い状態の肉じゃないなァ……。腹が立つ……』
ひかりがみえるへやからひくい声が聞こえる。さっきの叫びごえのこえといっしょだ。
(ごはんだったのかまおー。けれど、おいしくないのか。エリュスのオムオムは美味しいんだよ。知らせてあげたいくらい。ぉう? 肉?)
まおーがごはんにしていたのは肉だけど、おへやからもれてるにおいはケモノの血のにおいじゃない。おへやのとびらのまえにいっぱい落ちてるのは、ぜったいにんげんのもの。人間食べるまおー……。
(たちがわるい)
テュータこのまおー、ぜったいたおす。このまおーきらい。テュータてきに。
そっと扉に近づいた。
パキッ。
あ。しまった。落ちてたなにか踏んじゃった。
『ん? 誰かいんのか? 人間なら口直しに喰べてやるか……』
どうしよー。テュータ、たべられちゃう。テュータ、ろくさいでしんじゃう……?
(エリュス……!)
ギイィィ。とびらが開いた。ピンチ。もう、だめ?
『なんだガキか。ッチ! ガキはまだ体がまだできてねぇから肉の量が少ねぇんだよ』
『…………』
かちん。テュータあたまにきた。こいつ、すぐにオムオムみたいに、たまごとごはんとがバラバラみたいにして、すくらんぶるえっぐみたいにぐちゃぐちゃにしてやる。
テュータのおててをぱんってする。
《まのーりょくかいほーっ!》
テュータの足元にまほーじんしゅつげん。
《アンバレストコード 起動 ソードを排出します》
ぱんとあわせたおててをそーっと放していく。テュータのおててにおおきなソードしゅつげん。ちいさいおててにおおきいソード。ぎゅっとにぎりしめ、まおーをおどろかせる。
『なっなんなんだこのガキはっ! なんで手から剣なんて出るんだよ!』
まおー、そうていがいでおどろいてる。あせっていろんなものふんでる。
あひゃー、おへやににげこんじゃった。
『なんでって、しりたい?』
おへやににげたまおーをおって、テュータもおへやにはいる。
おへやのなか血のにおいでいっぱい。いろんなところに人間のにくのかけらが飛び散ってる。うでとか、あしとか、ゆびとか――……。あさに食べたすくらんぶるえっぐのせぱんが、おくちからでてきそう。おえー。
……いけない。そんなこといってられない。テュータのもってるソードがいまかいまかって、ひかりをまとって使われるのを待ってる。
《キュイィィン》きどうおんがおへやに響く。
『テュータうまれたころからせんとうりょく無限でね』
テュータがすすむと、まおーがひきさがって、
『なにしてもいろんなものこわしちゃって、いろんなひとから怒られたの』
テュータがはなすと、まおーがだまって、
『けどね、もうちがうんだ』
ソードをもつてに、しぜんと力が入って、ぎしぎし、ぎしぎしいう。
『テュータ、みとめられた気がして、うれしかったの。エリュスとであって』
あれ。テュータ、怖くないな。むしろ、
『テュータは、テュータのままでいいって、言ってくれてる気がしたんだ。エリュスと過ごして』
むしろ、わくわくしてる。
『わかったんだ。テュータは、テュータは』
おおきくソードを振りかぶって、そして。
『さいきょーのまま、せかいを救うことが、テュータのしめいだって』
叫ぶまおーの声を聞いて、なんとも思わない。さっきのこわいきもちがなくなってる。
まおーの首にソードを思いっきり振り下ろす。
どばしゅっておとといっしょに、まおーの首がじめんにおちた。そのままごろんごろんところがってく。
ソードからてをはなす。まばたきのあいだに、ソードはひかりになって消えていった。
首がとんでいったのといっしょに、まおーの血うけちゃった。ばっちい。
『んしょ。ょいしょ。うえー。ばっちい』
首がころがっていったほうまで行って、まおーの首をもちあげたら、てにもあしにも、まっしろなふくにもまっかなものが……。
エリュスになんて言おう。ケチャップじゃごまかせないよな……。すっごいにおいするから。
きっと、いっぱい怒られる。……けど……。
ポンコツだけど、エリュスは……。
『いちばん、やさしい、いいひとだから、おこられても、怖くないや』
……とぅーびーこんてにゅーっ!
