詩集 始まりの時

小池竜太

文字の大きさ
上 下
5 / 37

ギターが弾けなくなってしまう

しおりを挟む
もしもこの身体が朽ちて
この身が滅んで
地球になってしまったら

ギターが弾けなくなってしまう
ギターが弾けなくなってしまう

若い頃には情熱を
かけて弾いてた一本(ひとつ)のギター
僕の母が買ってくれた
酸いに甘いも共にしたギター
死んで身体が無くなったら
この身が朽ちてしまったら

ギターが弾けなくなってしまう
ギターが弾けなくなってしまう
遊び半分でのんびり弾いてた一本(ひとつ)のギター
けれど心から心の底から愛していたギター

ギターが弾けなくなってしまったら
身体が無くなってしまったら
僕の楽しみは他に何がある?
空を泳ぐことか?
星を見ることか?

それは悲しい、悲しいことだ
辛いことだ

もしも生まれ変わりが望めたら
僕は再びギターを弾こう
決して怠惰にさぼらずに
一心に一本(ひとつ)のギターを弾いていこう
しおりを挟む

処理中です...