『しまった。エリュスと戦友をおいてきた』
うしろを見たテュータは、しんとしずまりかえったおしろでまいごになっていたことをエリュスと戦友とはぐれてだいぶ経ってからきがついた。
『……でも、まっすぐすすめば、まおー、ぜったいにいる』
テュータはエリュスと戦友のことをいっかいわすれて、まえに行く。
すると遠くから
『グオオ゛オ゛オ゛ア゛ア゛ア゛ア゛!!』
『うおああぃっ!?』
おおきな叫びごえが聞こえて、いそいで耳をふさいだ。びっくりした……。
『びっくりした、けど、みつけた。まおー』
ふさぐためにつかっていたてを耳から放して、声のしたほーをみる。すこしとびらがあいていて、そこから光がちょっとみえてた。おへやにいるんだ、まおー。
『不味い……。どれも良い状態の肉じゃないなァ……。腹が立つ……』
ひかりがみえるへやからひくい声が聞こえる。さっきの叫びごえのこえといっしょだ。
(ごはんだったのかまおー。けれど、おいしくないのか。エリュスのオムオムは美味しいんだよ。知らせてあげたいくらい。ぉう? 肉?)
まおーがごはんにしていたのは肉だけど、おへやからもれてるにおいはケモノの血のにおいじゃない。おへやのとびらのまえにいっぱい落ちてるのは、ぜったいにんげんのもの。人間食べるまおー……。
(たちがわるい)
テュータこのまおー、ぜったいたおす。このまおーきらい。テュータてきに。
そっと扉に近づいた。
パキッ。
あ。しまった。落ちてたなにか踏んじゃった。
『ん? 誰かいんのか? 人間なら口直しに喰べてやるか……』
どうしよー。テュータ、たべられちゃう。テュータ、ろくさいでしんじゃう……?
(エリュス……!)
ギイィィ。とびらが開いた。ピンチ。もう、だめ?
『なんだガキか。ッチ! ガキはまだ体がまだできてねぇから肉の量が少ねぇんだよ』
『…………』
かちん。テュータあたまにきた。こいつ、すぐにオムオムみたいに、たまごとごはんとがバラバラみたいにして、すくらんぶるえっぐみたいにぐちゃぐちゃにしてやる。
テュータのおててをぱんってする。
《まのーりょくかいほーっ!》
テュータの足元にまほーじんしゅつげん。
《アンバレストコード 起動 ソードを排出します》
ぱんとあわせたおててをそーっと放していく。テュータのおててにおおきなソードしゅつげん。ちいさいおててにおおきいソード。ぎゅっとにぎりしめ、まおーをおどろかせる。
『なっなんなんだこのガキはっ! なんで手から剣なんて出るんだよ!』
まおー、そうていがいでおどろいてる。あせっていろんなものふんでる。
あひゃー、おへやににげこんじゃった。
『なんでって、しりたい?』
おへやににげたまおーをおって、テュータもおへやにはいる。
おへやのなか血のにおいでいっぱい。いろんなところに人間のにくのかけらが飛び散ってる。うでとか、あしとか、ゆびとか――……。あさに食べたすくらんぶるえっぐのせぱんが、おくちからでてきそう。おえー。
……いけない。そんなこといってられない。テュータのもってるソードがいまかいまかって、ひかりをまとって使われるのを待ってる。
《キュイィィン》きどうおんがおへやに響く。
『テュータうまれたころからせんとうりょく無限でね』
テュータがすすむと、まおーがひきさがって、
『なにしてもいろんなものこわしちゃって、いろんなひとから怒られたの』
テュータがはなすと、まおーがだまって、
『けどね、もうちがうんだ』
ソードをもつてに、しぜんと力が入って、ぎしぎし、ぎしぎしいう。
『テュータ、みとめられた気がして、うれしかったの。エリュスとであって』
あれ。テュータ、怖くないな。むしろ、
『テュータは、テュータのままでいいって、言ってくれてる気がしたんだ。エリュスと過ごして』
むしろ、わくわくしてる。
『わかったんだ。テュータは、テュータは』
おおきくソードを振りかぶって、そして。
『さいきょーのまま、せかいを救うことが、テュータのしめいだって』
叫ぶまおーの声を聞いて、なんとも思わない。さっきのこわいきもちがなくなってる。
まおーの首にソードを思いっきり振り下ろす。
どばしゅっておとといっしょに、まおーの首がじめんにおちた。そのままごろんごろんところがってく。
ソードからてをはなす。まばたきのあいだに、ソードはひかりになって消えていった。
首がとんでいったのといっしょに、まおーの血うけちゃった。ばっちい。
『んしょ。ょいしょ。うえー。ばっちい』
首がころがっていったほうまで行って、まおーの首をもちあげたら、てにもあしにも、まっしろなふくにもまっかなものが……。
エリュスになんて言おう。ケチャップじゃごまかせないよな……。すっごいにおいするから。
きっと、いっぱい怒られる。……けど……。
ポンコツだけど、エリュスは……。
『いちばん、やさしい、いいひとだから、おこられても、怖くないや』
……とぅーびーこんてにゅーっ!
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
6
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる